多様な働き方を応援する給排水設備工事会社の最先端の“現場”/〜前編〜仕事も自己実現も楽しめる!週休2日制を実現するための「選択と集中」

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小嶌 貴満氏
GROWTH株式会社 代表取締役 
高校卒業後、水道工事の職人として活躍。一時退職し、父親が立ち上げたエクステリア外構会社を手伝う。その後、再度水道業界に戻り、以前お世話になっていた親方の元で再度修行を積み、2003年有限会社雄貴設備として独立。2010年 GROWTH株式会社に社名変更し、現在に至る。

長谷川 めぐみ氏
GROWTH株式会社 工事部 事務
建築業未経験ながら、2018年同社に中途入社。工事部の事務として工務業務のサポートを行う。

桑尾 鮎美氏
GROWTH株式会社 工事部 事務
調理師専門学校卒業後、調理師の免許を取得して飲食業に従事。建築業未経験ながら、2020年10月同社に中途入社。



新築注文住宅の給排水設備工事を主軸に、代願申請業務、リフォーム建築工事、不動産事業と幅広く事業を展開するGROWTH株式会社。愛知県内の各自治体で指定工事店許可を取得し、広い範囲で工事に対応できるのが同社の強みだ。また、働き方改革にも精力的に取り組み「健康経営優良法人」にも認定され、名古屋市ワーク・ライフ・バランス推進企業としても個人の働き方を尊重しそれぞれの能力を発揮できる職場環境を目指している。

同社は2014年から、部署を超えて業務に関する情報を共有して工事を完了させていくためのツール「工程管理システム」の構築をスタートするなど早くからDXを推進し、2018年にANDPADを導入。デジタル化によってさらに働きやすい環境を整え、成長を加速させている。そこで、今回は同社の代表取締役 小嶌貴満さん、工事部 事務 長谷川めぐみさん、工事部 事務 桑尾鮎美さんの3名にインタビューを実施。前編では、個性と能力を発揮できる職場環境づくり、会社としての付加価値を追求する同社の現在に至るまでの変遷について伺った。

個性と能力を発揮できる職場環境を整備

愛知県名古屋市を拠点に、「お客さまへ恩返し」を経営理念に掲げ、新築注文住宅の給排水設備工事を主軸に幅広く事業展開する同社。給排水設備工事に必要な指定工事店許可を愛知県内の各自治体で取得しているため、商圏は広い。

同社は従業員満足度(ES)を追求し、独自の工程管理システムと多様な雇用形態や、時短勤務や半日単位でも臨機応変に有給休暇が取得できるなど、社員が働きやすい環境づくりにも精力的に取り組んでいる。優良な健康経営を実践している企業等に与えられる「健康経営優良法人」にも認定されており、名古屋市ワーク・ライフ・バランス推進企業としても個人の能力を発揮できる職場環境を目指し、業界を牽引する存在となっている。

小嶌さん: 当社は「やりがい、成長、仲間、お金、時間、安心の幸せの6つの要素を満たすことが幸せの条件である」と定義し、それを満たすためにみんな働いています。仕事だけではなく、自己実現にも時間を充てて、両輪を回していこうというのが会社の方針です。

5年前の2017年に、2027年に向けた10年ビジョンを定めました。現在は週休2日制を導入していますが、2027年までに年間130日休暇を取得できる会社を目指しています。今はそのために必要な売上や利益、その達成のために必要な従業員数や1人あたりの付加価値額等を可視化し、みんなで共有してビジョンの実現に向かって走っているところ。根性論ではなく、定量的な裏付けがあればどんな会社でも真似できるはず。リーディングカンパニーとして牽引していける存在になりたいです。

GROWTH株式会社 代表取締役 小嶌 貴満氏

週休2日制を実現させるために、会社として強みである注文住宅領域に特化

現在、新築注文住宅の給排水設備工事を主軸に幅広く事業展開する同社だが、創業者である小嶌さんが水道業界に入ったのは18歳の時。当時、水道業者である親方の元で職人として修行を積んだ。その後一度退職し、父親とともに立ち上げたエクステリア外構の会社で事業を展開するも経営不振に陥り、倒産に追い込まれた。その負債を小嶌さんが返済することになり、再度水道業界の道を選んだのだという。

