〜後編〜「班体制」で現場監督同士が助け合い デジタルツールをフル活用してDX化を推進

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佐久間 今朝利氏
株式会社シアーズホーム
取締役 支店長 福岡営業部 部長 

告坂剛氏
株式会社シアーズホーム
生産管理本部 工事部 工事課 係長 

創立30年を越え、完全自由設計の注文住宅から企画型の省コスト・コンパクトハウスまでを販売し、グループ全体でコストパフォーマンスの高い住宅を提供し、熊本県を中心に、福岡県、佐賀県にも裾の尾を広げ、成長を続けるシアーズホームグループ。これまでに積み重ねた施工実績は7000棟以上にも及ぶ(2021年4月現在)。今回は、株式会社シアーズホーム 福岡支店に携わる、取締役 支店長 福岡営業部 部長 佐久間 今朝利氏と、生産管理本部 工事部 工事課 係長 告坂剛氏に、同社の成長の原動力について伺った。後編では、人材育成の取り組みについて、ANDPADをはじめとするデジタルツールを駆使したDX化への取り組み、今後の展望について紹介する。

――年間30棟を担当できる人材を育成するために、どのような取り組みをされているのでしょうか。

告坂氏: 当社は「メンター制度」を設けています。以前は班長の下に新人1〜2人がついて学ぶ体制でしたが、現在は班長1人が新人1人に対してしっかり伴走し、早く一人前になってもらえるよう成長をサポートしています。メンターは明確な役職というわけではなく、年間25棟以上の現場を担当するスキルが一つの基準で、半期ごとの人事評価制度によって評価されます。これだけの現場を回せるようになるまでには、現状のやり方だと5年くらいはかかりますね。
常にメンターが現場に同行して、お施主様対応や現場での検査方法を細かく指導し、基礎、大工、仕上げと、それぞれの工程ごとに少しずつ独り立ちできるようにしていきます。新人が現場全体を担当するようになってからも伴走を続けて、一連の業務の流れをしっかりと覚えてもらう仕組みにしています。

監督の教育・育成についてお話される告坂氏

告坂氏: また、全社統一でシアーズアカデミーという研修制度を設け、各セクションの入社1〜4年目の社員が参加し、施工管理の進め方や部材名称などを学ぶ現場塾を毎月実施しています。映像学習などのコンテンツを用意し、研修の最後にはテストを行って知識を深めています。

――年間30棟の現場を回していくために、現場監督に必要なスキルは何でしょうか。また、今後の若手の現場監督育成の方向性について教えてください。

告坂氏: 私自身も年間30棟の現場を管理できるようになるまで4年かかりました。現在は40棟近く担当していて、現場が重なった月は休日出勤をしなければならないこともありますが、基本的には休日はしっかり休めています。
25棟以上になると業務量が非常に多くなり、頻繁に現場に行くことができなくなるので、現場との円滑なコミュニケーションができる人間力は必須になりますね。そして、現場からのちょっとした質問に対して、自分の頭のなかにパッと図面が出てくるようにならないと対応していくことは難しい。現状は月毎の棟数は明確には決めずにマイスターの経験値で班員に割り振っているので、今後は基準を設けてクリアにしていきたい。

iPadとApple Pencilを活用して資料へ書き込みを行う告坂氏

告坂氏: また、今後も着工棟数は伸びていくと思うので、若手にどんどん経験値を上げてもらうために、デジタルをフル活用して働き方改革をしていけたら。例えば、新人からの収まりの相談はANDPAD上で報告する運用にしたことで、迅速に回答できるようになりました。今後、当社の収まり図をまとめたディティール集も完成予定で、新人でも自社基準をインプットした上で経験値を重ねていくことができるようになり、成長スピードを上げていけるはずですし、お取引先様もご自身でディテール集を見て収まりの確認ができるので監督の現場呼び出しの数も減らせると考えています。また、紙の製本図面も廃止してiPad上でペーパーレスでやりとりするようにしたり、現場カメラや現場ロボティクスを順次導入して遠隔管理を進めています。ANDPADをはじめ、さまざまなデジタルツールを活用することで若手の現場監督の業務管理や指導も効率的に行えるようになり、人材育成においてもさらに効率化が図れると考えています。

――ANDPADをはじめ、さまざまなデジタルツールを活用した現場DXに取り組まれていらっしゃいますが、そもそもデジタルの積極的な活用に取り組まれた背景と、導入後の変化について教えてください。

告坂氏: やはり生産性向上が一番の理由ですね。当初は他社の施工管理ツールを使用していたのですが、当社の基幹システムとの連携ができなかったため、ANDPADに切り替えました。工程管理に関しては、従来は工程変更が生じた場合は1時間かけて修正し、それからFAXで関係者に1時間かけて連絡していたのが、デジタルツールを使用するようになってからは5〜10分で変更点を共有できてしまうので非常に効率が上がりました。今、施主報告機能を試験的に使用し始めたところなので、お客様とのコミュニケーションも円滑になると期待しています。
DX企画課という専門部隊もつくり、一気にDXを加速させていきたいと考えています。

また、当社は協力業者様を「お取引先様」と呼んでいるのですが、お取引先様が予定工期で納めていただけるリレーションも築けているので心強いですね。

――その他に、現状で現場監督業務での課題となっていることはございますか。

告坂氏: 現状、お施主様への工事の報告はLINEで行なっているため、いつでも連絡が取れてしまうというのが課題。営業時間外の対応をしなければならないことも。当社は、現場監督の8割が20代。若い世代はプライベートを大事にしたい人も多いですし、みんなが働きやすい環境づくりを推進していくためには、適切な距離感が必要なので、今後はANDPADの施主報告機能にシフトしていきたいと考えています。今は試験的に導入している段階ですが、今後はANDPADにアップした写真をお客様にも共有できるので、お客様の体験価値向上だけでなく、現場の効率アップにも繋げていけたら。

――最後に、熊本を中心とした広い商圏で毎年着工棟数を伸ばし続けている御社ですが、今後の展望や目指している目標について教えてください。

佐久間氏: 熊本ではNo. 1をキープしながら、DXで福岡エリアをさらに伸ばしてダントツの生産性を高めていきたいですね。福岡でも新築だけでなくリフォームなど周辺事業にも挑戦していきたいと考えています。当社は直営工事で、社員が全現場を管理する体制を取っているため、工事部の現場監督は非常に忙しく負担が大きい。顧客対応の品質面など外部に発注しづらい部分でもありますが、今後はお客様に寄り添ったサポートができるよう、地場の工務店様とのアライアンスも視野に入れていきたい。まずはリフォーム事業から進めていけたら。

今後の展望についてお話する佐久間氏

佐久間氏: また、現在は検査を第三者機関に委託していますが、社外検査は見落としも多く、なかなか品質が揃わないのが課題。品質管理は、お客様への訴求力にも繋がる部分ですから、今後は社内検査にシフトしていきたいと考えており、新人育成をしている最中です。工事部とは別に検査部を新設し、“鬼の検査部”として徹底した品質管理に注力していきたいと考えています。

シアーズホームグループ
株式会社シアーズホーム
https://searshome.co.jp
本 社
〒862-0968
熊本県熊本市南区馬渡2丁目12-35
福岡支店
〒816-0911
福岡県大野城市大城2丁目23番30号
代表取締役 丸本文紀
創業:1989年1月17日

取材編集:平賀豊麻
ライター:金井さとこ