ANDPAD CUP完了レポート / 施工品質UP&現場訪問回数減で顧客満足度が向上 / 〜後編〜「職人から選ばれる工務店」へ。推進者の振り返りインタビュー

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堀将徳氏
株式会社HORI建築 常務取締役
建築系専門学校を卒業後、石川県金沢市にある工務店で1年間木造住宅の基本を学び、2009年に同社に入社。現場見習いから経験を積み、パートナーとの関わりを大事にしながら「仲間とつくる現場」づくりに愚直に取り組む。

吉田和世氏
株式会社HORI建築 工務 品質管理
ホテル、スポーツクラブ勤務等を経て、2016年に中途入社。住宅業界未経験ながら、工務課品質管理係として検査業務をはじめ、「現場スタンダード」の取り組みの事前準備や確認申請などのほか、業者との研修会HORI建築“未来塾”の準備など業務内容は多岐に渡る。



お客様のDX実現のためのサポートプログラム「ANDPAD CUP」。今回は、本プログラムを共催している株式会社HORI建築の事例をご紹介します。

施工管理、検査、受発注と、ANDPADを活用して生産性向上を図るなかで、さらなる品質と安全の向上による顧客満足度アップを目指し、2021年6月から「ANDPAD CUP」を共催。本プログラムの振り返りと、本プログラムを経てどのような変化があったのかについてインタビューを実施しました。

前編では、受賞者インタビュー及び表彰式の様子をご紹介しました。後編では、本プログラムの推進者である常務取締役・堀将徳さん、工務課品質管理係・吉田和世さんにお話を伺いました。評価指標の振り返り、ANDPADを活用することによる業務変化など「ANDPAD CUP」を振り返ります。



 

ANDPAD CUPの指標の振り返り

現場DXによる顧客満足の向上を目指し、「ANDPAD CUP」に取り組んだ同社。本プログラムを終えて受入検査の実施率がアップしました。また、その副次効果として、チャット、報告、写真の件数も飛躍的に伸び、社内外のメンバーがANDPADを活発に利用するようになりました。

ーー「ANDPAD CUP」の完了を踏まえて、受入検査を行うことによって施工精度に変化はありましたか。

吉田さん: 全体的にどの業種においても施工精度がアップしたと思います。受入検査のために職人さんが自分でビスのピッチなどを測らなければならなくなったことが影響して、基準に対しての精度が高くなりました。今は決められたことをしっかりとできている状態になっています。

以前は、例えば金物検査でビスが一本抜けていて是正指示をすることがありましたが、現状は大工に関して是正はほぼゼロになっています。ただ、なかには、一部項目の写真の撮影が漏れてしまい、ANDPAD検査上で検査の承認依頼が出せずに止まってしまうということもありました。撮影が必要な箇所が是正対象だと、「是正後に撮ろう」と思いつつそのまま撮影ができずに現場が進んでしまったというケースもあったようです。もしかしたら、こちらが求める写真の枚数が多すぎたのかもしれません。

株式会社HORI建築 工務品質管理 吉田 和世 氏

品質管理の向上によって顧客満足度UP

ーーANDPADを活用するようになってから施工精度が向上したことによって、品質管理係の業務にはどのような影響がありましたか。

堀さん: 元々品質管理は2名体制でスタートしました。1名が体調不良で担当を外れることになり、吉田に負担が集中することになってしまいましたが、担当者が1名になっても職人さんがお施主様に喜んでいただきたいという一心で受入検査に取り組んでくれたことで、きちんと進めていくことができました。職人さんも「吉田さん1人だと大変だから、サポートしないといけない」と意識してくれていました。

株式会社HORI建築 常務取締役 堀 将徳 氏

ーー品質管理係の業務として、現場訪問回数にはどのような変化がありましたか。また、品質管理係が2名から1名になったことで業務が圧縮された部分もあると思いますが、働き方は変わりましたか。

吉田さん: 以前は週1,2回現場に足を運んでいて、検査があればもっと多くなることも。片道1時間の1現場を50回くらい訪問していたので、今までは無駄に行っていた部分もあったかと思います。

品質管理が2人から1人になって物理的に現場に行けなくなったということもあり、職人さんが上げてくださる写真を使って、あるものでバトンを繋いでいくやり方になりました。職人さんたちがANDPADに写真を上げてくれるので、必要な時に現場に行くということが実現できています。

