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グリーンライフ産業|エクステリア業界を牽引! 遠隔管理で実現する品質向上〜前編〜

ITが苦手だったベテランを変えた。ANDPADを活用し「日本一」に

目次

  1. DXカンパニー部門「大賞」を受賞、DXで業界をリードする成長企業
  2. ANDPADをフル活用し、施工管理業務のほぼすべてを遠隔で対応
  3. DXによって社員定着率が改善、社員職人の育成を見据えて新しいチャレンジを続ける

ANDPADの利用状況をデジタルにスコアリングし、ANDPADを最も使っているユーザーを称賛するANDPAD AWARDのユーザー部門。今回は、2024年の1年間を通して、ANDPADのベーシックな機能を総合的に最も活用したユーザーを称える「総合賞」において、全国第1位を受賞した、グリーンライフ産業株式会社 西原 健さんにお話を伺った。

グリーンライフ産業株式会社は、公園・緑地などの環境緑化事業、新築住宅の外構緑化事業といったBtoBでの造園業から出発し、2020年からはBtoCのエクステリア・ガーデン事業をスタートした。現在では、個人のお客様を対象としたエクステリア・ガーデン専門店「グランド工房」を全国17店舗・台湾1店舗を展開し、本社を置く九州・福岡から関東、海外へと営業エリアを広げている。

そんな同社は、店舗数拡大と案件数増加に対応するため、2019年にANDPADを導入した。ANDPADを利用する「人」に寄り添ったきめ細やかなフォローで運用を軌道に乗せ、業務負荷の軽減と品質向上を実現し、2023年に開催された「ANDPAD AWARD 2022 DXカンパニー部門」において、DXカンパニー大賞を受賞している。

そして今回、全ANDPADユーザー55万人の頂点に輝いたのが、同社の技術本部 業務課に所属する西原さんだ。西原さんは、同社が開催する社内コンテスト「グリーンライフ アワード2024」にて、年間の工事売上高トップの実績を上げた「最優秀業務社員賞」も受賞している。

本社から最も離れている支店の担当として、施工管理業務のほぼすべてを遠隔で行い、品質向上と売上拡大に貢献している西原さん。職人の仕事を無理なく・無駄なく埋めていく効率的な差配管理や、工期遅延を防ぐための工程管理・納材管理、営業・プランナーの受注をサポートする取り組みなど……西原さんのANDPAD活用術は、エクステリア・ガーデン工事の現場監督を務めている方に大いに参考になるだろう。

 

DXカンパニー部門「大賞」を受賞、DXで業界をリードする成長企業

──ANDPAD AWARD 2025 ユーザー部門「総合賞」1位の受賞、おめでとうございます! まずは西原さんのこれまでのご経歴と、グリーンライフ産業に入社されたきっかけを教えていただけますでしょうか。

西原さん: 私は、大学の農学部で農業土木学を学び、卒業後は建設コンサルタントに就職しました。入社から6年間、主に公共土木工事の設計・積算業務を担当していたのですが、徐々に「コンクリート構造物よりもランドスケープのデザインに携わりたい」との想いが強くなり、転職を決意しました。前職を退職した後は、庭師の方に師事して、個人宅のお庭の手入れや庭木の植え方、ガーデンのデザインなど、現場作業を学びました。

当社への入社のきっかけは、福岡への移住です。福岡でも同じ造園業に携わりたいと思っていたところ、当社の求人情報を見つけました。面接で、当社の創業者である会長と1時間ほど話し込んだら、その場で「じゃあ来週から来てね」と言われて(笑)。現在「グランド工房」で受注した工事はすべて協力会社さんにお願いしていますが、当時は社員職人が施工をする部署が立ち上がった時期だったため、私は造園の職人として採用していただき、2年間ほど現場作業に携わりました。

グリーンライフ産業株式会社 技術本部 業務課 西原 健さん

山田さん: 西原が入社した当時、当社では職人を社員として採用し、造園業を幅広くカバーする多能工職人を育てていく取り組みにチャレンジしていました。ただ、現場への差配管理が適切にできず、社員職人を遊ばせてしまう事態が続き、人件費がかさんで採算が合わなくなってしまいました。そこで、徐々に社員の配置転換を進め、協力会社さんに施工をお願いする体制へと移行しました。

