ANDPAD ONE CONFERENCE 2022 開催レポート / 受注率UPの秘訣はクロージングツールとしての工程表活用が鍵〜現場と経営を繋ぐリフォームDXの最前線〜

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■登壇者
北屋敷 司 氏
株式会社ミタカ工房 代表取締役
大手ハウスメーカーにて住宅営業を経験後、29歳で有限会社ミタカ工房を設立。悪徳リフォームが社会問題となる中、「リフォーム業界をリフォームする!」という志のもとリフォーム業に従事。現在、前橋市内に本社およびリフォームショールームを4店舗展開。リフォーム年商6.5億円。

■モデレーター
貫 翔太
株式会社アンドパッド 第一事業本部 第二部 部長
エリアNo.1のリフォーム会社で営業職を経験。その後株式会社リクルートにて新規エリアの開拓から大手法人営業を経験し、2020年9月にアンドパッドにジョイン。現在はリフォーム業界で働く人達がより働きやすく、誇りを持って長く働ける環境作りのお手伝いをしたいと考え、生産性の向上や経営改善のサポートを行う。

本記事では10月18日に開催したセッションから「受注率UPの秘訣はクロージングツールとしての工程表活用が鍵〜現場と経営を繋ぐリフォームDXの最前線〜」と題した内容をお届け。以前にANDPAD ONEでも取材させていただいた株式会社ミタカ工房様にお話を伺いました。

株式会社ミタカ工房 代表取締役 北屋敷さんをスピーカーに迎え、アンドパッド 第一事業本部 第二部 部長 貫がモデレーターを務め、ANDPADの工程表をクロージングツールとしてどのように活用しているのかなどディスカッションを行い、リフォーム業界の経営DXについて話し合いました。

▼株式会社ミタカ工房様の過去の取材記事はこちらから。

ANDPAD AWARD 2021 受賞ユーザーインタビュー 

ANDPAD導入の3つの大きな理由



株式会社アンドパッド貫(以下、貫)ミタカ工房様にANDPADを導入いただいたのは2018年と、長くご活用いただいております。導入前にはどのような課題があったのでしょうか?

北屋敷さんANDPAD導入以前、現場用と営業用など複数の管理ツールを使用しており、業務の進め方にずっと非効率さを感じていました。効率化を図るためにも1つのツールで全部管理できないかと前々から考えていました。そんなときANDPADに出会い、ANDPADなら一気通貫で業務を行うことができ、私たちの課題を解決へ導いてくれると思い、導入しました。

細かな課題を挙げると「若手営業がクロージングに対して苦手意識があった」「契約後に営業から現場監督に引き継いでから工程表を作成していたので、職人さんの確保に難航していた」「営業・工務による請求書の確認作業や経理業務が煩雑で業務時間がひっ迫していた」という3つの課題を感じていました。

ANDPADを導入してどのような変化がありましたか?

北屋敷さんANDPADの工程表を活用することで1ヶ月にこなせる案件のキャパシティが増え、職人さんの稼働率も上がりました。また、後ほどお話ししますが、工程表を営業ツールとして活用することで受注率向上や契約までのリードタイム短縮へと繋がっています。さらに、オンライン受発注100%を実現したことで、請求書などの確認業務がなくなったり、粗利や予算の管理も上手くサイクルが回せるようになり、生産性向上や業務時間の削減につながりました。これらはANDPADを導入していなければ、実現できていないことなのでプラスに働いていると捉えています。

見積もりとあわせて工程表もセットで提出!工程表を営業ツールとして活用

今回のテーマになっているクロージングという観点で、工程表の活用において北屋敷社長のお考えをお伺いしてもよろしいでしょうか?

北屋敷さん前提として、リフォームは新築住宅とは違い1棟あたりの予算がさまざまです。網戸の張替えもリフォームであれば、大きな増改築もリフォームです。そう考えると、例えば25〜40万円の価格帯のお客様がリフォーム会社を選ぶ理由は、スピード感だと思っています。営業の経験値や知識量よりも、どのぐらい早く工程を組んで職人さんを抑えられるかが重要なので、短工期であればあるほど工程表作成は重要だと考えています。工程表は工程管理をするためだけのツールだと思いがちですが、営業ツールとしても有効。当社ではANDPADの工程表を営業ツールとしても活用しています。

スピード感は大事ですよね。だからこそ作成の手間を惜しみがちな短工期で工程表作成を徹底しているのには驚きです。そして工程表は営業ツールであるということも深く伺っていきたいと思います。それではまず工程表を営業ツールとして活用することと、若手営業の方のクロージングに対する苦手意識の克服とは、どのように結びつくのですか?



