ANDPADで不動産管理の業務プロセスを変革 / 〜前編〜仲介・PMの情報共有一元化への後押しで営業力を強化

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山本洋輔氏
株式会社ハウスサポート PM事業部課長
2008年 IT機器メーカーに新卒で入社し、法人営業を4年担当。2012年に同社に中途入社。賃貸営業として活躍後、営管分離体制にするために管理部が創設され、立ち上げメンバーに抜擢されプロジェクトマネージャーに。2020年に江南店の店長を務めた後、2021年に再度管理部に戻り、現在に至る。

須田健太氏
株式会社ハウスサポート 福岡東エリアマネージャー
高校卒業後、2010年 印刷会社に入社し、パッケージ印刷に携わる。2013年8月に、営業未経験で同社に中途入社。初出店の福岡支店に配属され、営業として活躍。2019年から同店舗の副店長を務め、現在に至る。



不動産管理会社及び賃貸管理会社様向けのANDPAD運用定着促進プログラム「DX-顧客体験向上-」。原状回復工事に関する業務プロセスの変革を行い、その結果としてオーナー様や借り主様といった顧客の体験を向上することを目指しています。導入から速やかに運用定着効果をご実感いただくために、本プログラムではANDPADの利用に対して数値目標を定め、一定期間内で達成を目指します。

以前、ANDPADを導入し、本プログラムにご参画いただいた株式会社ハウスサポートの専務取締役・若林 穣さんにキックオフインタビューを実施。山口県と福岡県を拠点に急成長している同社の事業の特徴と課題、本プロジェクトを通して目指すべき方向性について伺いました。

今回は、本プログラムを終えた振り返りとして、PM事業部課長 山本 洋輔さん、福岡東エリアマネージャー 須田 健太さんにお話を伺いました。前編では、目標として掲げていた指標に対する結果についての評価、また仲介担当、物件管理担当それぞれの役割ごとの課題をANDPADによってどのように解決できたのかについてご紹介します。

キックオフインタビューはこちら

運用定着促進プログラムにおける指標の振り返り

――まず、お二方のご経歴と現在の業務内容について教えていただけますでしょうか。

山本さん: 私は入社10年目になります。入社当時は社長も含めて7名体制で、社長と私は当時からのメンバーになります。入社後まず賃貸営業を3年経験しました。当時はベテラン社員が営業も管理もオーナー様対応も全て担っていましたが、少しずつ分業して営管分離体制にするために管理部が創設されることに。そこから私はプロパティマネジメント(PM)を担当するようになりました。スタート時はメンバーはおらず1人体制でしたが、現在は2名体制になっています。

株式会社ハウスサポート PM事業部課長 山本 洋輔氏

須田さん: 私は高校卒業後、印刷会社の製造ラインでパッケージ印刷に4年弱携わっていました。ハウスサポートの福岡初出店のタイミングで、営業未経験ながら中途入社。当時、福岡での自社管理物件はゼロでしたが、オーナー開拓を重ねていきました。現在の管理物件は600戸ほどになっています。3年間副店長を経験し、PMの仕事にも携わるようになってからは、管理物件を増やしたり、リフォーム利益なども意識したりするようになりました。

株式会社ハウスサポート 福岡東エリアマネージャー 須田 健太氏

――ありがとうございます。では、貴社の組織体制について教えていただけますでしょうか。

山本さん: 現在弊社の社員数は80名ほど(2022年7月時点)で、各店舗5〜7名体制になっています。社内には原状回復工事やリフォーム工事などの専任の工事担当が15名ほどいて、それぞれの店舗の案件に対応しています。ちょうど退職されるという社外パートナーさんに来ていただき、そこからの人脈でも数名入ってもらいました。

入居者クレームが発生した場合は迅速な対応が求められるので、繁忙期は分業をして、入居者様の工事には柔軟なスケジュール対応ができる社内の工事担当を割り当てています。一方できっちりと予定通りに進めていく退去後の案件は社外パートナーさんにお願いするようにしています。社外パートナーさんへの依頼はPMが行っています。私が担当している山口県宇部市は学生が多いエリアで、繁忙期である2〜4月は150件くらいの入れ替わりがあります。5日以内に退去から入居までを完了させなければならないため、自社の工事担当だけでは間に合いません。きっちりとスケジュール通りやらないとクレームにも繋がってしまうので、外部パートナーさんと連携しながら対応しています。今後も外部のパートナーさんとも連携しながら、社内の工事担当はこの人数を維持していきたいと考えています。