取材には、西原さんが所属する技術本部の本部長を務める山田さん(写真中央)、業務課を事務面からバックアップしている原野さん(写真右)にも同席いただいた。おふたりともANDPADの導入時から利用浸透に尽力されている。

西原さん: 私は、造園施工管理技士やエクステリアプランナーといった資格を取得していたため、「施工管理を担う業務課で、これまで培った知識や経験を活かしてほしい」と異動を打診されて今に至ります。現場作業に携わったのは2年間だけなので、経験のない工事も、わからないことも多くあります。だからこそ、どんなに難しい工事であっても、協力会社のみなさんが当たり前のようにきれいに現場を納めてくださることが純粋にすごいと思っていますし、本当に感謝しています。

──今回受賞の知らせをお聞きになったときはどう思われましたか?

西原さん: 人生において「日本一」をとったことがなかったので、嬉しく思うと同時に恐縮しています。普段はDXとは無縁の人間なので、娘は「切符も買えない人がDXで日本一?」と驚いていました(笑)。

今回、ANDPAD AWARDのユーザー部門において総合賞1位をいただきましたが、実は当社の社内表彰である「グリーンライフアワード2024」においても「最優秀業務社員賞」を受賞させていただきました。年始に社内で表彰を受けたあと、アンドパッドさんからも本賞のノミネートのご連絡をもらって驚きましたが、社内外から評価していただけたのは本当に嬉しいです。

「グリーンライフアワード2024」で西原さんに授与されたメダル。西原さんは、年間工事売上高が最も高かった担当者として「最優秀業務社員賞」に選出された。

──メールで受賞をお知らせしたときに、「大変申し訳ありません。このメールに気づいていませんでした。いつもANDPADばかり見ているので……」とご連絡をいただいたと伺っています(笑)。

西原さん: そうでした(笑)。日々の業務において、ANDPADは最も優先順位が高いものですから。まさに「なくてはならない存在」です。

──西原さんは、普段のお仕事のなかでどんなときにやりがいを感じますか?

西原さん: 計画通りに工事を進めて、お客様に満足いただけたときに一番やりがいを感じます。段取りで問題が生じたり、「本当に納められるのだろうか」と悩んでしまうような現場もありますが、一筋縄ではいかない現場だからこそ、お客様の要望を叶えられたときには達成感を味わえます。一緒に苦労した営業担当やプランナーの笑顔も、仕事の励みになっていますね。

 

ANDPADをフル活用し、施工管理業務のほぼすべてを遠隔で対応

──西原さんが所属されている、技術本部 業務課が担っている役割を教えてください。

西原さん: 技術本部は、設計・見積り作成を行う設計課と、資材発注や協力会社さんの手配などを行う業務課で構成されており、私は業務課に所属しています。お客様にエクステリアやガーデンの提案を行うプランナーを工事の面でバックアップする部署です。

山田さん: 業務課のメンバーは、九州・関東合わせて7名です。業務課の一人ひとりに担当支店が割り振られており、担当支店が受注した案件の工程管理、協力会社さんの差配管理を行っています。

──西原さんが担当している業務内容も教えていただけますか?

西原さん: 担当支店の案件に関わる工事の段取り、施工管理が主な業務です。工事内容によっては、新規の協力会社・取引先の開拓にも対応しています。若手や経験の浅いメンバーに工事の進め方をアドバイスしたり、プランナーからの技術的な相談に乗ったりもしています。

──どんな場所・どんなタイミングでANDPADをご利用いただいているのでしょうか?

西原さん: 基本的には、本社の社内でANDPADを利用しています。チャットにもすぐに対応できるように、PCのモニター2台でANDPADを開いて常に確認しています。現在は、図面確認、現場写真・黒板写真の確認、職人さんの予定確認・工事発注、資材発注など、工事の段取りはほぼすべてANDPADで行っています。担当支店で進行している全工事の工程を一覧で確認できる横断工程表も活用しているので、工程や職人さんの組みかえにもスムーズに対応できています。

──西原さんはどの支店を担当されているのですか?