北屋敷さん新卒から入社してくる社員は、お客様に対して積極的に契約してくださいと言いづらかったり、営業という仕事をはじめから好きになってもらえなかったり、というのが会社の課題としてありました。そもそも知識もまだ浅いなか、契約してくださいとお願いするのが、なかなか難しい状況で、どうやったら受注につながるのか考えました。

クロージングとはお客様に「判断を促すこと」です。若手営業にとってお客様へ契約依頼を促すのはなかなかハード。そこで、事前に職人さんを確保し、見積もり提出時に工程表も一緒に提出するようにしたのです。お施主様への見積もり提出時に工程表があれば、「職人さんに調整いただいていますので、この工程で進めることができますが、いかがでしょうか?」とクロージングに繋げる提案ができます。

ありがとうございます。では具体的にどのような流れで工程表をクロージングツールとして活用しているのかお聞きしてもよろしいでしょうか?



北屋敷さん以前は営業が契約してから1週間程で現場監督へ引き継ぎを行い、その後に現場監督が工程表を作成していました。いま、工程表をクロージングツールとして活用できるのは、「ANDPAD引合粗利管理」上で営業管理が一元化できているからこそです。詳しくは以前取材していただいたこちらの記事でお話していますが、まず営業が営業段階の情報をANDPAD引粗利管理に入力します。次に案件の確度を「受注間近>A案件>B案件>C案件」とし、管理者がANDPAD引合粗利管理の情報をもとにステータスを管理します。そこで「B案件」以上のものについて、受注金額等も加味した上で、現場監督が契約前に工程表を作成見積もり提出時にクロージングができるよう部署を横断して連携して進めます。そうすることで、スピーディーな提案を行うことが可能です。月に100〜150件といった件数を管理する側が一番意識するのは、案件をどんどん消化していくことです。つまり案件を溜め込まず、どんどんはけさせていくためにもクロージングは重要だと考えています。

また、ANDPADの工程表を活用することで、導入前より工程表作成の時間が大幅に削減できたこともスムーズな提案に繋げられていると実感しています。例えば500万円程度の案件であれば、以前は工程表作成に1〜2時間程かかっていましたが、ANDPADの工程表なら過去の類似工事の情報を参考にできるので、今では5〜10分で作成できることも大きなメリットです。大幅な時間削減に繋がりました。

北屋敷さん工程表を活用することで、営業にも工務にもメリットがあります。営業の観点ですと、「クロージングツール」として工程表を使うことで、契約までのリードタイム短縮や受注率アップ、さらには若手育成にも繋がっています。一方、工務にとっては職人さんの稼働率アップや段取りの効率化、業者ローテーションの見える化が実現できています。繰り返しになりますが、工程表は工程管理をするためだけのツールと思われがちですが、営業ツールとしても有効だということを伝えたいですね。

小工事では何度も無駄な訪問をしない

ミタカ工房様ではANDPAD引合粗利管理のなかで、ワークフロー機能を活用いただき「契約前」「着工前」「進行中」「完工(精算前)」という大きく4つのステップで業務の流れを管理されています。はじめのアポイントの段階で「アドバイザーがヒアリングシートへ入力する」というタイミングがありますが、これはどのような意図で実施されているのですか?

北屋敷さんお客様とのアポイントを取るのはショールームアドバイザーですが、このファーストコンタクトでのアドバイザーからのヒアリングがとても重要です。お客様のやりたいことやいつまでに実施したいかなど、お客様の属性も含めてしっかりと聞き取り、それを営業に共有することで、営業の現調がスムーズにいきます。ある意味、営業はアドバイザーがクッションになっているため、現調時にイチからヒアリングする必要がないので少しラクになっている部分もあります。

そうなると、現調に行くまでにどれだけ情報を集められるかという点も営業の受注率に表れてきますよね。

北屋敷さんアドバイザーのヒアリングで見積もりまでつくれる状態まで持っていくことを目指しています。つまり、小工事で何度も訪問することを減らしたい。したがって、10万円の予算帯の案件は現調時に見積もりを出すようにしています。価格帯の低い工事こそ、見積もり提出のスピードが受注率に影響してくるので、無駄な訪問をしないことで粗利を確保できればと考えています。したがって、アドバイザーがつくる細かなヒアリングシートも受注率UPへ貢献できているのではないかと思っています。

オンライン受発注100%を実現するための、実行予算作成の習慣化



ANDPADで電子受発注率100%を実現されているミタカ工房様ですが、実行予算や粗利の管理はどのように取り組まれていらっしゃいますか?

北屋敷さん受注率も重要な指標の一つですが、粗利の管理・可視化をすることも会社経営にとっては切り離せません。粗利の管理が大事だと認識しつつも、ANDPAD導入まではその手段が分からない状況でした。ですが、ANDPADを導入して、管理方法が見つかったのは大きな一歩だと感じています。管理方法が見つかったことで、ANDPAD上で実行予算を即座に確認できるようになりました。大事なことは実行予算が100%組まれていて、それがひと目で分かることです。その次に、実行予算に対して、完工粗利がどれだけずれたかが分かること。特に外装工事だと下がるだけじゃなく上がることもあります。その理由を一つずつ確認・分解していくことが必要だと感じています。

いまでは実行予算に対して完工粗利がどれだけ上下したか、毎月の会議で確認するようにしています。実行予算を100%組むように習慣化するまでは1年くらいかかりましたが、以前に比べると粗利の変動は少なくなっています。粗利が上下に振れるケースもありますが、例えば下振れした案件では、管理者が見えていないところで現場でのトラブルが発生し、追加の支払いが発生してしまっていると考えられます。オンライン受発注であれば、そういったものが管理者側から確認できます。

いまでは社内外のANDPAD利用率も高いミタカ工房様ですが、ANDPADを社内外へ浸透させるために何か施策は行ったのですか?

