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新建ハウジング共催セッション / To be ホワイト工務店、ありたい未来の作り方

〜若手経営者が工務店経営の「アニキ」に聞く!〜

※株式会社新建新聞社が運営するメディア「新建ハウジング」提供のセッションです。

2023年11月8日、「ハロー、ニューワールド。次世代の働き方を本気で考える。」をテーマに業界のトップリーダーを招き開催した“ANDPAD ONE CONFERENCE 2023”。本記事はANDPAD ONE CONFERENCE 2023のセッションから、「新建ハウジング共催セッション / To be ホワイト工務店、ありたい未来の作り方 – 若手経営者が工務店経営の『アニキ』に聞く! -」をお届けします。

2024年の「働き方改革関連法」の施行、さらには「担い手不足の加速」など、今後の建設業界には、大きな壁が立ちはだかっています。“ANDPAD ONE CONFERENCE 2023”では、そんな未来を見据えた、次世代の働き方を実践されている方々を多数お招きし「これからの働き方」について、熱く語っていただきました。

本セッションでは、地域工務店の「2代目若手経営者」の代表として株式会社住まい工房ナルシマ 代表取締役 成島大敬氏と、「人の育成」に熱意を注ぐ株式会社鷲見製材 代表取締役社長 石橋常行氏をお迎え。混迷を極める市況感における「ありたい未来」をどのようにつくりあげるのか。若手からアニキへの問答を通じて、“人材育成におけるカギ”をモデレーターの株式会社新建新聞社 代表取締役社長 新建ハウジング発行人 三浦祐成氏と探ります。

本セッションを動画でご覧になりたい方はこちらからご視聴ください。

■登壇者
石橋 常行 氏
株式会社鷲見製材 代表取締役社長
東京都日本橋出身。鷲見製材、WOODYYLIFE、WAY OF LIFEの代表取締役社長。都内大学の経済学部を卒業後、2×4住宅のハウスメーカー営業職を経て、「森を守りたい」という鷲見会長の理念に共感し、鷲見製材に転職。2010年9月代表取締役社長に就任。「10人の社長をつくる」ことを目標に人材育成に力を注ぐ。2020年「松下幸之助孫弟子」認定(松翁理念正統継承江口派)

成島 大敬 氏
株式会社 住まい工房ナルシマ 代表取締役
取手生まれ取手育ち。東京大学工学部建築学科を卒業後、同大学院で建築と都市計画を学ぶ。大学院終了後は都内の組織設計事務所に3年勤務。その後2017年に住まい工房ナルシマに入社し、2023年4月より代表取締役に就任。生まれた時の家から、小学生の時に実家を建替え、結婚後は自社モデルハウスを購入。ナルシマの家を3つ経験することで、お客様と同じ住み心地の体験をもとに家づくりを語る。祖父・父・叔父が将棋好きだったことから、幼少から将棋が好き。

■モデレーター
三浦 祐成 氏
株式会社新建新聞社 代表取締役社長 / 新建ハウジング発行人
1972 年山形県生まれ、京都育ち。信州大学卒業後、株式会社新建新聞社(本社:長野市)に入社。
新建ハウジング編集長を経て現職。ポリシーは「変えよう!ニッポンの家づくり」。「住宅産業大予測」シリーズなど執筆多数。住宅業界向け・生活者向け講演多数。


INDEX


「人」がすべての格差要因となる現代  拍車をかける「新3K」

本記事は、セッションにて、株式会社新建新聞社 代表取締役社長 新建ハウジング発行人 三浦祐成氏のモデレーションのもと、若手経営者である株式会社住まい工房ナルシマ 代表取締役 成島大敬氏から、工務店経営の「アニキ」である株式会社鷲見製材 代表取締役社長 石橋常行氏に対し質問を投げかけ、「これからの働き方」について問答形式で意見を交わした内容を再構成したものです。

三浦さん: 私、進行を務めます新建新聞社の三浦祐成と申します。工務店様向けの新聞「新建ハウジング」を発行しています。今回の登壇者である、鷲見製材の石橋社長、住まい工房ナルシマの成島社長に自己紹介をいただきます。

