人に優しい「木」の特徴を活かした住宅販売を中心とする新築住宅事業を主軸に、リフォーム・不動産・保険など、“住まい”に関わる事業を総合的に展開しているライフデザイン・カバヤ株式会社。低層住宅着工棟数(住宅産業研究所調べ)において、中国ブロックでは3年連続1位、岡山県では7年連続1位を獲得している地域トップのハウスビルダーだ。
現在では、木造ゼネコンとして非住宅分野にも進出し、環境性と施工性に優れたCLTを活用した建築物の普及にも尽力している。中国エリアで確固たるポジションを築いた今も、常に新しい試みにチャレンジし、業界をリードし続ける存在だ。
そんな同社は、2022年にANDPADを全社に導入した。長年使用してきた「基幹システム」、新規開発した「顧客管理システム」、そして「ANDPAD」の3つを連携し、業務システムの一元化を実現。今後は、集約されたデータを経営分析にも活用していく考えだ。
今回は、ライフデザイン・カバヤ株式会社 工事本部長 山岡 嘉彦さん、 IT戦略室 室長 柳井 正隆さんにインタビューを実施。Vol.1では、短期間でのシステムリプレイスを実現した同社の組織風土がどのように形成されてきたかをお二人の話から紐解いていく。
売上高500億円を目指し、多角的に事業を展開する地域トップビルダー
ライフデザイン・カバヤ株式会社の創業は1972年。乳製品メーカーのオハヨー乳業、製菓メーカーのカバヤ食品を擁する「日本カバヤ・オハヨーホールディングスグループ」の一員として、長年にわたって住まいづくり・まちづくりに関わっているトップビルダーだ。
同社の中核事業は、注文住宅・分譲住宅の販売を行う新築住宅事業である。岡山県岡山市の本社を拠点に、8県1都に9支店、38のモデルハウスを展開している。同社は、耐震性・断熱性などに優れた高性能住宅から、価格と品質のバランスに優れたローコスト住宅まで、さまざまな工法・価格帯のブランドを展開し、多様なライフスタイルに合った住宅を提案。アフターサービスからリフォームまでワンストップで対応できる体制も整えている。
また、「木で日本の街並みを変えていく」という願いのもと、世界でも急速に普及が進む木造構造材・CLTの普及拡大に尽力。CLTを活用して、低層アパート・社員寮・ビル・公共施設などの中大規模建築にも取り組んでいる。2018年には、CLT建築の技術・ノウハウを広めるフランチャイズ事業も開始し、国産材の活用によって持続可能な社会の実現を目指している。
さらに新たな取り組みとして、2019年には「ライフデザイン・カバヤ・ベトナム」を設立し、海外事業をスタート。「ベトナムで木造産業を育てる」をテーマに、ベトナム建設省・建築研究所との「木造モデルプロジェクト」や、ベトナム人大工育成のための職業訓練事業などを行っている。
同社は、2014年に策定した新中長期経営計画において、新築注文住宅事業を「既存事業」、不動産・リフォーム・エクステリアを「成長事業」、CLT FC関連事業・特建事業・海外事業を「新規事業」とし、3分野での多角化経営を目指すビジョンを掲げている。事業領域の拡大を受けて、2017年には社名を「エス・バイ・エル・カバヤ」から「ライフデザイン・カバヤ」へと変更。2030年の目標達成に向けて、採用活動も強化しているという。
同社には、ANDPAD ONE CONFERENCE 2023でもご登壇いただいた。
アーカイブ動画はこちら。
山岡さん: 私が入社した2003年ごろは、エス・バイ・エルの代理店として事業を展開している100名ほどの会社でした。社員全員の顔と名前がわかる規模感だったこともあって、会社が新しいことにチャレンジするとなれば、全員が一致団結して取り組む一体感がありましたね。
現在、社員数は550名まで増えており、5年以内に入社した社員が6割を占めるほど組織が拡大しています。新卒採用では定期的に20名ほど採用していますし、岡山県と中国5県のエリアそれぞれで戸建住宅着工棟数トップを獲得し続けていることもあって会社のネームバリューが上がり、中途の即戦力採用も好調です。
社員数は5倍に拡大、それでも変わらず息づく「カバヤイズム」
この組織拡大を支えているのが、山岡さんが入社当時に実感した「一体感・団結力」だ。社員数が5倍以上に拡大してもなお、同社は会社全体の一体感を醸成するためにさまざまな取り組みを行っている。
山岡さん: 私たちは当社に根づく一体感を「カバヤイズム」と表現しています。この「カバヤイズム」を全社員に共有するために大切にしているのが、長年続けている会社行事です。社員数500名になっても、運動会や忘年会は全社員で行いますし、社員旅行にも行っています。
2年に1度、4月に行う運動会では、社員総出で準備、チームごとに横断幕を作るんです(笑)。当日は、チームごとに揃えたTシャツを着たり、仮装をしたりして全員で盛り上がります。
柳井さん: 私は以前IT関連企業の営業職として働いていて、カバヤグループは当時の私のお得意先でした。外部の人間として運動会の見学にも行きましたが、社員のみなさんの元気の良さを目の当たりにして驚いたのを覚えています。当社に転職し、今度は社員として参加することになりましたが、行事の準備をするのは思った以上に楽しかったです(笑)。先輩たちからこれまでの楽しいエピソードをたくさん聞けるので、「参加してみたい」という気になるんです。これも社内のコミュニケーションが活発な当社ならではのことだと思います。
山岡さん: 行事の映像は、会社の歴史として記録に残していますので、イントラネットでいつでも閲覧ができます。そのほかにも、「2031年から見たカバヤ」といったコンセプトで、2031年の当社で働いている社員が会社の歴史を振り返っていく再現ビデオや、これまで乗り越えてきた危機をテーマにしたビデオも、会社の今をつくる大事な過去として社員全員が同じ目線を持てるように、社員に公開しています。また、毎年の全体会議では、社員にメッセージを伝えるために10分ほどの映像を制作して流しています。映像のアーカイブは、中途採用で入社した社員に当社の想いを共有する際にも活用しています。
Vol.2では、年間1,000棟の施工を可能にした同社の「工事監督チーム体制」について迫っていく。
>>〜Vol.2〜年間1,000棟の施工を実現! 社員の意欲を高める「工事監督チーム体制」
URL | https://lifedesign-kabaya.co.jp/ |
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代表者 | 取締役社長 窪田 健太郎 |
設立 | 1972年 |
本社 | 〒700-0964 岡山県岡山市北区中仙道二丁目9-11 |