北屋敷さん以前利用していた別の施工管理アプリは、それこそ社内でも使いこなせていませんでした。しかし、ANDPADに切り替えてからは、ITに苦手意識を持っていた現場監督でさえ、どんどん利用していくようになったのです。その結果、アンドパッドさんに表彰いただいた弊社の齋藤のようにANDPADを使い倒していく社員が増えていきました。社員が使えば協力会社さんもANDPADを使う土壌が形成されます。

一方で受発注に関してはANDPADの利用率が100%でないと意味がありませんので、コミュニケーションの方法を変えました。例えば、協力会社さんに対しては協力業者会でオンライン受発注について方針を発表もしました。この方針に合わない方は残念ながら取り引きを解消させていただいたり、エース級の職人さんには根回しすることもありました。

どのような考えでANDPADの利用を浸透させていったのでしょうか?

北屋敷さん最初は不慣れなため、不便を感じるところもあるかもしれません。だからこそ、ANDPADを使ったら業務上便利だととにかく早く実感してもらうことが大切です。社内に関しては営業や工務、総務も含めた全体的な便利さを最初に体感できていたら、もっと社内の浸透が早かったかもしれませんね。

 

リフォームDXを実現するための今後の動き



今後、さらにリフォームDXを加速するために、どのようなことに注力していきたいとお考えですか?

営業の「人材育成」に励んでいきます。社員一人あたりの生産性が会社の業績を左右しますから、若手社員の育成は必須です。人の成長なくしてDX化を進めるのは無理です。ちょうど今期から若手の社員向けに「営業アカデミー」というものをスタートさせました。

営業アカデミーでは、具体的にどのようなことをされているのでしょうか?

北屋敷さん先ほども言ったように、若手営業はクロージングに苦手意識を持っていることが多いです。しかし私からすれば、自社のサービスに自信があれば、クロージングしないことの方が不誠実。クロージング、すなわちお客様に判断を促すためにどのような言葉を使っていくか、キャリアが浅い社員に対して伝えています。

また、ANDPADに蓄積されたデータによって、営業が受注する工事の平均単価が割り出せます。それと受注粗利率や契約率、現調数などのデータとを照らし合わせていくと、「この人が目標を達成できていない理由は何か → 現調数が多いのではないか?」といった仮説が立てられます。データを根拠やきっかけにして、個人の強み・弱みを把握しながら対策を考えていくということも、営業アカデミーでの取り組みの一つです。

そして、これは営業に限らずですが、現場監督でもショールームアドバイザーでも、磨くべきはコミュニケーション能力です。あとになってお客様から「聞いてないよ、そんなこと」と言われてしまったら、たとえ実際には伝えていたとしても、伝えきれなかったこちら側の責任だと私は考えます。そういったことを防ぐために当社では打ち合わせ内容の議事録をお客様にお渡ししていますし、自分と上司のためにはANDPAD引合粗利管理上の「対応履歴」で記録を残すようにしています。言葉として残すことの重要性、それが結果的にお客様からの信頼やクロージングに繋がっていくということを、特に若手営業には伝えていきたいですね。「自分が言うことは相手に正しく伝わらない」という前提で打ち合わせを進めていくのが、プロの仕事です。

私自身も営業の身として、とてもよく理解できるお話です。

北屋敷さん営業アカデミーからは少し話が逸れますが、営業として入社した社員をまず現場職人にアサインする、というのが今期の大きな挑戦です。はじめに現場を経験することで、建築のプロとして成長し、お客さまに自信を持って自社の取り組みを伝えていくことができます。現場や商品を知っている営業の方が、そうでない営業よりも提案品質も高まるし、お客様も現場もハッピーになる。「職人あってこその受注」という職人ファーストの思考こそ、リフォーム営業教育の本質ではないでしょうか。なぜANDPADのようなツールを使う必要があるのかという点でも、現場を知っている人ほどしっかりと理解できると思います。

おっしゃるとおり、ANDPADを最大限に活用するには人材育成やその仕組みづくりも必要不可欠ですよね。それでは、最後に今後のアンドパッドに期待することをお聞かせください。

北屋敷さんとにかくアンドパッドさんには安心感があります。私たちに足りない部分をどう補って解決していけばいいのか提案してくれるので、信頼しています。これからも、当社のみならず、ANDPADがリフォーム会社の経営にとって、なくてはならない存在へなることを願っています。

株式会社ミタカ工房
https://www.r-mitaka.com
〒371-0007
群馬県前橋市上泉町1163−2
代表取締役:北屋敷 司
設立:1998年6月

編集:平賀豊麻
編集・デザイン:原澤香織
ライター:加瀬雄貴
デザイン:安里和幸