石橋さん: 株式会社鷲見製材の石橋常行と申します。岐阜県岐阜市に本社を構え、「ひだまりほーむ」という屋号で、56名ほどの社員と活動しております。新築を40棟程度、フルリノベーションを15件程度手がけています。自然素材や、岐阜県産材を使った家づくりをしています。よろしくお願いします。

成島さん: 株式会社住まい工房ナルシマの成島大敬と申します。会社は茨城県の取手市にあり、社員数は12〜13名です。新築メインで年間12棟程度を手がけています。約6年前に入社し、以来住宅の設計をしていました。2023年4月に事業承継をし、経営者は決断の連続だなと先代の大変さを身に染みて感じているところです。

三浦さん: では、私の方からイントロダクションとして問題提起させていただきます。
今回のテーマはズバリ「人」です。経営者の皆さんは、人がすべての上限を決めることや、人があらゆる格差を生むということはご理解いただけているのではないかと思います。
どんな人を採用し、定着させるのかという「人材格差」があり、その人たちがどれほど仕事を遂行するかという「遂行格差」があり、さらにそこから自立的に行動していく「行動格差」があり、これらは今後ますます問われていくでしょう。こうした「人にまつわる格差」が業績や経営そのもの、そして会社としての持続性に繋がります。

三浦さん: ただ、私も社員80名ほどの会社の社長ですが、その難しさに拍車をかけているのが「新3K」と呼ばれるものです。
2024年からは建設業でも時間外労働の上限規制がスタートするなかで、休日が少ないという時間への不満(Kyuujitsu)社内外の人間関係の不満(Kankei)給料が少ないというお金の不安(Kyuryo)の頭文字を取った「新3K」の問題は私たち中小企業にずっと横たわっています。

三浦さん: こうした「新3K」の問題に対し、先行して手を打っている大手住宅会社やいわゆる「ホワイト工務店」と、手を打てていない会社・工務店との間には格差が生まれ、人材定着を妨げるボトルネックや引き抜きの要因にもなることが考えられます。その解決にあたり、DXの活用について今こそ考える必要があると思っています。
今回はこの人材・経営・DXをテーマに、3人でディスカッションしながらその解決の糸口を見出したいです。


「ホワイト工務店」=自分で考えることができる個、成長痛を許容できる環境

三浦さん: はじめに、「新3K」について、お二人はどのようにお考えですか?

石橋さん: すごく難しいなといつも思っています。正直私たちが育った時代はまさにその「新3K」が当たり前だった時代でしたから。ただ、今の時代感覚を踏まえると、私は当時のやり方を今の子たちにもやらせようという気はないです。内心では、もしやれるのであれば、ハードに働くことが成長につながりやすいだろうなとも思っていますが、それを強要するつもりはありません。現代にいかにアジャストしながら、やっぱり休みは休んだ方がいいと思います。おそらく多くの方々がこのはざまで悩んでいるのだろうと思います。

三浦さん: 石橋さんの話を聞いていて、反対に私は自分が通ってきた道をたどってほしいと思っている部分があり、この点では昭和に戻りたいなと思うくらい強い考えを持っているのですが、成島さん世代はどのようにお考えですか。

成島さん: 僕自身は理想論かもしれませんが、できるだけ平日・休日、オン・オフの切り替えがないくらい仕事を楽しめる環境づくりができればいいのかなと。ただ、私自身も子育てをしているなかで、実際には休日もお金も必要になる現実と理想との溝をどう近づけていくかというところを四苦八苦しているところです。

石橋さん: 私もまさにそれが理想だと思います。ワークライフバランスは、バランスを取れた結果だと思います。ライフありきではなく、まずワークがあり、その先に充実したライフがあるということはよく社内でも話しています。昭和的ですけれど、本当にバランスを求めたいのであれば、それは勝ち取るものだよと。

三浦さん: では、この前提を踏まえた上で、成島さん、さっそく最初の質問を石橋さんにぶつけてみましょう。

成島さん: 石橋さんが考える「ブラック工務店」、逆に「ホワイト工務店」とはどのような工務店かについてお考えを伺いたいです。私は労働時間など議論すべき前提は一度差し置くと、「ホワイト=自分で考えることができる環境」なのではと思っています。

