『10年後×家選びのユーザーエクスペリエンス』 VRで家探し、そして家をつくる時代へ。

  • 注文住宅
  • 注文
  • 規格
  • CONFERENCE2021

株式会社ジブンハウス
代表取締役社長 
内堀 雄平 氏

不動産デベロッパー勤務後、2016年より株式会社ジブンハウスの取締役を経て2020年5月より現職。「家はスマホで買う時代」をテーマに、全国130店舗超の住宅チェーン事業、東京大学との産学共同開発のAR/AI事業、日本ユニシスと「MY HOME MARKET」共同事業などテクノロジーを駆使し、全国の工務店・不動産会社等へネットワークを広げている。

「VRで家を探し、そして家を作る時代へ」というテーマのもと、ジブンハウス・代表取締役社長 内堀雄平氏をお招きし、ジブンハウス様が提供されているプロダクトについて、今まで見たことないような家の買い方の提案、10年後の世界について話を伺った。

ジブンハウスが変えたもの

内堀氏: ジブンハウス創業時からずっと言い続けてる言葉があって、それは「家はスマホで買う時代」ということ。



この、スマホで買うという言葉自体を捉えると、すごくテクノロジーを駆使して、離れた場所で人と1回も会わずに家が買えるっていう風に思っていただく方が多いのですが、この「家はスマホで買う時代」の本質的な意味としては、スマートフォンで家が買えるぐらい、家づくりそのものをわかりやすくすることによって、お客様自身が家にいながら、例えばスマートフォンで購入を検討して、展示場に足を運んで質感を確認するとか、そういったところも含めて「家はスマホで買う時代」ということをテーマとして伝えています。

初めて家を買うミレニアル世代は、スマートフォン中心に情報取得だったりとか、何かものを購入する時に、スマートフォンでまずは下調べしたり、検討を重ねていくことを当たり前にしています。まさに家を買う世代の中心になってきたっていう、そういうところを表して、なぜ“スマホ”なのかというところを伝えているというところです。

内堀雄平氏

今井: じっくり背景のストーリを何を買うにも調べてからっていうのは、まさにミレニアル世代の特徴になってきますね。

今井亮平

内堀氏: 住宅展示場そのものが過去20年から25%減少してきているなかで、コロナによって余計展示場に足を運ぶ機会が減った。そういった状況で、新しいビジネスモデルだったりとか、家を探すときのプラットフォームが必要になってくきています。それが、家探しのプロセスそのものを見直していくべきではないかという思いに繋がっています。

今井: 住宅展示場に行く前にさまざまな情報を取得できることで、住宅展示場にもより行きやすくなる可能性もありますよね。

内堀氏: そうですね。お客様がウェブサイトなどで検討を重ねた上でいらっしゃっていただければ、あとは寄り添いながらエスコートしていくような営業シーンというか、住宅展示場の場が変わるのではないかと考えています。
そこで、高精細なバーチャルリアリティ。誰でも気軽にスマートフォンでサクサクと高精細なものが見られることを大事にしました。それから、肝心な予算と言いますか、価格が明確化してないっていうところも、ユーザーエクスペリエンストしては非常にもどかしい部分。

今井: シミュレーションでグレードの金額の目安がわかるとか、なかなか接客されてると聞きづらいようなことも、自分でスマホで簡単にできるというところは、私も何回か触ってみて、非常にインターネット的というか、ここが今までの展示場でのコミュニケーション一番違うところかなと思います。

内堀: 肝心のコンテンツである家とか住宅商品そのものが、お客様が欲しいと思えるような商品であったり、暮らし方がイメージできるようなものであったり、買える価格というところのコストパフォーマンスを磨き込むために、規格商品そのものも「ジブンハウス」というブランドとしてつくり続けています。
コンセプトとしては、家を箱だと捉えた時に、それはシンプルだけど凄く質の良い箱で、価格が高過ぎず、満足度の高いカスタマイズ要素のプラスをイメージできるように、まずはベースの物を比較的シンプルでお求めやすい価格にしています。

