ANDPADのこれまでとこれから

  • CONFERENCE2021

稲田武夫
株式会社アンドパッド 代表取締役

慶應義塾大学経済学部卒業後、株式会社リクルートにて人事・開発・新規事業開発に従事。
2014年アンドパッド(旧:オクト)設立、「現場監督や職人さんの働くを幸せにしたい」という思いで、建築・ 建設現場の施工管理アプリANDPADを開発。スマートフォンを中心に、利用社数6万社、ユーザー数17万人が利用するシェアNo.1の施工管理アプリに成長。全国の新築・リフォーム・商業建築などの施工現場のIT化に日々向き合っている。Forbes JAPANの「日本の起業家ランキング 2021」にてBEST10に選出。

「テクノロジーを通して10年後の住宅設計・建築を語ろう。」というテーマで2021年1月27日にオンラインで開催された「ANDPAD ONE CONFERENCE」。
オープニングセッションでは、弊社代表取締役社長稲田武夫が本イベントの概要をまとめ、ANDPADの「これまで」と「これから」についてユーザーである参加者に向けて語った。

はじめに

「ANDPAD ONE Conference」が始まりました。どうぞよろしくお願いします。
本来であればリアルな場で開催したかったのですが、今回は動画という形になる分、非常に濃いコンテンツをご用意することができました。できることならば、2700社のお客様皆様に私自身は足を赴きたいと思って日々過ごしておりますが、なかなかそうはいかない環境の中で、こうして動画を通じて直接話しできることを嬉しく思ってます。
今回、さまざまなセッションがございますが、明日からの経営や実務に活かせるヒントになればと願っております。

株式会社アンドパッド 代表取締役 稲田武夫

OPENING SESSION 〜2021=建設DX元年〜

2021年は「建設DX元年」と言われているように、これが今年の流れではないかなと思っています。単なるIT化ではなく、経営全体をデジタライゼーションで見直していこうという、そんな一年になるのではないでしょうか。

この「建設DX元年」において重要なことは一つだと思っています。DXの試行錯誤のそのプロセス自体が自社の競争力に繋がると信じている住宅会社が生き残るはずだということです。今回ご参加の皆様はまさにそういうスタンスで日々過ごされている方々だと思っています。

そして、われわれアンドパッドは、そんなテクノロジーファーストを目指す住宅会社を応援していきたいという思いでずっとやっています。非常にマニアックではありますが、定番のカンファレンスになればいいなと思い、今回企画しました。

特に今回は設計領域のテーマも交えており、プレカット側のCADについての議論や、システム寄りの議論も多分に入っておりますので、ぜひ、経営者の皆様、工事部長の皆様、設計の皆様、営業部長の皆様にご覧いただき、自社に活かしていただきたいと思っています。

ANDPAD ONE CONFERENCE 2つのプログラム

では、早速カンファレンスの概要のご説明をさせていただきます。
大きく二つありまして、「SPECIAL SESSION」と、「ANDPAD SESSION」になります。

「SPECIAL SESSION」は、多彩なゲストを招いてディスカッション形式で進めていきます。ANDPADのアーリーアダブターに対する更なるDX探求のお誘いとっていうことで、今回はハウジングテックという括りで住宅リフォームの産業に絞った場合、どんな実務に活かせる社会実装できるテクノロジーがあるかということを、フロントランナーだけを集めたセッションになっています。

もう一つの「ANDPAD SESSION」では、ANDPADの導入で苦労されている担当者様及び経営者向けに、現場のサクセス事例をご紹介いたします。

KEYNOTEセッション 『10年後×日本の住宅業界』

HOMMA INc.本間様と慶應義塾大学の小林先生にご登壇いただきます。本間様はアメリカで住宅のサービスを展開されていますが、敢えてアメリカ側の状況から日本の住宅産業を俯瞰して見ていただこうというセッションになっています。小林先生は今「ANDPAD ZERO」という実証実験で、ANDPAD HOUSEという、実際に住宅一棟を完全にテクノロジーで建てるというプロジェクトでご一緒させていただいており、非常に建築全体に対して聡明なお二人にご登壇いただいた次第です。

SPECIAL SESSION HOUSING TECH1 『10年後×家選びのユーザーエクスペリエンス』

家探しの「今」にフォーカスを当てたセッションです。
こちらは営業畑の経営者様にとって興味をお持ちいただけるテーマではないでしょうか。現在コロナ禍によってできるだけVRでやろうという動きがありますが、その領域でフロントランナーであるジブンハウス内堀様にご登壇いただいています。

