〜後編〜ANDPAD AWARD 2021 ユーザー賞インタビュー / ANDPADリーダーユーザーに会いに行ってみた! / 社外ユーザーの高い利用を構築した西部ガス、西部ガス設備工業の担当者の仕事に迫る

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大野 克幸氏
西部ガス株式会社 
供給本部 福岡設備部 設備工事グループ。同社に入社して現在10年目。既存物件へのガス管交換営業を6年間経験し、3年半前に異動して現職。異動後すぐにANDPADが導入され、ANDPADを活用しながら現場管理業務を行なっている。

湯浅 善治氏
西部ガス設備工業株式会社 
工事部 工事管理グループ ESEL管理チーム。20年間設備系の会社で営業を経験した後、工事担当となる。その後同社に中途入社し、11年目。前職は月1〜2件だった現場数だったが現在は月30件ほどの物件を担当している。同社に入社し未経験の工事を担当するなど大変な時から大川氏と仕事をしている

大川 貴載氏
株式会社天貴 代表取締役。名古屋で設備工事の仕事に従事し、12年前に仕事の都合で福岡へ。義兄の事業を手伝った後、独立して大川住設を設立。2年後に株式会社化し、現行の社名に変更。社名の由来は「天を目指す」という意味合いと名前を掛け合わせたもの。



前編では、「ANDPAD AWARD 2021ユーザー賞 総合賞」全国1位受賞された、株式会社天貴 代表取締役・大川さんのインタビューをご紹介し、仕事へのこだわりやANDPAD活用術などを教えていただきました。後編では、上位の請負会社である西部ガス 供給本部 福岡設備部 設備工事グループ・大野 克幸さん、西部ガスの指定工事店である西部ガス設備工業 工事部 工事管理グループ ESEL管理チーム・湯浅善治さん、そして工事人である大川さんの3名にお話を伺いました。西部ガス様がANDPAD導入に至るまでの経緯や運用浸透までのプロセス、大川さんがユーザー賞を受賞された背景にあるANDPADを通して三者の連携がどのように改善されたのかについてご紹介します。

協力会社の人材不足や労働時間の課題に対して、ANDPADを活用し業務効率化を図る

西部ガスグループは、1930年の設立以来、暮らしと産業に欠かすことのできない都市ガスを、北部九州エリアの家庭・企業へと届けるだけでなく、省エネを実現するガス機器や発電設備の普及により、快適な暮らしの創造にも尽力しています。2021年4月には、時代のニーズと環境の変化に対応するため、ホールディングス体制へと移行し、地域会社を設立。「お客さまから圧倒的な信頼をいただく、エネルギーとくらしの総合サービス企業グループ」を目指し、地域に根ざして幅広い事業を展開しています。

工事会社の人材不足が年々深刻化する一方、工事案件の増加による社員の労働時間に課題感をもった同社は、業務効率化を図るため、クラウドストレージサービスを利用開始したものの、現場管理の効率化を一層図るべく施工管理に特化したアプリを検討し、2018年11月からのANDPADのトライアルにて、「サポートの手厚さ」と「アプリ自体の使いやすさ」が決め手となり、2019年4月よりANDPADを本格導入しました。



同社は、まずスマートフォンの操作に苦手意識をもっている工事人の方々に慣れてもらうために、全地区統一のシンプルなルールを設定。その上で、各地区にIT推進リーダーを置いて「IT推進者会議」を年4回程度実施し、利用推進を強化しました。福岡地区では従来、各工程の工事完了後に協力会社から写真付きで紙の報告書を提出してもらっていましたが、紙での報告書を廃止して全てANDPADでの報告に切り替え、北九州地区では『ANDPAD報告用写真撮影の手引き』を作成し、協力会社に配布してサポートを行なうなど、それぞれの地区に合った方法でANDPADを運用し定着を図りました。



こうした全体ルールと地区ごとの個別対応の二段構えによってスムーズに運用が定着し、その結果、工事対象の適用範囲を新築戸建て住宅から集合住宅、業務用・商業用・官公庁まで、幅広い物件に拡大。現在では、指定工事店から工事人まで、工事パートナーである協力会社も含めて確実に業務効率化が図れており、社内においては現場管理に掛かる時間の削減によって、付加価値の高い業務への挑戦ができるようになっています。