堀さん: 今回「ANDPAD CUP」に取り組むことで、ANDPADとANDPAD検査の活用が一段階向上しました。それによって、現場の動きによっては1〜2週間現場に行かないことも。職人さんが吉田に会えなくて寂しがるくらいです(笑)。協力体制ができてきたことで、訪問回数は20数回くらいまで減らすことができています。

大工さんも「この日に来てもらったらベストだよ」と伝えてくれる人も増えてきました。ちょっとずついい方向に向かっていると思います。顧客対応や資料作成のために時間を費やせるようになってきています。

ーー受入検査に限らずANDPADに写真が上がることによって、お施主様に進捗状況を写真付きでリアルタイムに提供できるようになったかと思います。顧客満足度は以前に比べて上がっていますか。

吉田さん: いくつか主要な検査があるのですが、お施主様にはリアルタイムで「検査が終わりました」という報告をしています。引き渡し時にお施主様に検査報告書を提出する時にANDPAD検査の出力機能を利用して、検査報告書と工事写真の2点をお施主様に渡しています。現状、検査時の写真は品質管理担当が撮影したものを使用しています。

堀さん: 引渡しアンケートで、着工中のお施主様とのコミュニケーションについて品質管理の評価を聞いています。アンケート項目は部門に分けているのですが、以前は営業、設計、工務の担当者の対応について聞いていました。今回、品質管理も項目に加えました。

従来は、営業段階で「品質管理をしっかりやっています」と営業が説明するだけで、そこから品質管理と接点がないまま進めていました。家づくりをする人は大抵が初めての体験。「家を建てたら検査してくれるだろう」という延長線上で、品質管理をすること自体当たり前のことだと思われていたところもあります。初めての家づくりを相対的に評価をしていただくことが難しいため、縁の下のいい仕事を頑張ってもきちんと評価していただくにはハードルがあった。せっかく良いことをしているのに、どうやったら自分たちの仕事を評価してもらえるかと考えて、品質管理係から施工中の写真をリアルタイムで共有するようになりました。

施工プロセスの品質管理を定期的にお施主様に共有するようになってから、最近は「大満足」をいただけることが多くなっていて、お施主様からの評価が上がっているのを実感しています。「定期的に報告してもらって安心できた」などのご意見をいただいています。

ANDPADの活用によって職人の「いい仕事」への意識が向上

ーー社内外共にANDPADの利用率が非常に伸びた印象がありますが、ANDPADを利用するようになってから職人さんの意識や行動の変化はありましたか。

堀さん: チャットと写真の使用率が上がっている実感はありますね。入退場はほぼほぼやってくれている状況です。「ANDPAD CUP」で棟梁賞を受賞したウエハラさんは会社自体が賛同してくれてやってくれていて、ベニヤ板を一枚搬入しただけでも写真を撮ってチャットで報告をくれます。こうしたウエハラさんの動きがひとつベンチマークになってくれていて、いい管理体制が構築できています。

今は私と吉田が現場に行ってANDPADの使い方などを教えたりしていますが、入退場報告などについては大工さんから職人さんに教えることもできるようになるといいですね。

吉田さん: 写真を上げてもらう全項目のサンプル写真を入れているので、どういうアングルで撮ればいいのかが分かりやすくなり、良い写真が上がってくるようになりました。現場をきれいにしてくれていつ・どこを撮ってもいい状態になっていて、写真を撮りやすい環境になっているのも大きいと思います。

また、職人さんがチャットで上げてくれた写真をお施主様にも共有しているということを未来塾で報告することによって、「自分たちが撮ったものをちゃんと使ってくれているから、もっといい写真を撮ろう!」と思ってくれて、より良い写真になってきていると思います。

堀さん: お施主様には引渡し時に家づくりの過程をまとめたDVDをお渡ししていて、当日新居で映すイベントをしています。映像の最後には携わった協力会社さんや職人さんの名前も入れていて、その映像を見たお施主様はとても感動してくださいます。お施主様からの感動の涙や家づくりを終えたコメントなど上映会の様子を録画して、それを未来塾で流しています。これをやるようになってから、職人さんからは「モチベーションが上がる」と評判がいい自分の仕事を黙々とやっていたような人が「お施主様のために」と言ってくれるようになったり、「お施主様来たから説明しておいたよ」という報告をもらったりと、職人さんの心がどんどん豊かになっていると感じています。

