ANDPAD CUP中間レポートVol.2 / 〜前編〜ANDPAD CUPで新たな受入検査にチャレンジ / さらなる顧客満足向上のために品質・安全を極める

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堀将徳氏
株式会社HORI建築・常務取締役。建築系専門学校を卒業後、石川県金沢市にある工務店で1年間木造住宅の基本を学び、2009年に同社に入社。現場見習いから経験を積み、パートナーとの関わりと大事にしながら「仲間とつくる現場」づくりに愚直に取り組む。

吉田和世氏
ホテル、スポーツクラブ勤務等を経て、2016年に中途入社。住宅業界未経験ながら、工務課品質管理係として検査業務をはじめ、「現場スタンダード」の取り組みの事前準備や確認申請などのほか、業者との研修会HORI建築“未来塾”の準備など業務内容は多岐に渡る。

片岡葉月氏
高校卒業後、工場勤務、歯科助手を経験。転職を検討していた際に同社の求人を見つけ、住宅業界未経験ながらも祖父が大工で馴染みのある分野だったことから、2019年中途入社。工務課品質管理係に配属され、検査業務をはじめ、さまざまな業務に携わる。

DXの実現には、各社それぞれが描く未来像に応じた業務プロセスの変革と、それに呼応したANDPADの運用構築が必要です。そのためにまずは、社内外のANDPAD を利用するユーザーに目的に応じた利用が正しく浸透することが必要不可欠になります。そこで、ANDPADでは、お客様のDX実現のために「ANDPAD CUP」というサポートプログラムをつくりました。

今回は、本プログラムを共催している株式会社HORI建築の事例をご紹介。京都府・福知山市で、「木の家専門店」として自然素材にこだわった健康増進住宅に本気で取り組んでいる同社は、「仲間とつくる現場」を強みとし、「HORIスタンダード」という現場美観への取り組みが高く評価され、住宅産業塾主催の「魅せる現場コンテスト」で3年連続総合最優秀賞を受賞して殿堂入りを果たすなど、業界をリードし続けている存在です。施工管理、検査、受発注と、ANDPADを活用して生産性向上を図るなかで、さらなる品質と安全の向上による顧客満足度アップを目指し、「ANDPAD CUP」を共催することになりました。今回は、同企画を推進している常務取締役・堀将徳氏、工務課品質管理係・吉田和世氏と片岡葉月氏の3名にインタビューを実施。前編では、「ANDPAD CUP」実施の背景や目的、開催するにあたってのプロセスについてご紹介します。

「ANDPAD CUP」実施の目的

――今回、貴社と弊社で「ANDPAD CUP」を共催させていただいておりますが、貴社が「ANDPAD CUP」にご興味をもっていただいた背景と目指すべきゴールについて教えてください。

堀氏: ANDPADを導入してから、図面などの資料格納などクラウド上の管理がスムーズに使えるようなりました。チャットや発注システムによってコミュニケーションもANDPAD上で行えるようになってきたなかで、工務店としてさらに一段階上の目標設定として、当社が重視している【品質・安全・顧客満足】の3つをさらに磨いて発展途上の部分を極めたいと考えました。そこで、現場品質基準に則った新しい取り組みとして「ANDPAD CUP」をやってみようと思いました。

常務取締役・堀将徳氏

――品質と安全面の追求というゴールに対して、具体的にどのような指標を設けたのでしょうか。現状の課題なども踏まえて教えてください。

片岡氏: 今までは、工事写真を撮影するためだけに現場に行ったり、職人から聞いた予定を共有する場がなく電話で確認したりしていたので、検査に専念できるような体制づくりが必要でした。ANDPAD導入後はチャットを活用して業者様同士で情報を発信し合うようになりました。

品質管理係は、当社が定めた18項目の検査を行っていますが、事前に現場の状況が把握しきれず写真が撮れない項目があって再度訪問することもあり、現状は1棟あたり40〜50回現場に行くこともあります。移動時間は片道1時間程度ですが、社用車で行くため一旦事務所に戻る必要があり、どうしても残業時間が多くなってしまいます。この取り組みを通して、現場の職人に受入検査業務上必要な写真をANDPADに上げてもらえるようになれば、われわれが現場に行く回数を減らすことができます。現場への訪問回数は30回におさめるのが理想です。

 

工務課品質管理係・片岡葉月氏

吉田氏: ANDPAD導入前は、検査項目とは別で、施主報告のために必要な写真がなく、再度撮影に行くケースも。その内容を堀常務に確認していただいてお施主様に報告していただいているので、なかなかタイムリーな連絡ができずにいました。ANDPAD導入後は、品質管理係が施主提出用の写真を撮りに行くことはなくなり、その分施主報告業務を常務から引き継いでいます。

