〜前編〜急成長を遂げているリフォーム会社の現場DX / 創業以来トップラインを伸ばすやまもとくんの成長戦略に迫る

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山本雅俊氏
X Y Zホールディングス株式会社 代表取締役/株式会社やまもとくん 代表取締役/他4社を経営。音楽専門学校を卒業後、音楽活動中心の生活を送る。22歳でエクステリア資材・園芸資材などを日本全国に供給する物流・卸売企業に就職し、営業職として従事。翌年リフォーム会社へ転職し、営業実績では最年少ながら数々の記録を更新。2015年に独立し、株式会社やまもとくんを設立。現在に至る。

永島竜次氏
業務管理本部 本部長。子どもの頃からサッカー一筋で、大学時代はJリーガーを目指すが、怪我に悩まされ断念。大学卒業後に飲食店立ち上げメンバーとしてジョインし、店舗運営のノウハウを学ぶ。2015年に山本氏らと共に、創業メンバーとして同社に入社。業界未経験ながら営業、支店長を経験し、現在は現場サポート部門のトップとして活躍中。

池上利也氏
業務管理本部 施工管理課課長/営業サポート課 課長。大学卒業後、大手家具会社に入社し、施設の内装工事の法人営業を経験。その後、転職して国家資格取得講座の営業・拠点責任者や、進学塾の生徒募集の営業を経て、リフォームの専門店に転職。店舗責任者として活躍したが、会社の経営が悪化する中で山本社長と出会い、当時の従業員も含め株式会社やまもとくんが買収。現在は業務管理本部にて営業のアシスト、内装の請負、顧客対応、新規下請け業者開拓などに携わる。



2015年に創業し、埼玉県川越市を中心とした幅広いエリアでリフォーム事業を展開している株式会社やまもとくん。創業以来、破竹の勢いで急成長を遂げ、近年業界内でも大注目の企業だ。2020年にはホールディングス化して多角的な経営体制を築き上げ、「揺り籠から墓場まで」サポートする生活総合産業を目指し、暮らしに欠かせないサービスを展開している。今回は、代表取締役・山本雅俊氏、創業メンバーである永島竜次氏、営業サポート業務を担当する池上利也氏にインタビューを実施。前編では、創業の背景から急成長と遂げた現在の同社の強み、多角的なグループ経営に踏み切るまでの歩みについてフォーカスする。

創業の背景と会社の強み

リフォーム事業を主軸としながら、生活総合産業を目指して多角的な経営を展開し、躍進し続ける同社。創業者であり、現・代表取締役である山本氏が同社を立ち上げたのは、2015年3月、当時25歳の若さだった。

元々、リフォーム会社の営業職に従事していた山本氏は、仕事を通じてリフォーム業界の不透明さなどの負の部分に対して歯痒い思いをしたことから、好きな仲間と好きな仕事に邁進したいと一念発起して同社を創業。当時は10名ほどだった従業員数は現在90名、13店舗を展開するなど、破竹の勢いで急成長している真っ只中だ。

同社は外装リフォーム工事を強みとしており、現状は外装工事が6割を占めている。リフォームのため年配のお客様が多く、平均単価は120〜130万円。定期点検は1年、3年、5年で実施し、アフターサービスは最長10年の保証付きで、お客様に安心感を与えている。

写真:山本雅俊氏  X Y Zホールディングス株式会社 代表取締役/株式会社やまもとくん 代表取締役 

チラシ×現場垂れ幕 エリア特性に合わせた集客戦略

同社が創業から現在に至るまで急成長を遂げている理由の一つに、エリア特性に合わせた的確な集客戦略が挙げられる。紙メディアが根強いというエリア特性を踏まえ、チラシを中心としたプロモーションを実施。それに加えて、工事現場を覆う外壁シートに貼る垂れ幕のデザインにも注力している。現場自体に広告の役割を持たせることで、看板の設置コストも削減できているという。
さらに、先々を見越したwebによる集客にも取り組み、あらゆる角度からアプローチすることも怠らない。

山本氏: 工事現場用のシートにはこだわり、何度も試行錯誤をして垂れ幕のデザインを検討しました。サイズを通常の3〜4倍サイズで大きくアピールしているのが特徴です。近隣からの問い合わせによる契約も多いので、近隣の方限定のキャンペーンを実施することも。まだまだ紙メディアが強いエリアなので、チラシと現場の垂れ幕の相乗効果で集客は好調です。

永島氏: コロナ対策の一環として「LINE de見積もりくん」、「写真de見積もりくん」などのリードタイムを短縮するような取り組みはスタートしましたが、エリア性もあり、現状は売上全体の1割程度でまだまだ手応えはイマイチですね。リフォームは奥が深いというか、仮に家が同じ設計でも、同じ傷み、同じ悩み、同じニーズにはならない。リフォーム=オーダーメイドだからこそ、今でもface to faceがやっぱり強い業種だとも感じています。安い買い物ではないので、どうしても「会って相談したい」し、「信用出来るのか見極めたい」というお客様が圧倒的に多いですね。徐々にネットが主流になっていくかもしれませんが、高い買い物だからこそお客様も真剣に慎重に選別し、ご判断いただいていると思います。

永島竜次氏 株式会社やまもとくん 業務管理本部 本部長

「即日対応」の鉄則。初期対応のスピードと提案力

リフォーム業界における受注プロセスで重要視される「スピード」。特に、関東圏はエリア特性からその傾向が強く、いかにスピード感のある提案及びクロージングができるかが求められる。同社はなんと、お客様からの問い合わせが入ると即日対応するのが鉄則なのだという。