SPECIAL SESSION HOUSING TECH2 『10年後×住宅ファブリケーション』

ウッドステーション・塩地様にご登壇いただき、ウッドステーションの裏側にある技術にフォーカスして、私と塩地様でマニアックな議論をしています。

SPECIAL SESSION HOUSING TECH3『10年後×木構造』

SE構法を手掛けるNCN・木津様と、MAKE HOUSE・今吉様にご登壇いただきました。おそらく、BIMを木造建築に活かすというところに関しては、今、最も試行錯誤されているお二方だと思います。

SPECIAL SESSION REFORM TECH セッション 『10年後×リフォーム業界』

こちらはリフォームのテーマになります。一番業界を俯瞰して見ていらっしゃるリフォーム産業新聞・金子編集長と船井総合研究所・南原様のお二方に、今年の動向、今後の動向、10年後についてお話いただきます。

SPECIAL SESSION Sartup Tech1 『10年後×現場映像コミュニケーション』

そして映像コミュニケーションをテーマに、セーフィー・佐渡島様にご登壇いただきます。Safieという動画のツールを提供されていて、これをどのように住宅に活かしていけるのか、ANDPADと一緒に議論しています。

SPECIAL SESSION Sartup Tech2 『10年後×戸建BIM』

ここでは、U‘sFactory 上嶋様に登壇いただきます。ゼネコンでご活躍されていらっしゃった上嶋様は数多くのBIMの活用事例をお持ちです。戸建向けにArchiCADベースのプラグインを開発されてますので、BIM×戸建てで何が起きるのかについて、一緒に考察していこうと思っています。

SPECIAL SESSION Sartup Tech3 『10年後×現場ウェアラブル・ディバイス』

MITSUFUJI 三寺様にご登壇いただいた本セッション。MITSUFUJIは私が非常に尊敬する会社の一社です。実はもうすでに生体データを取って健康情報を管理するという試みを前田建設様中心にゼネコンサイドで試行錯誤されていて、今回それをもANDPADと一緒にハウジングの方にも展開できないか、そうしたテーマでディスカッションを行っています。

SPECIAL SESSION Sartup Tech4 『10年後×現場ロボティクス』

こちらは、log build・中堀様にご登壇いただきました。log buildでは施工管理ロボットの開発に着手されてまして、どんな技術なのか、具体的に実証レベルにあるのか、その辺りを深掘っていこうと思います。

EVENT 『プラットフォーム化していくANDPAD』

そしてアンドパッド側のコンテンツになりますが、『プラットフォーム化していくANDPAD』ということで、今後ANDPADがどのような世界をつくっていくのか、弊社スタッフがプロダクト、技術、そして「ANDPAD ZERO」という新規事業の観点でお話しさせていただきます。

ANDPAD SESSION 1 『ANDPAD施工管理で実現した、我が社のサクセスストーリー』

ここからはANDPAD SESSIONです。ホーム創建様に登壇いただきます。私も拝見して非常に感銘を受けましたが、最初は導入に苦労したけれども、どのようなプロセスを経てANDAPADが使えるようになってきたのかについての話をしていただきたいと思っています。

ANDPAD SESSION 2 『ANDPADで実現する工務店業務のクラウド一元化』

愛媛・香川で注文住宅の工務店を営むコラボハウス様ですが、施工管理だけではなく、ANDPADでどのように工務店業務をクラウド一元化してきたのかというお話をしていただきます。

こちらは独立型リフォーム会社様にぜひ見ていただきたいセッションです。非常に尊敬する実務家であられるCONY COMPANY・綿様であったり、ハウジング重兵衛の皆様が、どのように実務レベルで原価管理、営業管理、積算管理を含めテクノロジーを活用してきたのか、一緒にディスカッションしています。

まとめSESSION『ANDPAD ONE Conferenceの総括』

そして最後は新建新聞社の三浦様と私で総括を一緒にさせていただきます。

2020年のANDPAD 〜ミッションの再定義〜

では、アンドパッドのこれまでについて話をさせていただきます。
2020年、アンドパッドはミッションの再定義というものを行いました。「幸せを築く人を幸せに」というメッセージのブランドムービーを思いを持ってつくりました。創業以来、住まいを築くことは幸せを築くことであると考え、建築現場の皆様がクリエイティブな仕事にいかに集中してもらえるか、そのために見えないレベルでテクノロジーで何が実現できるかということを考えてやってきています。

このミッションの下で、会社としての6つのバリュー(行動規範)を再定義いたしました。
今回意志決定者の皆様、あるいはわれわれのお客様に直接お約束したいと思い、あえて記載しています。スタッフ一同、営業、サポート、技術すべてのメンバーとこの基準に則ったコミュニケーションを、業界の皆様、ユーザーと皆様としていきたいと思っています。

