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ロゴスホールディングス|年間660棟の受発注業務を支える未経験人材の活躍

〜前編〜ANDPAD AWARD 2023 ユーザー部門「ベスト受発注ユーザー賞~発注~」1位/受賞ユーザーインタビュー

目次

  1. 未経験からのチャレンジ! 660棟の発注業務を3人体制でフル稼働
  2. ANDPAD受発注の導入が間接部門の頑張り、成果を見える化するきっかけに
  3. 細やかな働きかけが、毎月の受発注業務を正しいフローに乗せる鍵
  4. 仕事を着実に進めるトップユーザーの段取り力

ANDPADの利用状況をデジタルにスコアリングし、ANDPADを最も使っているユーザーを称賛するANDPAD AWARDのユーザー部門。今回は、「ベスト受発注ユーザー賞~発注~」全国1位を受賞された株式会社ロゴスホールディングス 建築技術部 積算購買課の宮下英理さんにお話を伺った。

株式会社ロゴスホールディングスは、株式会社ロゴスホーム、豊栄建設株式会社、株式会社GALLERY HOUSEを抱え、「北海道の地で厳しい自然環境にも負けない高品質な家を、適正価格で届ける」ことをモットーに、住む人も建てる人も幸せになれる住宅づくりに取り組んでいる。

今回受賞した宮下さんは業界未経験でありながら、同課の2名とともにANDPAD受発注を使いこなし年間660棟の受発注業務を進めている。前編では、トップユーザーである宮下さんが日々の仕事をどのように組み立て進めているのかに迫る。宮下さんの仕事のあらゆる場面には、他者への細やかな気配りが宿されていた。

未経験からのチャレンジ! 660棟の発注業務を3人体制でフル稼働

──ANDPAD AWARD 2023 ユーザー部門「ベスト受発注ユーザー賞 〜発注〜」全国第1位受賞、おめでとうございます! 宮下さんはいつ頃から貴社で受発注業務を担当されているんですか?

宮下さん: 入社したのが2022年の8月で、以来ずっと受発注業務を担当しています。入社前は生命保険会社で事務職、それ以前は医療事務をしていたので、建設業界自体は未経験です。これまでとまったく違う業種に行ってチャレンジしてみたいという気持ちがあり、未経験ながら飛び込んでみました。

──初めての業界ということで、最初はつまずくこともありましたか?

宮下さん: まったくの未経験だったので、家を建てるのに何が必要かもまったく分からなかったんです。「グラスウールって何?」というレベルで(苦笑)。でも、わからなくても先輩方がフォローしてくれました。なぜこれを発注するんだろう、なぜこのタイミングなんだろう、と疑問が生じたら都度「なぜ」を考えて……少しずつ資材の名称や役割を覚えていきましたが、基本をしっかり覚えるまでが大変でしたね。

株式会社ロゴスホールディングス 建築技術部 積算購買課 宮下英理さん

──宮下さんが所属している積算購買課の仕事について教えてください。

宮下さん: 実行予算のシステムへの登録から、発注、請求承認までが積算購買課の仕事です。実行予算の作成自体は工事部が行っており、そこから回ってきた予算をANDPAD引合粗利管理に登録します。登録作業については、当社のグループ会社であるLogos Creative Office Philippines. Inc.(以下LCO)の力も借りながら行っています。

春木さん: LCOは、2015年に立ち上げた、弊社の住宅事業をサポートしているグループ会社です。CADオペレーターが在籍している部門などがあり、予算登録についてもお願いしています。

今回取材に同席いただいた春木貴博さんは2016年入社。建築技術部 積算購買課の課長で、同社のANDPAD運用の推進役でもある。

宮下さん: LCO側で登録してもらったら、その金額の数字に誤りがないか私たちのほうでダブルチェックします。問題なければ承認依頼をして、承認がおりたらANDPAD受発注上での発注に進みます。工事の過程で、必要に応じて追加発注をすることもあります。完工後は協力会社さんから「納品完了」がANDPAD受発注を通じて通知されるので、検収処理、その後請求処理をするというのが大まかな流れです。

──現在、積算購買課ではどれくらいの棟数の発注業務に対応されているのでしょうか?