品質管理業務だけであれば勤務時間内に終えられますが、その他の業務も担当しているので、検査に行っても検査ができる状態ではなかったり、写真を撮影するためだけに現場に行くという無駄な部分を削減することで、お施主様向けの業務や事務処理業務などの品質改善に充てたいと考えています。

工務課品質管理係・吉田和世氏

堀氏: 残業時間は多い時で月30時間くらいになっているので、1/3程度におさまるようにしていきたいと考えています。

品質管理の生産性が上がった分、お客様に家づくりを安心してもらうために週数回の週間報告や検査報告を行い、品質管理の大切さをアピールしていきたい。職人が撮影した写真がそのまま報告に使えるクオリティになればお客様とのコミュニケーションがシンプルになるので、質を上げて顧客満足を実現していきたいです。

 

「ANDPAD CUP」開催に向けてのプロセス

――では、「ANDPAD CUP」の実施内容について教えてください。また、評価指標の策定にあたって、当社との打ち合わせや、貴社内でのお打ち合わせはどれくらいされましたか。

堀氏: 「ANDPAD CUP」の実施内容としては、2021年6月からANDPAD[検査]で運用を開始する予定の受入検査を対象に、各担当現場の受入検査業務において、業種別に写真提出枚数を設定して達成率で評価します。対象となるのは全4棟になります。

アンドパッドさんとは3回打ち合わせをして、大きな流れの部分ついて決めていきました。社内では4〜5回は話し合いましたかね。当社はHORI建築“未来塾”(協力業者会)という、社員と協力業者、職人同士が信頼や幸せを共有するために毎月開催している研修会があります。職人の意識を高める場として、「良品質施工」、「現場きれい」、「好印象マナー」の3つの基準で毎月テーマを決め、現場における課題解決や行動指針について議論しています。この未来塾のなかで、吉田が現状と今後の方向性などを話す内容について検討しました。

――定量的な検査の実施率で評価を行うチーム賞、個人賞のほかに、貴社独自で表彰の賞をいくつか設定されていらっしゃいますが、ぜひ狙いとともに詳しく教えてください。

堀氏: 当社独自の賞は「DX賞」、「スポット賞」、「Goodchat賞」、「棟梁賞」の4つ。まずDX賞は、業者様のなかには、まだスマートフォンを使用しておらず、ITに疎い方もおられるので、これを機にANDPADを使いこなしてもらいたいという思いでつくりました。スポット賞は、プレカットや生コンなど現場に行かない納材業者などにも今回の取り組みに参加してほしいということで設けています。こうした納材写真などもお客様にも品質の説明化できるという狙いもあります。Goodchat賞は、まだチャット機能を使いこなせていない業者様に対してチャットで写真などをアップしたりコミュニケーションを取ってほしいということで設けました。棟梁賞は、一番協力してほしい棟梁を巻き込み、社内からの目線だけでなく現場を一番見ている棟梁から称賛してほしいという思いを込めてつくった賞になります。

――毎月開催している協力業者との未来塾、そちらの6月度の会合でキックオフを開催されました。「ANDPAD CUP」で職人の皆様を巻き込んでいくためにどのような点に注力されましたか。

片岡氏: キックオフの際に、少なからず温度差は見られました。グループディスカッションでは、チャットや検査のツールを使うことによって利便性が上がっていることを実感されている方からは前向きなご意見をいただきましたが、受入検査実施に伴い、「業務が増える」というご意見も。はっきりと「やりません」と断言された業者様もいらっしゃって、両極端の反応でしたね。

吉田氏: そこで、まずはやる気のある人から仲間にしていってそこから盛り上げていくようにしました。せっかく上げても無反応だと続けてくれないので、活用促進のためにチャットに報告を上げてくれた際は会社側から労いの言葉など返信したり、ANDPAD上で評価をしたり、なるべくこちらから発信するようにしました。業者様が動きやすくなるような環境をつくるために声がけをする工夫をしています。

ANDPADの活用による生産性向上をご実感されているなかで、工務店としてさらに一段階上を目指すために、【品質・安全・顧客満足】の3つをさらに磨こうと「ANDPAD CUP」を開催された同社。独自で表彰の賞を設定されているところは、定期的に協力業者会を実施し、それぞれの業者様のANDPADの活用状況をしっかり把握されているからこそ生まれたアイデアではないでしょうか。この取組みへの業者様の温度差を埋めるべく、やる気のある方を仲間にしながら職人同士のコミュニケーションを活発にして輪を広げていったり、業者様からチャットに報告が上がった際は素早くレスポンスを返すなど、業者様のモチベーションが上がり、動きやすくなるような環境づくりへの細やかな工夫を実践されていました。後編では、中間報告での取組みの成果や、今後の意気込みについてご紹介します。

株式会社HORI建築
https://www.hori-aa.co.jp/

〒620-0808
京都府福知山市字土1117-122
代表取締役 堀昌彦
創業:1985年12月

取材・編集:平賀豊麻
ライター:金井さとこ
デザイン:佐藤茜