特に今回このバリューの中で2021年の動きも説明したいと思います。2020年明確な数字としましては、弊社スタッフは170人から260人に増えました。そして、セコイア・キャピタルという世界最大のベンチャーキャピタルをはじめ60億円ほど資金を調達しています。それほどにまで日本の建築業界に対する DXへの期待というのが世界的に高まっているというのは事実です。そんなの期待を一身に背負いわれわれ自身も成長し、皆様に貢献していきたいと思っております。

ANDPADのご利用の実態についてはご覧の通りになっております。





1年間これらの活動を実績として積み上げながらできてきたのが、日本最大規模の施工履歴のデータベースです。われわれはメーカーでも一次産業でもないからこそ、これらのデータの利活用に取り組んできたことを考えています。

Value(行動規範)を体現する2021年

2021年のアンドパッドということで、先ほどご紹介した6つのバリューに対して、われわれがユーザーの皆様にお約束したいスタンスに則って、何をやるかについてお話します。

 



カスタマーサクセスというバリューを置いていますが、われわれはIndustry SaaSという、この建築業界以外のことをやるつもりはないテクノロジーカンパニーです。従業員の30%は業界出身だったり、元々ユーザー側にいらっしゃった方にもジョインしていただいたりもしています。

そんなチーム、顧客との関係において、信頼し合って共に成長し続ける信頼の連鎖をつくり続け、努力を厭わないというスタンスにこだわることをカスタマーサクセスという言葉で定義しています。この定義において、今年一年でやることを大きく三つのお約束します。



1点目は、社員数を増員し、ITパートナーとして長期的信頼に値するガバナンス体制を作ることを考えています。

2点目は、職人さんのオンボーディングです。元請様と1チームで職人さんのIT育成に取り組みたいと思っています。

3点目は、既存顧客の皆様に向けた開発基盤投資を行い、テクノロジーカンパニーとしての地力を上げていきたいと考えています。

Love ANDPADというバリューについてです。愛情をもってANDPADを育てようということをスタッフ一同心に留めて事業遂行しています。

ユーザーと顧客に世界観を伝え、ステークホルダー全員が伝道師になる。ユーザーと一緒につくっていく感覚をどれだけ持ってるかだと思っています。家だけでなく、人間と人間として距離を近づけるために何ができるかを考えてます。



そのためにやることが3つです。
まず、「ANDPAD ONE」というメディアの展開です。
ANDPADの中で「ANDPAD ONE」は最初のメディアですが、ここがコミュニティとなって企業の枠を超えた活動につなげていけるよう、こんな取り組みに着手しようと思っております。



2点目は「ANDPAD CUP」 という新しい試みについて。
ANDPADを使うほどに称賛される仕組みを共に創ろうという思いで立ち上げている企画になります。
詳しくはANDAPAD SESSION1の中でご紹介していきますが、ANDPADをご契約していただいている会社と、自社の社員や協力パートナーの会社の職人の皆さまを一緒に表彰していこう、という企画がスタートしていきます。


そして、3点目は参加型製品開発プロジェクトについてです。これまでアンドパッド側でモノを作って、業界の皆様に見ていただき、そして頂いた意見を持ち帰って更に作って製品にする。そうした一方通行
のコミュニケーションでものづくりを進めてきました。この参加型製品開発プロジェクトというのは、プログラムとしてお客様と一緒に製品を作っていくということをやっていきます。



今回のANDAPAD SESSION3でご紹介しているところですが、経営管理のあり方、営業管理ダッシュボードはどうあるべきかについて、ANDPADをご利用のリフォーム会社の経営企画の方々と本当に密なディスカッションを重ねて製品を作り、機能を磨きあげています。

それと同じように、横断工程表、タスク管理、実行予算、経営ダッシュボード、受発注、それからリモートコンストラクションといったテーマの製品づくりも、一緒に要件定義をし、α版の開発からテスト運用を共に行い、製品として全国に展開していきたいと考えています。
そういったモノ作りを一緒にしたいというお客様をわれわれは募集しています。

ANDPADという製品を共に創ることのメリットは、まず自分が作りたいと思った声がANDPADという製品に直接入るということがポイントかなと思います。さらに、その先に業界がよくなっていくことへ目線を持っていただける方であればとても楽しんでご参加いただけるのではないかなと思います。

今後、われわれからサービス紹介ではない何かご協力のお願いもあるかもしれませんが、こんなことがANDPADのコミュニティでしたいというお声を出していただくっていうことも大歓迎です。ぜひ一緒にやっていきましょう。

ライター:金井さとこ
編集:平賀豊麻