永島氏: 初回から受注までのプロセスでは、初期対応のスピードと提案力を大事にしています。なるべくお問い合わせがあった当日中に訪問するようにしていますが、お客様のご都合に合わせて別日程にアポイントを取ることもありますので、そこはフレキシブルに対応しています。
リフォームはどうしても「属人的かつ伝言ゲーム」になりがち。提案力に関しては属人的な要素で人によってムラが出てしまうのが課題なので、社内で仕組み化をしてムラが出にくく、かつ良質な提案ができるような体制を構築しています。ANDPADを活用して、契約前までに営業が現調写真、見積内容、お客様との打ち合わせシートをANDPAD上に残す運用にしています。

山本氏: 営業の教育に関しては、基本的に現場を経験しながら積み上げていくスタイルです。業務自体もシンプルにしているので、現場で経験を積んでもらいながらスキルを高めています。
最近は採用面に注力し、未経験でも人間性をしっかり見極めて、当社に適合した人材を採用しています。適正診断含めて判断基準の項目が全てOKだった場合採用するようにしたことで、離職率も減ってきました。

そして、スピーディーかつ良質な提案力を磨くために「無駄なもの」をそぎ落とす工夫も怠らない。同社はショールームを設けず、実際に商品を体験するプロセスはお客様主導にして切り分けている。

山本氏: 一時期ショールームを展開していましたが、現在は体験型の店舗は構えていません。今はネットで疑似体験しやすい環境になっているので、我々が介在する必要性があまりない。なので、商品自体の確認は各設備・建材メーカーのショールームをご案内するようにしています。商品ラインナップ変更時に入れ替えを行う手間とコストがかかりますし、無駄なものは極力排除しています。

多角的なグループ経営への歩み

創業6年目にして13店舗を構えるリフォーム企業として急成長を遂げ、現在はホールディングス化し、多角的なグループ会社を営まれている同社。しかし、創業当初は、グループ経営までは想定していなかったという山本氏。会社として大きく舵を切るターニングポイントとなったことはあったのだろうか。

山本氏: ターニングポイントはいくつかありますが、一番大きいのは”人との出会い”ですね。
創業当初は、仲間で楽しく自由に、そして本気で仕事ができればそれでいいと思っていました。会社も経営が軌道に乗ると、経営者の方と関わる機会が増えて、皆さんいろいろな“想い”をもって経営してるんだなと感じた時に、自分自身に違和感を覚えました。「僕はどうしたいんだ?」「ビジョンが上手く描けてないじゃん」「このままでいいのか?」「社員守れるのかな?」と。業績は右肩上がりでしたが、家に帰るといつも一筋の虚しさを感じていたんです。そして、その虚しさを“埋める”というか“掻き消す”ように、毎日、毎日あらゆる書籍を読み漁りました。本を読むと、不思議と大先輩の経営者やお世話になっている人達のお話が自分の目の前の課題と重なったりして、更に深く勉強になったと思います。
そんな繰り返しの中で、シンプルに「事業を通じて多くの人を喜ばせたい。笑顔にしたい。」と思いました。そして、お客様の生活に欠かせない存在となり、いくつものサービスを展開していこう!と決意しました。”人との出会い”によって、自分の経営に対する礎が固まり、ビジョンが明確になった瞬間が、ひとつの大きな分岐点だったと思います。

こうして、「揺り籠から墓場まで」さまざまなライフイベントやライフスタイルに寄り添い、地域のお客様をサポートし続けたいという想いから、単にリフォームとしてだけではなく、お客様の生活を総合的にサポートする付加価値に転換して生活総合産業を目指そうと、2020年12月にホールディングス化。戦略的子会社である丸の内土地建物を通して、時代や社会のニーズに沿った事業開発を進めている。その具体化として、家族葬専用葬儀場であるおみおくり本庄児玉館や住宅型老人ホーム、山林再生と再生可能エネルギーの推進等の事業開発をスタートし、今後益々その裾野を広げようとしている。

山本氏: 葬儀事業を展開したのは、あまり他社が手掛けようとしない領域だから。以前、リフォームを担当したお客様が何名かお亡くなりになっていることを受けて、目を背けずに自分たちがやらないといけないんじゃないかと思ったのがきっかけです。ご家族がお亡くなりになるとライフスタイルにも変化があるので、リフォームが必要になるケースも多い。こうした需要に応えることがチャンスでもありますし、その結果、時代のニーズに沿ったストック蓄積ができれば企業の社会的使命にも資するものと考えています。

さまざまな”人との出会い”をきっかけに、人生のあらゆるシーンに寄り添う生活総合産業となるべく事業の多角化を行い、グループ経営に踏み切った同社。決断から実行までのスピード感は、急成長を遂げてきた同社の強みが存分に活かされている。
後編では、事業規模が急拡大するなかで、デジタルをどのように活用して組織体制を整え、パフォーマンスを最大化しているのかについて深掘りしていく。

株式会社やまもとくん
https://corporate.yamamoto-kun.co.jp
〒350-0043
埼玉県川越市新富町1-3-5 ActreeKAWAGOE 7F
代表取締役:山本 雅俊
設立:2015年

取材・編集:平賀豊麻
ライター:金井さとこ
デザイン:佐藤茜