ガス内管工事と設備工事で取り組む業務DX / 〜vol.2〜ANDPADで実現する現場訪問回数削減と営業リソースの最適化

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澤田 行秀氏
サーラE&L浜松株式会社 設備チーム 
1991年に同社(当時は中部ガス)入社。都市ガスの供給部門に従事。その後営業を経て天然ガスの転換プロジェクトにも携わる。現在は営業部門の内管工事管理部門を担当。

金子 知寛氏
サーラE&L浜松株式会社 リビング開発チーム 
2008年、新卒で同社に入社。BtoC営業、BtoB営業を経て、より業務理解を深めるために工事管理の仕事に携わる。現在はハウスメーカーを中心としたBtoB営業として活躍。



静岡県浜松市を中心とする幅広いエリアで都市ガスやプロパンガスなどのインフラ整備を中心に住宅やリフォームなどさまざまな角度から地域の暮らしを支えるサーラE&L浜松株式会社。元々はサーラグループ内で都市ガスを担う中部ガス株式会社とプロパンガスを担うガステックサービス株式会社の2社に分かれていたが、会社別・商品別のサービス提供スキームを顧客起点、地域軸を主にした体制と仕組みに変革させるために、2019年12月に合併。エネルギー事業再編によって同社が設立された。合併前の2019年7月からANDPADを導入し、合併後はさらなる運用浸透に向けて取り組んできた設備チーム・澤田行秀さんとリビング開発チーム・金子知寛さんにインタビューを実施。Vol.1では、同社合併の経緯と社内風土、ANDPAD導入の背景と経緯について紹介した。Vol.2では、ANDPAD導入にあたり社内外へ浸透させるために行った取組み、ANDPAD導入後の変化について伺った。

事前アンケートでANDPAD導入への「反感」を「共感」に変える

ANDPADを導入するにあたり、職人に対して事前アンケートを実施。新しい技術が入ることで自分の仕事が取られると感じたり、新しいことを取り入れることへの抵抗感をもったりと、社外の職人から一定程度のハレーションが起こることを予測したためだ。「営業が現場に来るまでの待ち時間を経験したことがあるか?」という問いに対しては90%が「経験したことがある」と回答。そのうち約半数が、営業が現場に到着するまで1時間待ったという回答結果となった。ハウスメーカーから図面変更について連絡が漏れていたことで営業も工事管理も把握しておらず、間違って施工してしまって手戻りを経験したというケースや、図面変更があっても施工管理者が図面をすぐに手に入れられず、図面を待ったことがあるという回答も。

金子さん: 導入する前段でアンケートを用いることで、待ち時間など実際に現場で起きている非効率的な状況に職人さんが気づいていただける機会を設けました。アンケートは「ANDPADを活用すればそれが解決するのかも」と感じていただけるようなコミュニケーションを意識して設計。ANDPADを業務で使うことに対して「反感」ではなく「共感」を持っていただけるように意識して取り組みました。ここまである意味戦略的に取り組めたのも、自分たち自身が「ANDPADは業務を効率化させるツールだ」ということに自信をもっていたからこそ。あとは実際にANDPADを利用する方たちの「やりたくない」という感情の部分をクリアにすることが必要だったのです。

「ANDPADを導入することに対してどう思いますか?」という質問に対しては、「あまり難しくなければ触ってみてもいい」という回答が過半数でした。この事前アンケートを実施したことで、ネガティブな意見の人は思っていたより少数だということが分かりました。

私が関わった協力会社さんの場合、半年くらいで運用が定着した感覚ですね。DX全般の課題として使う側が「面倒くさい」と思ってしまうことが障壁になるので、まずは使ってもらわないと始まらない。そこで、運用に慣れていただく時期は敢えて現場訪問を頻繁に行い、徹底的に寄り添いました。ANDPADは直感的でシンプルな操作性のアプリだったので、職人さんにも使ってもらえると確信していました。当社は職人さんを大事にしたいという想いを社内メンバー全員が強く持っています。みんなで協力して、職人さんのために一丸となって取り組んでいこうという機運があったことで、弊社のデジタル化が加速したと思います。