小嶌さん: 再度水道業界に戻ってからは、元々働いていた親方の会社で働かせてもらいました。その後、私が独立する際には、取引先の会社さんに「小嶌が独立するので仕事をあげてください」と口を利いてくれて、お客様から仕事をいただける状態で独立させてくれました。その親方とは、今でも良い関係性が続いています。親方の会社は、愛知県内の各自治体での指定工事店許可を初めて取得した会社。私もそのノウハウを学び、国家資格である「給水装置工事主任技術者」及び「排水設備工事主任技術者」を取得し、愛知県全域のほぼ全エリアで指定工事店許可を取得しました。

設立当初は、自分の名前の「貴」という文字を入れて「雄貴設備」という社名でスタートしました。私自身も現場に出ていたので、職人集団という感じでしたね。だんだん人も増えてきて、本社移転を機に、これからは自分の会社からみんなの会社として、みんなで成長していきたいという想いで「GROWTH」という社名に変更しました。

ANDPADは2018年から自社で契約し利用していますが、お仕事をいただいている多くの元請企業様がANDPADを利用しているので、招待を受ける下請側としてもANDPADを頻繁に利用しています。

組織規模が大きくなるにつれ、オーバーワークによるヒューマンエラーが発生しやすくなり、それとともに離職率の高さを課題視するようになったという。

小嶌さん: 設立以来、ずっと根性論で経営していましたが、それでは結果が出せませんでした。この仕事は体力もいるし、残業も多い。いわゆる「3K」と呼ばれるような状態でした。また、下請業として、時には元請企業から不条理を受けることもある。それらに耐えられなくなって水道業から離れてしまう人が多かったのです。

こうした課題を抱えているなかで、正社員として女性を雇用したことがワークライフバランスについてさらに真剣に考えるきっかけになりました。社員一人ひとりが当社で働き続ける未来が描けないと、仕事を続けるモチベーションを保つことはできない。会社への帰属意識を持ってもらうために「何のために頑張るのか」「どうしたら結果が出せるのか」ということを伝えることが非常に重要だということに気づかされました。

仕事が忙しいというのは良いことではあるのですが、忙しくなるとどうしてもヒューマンエラーが生じてしまいます。ミスの補填で利益を圧迫して結局儲からない、という負のループから抜け出したかった。社員が苦しそうに仕事をしている姿を見るのが辛かったですね。社員がこの会社を選んでくれているからこそ、会社としてもやれることをやってあげたいという想いと、「生意気に思われてもいいから、業界を変えていくぞ」という意気込みで、働き方改革に取り組みました。

働き方を改善するために、週休2日制の導入に踏み切った同社。とはいえ、元請企業から仕事を請け負う水道業者が休日を増やすのは一筋縄ではいかないはずだ。同社はどのようなアプローチでこれを実現していったのだろうか。

小嶌さん: 週休2日制を実現するためには、従来よりも効率的に売上や利益を上げていく必要がありました。当社では給排水設備工事を行う工事部のほかに、公道工事や舗装を行う業務土木部、設計部があります。そこで考えたのが、給排水設備工事の中でも、道路工事の施工率が最も高い新築注文住宅領域で勝負する、ということ。幅広く何でも対応するということから、得意な領域に絞って対応するという方向へと舵を切りました。その上でお客様には「週休2日制を実現したい」と丁寧に説明を重ね、理解を得られる場合もあれば、理解を得られずに取り引きが解消になってしまったところもありました。また、新築注文住宅以外の工事も請け負っていたお客様に対しては「今後はリフォーム工事や店舗工事などは請けられない」ということをお伝えしていきました。もちろん「生意気だ」と言われることもありましたが、なかにはこの方針を理解して応援してくれたお客様も。そのお客様からは元々店舗工事と新築注文住宅工事の両方を受注していましたが、今は新築注文住宅のみ担当させてもらっています。

同社では、父子家庭の社員が現場のエンジニア(※)として活躍できる体制を構築。本人の社用車にはチャイルドシートが装備されており、急遽子どもの体調不良に対応しなければならない場合は有給休暇を活用できるようにしている。通常であれば一人で1案件を最初から最後まで受け持つように仕事を渡しているが、小さい子どもがいるエンジニアは、1日で確実に終わるような単発の仕事を2〜3件組み合わせて1日の予定を組み立てているという。そのような仕事は「この期間の2-3日のうちに作業すればよい」というものが多く、急な子供の対応で仕事を抜けなければならない働き方との相性もよい。社員のライフステージや環境に配慮しながら、本人が活躍できるリソースアロケーションに取り組む同社の姿勢には学ぶところが非常に多くあると言えるだろう。