今井: 工務店さんにとっても、最初から何が欲しいかを明確にしてきてくれるお客様は、非常に接客効率が良いですよね。

内堀氏: 家探しをされる方の大体6割から7割ぐらいが土地からお探しされる中で、更地の土地にどんな建物が建てられるのかをお客様自身がイメージするのは難しい。それを解決するために、土地と建物をマッチングして、かつそれをAIでユーザーのライフスタイルに合わせてレコメンドしていく、「AiR」というサービス、サービスをつくりました。



スマートフォンだったりiPadを何もない土地にかざして、アプリ上でCGの建物を置くことができます。これはARの技術を使ってます。

内堀氏: 今までの話が、チェーンの事業コンテンツになりますが、先程のような家探しのプロセスそのものを構築して、実際に全国の加盟いただいている工務店様とユーザーをマッチングさせるということをやってきたなかで、VRやAR、あとは土地と建物をマッチングさせる機能などももっと多くの工務店様に活用いただくことによって、その先にいるエンドユーザーの方にもっと暮らしをイメージできるようなプレゼンテーションをすることで、暮らしがもっと豊かになるのではないかということで立ち上げたのが「WARP HOME」という事業です。

続いて、「My Home Market」という事業は、日本ユニシスというシステムの大手の会社と、ジブンハウスで共同開発して立ち上げた事業ですね。規格住宅と言われるジャンル、価格を明確化して、そのなかでお客様自身のカスタマイズで家づくりができるという、ある意味セミオーダー型の住宅のジャンルにおいての新しいプラットフォームをつくることで、多くのユーザーが規格住宅のジャンルの認知と、その買い方そのものをとおして暮らしを豊かにしていきたいという思いでつくったサービスになります。ECサイトの楽天で、送料無料で家が買えます。
この「My Home Market」というプラットフォームは、ほかのハウスメーカー様も同じフォーマットでこのバーチャルな展示場に各社の商品を並べて価格も明確にしているので、ユーザーは好きなメーカーであったり好きな商品をVRで好きな時間に見たり比較検討しながら、価格も含めて検討を重ねることができます。

家の買い方がもっと変わる

内堀氏: 今後VRやARの市場が伸びていくなかで気をつけなければならないのは、一言でVRといってもいろいろな種類があったり、ARも実際に活用方法はたくさんあるので、どんな目的でどのようにそのツールを活用して家を建てるお客様に伝えるのか、といったところをしっかりマッチした状態で使うことが大事になります。

そこで、新しいVRのサービスとして「BoxWorld」というアプリをリリースしました。インタラクティブに家の中を自由に歩き回って、例えば家具を入れ替えたり照明を変えた時に、どのように家の雰囲気が変わるのかを、ユーザー自身が好きな時間に自分でいろいろ入れ替えながらゲーム感覚でできるアプリになっています。



家具を入れ替えて価格、見積もりの結果が分かったり、照明の光源と天気のシミュレーションなども含めて体験できることで、より体感をシミュレーションできます。

今井: ジブンハウス様が最初にやりたかったのがまさにその世界ですね。最初お会いした頃はちょっと未来のお話だったんですけど、それがついに実現してしまったというところで、非常に驚いています。これはいつぐらいからお客様が触れるようになっていくのでしょうか。

内堀氏: 実際に高精細なものをリアルタイムレンダリングでスマートフォンで実装しようとした時に、Wi-Fiや5Gの環境になった時に初めてサクサクしながら見られるので、少し先のコンテンツのものを先につくったというところです。
2021年中には、通信速度を制御されないかたちでのインタラクティブ性のコンテンツとして「BowWorld2」をリリース予定です。

今井: 最初に一番つくりたいのをつくっちゃうのがジブンハウスさんらしいですね。2021年度中とかもそうですし、もっと数年のスパンで考えると、今VRで見ているものが、もっとゲームっぽい世界で見えてくるようになっていきそうですね。

内堀氏: あとは今日のテーマである10年後っていうと、今の20代前半とか、もしくは10代のスマートフォンのアプリに慣れ親しんだ世代が家を建てる時に、まさにゲーム感覚というところでフィットしそうな気がします。

暮らす場所で変わる

今井: 次のテーマは、ライフスタイルで切り出して、暮らす場所っていうところを見た時、まさに10年後どうなっていくかっていう世界についての構想を話しいただけますか。