サーラE&L浜松株式会社 設備チーム 澤田 行秀氏(写真左)とリビング開発チーム 金子 知寛氏(写真右)

ANDPAD導入後の業務変化について

ANDPAD導入に対して起こりうる職人からのハレーションを予測した上で、事前アンケートを通じて産婆術的に現状のやり方で起きている問題点を見つける方法をとった同社。押しつけではなく「一緒に」取り組む協働体制を築き上げ、現場での丁寧なフォローを行うことで運用を着実に浸透させた。現在は、ほぼ100%の協力会社がANDPADを利用しており、工事管理業務が改善している確かな手応えを実感しているという。

澤田さん: 工事管理業務で現場を訪問して必ず立ち会わないといけないのは2回。ガスを実際に流すための試運転をする自主検査と、ハウスメーカーさん主導で行う検査立ち会いなどは自社が責任を持って対応する運用ルールになっています。従来の現場訪問回数は1現場あたり4〜5回で、業務時間全体における移動時間の割合は40%を占めていました。現地での作業時間が25%で、社内にいる時間は35%ほどしかありませんでした。

ANDPADを導入してからは、現場訪問は最低限必要な2回で済むように。1日あたりで考えても、以前は確認するだけの現場訪問であれば5〜6件回っていましたが、ANDPADを活用するようになってからは半減しました。協力会社さんがANDPADに上げてくれた写真を見て「これは現場に行かなくても大丈夫」と判断できるようになったからです。

現場への移動回数を大幅に減らすことができたことで、大手ハウスメーカーの案件は設備工事チームに集約でき、全体として設備工事チームで管理する案件を増やすことに繋がりました。その結果、営業が工事管理に関わる案件を大きく削減することができ、営業が本来の営業活動に専念できる状況をつくれています。ただ、今でも小さな案件については営業に工事管理業務まで担当してもらっているものもあります。

金子さん: 協力会社さんに渡す図面は、A2かA3用紙に出力したものを渡していましたが、ANDPADにアップするだけになったことでその手間は減っています。

以前は、報告書用の写真を協力会社さんに撮影してもらってSDカードやメールでデータを受け取っていたのですが、タイムラグもあり、結局工事管理担当者が報告書提出直前に慌てて現場に行って写真を撮ることもありました。ANDPADでの運用に切り替えるにあたり、協力会社さんにも元請企業様に求められる報告書用の写真をサンプルで見せて、どういう写真が必要なのかを説明。それにより的確な写真を上げてくれるようになったので、社員が写真を撮影しに行ったりすることがなくなり、報告書作成のための時間や移動時間も減りました。今はANDPADにアップされている写真を使用できるので効率的です。

ANDPADを業務に使うことに対して「反感」を予測し、事前に職人にアンケートを実施して徹底的に寄り添いサポートすることで、デジタルツール活用への「共感」を生み出して浸透を図った同社。こうした動きによりスムーズに運用が定着し、導入後は最低限必要な現場訪問回数に抑えることができるように。施工領域の業務効率化を果たすことで、営業のリソース最適化を実現した。

Vol.3では、デジタルを活用することで画一的な運用を可能にし、社員のモチベーションアップに繋げた報告のルール徹底についての取り組み、都市ガスとプロパンガスの工事の違いを埋める社内ナレッジ共有の取り組みについて紹介する。

サーラE&L浜松株式会社
https://www.salaenergy.co.jp/hamamatsu/
〒435-0044
静岡県浜松市東区西塚町200
代表取締役:諏訪 博
設立:2019年7月1日

取材・編集:平賀豊麻
編集・デザイン:原澤香織
ライター:金井さとこ
デザイン:森山人美、安里和幸