須田さん: 外部パートナーさんは数社にお願いしていますが、パートナーさんはそれぞれ得意分野があるので、そこを加味して案件に合わせて依頼しています。

ーー運用定着促進プログラム「DX-顧客体験向上-」として、今回写真アップロード枚数と報告件数を指標に取り組まれました。結果を振り返ると、写真の合計数は目標の35枚に対して平均55.5枚と大きく上振れることになりました。この結果についてはどのように評価されていますか。

山本さん: 写真のアップロード枚数に関しては想定通りの結果だったと思います。平均50枚以上の写真を上げていると思いますが、ちょっとした細かい部分も上げてくれていて分かりやすく、ここに関しては凄く助かっています。

また、写真をたくさんアップしてもらうようになり、退去後〜原状回復工事の完了までのプロセスが改善しました。それによって入居後の要望やクレームなどが減って、品質水準の向上も実感しています。以前は入居後の修繕対応が10%程度ありました。今は匂いなど写真では分からないもの以外の対応がグッと減り、3%程度にまで下がっています。

ANDPADにリアルタイムで物件の写真が上がることで、物件紹介や媒体登録時にも役立っています。

――ANDPADの運用が浸透するまで、どのような取り組みをされたのでしょうか。

須田さん: 導入時はどうしても「面倒くさそうだな」という気持ちが働くものなので、こちらから「一度やってみようか?」と声かけをしたり、ANDPADの画面を見せながら「ANDPADを使う方がラクじゃない?」と働きかけるようにしました。「電話でやりとりするよりも、履歴が残ればみんなで共有ができる。だからANDPADを使っていこう!」と根気強く伝えました。

山本さん: 最初は入居者様がいらっしゃるところで写真を撮るのが気まずくて撮影できなかったり、作業後すぐに撤収しなければならず写真を撮影するのを忘れてしまったりというケースもありました。今はだいぶ慣れてくれて、そういった声はなくなりました。ANDPADを使うことが当たり前になっていると感じています。

――一方、報告については、目標1回以上に対して平均0.34回と未達でした。報告が指標をクリアできなかった要因について教えてください。また、報告についての目標数設定は妥当だと感じられますか。

山本さん: 報告については、目標回数の設定は妥当だったと思います。スタートするにあたり「工事の進捗や、今どういう状況かを報告してほしい」と伝えましたが、まだ電話や口頭で報告されることも多いのが現状です。社外パートナーさんはご年配の方が多く、スマートフォンがなかなか使いこなせないという方もいらっしゃいますが、かなりご協力いただけるようになったと思います。

どちらかというと、自社の工事担当が報告を上げていないことの方が多いかもしれません。工事完了後に帰社してきて、口頭で報告してしまうということが多々あります。報告を受けた担当者がその場でANDPADに情報を残せばいいのですが、他の業務をやりながらということもあり抜け漏れが出てしまいます。工事担当がきちんと現場で報告をすることはとても重要だと認識しつつも、繁忙期は目の前の業務で手一杯だろうと思い、工事担当に報告の徹底についてはお願いできていませんでした。落ち着いた時期に周知徹底を行い、今後しっかり取り組んでいきたいと考えています。

それぞれの役割ごとの課題をANDPADで解決

――プログラム開始時には、管理物件の原状回復工事の予定や進捗がリアルタイムに共有されにくく、仲介担当がスムーズに業務を進められないという課題がありました。ANDPADをご活用いただくことで、内見及び入居案内が可能な物件の最新情報の把握はできるようになりましたか。

須田さん: 各仲介担当者が、管理物件の状況を知るためにANDPADを積極的に見るようになりました。ANDPAD活用以前は、物件の工事予定や進捗は店長しか分からなかったため、その都度仲介担当者が店長に電話で確認をしていましたが、電話に出てもらえないと確認が取れず待たなければなりませんでした。ANDPAD導入後は、ANDPADに最新情報がある状態になっているので、店長に直接確認せずとも仲介担当者自身が考えて動けるようになりました。業務が効率化したことで、内見や入居案内がスムーズになり、本来の業務に集中できるようになりました。ANDPADで物件情報を共有できるようになって、店長が電話を受ける回数もかなり減りましたね。ANDPAD導入はとても意味のあることだったと思います。

