本企画では、「ANDPAD AWARD 2021」の各部門の受賞者に会いに行き、仕事へのこだわりやANDPAD活用術などを教えていただきます。今回は、「リフォーム 総合賞 社内ユーザー部門」全国3位を受賞された、株式会社中村工務店 工務部施工管理課 橋浦 一輝さんと谷口 善則さんのインタビューを前後編でご紹介いたします。
同社は創業から60年の歴史をもつリフォーム会社。長崎県で展開する「すまいるリフォーム」は、長崎県施工実績14年連続No.1を誇ります。また、「正直施工システム」や丁寧なアフターケアによって、お客様を長く幸せにしていくための体制を整えていらっしゃいます。
今回、橋浦さんと谷口さんは総合賞3位をW受賞されただけでなく、各ランキングに社員の方々が複数名ランクインされており、ANDPADによる運用が会社として浸透していることが分かります。そこで、受賞のコメントと併せてどのように業務の中でANDPADを運用し、お役立ていただいているのかについても伺いました。前編では、仕事をする上でのこだわりや心掛けていること、ANDPADを導入し運用が浸透するまでの取組みについて迫ります。
谷口 善則氏
株式会社中村工務店 工務部 施工管理課
食品業界で調理や営業を経験。自邸を建てた際、リフォームの図面を描くようになり、住宅業界に興味をもち、県の職業訓練校で学んだ後、2013年4月に同社に中途入社。業界未経験で現場監督となり、現在9年目。外部工事、外構、足場、屋根、塗装、小工事など、水まわり以外を担当。
仕事に対するこだわりと心得について
――改めまして、「ANDPAD AWARD 2021 リフォーム 総合賞 社内ユーザー部門」全国3位受賞、おめでとうございます! お二方でのW受賞は本当に素晴らしいですね。受賞について社内の方から反応はいかがでしたか。
谷口さん: 工程会議の場で発表されたのですが、入賞者に当社の社員が複数名いたので驚きました。
橋浦さん: 社内の反応としては、若干引かれました(笑)。「凄いね」というお言葉はいただきましたが、それに準ずる仕事量が見えてくるよねという話で、上位3位には入らずともTop100にかなりの社員が入っていたことを取材に際してアンドパッドさんから教えてもらい、みんな頑張っているんだなと刺激にもなりました。ANDPADがなかったらもっと業務がてんてこまいになっていただろうなと日々感じています。
写真右から 株式会社中村工務店 工務部 施工管理課 課長 橋浦 一輝氏、株式会社中村工務店 工務部 施工管理課 谷口 善則氏、株式会社アンドパッド カスタマーサクセス部マネージャー 伊藤 恒太
――貴社は社内外共にANDPAD上で活発にチャットや報告でのコミュニケーションがなされていますが、コミュニケーションを取る上で心掛けていらっしゃることがあれば教えてください。
橋浦さん: 協力業者さんにANDPADを使っていただくために、「報告してくれてありがとうございます」という感謝の気持ちを伝えて、利用率向上に繋げていきたいという気持ちを強く持っています。ANDPADを導入したばかりの頃は使ってくださる協力業者さんも少なかったので、こちらからの連絡に対して返事をもらったり、たとえミスの報告であっても、まずはANDPADを使ってくださることに感謝の言葉を伝えるようにしています。
谷口さん: 社員大工は出社する機会が少ないため、社内でのコミュニケーション量や褒められる機会も少ないんですよ。当社では「ありがとうカード」という社員同士で日頃の感謝を伝えたい人にカードを書くという習慣があるのですが、それも彼らがどんな仕事をしているのか見える化するためにスタートをしました。
「ありがとうカード」については社長からの発信でしたが、当社では企業理念やビジョンも社員主導で決めています。私自身も40歳、未経験からのスタートでしたが、当社はどんな人でも受け入れてチャレンジできる風土が形成されています。社員大工は20代中心ですが、昨年56歳で業界未経験の方も入社しました。
企業理念やビジョンは社員から集められた言葉をまとめたもの。社員が自発的に発言して進める風土形成がされている。
橋浦さん: また、当社には「ありがとうコイン」というインセンティブがあります。お客様アンケートで好評価を得たり、お客様へ送るお礼ハガキや「ありがとうカード」をもらった枚数、完工高の達成、営業の目標達成などさまざまな指標をクリアするとコインがもらえて、コインを20枚集めると3万円のギフトカードがもらえるというもの。こうした取組みもあるので、いろんな方へ感謝する機会も多く、自然と「ありがとう」という言葉が使われているのかもしれません。
――お二方にとってのリフォーム監督としての心得をぜひ教えてください。さまざまなポイントで工夫を重ね続けてきていらっしゃると思いますので、ぜひ仕事の真髄を伺えますでしょうか。
橋浦さん: 当社には工事終了後のチェック時に予想できなかった事態が発覚した場合に、不良箇所を正直にお知らせして、対応方法や金額をご提示する「正直施工システム」があります。それと同じように、何事においても正直であることしかないですね。リフォーム工事は新築と違って腐食部など解体してみないとわからないので、追加料金が発生するケースを含めて事前にきちんと正直に話して、お客様に安心してもらうことが重要。そうしておかないと後々トラブルにもなりますから。あとは、イレギュラーの時の対応スピードですね。現調の時に写真を撮影して、ANDPADのチャットで各協力業者さんにどれくらいの工期や見積もりになるか聞いたりと、営業とのやりとりもチャットでできるので、すぐにお客様にもお話ができて工事もスムーズに進められます。
橋浦 一輝氏 株式会社中村工務店 工務部 施工管理課 課長
