『10年後×現場映像コミュニケーション』防犯からコミュニケーション、そしてその先へ。

  • CONFERENCE2021

佐渡島 隆平 氏
セーフィー株式会社
代表取締役社長

2002年ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社に入社、2010年に同社出資モーションポートレート株式会社のCMO就任。
2014年にセーフィー株式会社を創業し、2017年「クラウド録画サービスシェアNo.1」獲得。2020年「Forbes JAPAN日本の起業家ランキング2021」第1位受賞。

本セッションでは、セーフィー株式会社・佐渡島隆平氏にお越しいただき、現場映像コミュニケーションについてディスカッションを行った。住宅・非住宅業界における課題とセーフィー活用事例、「Safie Pocket2」における新しい遠隔業務コミュニケーション、10年後どういう世界をつくるかについて、アンドパッドとのコラボレーションの未来について伺った。

セーフィーとはどんな会社か?

佐渡島氏: 私どもの特徴としては、ソニーから抜けてきた、テクノロジーのベンチャーです。今、ソニーさんをはじめ大手の方々に資本業務提携させていただきながら、クラウドの映像のプラットフォームを手掛けています。いろいろなカメラをクラウドで管理し、そしてそこのクラウドで管理しているものにデータ化されていくので、それをより賢くしていこうというのが、私たちがやっているところで、いつでもどこでも簡単に低コストで、さらにセキュリティも非常に高く、皆さまにとって使いやすいサービスをつくるというところを主眼にやっています。建設業界の皆さまにもたくさん使っていただいています。

セーフィー株式会社 代表取締役社長 佐渡島 隆平 氏

佐渡島氏: 今非常にたくさん出ているのが、この「Safie Pocket2」という商材で、携帯電話の機能もありますし、電池も入っているので、電源をつけるだけで現場は簡単に遠隔業務がスタートできるのがポイント。電源を付けていただくとリアルタイムで見ることができますし、暗い現場であってもライトを点けられたり、ヘッドセットを付けていただくとコミュニケーションをしながらであったりとか、撮影するときれいな映像もしくは画像で転送されて、遠隔から報告書を自動的に作成していくということを支援しているサービスですね。



われわれも元々IT業界にいたので、現場が何を求めているかというところが最初わからないながらもやっていて、ヘルメット被りながら一緒に作業をさせていただくと、やはり電池を使って簡単にやるっていうのが物凄くニーズがあるなと。軽量でしっかり固定される、かつ防水というような、非常に手軽なんだけどタフであるというのを両立させてほしいというニーズが非常にありまして、ソフトウェアとしては話しながらここにいるような感覚で作業ができるっていうことを求めてらっしゃいますので、そういったものがポイントかなと思います。

住宅・非住宅業界における課題とセーフィー活用事例

佐渡島氏: ここは全建設業界にかかわることだと思いますが、労働人口の減少や、高齢化によって若くして施工の現場にいける人も同時に減少しているという、非常に大きな社会問題があります。

国交省も2025年に20%向上させると掲げていますが、実際問題5倍、10倍の生産性を上げないとやっていけないという現実に直面しているので、そこを一気に改善できるようなコミュニケーションツールを私たちとしては考えていきたいと。

まずは、非住宅の領域における活用事例というところから入りたいと思いますが、やはり大きな現場では管理する項目も非常に多いというところがゼネコンさんのポイントだと思いますので、鹿島建設様と一緒に取り組んでいる事例をご紹介させていただきます。鹿島建設さんは管理の半分を遠隔で、全ての工程はデジタルに、その後にロボティックス化というところで、当社が一番一生懸命やらせていただいているのが、管理の半分は遠隔でというところです。やはり三現主義、現場でものを見なければわからないという世界を、できる限り遠隔でもできるようにしていくことで、生産性、移動時間を削減しようというのが一つポイントだと考えています。

稲田: 導入後、実際ちゃんと使えるのかっていうところのご苦労は相当あったのではと思うのですが、いかがでしたか。

佐渡島氏: 創業してから5年くらい鹿島建設様とはずっとやらせていただいて、われわれも一緒に現場に行って作業してみたり、現場の負を直に感じながらやってきているというところです。一番こだわったのは、形というよりも、電源を入れたらすぐできる簡便さですね。