春木さん: 今年、現時点で660棟ですかね(取材時)。それらの発注業務に、宮下を含む3名で対応しています。また、月次の忙しいタイミングには、他に2名ほどサポートに入ってもらっているような体制です。

──2名の方のサポートがあるとは言え、通常時は3名で660棟の発注業務をやりきっていらっしゃるというのは非常にパワフルですね! それに加えて、宮下さまは業界未経験でいらっしゃいます。発注業務は、基本的には常勤の3名で同量ずつこなしているのですか?

春木さん: 基本は同じで、エリアで担当を分けており、宮下には帯広や釧路などの道東エリアを受け持ってもらっています。発注数で言うと宮下のエリアがいちばん多いわけではないのですが、担当エリアの発注業務を素早く終えて、ほかのエリアの発注業務も応援対応しています。宮下に限らず、担当エリアが終わった人はほかのエリアをフォローするという形ができているんです。

 

ANDPAD受発注の導入が間接部門の頑張り、成果を見える化するきっかけに

──改めて、受賞の連絡を受けたときの率直な感想を教えてください。

宮下さん: 3人全員が頑張っていましたし、私自身も「自分が一番使っている」という自覚は全然なかったので、正直驚きました。先ほど春木がお話ししたように、ほかの2人のお仕事のフォローをしていた分が結果に上乗せされただけで、積算購買課としていただけた賞なのかなと思います。みんなで驚いて、みんなで喜びました。

春木さん: 当社の中でも今回の受賞はとても誇らしく受け止めていまして、実は当社内でも「社長賞」というかたちで、宮下が表彰を受けることになりました。家づくりの仕事を縁の下で支える積算購買課がこうした表彰を受けるということが、私としてもとてもうれしいです。

──それはすごい! 私たちもうれしいです。

春木さん: 今回のユーザー部門の賞は宮下個人が受賞しましたが、来年またこのアワードがあったら、「部署」としてもらいたいよねという話をしたんです。普段仕事をするなかで、数字として成果が現れにくい内勤職というのが評価されることはほとんどないじゃないですか。だからこそ、今回のように内勤部署の取り組みが評価されるのは素晴らしいことだと思います。

また同時に思ったのは、今回は私たち積算購買課がこの業務をやっていたから受賞できましたが、その後ろには経理がいたり、協力会社さんの登録作業という点では総務課も関わってくれていて、人の採用では人事課に活躍してもらっているということ。そうした内勤部署全体の頑張りの象徴として、今回宮下が評価されての賞だと思っているので、それだったら個人よりもロゴスホールディングスとして、次は狙いたいなと思います(笑)。

──とても大切な考え方だと思いますし、建設産業の仕事を支える様々な方にスポットライトを当てるというコンセプトでユーザー部門の取り組みを行っていることからも、私たちとしても背筋の伸びる思いです。来年はぜひ、DXカンパニー部門へのエントリーもお待ちしています!

 

細やかな働きかけが、毎月の受発注業務を正しいフローに乗せる鍵

──先ほど、完工後には検収処理と請求承認をされていると伺いました。協力会社さんは工事が完了したあと、すぐに納品完了の連絡を上げてくださっていますか?

宮下さん: その点については、まだ苦戦しているところです。完工後に [納品完了] のボタンを押すのを忘れている方もいらっしゃるので、その際はお電話して操作をお願いするようにしています。

──協力会社さんへのお電話は、都度おかけしているのですか?

宮下さん: 月末月初に集中してお電話するようにしていて、おそらく20~30件ほどかけていると思います。「操作を教えて」と言われたらマニュアルを見ながら一緒に操作してお話ししますので、最低でも1件5〜10分はかかります。午前中は電話するだけで終わることもありますね。

春木さん: とはいえ、宮下が入社するよりも以前の紙でやり取りしていた時代と比較すると、電子上で完結でき手間が減っていることは確かです。

──協力会社さんから納品完了の連絡が届いたあとでの、検収業務はどのように対応されているのでしょうか?

