ANDPAD HOUSEプロジェクト レポート#01 「BIMとANDPADをフル活用して建てる家」をアンドパッドがつくるわけ

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今井亮介
株式会社アンドパッド 執行役員 ANDPAD ZERO Director

一級建築士。大学院卒業後、日本設計にて建築士として国内外の大規模開発に携わったのち、ブランド・コンサル・ファームにて新規ブランド開発のプロジェクト・マネージャーとして従事。その後、個人で新規事業開発コンサルティングを提供しつつ、自身で複数のスタートアップ立上げを経験。2020年5月よりアンドパッドにANDPAD ZEROの責任者として参画。

アンドパッドは自らが施主となり家を建てるプロジェクトを進行しています。本プロジェクトのプロジェクト・リーダーでもあるANDPAD ZERO執行役員今井亮介に、アンドパッドがなぜこのようなプロジェクト開始に至ったのか、背景や目的、会社としてのヴィジョンについてインタビューした。

はじまりは代表稲田の一言

アンドパッドに新規事業の責任者としてジョインしてから数ヶ月経った頃、稲田から「アンドパッドが施主になって家を建てたい。」という話が出てきました。最初はちょっとした冗談かなと思って「いいですねー。」と笑っていたんですが、話を聞いていると「おや、これは本気だぞ。」と。

そして、その発想に至った背景や、自身の顧客とのコミュニケーションを振り返り、「たしかに1つ家を建てた方が諸々見えてくるな。」という結論に至り、プロジェクトが開始しました。

本プロジェクトの大きなポイントは、「BIMのフル活用」と「ANDPADのフル活用」の2点です。では、これがなぜ自らが家を建てることに繋がるのか?

Rhinocerosを用いた意匠設計者の株式会社小林・槇デザインワークショップからの提案。ビデオ会議でプラン共有を進めた。

ポイント1:BIMのフル活用

住宅業界でも、非住宅業界でもBIMは一定範囲で活用されてはいます。しかし、その使い方が設計事務所内だけだったり、現場監督だけだったりとBIMの利用には「利用グループ/事業者の分断」が存在しています。2009年が日本におけるBIM元年と言われていますが、11年経った2020年時点でも、国土交通省主催の「建築BIM環境整備WG」のテーマにはまだ先に上げたような設計、施工、施設管理と建築のライフサイクルで生じている「分断」が1つのテーマであったりしました。

実際にお客様や先進的な取り組みをされている企業様へヒアリングをしても、まだまだこの「分断」は存在していて、設計フェーズまでだけ限定的に用いられているケースが大半でした。BIMは本来は設計 - 積算 - 製造・施工 - 維持管理と1つのモデルデータを共有することで生産性を高めるものです。誰もがこの「理想像」は理解していても、実態としてビジネスの現場で運用できている企業は稀な存在です。したがって、お客様にこの件についてご相談されても、理論では分かっていても具体的なご提案をできない状況でした。

個別案件においてトータルで得られる生産性がフロントローディングと言われる設計フェーズの負荷を大きく上まわらないと実際にBIMは広がっていきません。ただ、再現性高くこれを実証するケースはまだまだ少ないのが現状です。

そこで、冒頭の話しに戻りますが、「じゃあ一度全部自分たちでやってみるか。」という結論に至ったのです。
100の理論より、1の実践。企画設計段階から製造・施工段階まで連続してBIMを用いることで見えてくることをプラスマイナス要素含めてまとめていこうと考えています。

BIM実行計画書

ポイント2:ANDPADのフル活用

実はBIMとANDPADの相性はとても良いんです。
具体的には、3Dで建築を設計することで、主だった部材等の情報をスプレッドシートとして書き出すことが可能となります。この書き出された部材数量をベースとすることで、商社や工場に対してより正確な見積り依頼をすることが可能となります。この実行予算の整理と受発注をスムーズに行うサポートをするのが、「ANDPAD引合粗利」と「ANDPAD受発注」なのです。

また、3Dデータを現場で施工する職人の方々に作業前に共有することで施工ミスなどが減るという事例はありますが、BIM Viewer自体がまだまだ高価だったりするため、実態として3D情報の共有ができていません。ここで、今後リリース予定の「ANDPAD図面BIM」です。このプロダクトにより、ANDPADユーザーの方々全員が分かりやすい3Dデータの確認や3Dデータ上でのコミュニケーションが可能となっていきます。

このような具体的なプロダクト展開のイメージがあれど、BIM自体がまだまだ現場まで浸透していないことで説得力のあるご提案ができない状況です。だからこそ、「自分たちで一度建ててみる。」のです。

ANDPAD図面α版を用いての施主共有画面

ANDPAD HOUSEの活用方法

ここまでお話したように、企画から竣工までをまずスコープにプロジェクトは進んでいます。この内容については、今後基本設計、実施設計、着工などプロジェクトのフェーズごとにこの場でお伝えしていきたいと思います。

竣工後の用途は3つで、顧客とのコミュニティスペース、実験施設そして、社員のワーケーション施設です。秋葉原本社にあるANDAPDコミュニティのようなANDPADのお客様とのコミュニケーションスペースとして。またBIMと施設のモニタリングを用いた維持管理プロダクトの実験施設として。そして”ニューノーマル”な働き方としての社員のワーケーション施設です。このように竣工後も多様な価値を生み出す場として活用していくことを意図しています。

基本計画時のインテリアイメージ

今後のレポートを是非ご覧ください。また、ANDPADのご契約者様は是非今年末の竣工後にぜひ遊びにいらしてください。

編集:平賀豊麻