石橋さん: 「ブラック」「ホワイト」「グレー」という概念は、私はいつも難しいなと思っています。基本的にどのような会社にもブラック・ホワイトの要素はあるなかで、ホワイト・ブラックと一刀両断することがそもそも間違っている気がしています。ただ、何をもってホワイト・ブラックなのかと考えると、成島さんがおっしゃるように、自分で考えることができる環境かという点は鍵になると思います。それと、社内外の人や職人さん、お客さんを「モノ」として扱っていたらブラックだなと感じます。
三浦さんの「人の格差」の話にもあったように、人に対してどれだけ時間とお金をかけて、その「成長痛」みたいなものまで許容しアプローチできるかというところはホワイトの要素であるように思います。

三浦さん: 成島さんの質問で「自分で考える」がすごくいい言葉だなと思った一方、何を考えるのかについては意見を伺いたいです。石橋さんがおっしゃっていた「成長痛」に伴う教育面でも不可分な話であると思っています。成島さんは自社の社員さんに何を考えてほしいと思いますか。

成島さん: すべてと言ってしまえば簡単ですが、結局自分の環境を決めるのは自分だと思っています。当然仲間ありきではありますが、その時々の自分の思いと、それが会社にどう映るか。具体性には欠けますが、考える総量を増やすことが、結果自分に返ってくるのではないかと思っています。

石橋さん: そうですね、実はその「考える」とはどういうことであるかということを私たちはしっかり説明できていないと思いませんか。私は「考えるとは、振り返ることである」と定義づけ、何らかの行動後に、何ができたか・できなかったか、もっと改善するためにはどうすればいいのかと繰り返し考えることが重要であると考えています。
日本の教育はその観点での育成やアウトプットさせる訓練が不十分ですが、すごく大事なことであると思っています。こちら側の忍耐も問われますが(笑)


DXの目的は、非効率な仕事のための時間をつくること

成島さん: 次の質問として、ホワイト化とイコールで語られることの多い生産性向上・業務効率化について、ANDPADを含めたDXをどう活用しているかについて伺いたいです。私はDXの推進にあたっては、若手が自分のオリジナルの考えを出せるいい機会なのではないかと思っています。

石橋さん: 「DX化」はひとり歩きしがちな言葉で、効率化が目的となっているケースも見受けられますが、それは違うのではないかと思っています。「DXで5時間かかっていた作業を3時間にできてラッキー」ではなく、生まれた2時間をいかにクリエイティブに使うのか。鷲見製材でもさまざまなDX施策を行っていますが、「DXとは、非効率な仕事のための時間をつくること」だと考えています。単純作業はできるかぎり効率化・合理化を図り、お客様のための非効率な時間(お施主様との打ち合わせや設計、地鎮祭など)をいかに捻出できるかという点が重要です。

オペレーティブな仕事はDXで簡略化し、クリエイティブな仕事に充てる時間を増やすことが重要。

さらに、さまざまなツールを使いながら、経営判断を早める取り組みをしています。たとえば、ANDPAD引合粗利管理やANDPAD受発注を活用し蓄積されるデータを可視化することで、月1回のミーティングで確認していた経営データを毎日リアルタイムで確認でき、意思決定のスピードが向上しました。

ANDPADのデータをもとに、鷲見製材にて構築したBI環境の実際の画面。経営データを効率よく見える化し、意思決定スピードの向上に役立てることが可能に。

ANDPAD ONE編集部より

データをもとにした経営は、今後ますます重要になってくるでしょう。鷲見製材では、社員が正しくデータを残し、経営者がITツールを使って分析する体制を構築しています。
しかし、経営にデータを活かすことはハードルが高いので、一歩を踏み出せていない経営者の方もいらっしゃると思います。
アンドパッドでは、「ANDPAD Analytics」というデータ活用支援のサービスを提供していますので、ご興味のある方は担当営業までお問い合わせください。

成島さん: 住まい工房ナルシマは、別の施工管理サービスからANDPADへ切り替えた直後なのですが、過渡期であるがゆえに移行作業に時間がかかっていることに悩んでいます。DXへの前準備や、実際に使いこなすまでの工夫があれば伺いたいです。

