〜後編〜「家」・「人」・「会社」全てが 100年健康な家づくりを目指して

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近代ホーム株式会社
代表取締役社長 松本典朗 氏
専務取締役 陳 鵬 氏

100年後でも資産価値の残る『百年健康住宅』(FPの家)で、上質で安心な暮らしを提供している近代ホーム株式会社。高性能で長持ちする家づくりを実現するレンガ造りの家が同社の特徴だ。現在二代目である代表取締役社長・松本典朗氏と、輸入関係、経理、総務など品質管理の部門を担う専務取締役・陳 鵬氏にお話を伺った。前編では、同社の特徴や強み、CSへの取り組みについてご紹介したが、今回は、近代ホーム様の第二創業期の経営面での取り組みと、今後の展望について迫る。

リストラを余儀なくされた 社長就任後の経営危機

2005年に創業者である松本祐氏がレンガを取り入れた住宅建築をスタートさせてから事業は拡大路線に転じ、採用も拡大。会社として勢いに乗っていたタイミングで先代からバトンを引き継ぎ、近代ホームの二代目代表取締役社長となった松本氏に、ご来歴含めて社長就任時の心境を伺った。

松本氏

松本氏: 「20歳のときに近代ホームに入社し、10年間社員大工としてキャリアを積みました。棟梁としてずっと現場の道を進んでいきたかったのですが、会社規模が大きくなってきたこともあり、父を支えるために事業継承することに。社長就任は時期尚早だと思いましたが、『社長という立場になるから社長として足りないことが見えてくる。社長という立場になって考えてみなさい』と、父は会長として後ろ盾をしてくれていました。大工出身なので、所謂“職人社長”に当てはまるのかもしれませんが、家はお客様にとって人生最大の買い物。自分自身の知識や経験不足を痛感し、社長就任後5年間猛勉強して、宅地建物取引士、二級建築士、2級フィナンシャル・プランニング技能士の資格を取得しました。」

ところが、就任後の2011年3月に発生した東日本大震災により、住宅建築の需要が急激に低下。半年間お客様の来場がほぼ無くなり、ピーク時には約45億円だった売上高が半減する事態に直面した。売上回復のため奮闘したものの会社の資本を食い潰すしか成す術がなく、経営再建のため従業員をリストラしなければならない状況に追い込まれた。

松本氏: 「気づかないうちに自分の実力を過信していたところがあったのだと思います。もちろん震災という大きな外的要因もありましたが、先代がいなくなった途端に業績が低迷して、井の中の蛙だったと実感しました。その時に、『守れる人数は、自分の力次第』なのだと気づきました。今まで苦楽をともにしてきた仲間をリストラするのは身を切るような思いで、とても苦しい決断でしたが、自分の力量に合う人員体制にして、経営を立て直すことはできました。」

陳氏

先代から継承した家づくりを テクノロジーを駆使して進化させたい

陳氏も神妙な面持ちで深く頷く。

陳氏: 「専務取締役になって初めての仕事がリストラでした。入社後7年間営業に従事していたのですが、当時日本語もままならない自分を助けてくださった先輩方にどのように伝えるべきか……と思い悩みました。人、お金、数字の大切さを知りました。」

生産性向上のために 多能工『ワークマン』を育成

従業員のリストラを余儀なくされ、経営危機を乗り越えた同社は、生産性向上のために更に一段階踏み込んださまざまな取り組みをスタートさせる。まず、着目したのはレンガ職人だ。

松本氏と陳氏

陳氏: 「外国人技能実習生は人件費としては安価ですが、住居の手配や生活面でサポートする部分も多く、実は裏側ではコストがかかっている。そのうえ、一人前になったタイミングで帰国してしまうという課題もありました。」

そこで、現在は新卒の社員大工を大工職人とレンガ職人の両方の技能を持つ多能工「ワークマン」として育成していると、松本氏は続ける。

松本氏: 「良い家を作るためには、良い職人を育てることから。それが、社員大工を始めた理由です。大工もキャリアを積んでくるとレンガ積みをやりたがらないので、最初からレンガ職人として育成する必要があるのです。彼らにスポットライトを当てる意味で、ワークマンという名称も付けました。」

更に、健全な企業規模でいかに生産性を向上させていくかという課題に対し、より業務効率化を図るためのシステムの導入も急ぐ必要があった。

陳氏: 「会社として目指すべき方向性は確固たるものがあったので、あとは環境を作るだけ。以前は基幹システムを導入したこともありましたが、アップデートのたびに多額の費用がかかっていたので、もっと手軽に使えるものにしたかった。いろいろなシステムを検討しましたがなかなかイメージしているものが見つからなかったのですが、ANDPADは現場管理の効率化と、施工後も履歴が残るところに魅力を感じました。また、大工とレンガ職人ではそれぞれの繁忙期が異なり、以前は閑散期に雇用を生み出すためのコストがかかっていた。今後はそれぞれの職人チームごとに年間スケジュールを無駄なく組めるように管理し、お互い手の空いているときに助け合えるようにANDPADを活用していくのが理想ですね。」

先代から継承した家づくりを テクノロジーを駆使して進化させたい

最後に、お二方に今後の展望や実現したい目標について伺った。

陳氏: 「年間着工数30棟を目指していく中で、生産性の見直しはまだまだできるはず。ANDPADなどのIT技術を駆使しながら新しいことにチャレンジし続けたいです。」
と、陳氏はテクノロジーを活用した生産性向上に意欲を見せる。

そして、松本氏は経営者として苦境を乗り越えてきたからこそ、事業継続への想いは強い。

松本氏: 「年々人口減少に伴い着工棟数が目減りしていく中で、品質面での差別化とブランディングは必須です。量産型企業ではない当社が長期的に事業継続していくために、地域に密着した温かみと品質徹底への泥臭さはこれからも大事にしていきたい。そして、先代から受け継いだものを守りながら、時代に合わせて進化していける会社を目指していきたいですね。」

松本氏

「守れる人数は、自分の力次第」

かつては、戦友である社員を守ることができなかった。だからこそ、100年健康な家づくりと、100年健康な経営を全うし、守り抜く。彼らの想いを無駄にしないことが、一番の償いになると信じて。一つひとつ丁寧に紡がれた松本氏の言葉からは、経営危機という苦難を乗り越えてきた重みと揺るぎない覚悟、そして先を見据えた確かな手応えを感じた。今後の同社の躍進の一翼を担えるよう、アンドパッドも寄り添っていきたい。

近代ホームのレンガ造りの家づくりの特徴や強み、顧客満足への取り組みについてお話を伺った前編も併せてご覧ください。

前編はコチラ

近代ホーム株式会社
https://www.100kj.co.jp〒234-0054
横浜市港南区港南台4-21-17
代表取締役 松本典朗
設立:1982年2月

取材:渡邊泰右、平賀豊麻
編集:金井さとこ