今後の課題と取組みについて

ーー「ANDPAD CUP」を経て見えてきた今後の課題について教えてください。

堀さん: ANDPAD検査の実施率については、結果として全体で40%前後となっています。これから80%を目指したいですね。検査の実施率が停滞してしまっている理由としては、こちらからの発信力に課題があるほか、ANDPADのIDを付与している範囲も関係していると考えています。現状は親方さんにはIDを付与しているものの、実際に現場に入る職人さんにはIDが付与されていない状態。職人さんがたくさん写真を撮ってくださっても、それをANDPADにアップすることができないため、検査の実施率が40%以上になりづらい状況になっています。この状況を解消するために、ID数を増やして現場に入る職人さんにまで渡していっている最中です。

これから実施率を引き上げていくためには、協力会社さんに直接電話をしたり、現場に会いに行ったりというリアルコミュニケーションでコツコツやるしかない。実際に、今回「ANDPAD CUP」を通してそういったアプローチを行ったことでできるようになった協力会社さんもいます。今後もコミュニケーションに時間をかけて実施率を上げていきたいです。

また、社内においては、施主対応は週末が多いため吉田が土日にANDPADに写真を上げてくれたりもしてくれているのですが、働き方改革という観点では課題ですね。社内でのANDPAD利用率は上がったものの品質管理や監督以外を充分に巻き込めていない状況なので、営業や設計にももっとANDPADを利用してもらえるように働きかけていきたいです。

ーーでは、最後に「ANDPAD CUP」に取り組まれたご感想と、今後実現したいことについてお聞かせください。

吉田さん: 受入検査を実施しない人に対してどうアプローチしていったらいいか悩んでいた時に、アンドパッドさんがクオリティの高い現場掲示物のPOPをつくってくれました。こうしたサポートが凄く心強く、私自身のやる気にも繋がりました。

堀さん: 「ANDPAD CUP」を実施して良かったと思います。われわれもこの取り組みをきっかけに現場DXに向けて一歩踏み出せたというのもありますし、社内外のメンバーを巻き込むきっかけになりました。もちろん、爆発的に巻き込めたらもっと良かったですが、今までできなかったことができるようになったので、やってよかったです。

何より、ANDPADを活用しながら顧客満足を追求していったことで、働く人の心の部分が豊かになってきていると感じています。それが自ずとお施主様の感動にも繋がっています。ツールを導入して使うことは誰でもできますが、人の内面、心の部分は簡単には変えられません。お施主様のことを想う心をさらに磨き上げて、新しい取り組みにもチャレンジしていきたいです。

* * *

現場DXによる顧客満足の向上を目指して「ANDPAD CUP」に取り組み、受入検査の実施率が向上した同社。社内外のメンバーのANDPAD利用が活発になったことで、品質管理係の業務改善も実現しました。そして、同社が長年取り組んできている「未来塾」の場を通した価値観の共有や「現場きれい」が根付いていることがデジタルの活用によって加速し、職人の「いい仕事」にも繋がり、職人から選ばれる工務店にも繋がっています。

より一層ANDPAD検査の実施率向上を目指し、さらなる顧客満足を追求していく同社に、引き続きANDPADは伴走していきます。



「ANDPAD CUP」に取り組んでいただいた皆様、お疲れ様でした。そしてご尽力いただきましたHORI建築の堀常務、吉田様、本当にありがとうございました。

今回のANDPAD CUPにおける評価対象は現場単位だったため、誰か一人が頑張るだけではなく全員で取り組んでいかなければ出せない結果だったと思います。その中でどの現場も棟梁を中心にチーム一丸となって、前向きに取り組んでいただけました。これは本企画だけではなく、常日頃から未来塾を通して協力会社様間のコミュニケーションがとりやすい関係性を構築されていたからだと思います。実際に、今回未来塾の場にも参加をさせていただき、それを肌で感じることができました。

一旦ANDPAD CUPは終了しましたが、本企画はあくまでもきっかけ作りでしかないと思っております。今後さらに現場DXを加速し、お施主様の感動に繋がる活動ができるよう、我々もご支援させていただきます。引き続きよろしくお願いいたします。

株式会社HORI建築
https://www.hori-aa.co.jp/
〒620-0808
京都府福知山市字土1117-122
代表取締役:堀 昌彦
創業:1985年12月

取材・編集:平賀豊麻
編集・デザイン:原澤香織
ライター:金井さとこ
デザイン:安里和幸