基本的には社外パートナーさんに写真を撮影してもらっていますが、福岡は工事に仲介担当者が立ち会うケースも。その時に仲介担当者が撮影した写真をANDPADにアップして、お客様にANDPADにアップされている写真をお見せするなど、営業にも役立てています。賃貸物件の場合、一般的には、不動産仲介サイトなども含めて同じ間取りの他の部屋の写真を見せるケースも多く、床の色や設備が実際の部屋とは異なるということがよくあります。運用定着促進プログラムによってANDPADで物件写真をたくさん撮るようになり、リアルな物件の状況をお見せすることが可能になりました。それによって、来店時にはお客様が本当に見たい物件を絞り込めているので、内見する物件数が厳選できるようになりました。エリアによって若干違うとは思いますが、1物件あたり50〜60枚くらい写真があるので、それらを確認した上で1〜2件内見して契約に繋げることができ、効率的な営業活動ができるようになりました。

山本さん: 山口の店舗は物件数が多く、物件の写真を活用した営業活動についてはまだまだという印象ですね。物件数が多いためANDPAD上で検索をかけても案件が埋もれてしまい、2〜3ページ目まであって検索しきれないことも。仲介担当者がどこに何があるかを把握しきれていないという状態になっています。

現在、ANDPADに案件を登録する際は、たとえば「◯◯ハイツ」の101号室、102号室…をそれぞれの案件として登録する社内ルールにしています。ただ、もうひと工夫することで「101号室の◯◯工事」「101号室の△△工事」と、居室に対する工事情報を蓄積できたはずなので、今後運用面を変更するかどうか検討中です。仲介担当者にとって分かりやすく、使いやすくなるよう使い方をアップデートしていきたいと考えています。

須田さん: 物件の検索性を担保するために、案件ラベルを活用して、入居前、入居中、退去後などのステータスと店舗を分類しています。案件ラベルもありすぎるとわからなくなってしまうので、ある程度シンプルに絞っていいのかなと思っています。

――管理物件の原状回復工事について、以前は工事完了の状況確認を物件管理担当者が電話で都度確認していらっしゃいましたが、ANDPADを活用することでリアルタイムな現場状況の把握はできるようになりましたか。

須田さん: ANDPAD上での報告も定着しはじめており、リアルタイムな現場状況の把握ができるようになりました。

さらに、チャットで発注が完了できるので、社外パートナーさんとの電話は緊急時のみになりました。工事の依頼から見積もりまでほぼチャットだけで運用できています。福岡は比較的若い世代の方が多いので、デジタルツールに慣れているというのもあると思いますね。1アカウントを数名で共有している会社さんもあるので確認漏れの懸念もありますが、どこまでアカウントを付与するかの選定は難しいところでもあります。

山本さん: 以前は住所や鍵番号などの物件情報や発注書をExcelで作成して、間取図と併せてFAXで送り、電話で発注連絡をしていました。今は、退去連絡を受けると管理部がANDPADに案件をつくってくれているので、社外パートナーさんをANDPADの案件に追加して「入れておいたので、よろしくお願いします」と電話で伝えるだけ。スピード感が格段に変わったところであり、一番助かっているところですね。退去連絡はHPのフォームからメールで届くようになっていて、それを基に管理部がANDPADに案件を作成しています。店舗に来店されて退去届を記入してもらった場合はその対応者が案件を作成するルールになっています。

発注連絡などANDPADによる業務効率化は非常に重要です。ANDPADを使っていないパートナーさんもいらっしゃいますが、なるべくANDPADでの運用が可能なところに依頼するようにしています。

ANDPADを活用することで、仲介担当とPMの情報共有が一元化され、現場からの報告も含めリアルタイムに共有されるようになったという同社。それによって双方の業務効率化に繋がりました。また、実際の部屋の原状回復後の写真がANDPAD上に数多く集まることで、店舗接客時にも利用でき、顧客体験の向上にも役立てていただいています。

報告については指標には未達だったものの写真と同様に運用が定着し始めており、リアルタイムな現場状況の把握が可能になっています。そして何よりANDPADを導入したことで、社外パートナーへの発注業務の負荷が大幅に削減されました。

後編では、ANDPAD活用によってどのような業務変化が生まれたのか、そして今後の課題と目標についてご紹介します。

株式会社ハウスサポート
https://www.housesupport.info
〒812-0013
福岡県福岡市博多区博多駅東1丁目1-25 宝ビル1階
代表取締役 大野 健二
設立:2008年8月22日

取材・編集:平賀豊麻
編集・デザイン:原澤香織
ライター:金井さとこ
デザイン:森山人美、安里和幸