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株式会社住泰|売上20億円を目指す、外装工事業者のデジタル活用

〜前編〜小さな業務改善の積み重ねで働き方改革を推進! 週休2日制を実現

目次

  1. 塗装に留まらず、総合的に外装リフォームを提案
  2. 「週休2日制」の徹底に向けて地道に取り組み、働き方改革を推進

1992年の創業以来、栃木県宇都宮市を拠点に30年以上にわたり外装工事を手がけ、地域の暮らしを支えてきた株式会社住泰。塗装工事と屋根工事をはじめ外装工事のプロとして、お客様にとって安心な外装リフォームを提案している。

同社は2019年にANDPADを導入。外装工事業においてANDPADをどのように活用しているのかを伺うべく、代表取締役 千葉 猛さんと、品質管理部 所長 吉田邦彦さんにインタビューを実施。前編では、同社創業の経緯と強み、働きやすい環境づくりに向けた取り組みについて伺った。

千葉 猛氏
株式会社住泰 代表取締役
外壁のリフォーム会社で3年間営業として従事。その後、会社の先輩とともに独立し、1992年に建築リフォームの個人経営をスタート。塗装リフォームの施工も手がけるようになる。2006年に法人化し、同社の代表取締役に。
 
吉田 邦彦氏
株式会社住泰 品質管理部 所長
元塗装職人。同社の外部パートナーとして携わっていたことをきっかけに、2019年同社に中途入社。現場監督として現場管理および顧客対応を担当する。

塗装に留まらず、総合的に外装リフォームを提案

栃木県宇都宮市を拠点に、30年以上地域に根ざした外装リフォーム会社としてさまざまな工事を手がけてきた同社。代表取締役である千葉さんに、同社を創業した経緯について伺った。

千葉さん: 子どもの頃からものづくりが好きで、建物、特に戸建住宅への興味がありました。就職先を探していた時に、外壁リフォーム会社の求人広告を見て営業として入社したのが、この業界に入ったきっかけです。その会社では訪問販売の営業として従事しました。次第に案件を受注できるようになるとやりがいも感じはじめ、結果的に3年ほど営業として奔走しましたね。

その後、仲の良かった先輩が独立すると聞き、一緒に会社を立ち上げました。そこからは、アポ取りに明け暮れる日々。初めのうちは順調にアポがとれて成約までいけたのですが、当時、高齢者を狙った悪徳訪販の横行により徐々に相見積もりになることが多くなりました。そこで、価格競争に勝つために、自社施工を手がけるように。営業して、契約して、足場を建てて施工までを自分ひとりでやりました。施工に関しては見よう見まねだったので、はじめはうまくいきませんでしたが、以前の会社で仕事を一緒にしていた職人さんにアドバイスをもらいながら、徐々に経験を積んでいきました。

次第に案件が増えて忙しくなってきたので、職人さんを募集して工事を依頼するように。どんどん営業の方が忙しくなり、私自身は施工から手が離れていきました。東日本大震災を機に自宅の強度に関心を持つ方が増え、さらに問い合わせもぐんと増えたので、営業の社員も増やしていきました。


株式会社住泰 代表取締役 千葉 猛氏

自社施工をスタートしたことで競争優位性を構築し、着実に会社として成長してきた同社。「塗装だけでは家は守れない」という考えから、外壁塗装・屋根塗装だけでなく、次第に板金工事・瓦工事・防水工事なども手がけるようになった。総合的に外装リフォームの提案ができることも、同社の大きな強みとなっている。

千葉さん: 塗装をメイン事業にしている場合、お客様から依頼があったときには外注するかたちで板金工事に対応することが多い傾向にあります。その際に外注先に見積もりを取りますが、自社に蓄積している知識や経験が乏しいからこそ、どうしても「言い値」の見積金額になってしまい、値段は若干上がりがち。その価格がお客様に提示されます。対して当社の場合は、板金工事についても知識・経験を蓄えているため、お客様に対して適正価格での見積もり提示が可能です。そのため、相見積になった時にも競合他社に勝つことができます。


