圧倒的紹介受注を維持し続ける、経営DXに迫る / 〜vol.1〜製材業から製販一体型工務店への転換

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倉坪 茂親氏
古川製材株式会社 代表取締役 
2001年に家業に入り、2007年には注文住宅を手掛ける「望ほーむ」事業部を設立。2013年に四代目代表取締役に就任。2021年にNOZOMI GROUP HOLDINGS を設立。現在に至る。

水本 善暢氏
古川製材株式会社 取締役
ビルダーで現場監督及び設計業務を経験後、妻の実家の工務店で大工として活躍。2012年に同社に入社し、営業・設計・現場監督業務全てを担当。2019年より現職。

大矢 廣之氏
古川製材株式会社 工務部 部長
地場のゼネコンで17年間現場監督を経験する。父が地元の大工棟梁だった影響から住宅業界に関わりたいと思い、2013年同社に入社。現場監督として活躍後、2015年に部長に就任。同年からリフォーム事業を兼任し、現在に至る。



1919年に創業し、岐阜県飛騨高山エリアでトップクラスの新築住宅建築実績を誇り、幅広いエリアで事業を展開する古川製材株式会社。製材業にルーツを持ち、寒冷地ならではの地域特性を踏まえた性能とデザイン性が両立した家づくりは、業界からも注目されている。同社は断熱リフォームにも注力しており、地域に笑顔いっぱいの暮らしを提供し続けている。

今回は、代表取締役 倉坪 茂親さん、取締役 水本 善暢さん、工務部 部長大矢 廣之さんへのインタビューを全3回でご紹介。Vol.1では、製材業から製販一体型工務店への業態転換した経緯、商圏やターゲット、同社がDXに取り組む背景と今後実現したいことについて伺った。

製材業から製販一体型工務店への転換

1919年から岐阜県飛騨高山を拠点に、長きにわたり製材業を営んできた同社。時代の流れと共に製材業一本での経営では事業を成長させていくことが難しくなってきたことを受けて、四代目代表取締役である倉坪さんが注文住宅事業「望ほーむ」(現「NOZOMI HOME」)をスタートさせ、製販一体型工務店へと業態転換を行った。「機能性のあるデザイン」というコンセプトのもと、寒冷地ならではの地域特性を踏まえた高気密・高断熱・高耐震といった性能の高さとデザインが調和した家づくりで、飛騨地区の注文住宅No.1の着工棟数を誇るまでに成長を遂げている。リフォーム事業や不動産事業など幅広い事業を展開し、2021年にはNOZOMI GROUP HOLDINGS を設立した。

水本さん: 2007年に製販一体型工務店にシフトチェンジした頃は、年間5棟くらいの規模感でした。ちょうどこれから会社を大きくしていこうというタイミングで私と大矢が入社しました。当時は主に社長が営業を担当しながら、われわれも営業や設計業務など一貫して担当するなど総力戦で棟数を伸ばしていきました。

古川製材株式会社 取締役 水本 善暢氏

現在年間75棟以上の着工棟数となり、工務店への業態転換当時5名だった従業員数は今やパート社員も含めると90名まで増加。町の工務店から地域の建築会社へと規模も拡大している。こうしたなかで、創業100年を超える会社の歴史を後身に浸透させ、継承していくために、昨年から「社内ルーツ会議」という場を設けている。企業規模が大きくなってから入社したメンバーにも、現在に至るまでの会社の苦労を知った上で働いてもらいたいという倉坪さんの強い想いから始まったものだ。

大矢さん: 「社内ルーツ会議」では社長が現在に至るまでどのように会社を存続させてきたのか、どのように会社として歩んできたのかについて、半日かけて伝えています。今までも年に一度共有はしていたのですが、会議体としてしっかりと目的を明確にしたのは今回が初めてになります。毎年新入社員が入ってくるので、今後は年に一度のペースで実施していきたいと考えています。

古川製材株式会社 工務部 部長 大矢 廣之氏

現在は創業地である飛騨古川・高山のエリアだけでなく、岐阜市にも商圏を広げている。それぞれのエリア特性に合わせた住まいを提案しながら、今後は東海エリア全体にも商圏を広げていく予定だという。

大矢さん: 高山エリアは約9万世帯で、弊社の商圏の中心になっています。飛騨古川エリアの世帯数は高山に比べて少なく、高齢化が進んでいます。岐阜エリアは比較的年齢層は低めで一次取得層が多いので、上位ブランド商品を訴求しています。

リフォームにおいては実家の二世帯リフォーム需要が多いので、メインターゲットは40代前半。子世帯が弊社で注文住宅を建ててくださったことをきっかけに、実家のリフォームについても弊社にご依頼いただける、というケースもあります。

DXによって社員の物心両面を豊かにし、従業員満足度を高める

飛騨高山エリアを中心に棟数を伸ばし続けている同社は、今後更に成長を加速させていくために積極的にDXに取り組んでいる。2019年より導入を開始したANDPADもその一つだ。倉坪さんにDXを進める背景と今後実現していきたいことについて伺った。

倉坪さん: 弊社がDXに向かっている根本的な考え方には、「社員の物心両面による豊かさ」という理念があり、社員がお金も心も満たされていてこそお客様に良いものを提供できると考えています。だからこそ、昔ながらのやり方に固執するのではなく、DXを通してして本来自分たちでやらなければならないことに集中できる環境をつくっていきたい。DXによって業務が効率化し働く時間が圧縮できれば働き方も変わるでしょうし、かつ生産性が上がれば会社としても利益が上がります。弊社は利益も社員に開示しており、会社が儲かった分だけ全員にインセンティブとして分配しています。社員の物心のバランスを取っていく先に、お客様にも還元することができれば好循環になりますからね。

古川製材株式会社 代表取締役 倉坪 茂親氏

創業100年という長い歴史のなかで、持続的な経営を行うために製材業から工務店へと業態転換を行い、地域特性を活かしたデザイン性と機能性を両立させた家づくりによって成長を続ける同社。会社としてのルーツをしっかりと後身に伝え、継承させようという姿勢があるからこそ、地域の豊かな暮らしを支える存在であり続けられるのだろう。また、積極的にDXに取り組み、生産性向上によって得られた利益を社員に還元することで従業員満足度を高め、結果的にお客様の笑顔溢れる家づくりに繋げている。

Vol.2では、同社の強みである寒冷地の地域特性を踏まえた断熱リフォームについて、デジタル化に伴いどのような組織体制を構築したのかについて深掘りしていく。

古川製材株式会社
https://nozomihome.com
〒506-0052
岐阜県高山市下岡本町1357-1
代表取締役:倉坪茂親
創業:1919年

取材・編集:平賀豊麻
編集・デザイン:原澤香織
ライター:金井さとこ
デザイン:森山人美、安里和幸