石橋さん: 「DX」も所詮は道具なので、縛られすぎずにやりながら整えていけばいいという考え方です。私自身も最初はDXの仕組みが全部整ってからやりたいと思っていましたが、やっぱりそこは永遠に整わない。走りながら整えて、みんなでコミットしていくことが大事だろうと。
そのなかで、当たり前のことですが、データ経営には日々のデータ入力が欠かせません。データ入力を習慣化するための教育が重要であり、これができればDX推進はなされていくと思います。成果物はデジタルなだけで、やることはアナログです。うちもまだまだ発展途上ではありますが、最終的にはDXをして何がしたいのかということを社内で共有しながら取り組んでいます。


若手にはデジタルを起点に仕事を覚えられる素養がある

三浦さん: 「アナログ」という言葉が出てきましたが、「しっかり使おう」「毎日データを入力しよう」という要のやりぬくという素地があることはすごく大事ですね。成島さんの「若手が自分のオリジナルの考えを出せる」という考えと重なる部分はありますか?

成島さん: 今の若い世代は、大学や大学院でパソコンを使うので、データの取り扱い方が得意なのではないかと思っています。
建築知識は実務経験を積まなければ身につかないけれど、すでに持っているデジタル活用スキルをDX化で生かすことができれば、早期に達成感を得られるのではないでしょうか。そのなかで、ワークフローも若手自身に浸透していくのではと考えています。

三浦さん: すごく納得しました。若手が率先してDX化して、ベテランがワークフローを考えるほうがいいのかもしれませんね。

石橋さん: まさに私や三浦さん世代は、それを極めてアナログでやっていたと思います。要は先人の知恵ですね。DX化はそれらをデータベースに蓄積し、いつでも取り出せるということだと思います。誰かのノウハウだったものが、みんなのノウハウになる。それらは若い世代が上手く扱えますし、私はそれでいいのだと思います。


曖昧なキャリアデザインにいかに寄り添い、キャリアの合意形成を交わすか

成島さん: 続いては、採用について伺いたいです。人手不足となる今後は、働く側・雇用する側双方に「終わりのデザイン」が必要だと考えています。いつまで働くかもそうですし、辞める前提で採用するのもありだと思っていますが、いかがですか?

石橋さん: まず、私はやめる前提で採用するという考え方はなかなか難しいなと。教育や育成は覚悟を決めてやらなくてはいけないと思うので、いずれ辞めるだろうという頭ではうまくいかない気がします。
ただ、退職や独立をしてすごく頑張っているメンバーの姿を見ると、嬉しい気持ちもあります。本音は辞めて欲しくないですし、一緒にいろんなことを経験しながら想いを共有していきたい。一方で、彼らが本当に活躍する場所が他にあるのであれば、それを応援したいとも思っています。
雇用側・働く側で、今後どうしていきたいかということを合意していくということも必要なのかもしれません。

三浦さん: 中小企業で働く人のキャリアデザインというものは、極めて曖昧かつ提示しにくいなと思います。離職も視野に入れているのかという部分をきちんと最初に聞いた上で、キャリアデザインにどう寄り添っていけるのか。
私も昭和の人間なので、終身雇用の考え方はありますが、終身雇用の先のキャリアデザインもやっぱり示しきれていないなか、石橋さんの
「10人の社長をつくる」という目標はすごいなと思います。それも社内のキャリアデザインの究極ゴールじゃないですか。

石橋さん: 先ほど「社長は意思決定の連続」という話がありましたが、それが苦しくもあり楽しくもあるわけですし、それをみんなにも経験してほしいなと思い、「出口(社長)」を用意しようと。そこを目指してくれる人がいるのであれば、会社にとってもすごく大きな力になっていきますし、少なからずバックアップができるのであればそれは本望です。
そういう人たちが社会にたくさん生まれてくれば、社会が良くなるという大きなことも思いながらそのフィールドをつくっていきたいと思っています。


根底の想いとともにノウハウをDX化し離職ダメージに備える

三浦さん: 退職は寂しいという気持ちもありますが、属人性が高すぎる場合、その人が辞めると大きなダメージになるケースもあると思います。それをDXで解決できないかと考えているのですが、成島さんはどのようにお考えですか?