西部ガス様のANDPAD導入の取組みについて詳しくはこちらをご覧ください↓

https://lp.andpad.jp/interviews/saibugas2/

ANDPADを活用して業務連携がスムーズに

――では、ここからは御三方にお話を伺いたいと思います。西部ガス様では、IT推進者会議を中心としたANDPAD推進活動を通じて運用を徹底したことで、自社、指定工事店、工事人の三者の円滑な関係性を構築されていらっしゃいますね。前編では大川さんにお伺いしましたが、大野さんと湯浅さんそれぞれのお立場で心掛けていることやANDPADをどのように活用しているかについてご教示いただけますか。

大野さん: 仕事の流れとしては、案件情報が分かった時点で手元に図面があればANDPADに案件を作成して、関係各社を招待してチャットにメッセージを送っています。その際、営業段階で案件が作られることもありますが、工事が未確定な物件が協力会社様に伝わらないように、工程が分からないうちは案件に協力会社様を招待しないように心掛けています。未確定な物件を招待してしまうと、実際の稼働よりも多くなって実態と異なることがあるので、失注したりスケジュールがズレた場合に指定工事店やその先にいる工事人の方々が押さえてくださっていた予定が無駄になってしまいます。もちろん招待後にスケジュールがズレることはありますが、それも含めて事前に共有するようにしています。

あとは、協力会社さんからの連絡が入ってくるので、普段からなるべくANDPADはこまめに確認するようにしていますね。スマートフォンとiPadを駆使して、スマートフォンで電話しながらiPadでANDPADを確認することが多いです。どこにいても図面をベースにリアルタイムで対応することができて、写真も送ってもらえれば状況を把握できるのでとても便利ですね。

大野 克幸氏 西部ガス株式会社 供給本部 福岡設備部 設備工事グループ

湯浅さん: 西部ガスさんからの工事依頼がANDPADに入るので、内容を確認し、社内で担当者を割り振り、職人さんをANDPADに招待して進めていきます。その際、当社内では受託案件管理用の社内システムにも登録を行っています。ANDPADに職人さんを登録する際は、なるべく偏りなく職人さんを振り分けるように、案件数を見ながら適宜判断しています。

湯浅 善治氏 西部ガス設備工業株式会社 工事部 工事管理グループ ESEL管理チーム

ANDPAD導入〜ネットワークが形成されるまでのプロセス

――西部ガス様がANDPADをご導入されてから、社内外に浸透させる取組みについては先述のとおりですが、ANDPADを利用して業務のネットワークが形成されるまでのプロセスにおいて、それぞれのお立場でどのようにお感じになっていらっしゃったのでしょうか。

 

大野さん: 導入時の担当だった前任者に話を聞いたところ、案件の多い地区と少ない地区に絞ってトライアルで始めたこともあり、最初は人によってばらつきがあったそうです。わざわざ紙の図面を持ち出す必要がなくなったとか、迅速な対応ができるようになったという良い面もありましたが、「使い方がわからない」や、「報告に手間がかかる」という声もありました。
トライアルを通して、まず使ってもらうことが大事だと考え、元々コミュニケーションツールとして使っていたチャットツールでのやりとりを禁止しました報告は一旦置いておいて、まずはチャットから使ってもらい、使ってもらううちに作業報告のルールを決めていったとのことでした。前任者は運用浸透に向けて運用ルールを独自に資料化するなど、協力会社さんへの働きかけに奮闘していましたが、あまりに熱心な姿に協力会社さんからは「ANDPADの回し者」と言われたりもしたそうです。(笑)

大川さん: まさに、私が「ANDPADの回し者」と言っていた立場ですね(笑)。
ANDPAD説明会を受けて、正直、「またかよ」と思いましたから。その前はデジカメで写真を撮るように言われて、今度はANDPADを導入するからiPadを持ちなさいと言われて……。「手間が増えるのに、追加料金はもらえないの?」と思ったりもしました。

――ANDPAD導入時は、職人さんの立場からするとやることだけが増えていくのでは、という印象が強かったのですね。インタビュー前編で大川さんは今やANDPADは“守り神”のような存在とまでおっしゃっていますが、ANDPADでの運用がスタートして、いつ頃から体験や心境に変化がありましたか。

大川さん: ANDPADを半年〜1年くらい使っていくうちに「これ、いいな」と思うようになりました。それまでは湯浅さんにわざわざ現場に立ち会ってもらって確認してもらっていましたが、ANDPADで写真をアップすれば確認していただけるので、湯浅さんに現場までご足労いただく回数も減りました。現場の作業状況も確認できるので、自分たちの作業になるタイミングも分かりやすくなりました。ANDPADがあることで、仕事の仕方に月とすっぽんほどの違いがあると気づいてからは、手放せない存在になりましたね。