宮下さん: 職人さんから上がってくる写真を見て対応できる場合もありますが、必ずしもそれだけで対応できているわけではありません。

例えば流通店さんが納材後の写真をアップしてくださったものは、納材伝票と突き合わせができますが、出来高払い(月をまたぐ工事で、工事進捗に応じて複数回に分けて支払いを行うこと)となると、たとえ職人さんから「屋根工事が終わりました」と写真とともに連絡があっても、どこまでが終わったのかというのは私には判断しきれない部分があります。

ですから、そういったものの場合などは、工事担当に「こういう請求完了連絡が来ているから、確認してください」と連絡します。工事担当の方もみなさん忙しいので、なかなかお返事がもらえないことも多いですね。1週間ほど経っても連絡がなければ、上長の方に連絡して、その方からも工事担当の方へ催促してもらうようにお願いしています。

──工事担当の方とも連携しながら検収業務に対応されているんですね。ご入社されてから、協力会社さんとのやり取りで苦労したことはありますか?

宮下さん: ANDPAD受発注の操作で迷っている協力会社さんがいるときに、こちらが代わりにやってあげなければならないのがちょっと大変でしたね。簡単なものだと、先ほど言ったような納品完了の押し忘れがあったり。あとは明細編集や出来高設定など、少し複雑なことになってくると、操作がわからない、と連絡をいただくこともあります。本来は協力会社さんのほうでやっていただきたい作業なのですが、こちらでフォローしながら進めることもありますね。

──会社として運用フローがしっかりしているからこそ、そのフローに乗せていくために、協力会社さんや監督さんのほうで抜け落ちてしまう部分を宮下さんたちがコミュニケーションをとりながらフォローしてくださっているわけですね。

 

仕事を着実に進めるトップユーザーの段取り力

──年間660棟分の受発注業務を基本的には3名で回されているとのことで、とにかく日々お忙しいのではないかという印象を受けましたが、意識していることやコツはありますか?

宮下さん: 私の性格上、仕事をためるのが嫌なので、来た分はすぐ片づけたいんです。言われたらすぐやって、なるべくためない。それでも追いつかないときは、「今日は協力会社さんの対応をする」「今日は検収だけをする」と決めて、それをまず片づけます。忙しくなると、あっちもこっちもと並行して進めたくなりますが、やることを決めてそれだけに集中するほうが効率がいいと思います。「今日はこれ」と割り切って進めているのがコツかなと思います。

──優先度付けがお上手なのですね。その優先度はどのような基準で決めているのですか?

宮下さん: こちらからの連絡に対するレスポンスの早さは一つの基準かもしれません。ANDPADチャットなどで「納品完了にしてください」と伝えればすぐ対応してくださると分かっている協力会社さんであれば、連絡は後回し。それよりも先に、なかなか対応していただけない協力会社さんへまず電話で連絡を入れることを優先する、というように判断しています。

──段取り上手なのですね。後工程に響くこと、関わることをまず潰しておいて、どのくらい時間がかかるかを見越して取り組んでいるのは、監督さんと同じ目線で考えていらっしゃるなと感じました。トップユーザーたる所以がここにある気がします。

 

監督や協力会社との橋渡し役として、全方位に気を配りながら膨大な業務量をこなす宮下さん。未経験で飛び込んだ建設業界で当初は苦労も多かったというが、今では同社の急成長を受発注業務の面から支える一員として存在感を放っている。ANDPAD受発注を軸にした同社の運用フローがベースにあり、そこに宮下さんの細やかなコミュニケーションがかけ合わさったことで、今回の受賞につながったともいえるだろう。後編では、ANDPAD受発注の導入・活用による同社の仕事の “変化” に迫っていく。

 

株式会社ロゴスホールディングス
URLhttps://logos-holdings.jp/
代表池田 雄一
設立2020年7月9日
本社北海道帯広市東三条南十三丁目2番地1
取材・編集: 平賀豊麻
編集: 原澤香織・鯉沼愛実
執筆: 佐藤英美
デザイン: 森山人美・安里和幸
お客様担当: 久本雅人
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