鹿島建設様は、まずは映像で施工管理するということを当たり前にして、全ての工程をデジタル化することに取り組まれていて、デジタルにしたその先というところでは、二次元の図面を三次元で立体に見えるようにして、現場の一式の情報をより効率的に管理していこうとされていらっしゃいます。

そして、その現場に行かなくてもクリックするとその現場の映像に切り替わっていくというように、自分たちの管理している建設現場のモデルと映像を繋ぐことを一緒に行うことで、建設の現場の人たちがワンストップで見られるような環境を整えているというところです。顔認証で入退場し、それでどんな人が働いているか、どんなものが動いているかというのが同時に一つの空間のなかで表現されていくというところが、次の時代のデータ活用の事例になっていくと思います。

稲田: これはもう画面上で、本社の方ですべての現場を同一画面で見れるようになっていると。特にメンテナンスとかでも住宅サイドではこういう管理の仕方は出てきそうな気がしますね。

佐渡島氏: これが移動を削減していくというところで、実は今、ゼネコンさんだけじゃなくていろいろな業種業態の方々にも、一緒に働く人たちとスマホでシェアしながらより効率的な働き方として、リアルタイムで見たいというニーズもありますので、それを繋いでいくというところで使っていただいています。

また、採用のセミナーで現場と映像を繋いで、非常に採用活動に成功されているという事例もありますし、過去の現場のタイムラップスを見て、だいたいの流れを把握してもらうという新人教育としてご活用いただいているケースもあります。

Safie Pocket2における新しい遠隔業務

佐渡島氏: 商品については先ほどご説明いたしましたが、意外と自分のスマホと繋ぐサービスが多いんですね。そうなるとなかなか使われないという現実があって、自分のスマホっていうのは重要なコミュニケーションツールですので、大事な時に電池がなくなることも危惧されていますし、通信代も非常に掛かりますので、そういったところにも現場の方が電源を入れるだけ、あとはすべて遠隔からできますよっていうところがポイントになっています。あとは記録できているというところもポイントですね。

稲田: なるほど。住宅の現場だと自分のスマホのフェイスタイムでリアルタイムなコミュニケーションをやろうという会社も非常に多い印象ですが、まさにそのあたりが違いになってきそうですね。
これはハウスメーカーでの点検の実際の利用事例としてユニバーサルホーム様でしょうか。

佐渡島氏: そうですね。ANDPADもご活用されているユニバーサルホーム様に、当社のサービスも活用していただいていまして。こちらはベテランの方が全て現場に行かなくても、若手の施工管理される方が安心して施工管理ができる、そういう事例になっています。新人教育にOJTをしながら新しいツールで全体の業務時間を削減していくことで、入ったばかりの人でも一緒に仕事ができるというところで、生産性の改善と品質の向上、両方を実現できるようなツールになっています。

稲田: 例えば、ポケットと定点は住宅建築の一連のプロセスのなかでどういう使い分けをされていらっしゃるのが一般的になっているのでしょうか。

佐渡島氏: 定点カメラでいくと、全体が見られるいうことで、基本的には防犯機能というのが一般的に使われる一つのポイントです。あとは荷受ですかね。

それから、住宅の現場でよくあるのが、お客様が買った土地に何を建てなければいけない。でも、複数管理しなければいけないとなると、どうしても県を跨いで、そこを1回行き来するのに4時間かかると。まさにアンドパッドさんもそこを解決されていると思うんですけど、移動時間が不効率になってしまうので、2現場しか見れなかったものを一気に40現場くらいを確認できるように、一気に生産性向上していくっていうことを心掛けてやっています。

稲田: 確かに相当な効率アップに繋がっているわけですね。気になる費用についてですが、大手の会社様はITの投資意識が高くて、全棟やることで違うところのコストが下がるかっていう検証も含めてやってらっしゃるなっていう印象があります。なかなかそこまで投資できない会社様もあると思いますが、どれくらいのコスト感で始められるものなのでしょうか。

佐渡島氏: 1現場1台で、数人で管理されているような方々が非常にたくさんいらっしゃいます。当社は非常に手軽に始められるレンタルという形をとっていまして、一台月25,000円でレンタルさせていただいています。まずはお試しでやっていただいて、これがミートするようならば続けていただけると非常に割に合うと思います。