西原さん 九州エリアの支店のなかで、福岡市の本社から最も遠い東熊本店と大牟田店を担当しています。週1回支店には足を運びますが、現場を見て回るのが目的ではありません。プランナーの工事見積もりをサポートしたり、受注見込みのある案件を確認したりするために、支店を訪問しています。支店の社員はほぼ20代ですし、支店長クラスでもまだ30代なので、週1回はしっかりとコミュニケーションを取ってフォローに入っています。

山田さん 業務課は、基本的にフリーアドレスで、本社にも担当支店にも自分専用の机がありません。火曜日と木曜日はミーティングのために出社しますが、それ以外は自分の裁量でスケジュールを組んで業務を進めてもらっています。

「業務課のみなさんは、直行直帰も多いですし、支店に行く日もあるので、デスクはフリーアドレスです」と原野さん。

──担当支店の現場に行くことはないのでしょうか?

西原さん: 今はほぼありません。お客様への説明のために、どうしても自分の目で確かめておきたいときは現場へ行きますが、それ以外はANDPADにアップされてくる写真を確認すれば問題なく対応ができます。

山田さん: 遠隔で現場管理をしているとお伝えすると、「本当に現場を見なくて大丈夫なのだろうか」と不安を感じるお客様も少なからずいらっしゃいます。そういったお客様のもとへ行ってしっかりお話を聞くことも施工管理の業務のひとつです。ANDPADで現場管理を効率化したことで、お客様先のフォローにも時間を割けるようになっています。

山田さん: 現在はANDPADをフル活用して、施工管理に不可欠な4大管理と言われる「品質管理・原価管理・工程管理・安全管理」に遠隔で対応しています。なかでも一番重宝しているのは報告機能です。ANDPADを導入してからは、現場の安全が配慮されているか、職人さんはきちんと現場に来ているか、養生が終わっているか……といった状況をリアルタイムで確認できて助かっています。以前は、職人さんが帰ったあと、工事の進捗や現場の状況が心配になって、現場を見に行っていましたからね。

 

DXによって社員定着率が改善、社員職人の育成を見据えて新しいチャレンジを続ける

──遠隔で施工管理業務ができるようになって、移動時間や残業時間も減ったと伺っています。就業環境の改善によって、社内に変化はありましたか?

山田さん: 社員の定着率が高くなっています。毎年新卒社員を10名ほど採用しており、入社後3年目での離職率10%以内を目標に掲げていますが、昨年度も達成できています。特に、ここ数年の新卒社員は同期同士の仲が良いですね。入社前からチャットグループを作ってやりとりしていたり、遊びに出かけていたりするので、入社時には同期同士で打ち解けています。九州・関東とエリアが分かれていても、同期内でコミュニケーションがしっかり取れている世代は定着していると感じています。

──DXの成果が若手社員の定着にもつながっているのは素晴らしいですね。創業以来、人材育成に力を入れてきた貴社であれば、もう一度社員職人の育成・多能工化にもチャレンジできるのではないでしょうか?

山田さん: そうですね。ANDPADのおかげで適切に案件の差配ができるようになったので、今なら社員職人の育成にも対応できるのではないかと考えています。同じ職人が工事に一貫して対応できればやりとりもスムーズですし、お客様の安心にもつながりますから。

山田さん: 造園業に携わっている職人さんは、もともと土木にも造園にも対応している多能工職人と言えます。今後は、土木・造園だけではなく、電気設備や給排水設備の簡単な工事にも対応できるような「エクステリアの多能工職人」を育ててみたいですね。千葉県で内装リフォーム業の多能工職人育成に取り組んでいるハウジング重兵衛さんとのお付き合いもありますので、どのような取り組みをしているのかを伺いながら、チャレンジしていきたいですね。

* * *

エクステリア・ガーデン工事における施工管理業務をほぼすべてANDPAD上で行っている同社。なかでも、ANDPADトップユーザーである西原さんは、ANDPADを使って遠隔で効率的に現場を納め、年間工事売上高トップという成果を上げている。後編では、そんな西原さんのANDPAD活用術に迫っていく。

 

グリーンライフ産業株式会社
URLhttps://www.greenlife-s.co.jp/
代表者代表取締役 中村太郎
創業1976年
本社福岡県福岡市東区多の津5丁目32-20 グリーンライフビル1F
取材・編集:平賀豊麻
編集:原澤香織
執筆:保科美里
デザイン:森山人美、岩佐謙太朗
お客様担当:小山知佳
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