成島さん: 人が辞めることで失われてしまう「個性」の部分は当然あると思っています。
逆に、個性以外のものが全て会社に資産として残せるのであればいいことですし、それをやれるのがDXなのかなと。
図面をはじめ今までの蓄積データにもすぐにアクセスできる状態にして、できるだけ残していくことが今後必要になってくると考えているところです。

三浦さん: 例えば動画マニュアルなどは、辞めた後もその人の仕事術とともに残り続けます。その点では、DXのおかげで昔より退職ダメージが少なくなっているということはあるかもしれませんね。

石橋さん: まさにそう思います。ノウハウは伝承できると思うので、私たち経営者はその根っこの想いや理念の部分までいかに残せるかということを両軸で考えなければならないと思います。そこが欠けると、宝の持ち腐れになってしまうのだろうなと。


工務店経営者のあり方  DXは経営判断を助ける術

成島さん: 石橋さんが考えるリーダーシップ、特に工務店経営者のあり方を教えてください。私は若くして経営者となり、実務知識や経験がまだ乏しい状態で実務から離れてしまったことには不安に思うときもあります。経営と実務の時間バランスのとり方に悩んでいます。

石橋さん: 僕も36歳で経営を任されましたが、成島さんは今32歳ですよね。その歳で何もかもができるわけはなく、それは多分何歳になろうが変わらず、私自身も実務知識や経験は乏しいと思い続けながらここまでやってきています。だからこそ、経営者自身が学び続けることが大事ですし、ゴールがあるわけではないということが大前提です。
実務から離れることに対する不安は、現実を知らないことから生まれると思っています。だからこそ、DXは現場で起こっている事実を知る術なのです。私自身の不安解消という側面もありますが、毎日日報を上げてもらうようにしています。
不安解消のためであっても、結果的に情報を得ることが次の判断に役立っていきますし、それがまた経験になっていきます。そのための仕組み化が重要だと思います。

三浦さん: それと、成島さんは実務をやりたいのかなとも思いました。石橋さんの話は、実務をやりながら社長もやるというスタイルの話だと思いましたが、石橋さんは経営者に徹するプロ経営者であり、成島さんがどちらのスタイルを目指すかということもありますね。

成島さん: そうですよね、そこから悩んでいます。経営面の悩みもありますが、悩んだ上でしっかりと実行していかなければというところでの焦りや不安もあります。石橋さんがおっしゃったように、デジタル化を進めつつ、アナログなところはアナログでやっていくっていうことなのだなと感じています。

三浦さん: DXを駆使してデータを集めながら経営判断するにあたって、判断したものをどのように実行するかということは、実務経験が浅いと難しいという声。石橋さんはどう答えますか。

石橋さん: 私はそういう意味では、何もかも自分でできるようになろうとは思っていないです。私は両方できるほど器用ではないので、実務はやらないと決めて、実務経験に長けた人に委任をしています。一方で、よくある話ですが、委任された人の力がどんどん強くなっていってしまうという声も聞きます。
私の仕事は意思決定し判断していくことであり、最終責任も私が取ります。鷲見製材では、実務責任は各幹部が負っていますので、私はその様子を定点的に観察しながら、道を間違えそうになったら修正する、旗を振っているという格好ですね。
どちらのやり方がいいという答えはないです。逆に両方やるなら覚悟を決めて追い求めていくことが大切だろうなと思いますね。

三浦さん: 私からのまとめは一言だけです。経営もDXも、つまるところは「人について考える」ということではないでしょうか。
2人の話を聞いて、今回のテーマである「ホワイト工務店」というものは、一人ひとりについて考え悩みながらも寄り添って、人のための会社をつくるということに尽きるのかなと思いました。

株式会社鷲見製材
URLhttps://hidamari-home.jp/
代表者石橋 常行
設立1982年12月
本社岐阜県岐阜市東鶉3-59

株式会社住まい工房ナルシマ
URLhttps://www.narushimanoie.com/
代表者成島 大敬
設立1993年
本社茨城県取手市駒場2丁目14−12

株式会社新建新聞社
URLhttps://www.shinkenpress.co.jp/
代表者三浦 祐成
設立1949年4月
本社長野県長野市南県町686-8
編集: 平賀豊麻・原澤香織
執筆: 川崎美和子・鯉沼愛実 
デザイン: 安里和幸
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