内堀氏: 「OUTPOST」というプロジェクトをやっています。これはそれぞれの分野のスペシャリストが携わっている共同プロジェクトです。プロジェクトとしては2年前からスタートしたもので、当社は去年から参画しています。「暮らす」と「働く」という密接に関わる部分を分散させて、実際「繋がり」そのものを問い直すものにもなるんじゃないかなと。自分にとって一番快適な場所であったりとか、一番過ごしやすい場所ってどういうところなのかを改めて考え直すようなものにも繋がると思っています。



場所に縛られないため2つの要素があって、まずはオフグリッド。社会インフラへの非依存型で、自給自足とか共有の共生ができたりとか。もう一つの要素がコネクテッド。常にデジタルで繋がっていることによる安心安全の担保ですね。縛られないっていうところの豊かさを求める流れが生まれつつあると思っていて、自然というものとの共生で、かつ快適であるっていうところをまた求める傾向もあるんじゃないかと。そういったコンソーシアム型のプロジェクトとして進行中なんですが、家を建てるお客様にそういった暮らし方そのものを届ける役割を担っています。

今井: コンテナより小さいサイズで、基礎がなくてどこでも運んでいけるみたいなイメージで考えられてるのですね。
まさにモバイル住宅。最近、キャンピングカーを凝った内装にされている方とかも増えてきたり、既存の今住われているオングリッドの世界ではないところに一時でも住みたいという方がすごく増えているので、もしかしたらウィークエンドハウスになるのかわかりませんけれども、オフグリッドの暮らし方って本当に増えてきそうな気がしますね。
こちらはいつぐらいから実際にサービスとして展開されるんですか?

内堀氏: 今は実証実験の段階で、実物のものをつくるフェーズ。実際そこでさまざまなデータを取りながら、購入できる体制づくりに繋げていければ。
建物だけではなくて「OUTPOST」ってプロジェクトをとおして、暮らしの選択肢が場所も含めたところでもっとより自由に、自分の価値観のなかで選べることで、暮らしが完全にパーソナライズされていけばという思いもあるので、これまでジブンハウスがやってきたこともそうですし、「OUTPOST」というプロジェクトも含めて、さらにそういった世界を実現していきたいと考えています。

今井: 最初にいわゆる規格住宅、戸建住宅から始まったジブンハウスさんですが、「OUTPOST」は従来のビジネスの繋がりからちょっと離れたところにあって、まさに今までの前段のところだけでも世の中の先端だと思うんですけど、本当に10年後にこういうことが起こっていきそうな感じがします。今課題に感じられてることはありますか。

こういった新しい価値観というか、先進的と言われるようなものって、どうしてもニッチになりがちというか、一部のユーザーだけに届いて終わってしまうケースが非常に多いので、オフグリッドやコネクテッドという考え方をどう伝えていったらいいのかは、まさに課題というか、そこをやっていかないと、そういった選択肢を選ぶユーザーが増えないんじゃないかなと。

今井: 最後にもう一度、10年後の家選びは、ユーザー目線で見た時どんな風に変わっていくと内堀さんは思われますか。

内堀氏: 家を選択することっていうのは、ある意味では人生を選ぶぐらいにかなり近しいものかなと思うのですが、要は自分の価値観をある意味で体現、もしくは暮らし自体が自分の人生を変えていくものになっていくなかで、そこをユーザーとして妥協せずにというか、自分の家を自分で決める、ある意味自分の人生を自分で決めるっていうような、家づくりそのものの民主化みたいなところにしっかり繋げていきたいというのは強く感じています。

あとそれを楽しくやってほしいですね。やっぱエンターテイメント、アミューズメントというような感覚で、ワクワクしながら家づくりをすることが、結果的に暮らした後はその家族だったりとかで育てていく、自分たちで暮らしをより良くしていくものになってくると思うので、その手前の段階に関しては、そういった意味では楽しみながらワクワクしながら、かつそれが納得感のあるものにしていくというのが必要だと思います。



今井:ぜひ実現していってほしいです。では、これで本セッションを終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

株式会社ジブンハウス
https://jibunhouse.jp/
代表者名:内堀 雄平
設立年月日:2016年2月1日
所在地:〒106-0031 東京都港区西麻布2-20-16

モデレーター:株式会社アンドパッド VP of New Business 今井亮介
ライター:金井さとこ
編集:平賀豊麻