稲田: では、使い方や教育面、または運用定着の支援といったオンボーディングの部分というのはどのように行っているのでしょうか。

佐渡島氏: 現場に行けば簡単に使えるっていうことがこだわってきたポイントですので、ログインすることと現場は電源を入れるだけでOK。だから、ほぼオンボーディングがいらないんですね。もちろん、何かあればきっちりとオンボーディングしていくインサイドセールスのチームもあり、そこにご相談いただければサポートさせていただく体制をとっていますので、ご安心して使っていただければと。

Safie × ANDPADが目指す未来

稲田: ここまではSafieがどのように今建設業界で使われ、広がり、なぜ皆さまが使っているのかという話をお伺いできましたが、ここからはANDPADとどういうことができるのかというお話をさせていただければと思います。

佐渡島さんと私でどんなことを考えているのかについて、皆さまにシェアしたいと思いますが、まず、ANDPADとSafieは連携をします。これで何ができるかと言うと、ANDPADの施工管理アプリのメインページにSafieというボタンが現れ、そこからタイムラップスだったり、ストレージとして過去のリアルタイムな動画が保存されていくということができるのではないかと考えています。Safieを使っていただければ、自動的にANDPADにも案件の現場単位でストックされるという連携をしようとしているというところです。

佐渡島氏: ありがとうございます。われわれとしても現場の皆さまが使いやすいことが一番大事なポイントだと思っていて。当社のアプリケーションとか当社のログインとか意識しないでも、ANDPADからすぐその映像が見られるほうが絶対お客様にとっても使いやすいはず。ITっていうのはシームレスに繋がるのがいいところだと思いますので、お客様に寄り添ったサービスを一緒に開発していければいいなと考えています。

稲田: もう一つが、Safieのストレージの画面からANDPADに自動的に保存ができるように今後開発いただけるということで、非常にこちらはパワフルな連携だと思いますし、さらにリアルタイムな動画であったり、写真での報告だけでなく動画で報告データがストレージされるのは非常にいいことだと思っています。両者で新しいコンストラクションテックの形をつくっていきたいなと。
あとは、定型業務と非定型業務っていうのがあって、さらに今後、写真報告での申請あるいは性能評価、検査もそうかもしれません。今後もしかしたら動画にすべて変わっていく可能性もありますよね。

佐渡島氏: そうですね。国交省がコロナ禍をきっかけに遠隔臨場という形で、国の物件の施工管理をできる限り遠隔から動画でやっていこうとルールを見直していただいているという流れもありますので、今後はシームレスな動画というのも可能性は十分あるんじゃないかと、われわれも考えています。

稲田: そして、そんなことを両社でやっていった先に、ぜひ、佐渡島様にお伺いしたいのは、10年後どんな建設現場の世界になっているかというところをご示唆いただきたいなと。

佐渡島氏: ANDPADとSafieは、2つとも工程をデジタル化していくものなので、2つの掛け算で圧倒的デジタル化していくことで、さまざまな業務に活用できると思います。さらに、お客様の付加価値になるところまで持っていけると、新しい業界のあり方がつくれるんじゃないかなというのは感じていますね。

そして、住む人がより豊かになれるようなライフスタイルを今後どんどん提供していこうと思っています。お施主さんと建設会社さんの関係も建ったら終わりという関係ではなくて、住んでいる状況を映像でシェアしてみることができれば、新しいライフスタイルの提案ができたり、不具合のある場所を映像で確認して現場に急行するなど、この10年後の未来には新しい付加価値のつくり方が必ずあると考えていますので、それを実現するためのサービスをつくっていきたいなと考えています。



稲田:住宅に携わるの皆さまも、恐らく新しい顧客との関係づくりはコロナ禍ですごく注目ポイントになっているので、佐渡島様がおっしゃっているような未来には興味があると思います。われわれも引き続きディスカッションしながらいろいろな提案をしていければと思います。本日はありがとうございました。

社名:セーフィー株式会社(Safie Inc.)
https://safie.link/
代表:代表取締役社長 佐渡島隆平
住所:〒141-0031 東京都品川区西五反田 2-29-5 日幸五反田ビル6F
設立:2014年10月23日
従業員数:140名(2020年11月現在)
事業内容:クラウド録画型映像プラットフォーム「Safie」の開発・運営および関連サービスの提供

モデレーター:株式会社アンドパッド 代表取締役 稲田武夫
ライター:金井さとこ
編集:平賀豊麻