谷口さん: 私が大事にしていることは、職人さんのモチベーションを上げること。仕事がやりやすい環境をつくって気持ちよく作業してもらえば、必然的に私たちもお客様も嬉しいですからね。
谷口 善則氏 株式会社中村工務店 工務部 施工管理課
ANDPAD運用浸透までの取組みについて
――現在のANDPADの運用に至るまで試行錯誤もあったかと存じます。貴社でご導入されてから橋浦さん、谷口さんが工夫されたことや、取り組んだアクション、また心掛けていたことを教えてください。
谷口さん: そもそも私が入社した当時は現場管理ツールはなく、口頭ベースで日報を報告していました。今振り返ってみるとなんてアナログだったんだでしょうね(笑)。特に引き継ぎなどもなかったですし、業界未経験だったので非常に苦労しました。従来は営業が監督まで一貫して担当していたのですが業務が回らない状態だったことを受けて、2013年9月から施工管理課を設け分業化するようになりました。
工期が短く、毎日とても忙しく動いていました。ANDPADを導入後は、価値観と共に働き方も変わってきたと思います。以前はエクセルで工程表を作成しなければならないのが面倒でしたが、ANDPADの工程表はいいですね。ANDPADは便利だから使っているという感覚で、今は工程表を作るのが楽しいんですよね。場所問わずスマホでも確認できるのも便利です。
橋浦さん: 従来はFAXで各協力業者さんに工程表を周知していて、連絡漏れなどが発生することもありました。また工程表自体の作成や表記のルールもありませんでしたが、ANDPADを導入してから取り組む姿勢も変わって、工程表をつくってから周知させるまでの一連のフローも整備しました。いつまでに工程表をつくるという期限を決めて、協力業者さん含めて関係者に周知するまでをANDPADで完結できるのが肝で、抜け漏れがないところがまず一番安心できるところですね。
心掛けていることとしては、下書き状態のまま着工日になってしまうことがないように、必ず工程表を公開したらその旨チャットでメッセージを送るようにしています。実は、以前工期が確定していない案件の仮工程を組んでそのまま公開してしまったことがありました。その時はチャットで連絡していなかったので職人さんたちには見られていないだろうと、下書きに戻し大丈夫だろうと安心していました。しかし、実はその時公開した情報を職人さん達は確認していて、裏側で自走的に動いてくれていまして、下書きの際に仮で入力していた着工日の前日に「明日現場だけど大丈夫?」と確認の連絡が入ったことがありました。自分のミスではありましたが、ここまでANDPADの運用が浸透していることには驚きましたね。もう繰り返したくないので、公開ボタンは慎重に押しています。
――どのようにデジタルを活用したいかという青写真を描き、社内でANDPADの使い方を議論されてこられたと思いますが、運用の構築までのプロセスや工夫されたことについて教えてください。
橋浦さん: ANDPAD導入前は別の施工管理ツールを利用し、チャットは別のツールで運用していたのですが、結局電話やメッセンジャーアプリを使ってしまって機能していませんでした。
ANDPADチャットも使用頻度が上がったのはここ1年くらいで、運用の精度を上げていく過程で必然的にそうなっていきました。ANDPADチャットが凄いと思ったのは、途中から案件に入っても過去のやり取りを遡れるという点です。
谷口さん: チャットを使うようになって、きちんと誰が見てもわかる現場にしていかなければならないという気づきもありました。施工管理担当は4名いるのですが、1名体調不良のためしばらく不在になった時に、残りの3名でチャットを遡ってフォローしたことがありました。その時に、チャットが飛び交っていない、コミュニケーションが取れていないことに気づいたのです。協力業者様へのコミュニケーションが一方通行だという課題を痛感しました。
橋浦さん: 施工管理担当者間でANDPADの使い方が共有できておらず、会社としての方針も決まっていなかったので、監督によって使用頻度にもバラつきがありました。われわれの感覚でお互いの仕事を見るというのはタブーだと思っていたところもあります。他の監督のANDPADの活用方法を知る機会があったことで問題が表面化し、工務部施工管理課としてどのような使い方をスタンダードとすべきかという議論をするようになり、全員のANDPADの使い方の良いところを共有していきました。ANDPADをうまく使っていかないと業務が回らないというのも痛感しましたし、万が一人員が欠けた時の運用の仕方を考える大きなきっかけにもなりました。今は、誰が休んでもチャットを見返せば工事の内容がわかるように、しっかりと履歴を残すようにしています。
谷口さん: ANDPADという便利な工具を持っていたけれど使い方を知らなかったという人も多く、浸透に向けて取り組んでいった結果「やっと使い方が分かった」という人もいました。現場に行けない時に現場にいる社員大工に発注リストを送ってもらって発注をかけたり、納まりの確認など現場状況を共有できたりと、ANDPADというハコで何をコミュニケーションすべきかがしっかりと見えましたね。
後編では、CS(顧客満足)やGS(業者満足)向上のためにどのような取り組みをされているか、またANDPADをどのようにご活用されているのかについて深掘っていきます。
URL | http://www.smile-reform.com |
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代表者 | 代表取締役 中村 鉄男 |
創業 | 昭和30年 |
所在地 | 〒852-8118 長崎県長崎市松山町4番44号 |