大川 貴載氏 株式会社天貴 代表取締役(左)

湯浅さん: ANDPADでしっかりと確認ができるようになったので、現場に行く回数も減って、業務効率化が図れたのは大きな変化ですね。

ANDPADの運用定着後の業務の変化について

――現在はANDPADの運用も定着し、関係者で連携を取れるネットワークが形成されていらっしゃいますが、ご担当されている業務の中で業務改善をご実感される点や仕事がしやすくなったと感じることはどんなことでしょうか。

大野さん: 基本的にANDPADで双方確認すればいいので、メールを送ったり電話をしたりする手間がなくなったのが個人的には一番良かったことですね。協力会社さんに図面などの資料を印刷してもらうのも手間だろうなと思っていたので、負担を軽減できたのも良かったです。何かトラブルが発生した時にも、写真がアップされている日時などをもとに時系列をしっかり把握した上で的確な対応ができるようになりました。

湯浅さん: 今まではエビデンスが残っていなかったので、自分のミスでないものでも責任を問われることもありましたが、ANDPADに写真をアップしておくことで、責任の所在が明確になったことは安心ですし、ありがたいですね。

大川さん: 若手従業員だけを現場に行かせても、ANDPADで作業内容を確認して指示ができるので、現場を任せることで若手の成長機会にもつながりますし、配線の入れ忘れなども抜け漏れなく確認できるのも非常に助かっています。今まで現場に行かなければならなかったことや、頭の中で覚えておかなければならなかったことを、ANDPADがサポートしてくれています。

今はANDPADを開けば現場の状況が確認できるので、それに合わせて対処法も考えられるようになりました。自分のやった仕事に責任を持つために、ANDPADに写真を残しておくことの大切さを従業員にも教えています。間違えていれば誰かが指摘をしてくれますからね。そういうことができるようになると仕事に対する意識が変わってきますし、考え方次第で現場も変わると実感しています。まだまだ自分自身も日々勉強中ですね。

――最後に、今回こうしたガス事業者、指定工事店、工事人と3つのお立場が一同に会してくださったこと誠にありがとうございます。ある意味このチームでの表彰とも言える大川さんの受賞でありますが、最後に皆様から受賞について一言いただけますと幸いです。

湯浅さん: 大川さんは仕事が早くて正確でピカイチなので、今回の受賞は当たり前だと思います。大川さんとは独立される前からの付き合いになりますが、彼に仕事を任せるのが一番安心なので、独立後も依頼させていただいていて、頼りにしています。

大野さん: まず率直に、大川さんおめでとうございます。大川さんの「普通」のレベルがしっかりされているので、こうした結果になったのだと思います。いつもありがとうございます。

大川さん: じゃあ、僕のおかげかな(笑)?

大野さん: 異論はないです!

* * *

建設建築業界全体が抱える課題として、職人不足、監督不足がありますが、西部ガス様におきましても、工事会社の人手不足に加えて、社内では経験の浅い監督が多く、かつ一人当たりの案件数が多いという課題を抱えていらっしゃいました。この課題に対し、会社全体での取り組みANDPADの活用を徹底することで業務効率化が図れる土壌を形成しました。
全社と地区ごとの対応に分けた丁寧なアプローチによって、初めは難色を示していた協力会社様にもメリットを感じてもらい、社内外での運用徹底を実現されています。

このように、西部ガス様を中心として指定工事店や工事人も含めた三者が協力し合い尊重し合える理想的な体制を構築することができているからこそ、今回の大川さんの受賞を全員で喜び称えられるのではないでしょうか。
前編でご紹介した大川さんの仕事のこだわりである、持ちつ持たれつの「人と人とのつながり」が、デジタルの力でより強固な連携となった好事例と言えるでしょう。

西部ガス株式会社
https://www.saibugas.co.jp
〒812-0044
福岡県福岡市博多区千代1丁目17番1号
代表者:道永 幸典
設立:2020年4月1日

西部ガス設備工業株式会社
https://www.sgfi.co.jp
〒812-0041
福岡市博多区吉塚五丁目13番2号
代表取締役:北川浩司
設立:2009年4月

株式会社天貴
〒819-0052
福岡県福岡市西区下山門1-5-23
代表取締役:大川貴載
設立:2020年3月

取材・編集:平賀豊麻
編集・デザイン:原澤香織
ライター:金井さとこ
デザイン:佐藤茜