※同社は、現場施工をする社内職人のことをエンジニアと呼んでいる。

(写真左から)GROWTH株式会社 工事部 事務 桑尾 鮎美氏、工事部 事務 長谷川 めぐみ氏

小嶌さん: 社会保険労務士にアドバイスをもらいながら休日を増やし、社員みんなで協力して週休2日制を運用に乗せることができました。

体力仕事でハードな業界ゆえに女性が働くにはハードルが高い業界だと思っていましたが、事務として入ってくれた人の中には「現場調査をしたい」「前線で働きたい」と意欲的な方も多くいました。事務仕事が中心にはなるものの、女性も十分に活躍できる仕事だということを実感し、徐々に女性の比率が増えてきました。現在、6部署のリーダーのうち半数が女性です。

広範囲な商圏の工事に対応できる組織と仕組みを構築

設立当初から各自治体の指定工事店許可を取得し、商圏を広げていった同社。現在、同社は愛知県のほぼ全域で指定工事店許可を取得し、新築注文住宅領域に特化したことでビルダーをメインクライアントとしている。広い範囲で工事に対応できることが強みだ。

さらに自社の強みを強化する組織体制の構築と仕組みづくりにも取り組み、2014年に工程管理システムの構築を開始した。

小嶌さん: 給排水設備工事は1人で全ての業務を担当する、というのが業界慣習でした。しかし、業務範囲が広い分効率が悪くなって担当できる物件数が限られてしまうだけでなく、仕事を抱え込んでしまい業務過多になりやすい。それによってヒューマンエラーが起こりやすくなります。

幅広い範囲の業務を細分化することで精度やスピードが高まり、結果的に1人で全てを担当するよりも効率よく業務を進めることができるはず。そこで、1つの工事を完了させるために必要な業務を細分化し、各部署で担当するように分散化。部署を超えて業務に関する情報を共有し、報連相をし合うことで工事を完了させていくためのツールとして、2014年に「工程管理システム」の構築を開始しました。それによってオーバーワークが減り、社員の働きやすさにも繋がっています。以前は1人当たりの担当現場数は30現場程度が限界でしたが、今では50現場ほどまで担当できるように。水道業者のなかでここまで業務効率化が進んでいる会社はあまりないのではないかと思います。

また、同社はエンジニアのモチベーションアップにも注力。エンジニアに明確なキャリアイメージを持ってもらうために、親方になれば対価も上がるというレールを敷くことが大事だと考え、エンジニア育成のための設備施工練習場を設けた。この施設は現場をイメージしてつくられており、床下に潜って器具を取り付けたりと、実際の給排水設備工事を想定した練習及び試験を実施している。試験に合格すると親方として現場に入れるようになるという。

小嶌さん: 備施工練習場をつくり、明確なキャリアステップを示すことで、エンジニアのモチベーションアップに繋がっています。もちろん、練習にかかる時間も勤務時間として見なしてよいことにしています。

試験に合格した外国人のエンジニアも1人で現場を回っていますよ。現場に入ると他の職人さんに驚かれることもありますが、練習場できちんと試験を行い、しっかりとした施工技術があると判断できたからこその合格であり、自信を持って現場に出せています。

最近はキャリアの浅いエンジニアがいなかったので設備施工練習場は一旦売却してしまっていますが(8月取材時点)、10月からエンジニアを増員します。まずは3ヶ月ほど外部の親方さんの元で修行してから練習場での訓練・試験になるので、来年に向けて再度、当社の不動産部門で土地を仕入れて練習場を建てる予定です。

オーバーワークをなくして社員が働きやすい会社を目指し、得意領域に絞ることで効率的に売上・利益を上げていける新築注文住宅工事の領域に選択と集中を行った同社。週休2日制度の導入など、社員一人ひとりに寄り添った環境づくりを着実に進めている。さらに、愛知県のほぼ全域で工事に対応できる強みを強化する組織体制と仕組みづくりのために、早期からDXにも取り組んでいる。

後編では、100項目を超える独自の自主検査を徹底し、工務店からの信頼を獲得する同社の取り組み、社外メンバーとの情報共有ツールとしてのANDPAD活用、デジタルの活用によって今後目指すビジョンについて紹介する。

GROWTH株式会社
https://www.growth758.co.jp/home
〒463-0051
愛知県名古屋市守山区小幡太田15-20
代表取締役:小嶌 貴満
設立:2003年

取材・編集:平賀豊麻
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ライター:金井さとこ
デザイン:森山人美、安里和幸