板金工事の知識や経験が豊富な同社は、的確な現場調査から、必要となる技術や施工方法に基づいた適切な見積もりを出すことができる。「言い値」ではなく、実測値の「指値」をしっかり提示することで勝つ。職人から学び自身で施工を手がけてきた千葉さんが培ってきたエッセンスが活かされ、会社としての強みへと昇華している。

「週休2日制」の徹底に向けて地道に取り組み、働き方改革を推進

会社として成長していくにつれて、社員も増員していった同社。営業部や品質管理部のほか、塗装職人の職人歴も数年から10年以上、長い方では40年と幅広く、バラエティに富んだ人材が集まっている。現在、同社の現場管理を担当する吉田さんは、以前は同社から仕事を請けていた元塗装職人だ。

吉田さん: 私が入社するより前は、当社には現場監督という役職はなく、現場から営業までを一貫して担当していたようです。これからさらに売上を伸ばすため、営業は営業に専念し現場は現場監督が担当、と分離しようとなったタイミングで声をかけてもらい、当社に入社しました。


株式会社住泰 品質管理部 所長 吉田邦彦氏

従業員の働く環境を改善するために、同社ではデジタルツールやクラウドを活用することで、週休2日の定休日の確保や労働時間の削減にも取り組んでいる。

千葉さん: 20時に社内の電気を消灯するようにしたのも、経営者としての意思表明のひとつ。勤怠管理アプリを導入していて、どうしても残業しないといけない場合は上長に申請が必要になっています。こうすることで、会社が目指しているのは「社員全員がより生産性を高めること」であると、わざわざ言わなくても理解してもらえるようになりました。

私が人事も経理も営業も全てやっていた頃から徐々に人が集まってきて、組織化していくなかで各自の役割範囲が明確になっていきました。業務の最適化が図れるようになり、業務生産性も向上し、働き方改革が進みました。

吉田さん: 私が入社した頃から週休2日制とは言われていたものの、実際にはそのうち1日は仕事をしている人も多かったです。ちょうどANDPADを導入した2019年頃から改善しはじめ、ここ2年ほどで営業も現場監督も残業時間がぐっと減り、週休2日制を実現できるようになりました。

特にANDPADチャットを活用するようになってから、外部の職人さんとの個別連絡が減っていますね。今までは、同じ現場に入っているそれぞれの工種の職人さんと個別で連絡を取り合っていたので、ANDPADチャットで業務連絡がスムーズになったことで時間的にも余裕が生まれて、休みが取りやすくなりました。

一方で、職種により休みのタイミングが異なることから生じる問題もあるという。営業は火水休み、現場監督は土日休みであるため、双方が稼働しているのは週のうち3日間のみ。さらに土曜については現場は動いているため、職人から現場監督に連絡が入ることも多く、気が休まらないという現場監督の悩みも課題となっている。

吉田さん: 職人さんが稼働していて現場監督が休みの土曜については、職人さんから連絡が入った場合には営業が代わってやり取りできたらいいと思うのですが、営業は営業でお客様対応があるため難しい。しっかり休める環境をつくるまでには、まだ解決しきれていない課題がある、というのが現状です。ただ、稼働する曜日が重なりにくい営業と現場監督との間でのコミュニケーションにおいては、ANDPAD上でやり取りが完結する場合もあるので助かっています。

千葉さん: 働く環境を整えていくことは、新たな人材を確保しやすくなり、採用面においてもいい影響があると考えています現場監督が、気持ちの面でも土日にしっかり休めるような体制にできるように、今後取り組んでいきたいです

外壁塗装・屋根塗装だけでなく、板金工事など総合的に外装工事を手がけることで、価格競争になりやすい外壁リフォームのなかで競合優位性を発揮している同社。会社として成長していくなかで、組織体制を整備し、社員の働きやすい環境づくりにも取り組んできた。その一環で、業務効率化を図るために同社はANDPADを導入した。後編では、ANDPADの運用浸透までのプロセスや運用フロー、今後の展望について紹介する。

株式会社住泰
URLhttps://www.tochigi-gaiheki.com
代表者代表取締役 千葉 猛
創業1992年3月
所在地栃木県宇都宮市東谷町649-1
取材・編集:平賀豊麻
編集:原澤香織
ライター:金井さとこ
デザイン:森山人美、安里和幸
顧客担当:木村有沙、佐瀬遼介
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