ANDPAD CUP中間レポートVol.3 / ~前編~ANDPADの利用における拠点間のばらつきを無くし、利用平準化への取り組み/予実情報の入力をANDPAD横断マイルストーンに変更!拠点社員の事前入力率100%を目指す!

  • 注文住宅
  • 戸建て
  • 新築
  • 注文
  • リフォーム
  • 横断マイルストーン予実管理
  • ANDPAD
  • ANDPAD CUP
  • 着工枠管理
  • 工期

西崎宏志氏
工務部 取締役 部長。高校卒業後入社し、同社一筋。現場監督として手掛けてきた住宅は200棟以上にのぼる。現在は、合同会社絆工房ヤマサでの職人育成にも携わり、住宅施工に関する深い知見を活かし若手育成にも注力。

郡山憲司氏
工務部 施工技術開発・業務統括・積算課 課長。大学卒業後、新卒入社。設計業務を経験した後、開発部門に異動し、新商品開発や施工技術開発などに携わる。

篠田秀明氏
工務部 施工技術開発・業務統括・積算課 施工技術開発・業務統括・積算チーム。住宅会社を経験後、同社に中途入社。入社7年目。積算業務、商品企画を経て、現在は工務の業務改善、社員大工育成に携わる。



DXの実現には、各社それぞれが描く未来像に応じた業務プロセスの変革と、それに呼応したANDPADの運用構築が必要です。そのためにまずは、社内外のANDPAD を利用するユーザーに目的に応じた利用が正しく浸透することが必要不可欠になります。そこで、ANDPADでは、お客様のDX実現のために「ANDPAD CUP」というサポートプログラムをつくりました。



今回は、鹿児島県で70年以上に渡り、郷土の気候風土に合わせた家づくりに取り組み続けているヤマサハウス株式会社の取組みについてご紹介します。同社は、桜島の火山灰の対策として独自の遮熱システム「屋根遮熱住宅:さえぎる君」の特許を取得し、地域性に特化した工法も牽引し続け、地元の方々からの信頼も厚い会社です。

2019年にANDPADをご導入いただきましたが、拠点によって運用に差が生じていたため、全ての拠点で平準的に利用ができている状況をつくり、現場でのミスやトラブルに積極的に対応できる情報管理体制をつくることを目指して「ANDPAD CUP」を共催することになりました。そこで、中間報告会を終えたところで、同企画を推進している3名にインタビューを実施。前後編でお届けします。前編では、「ANDPAD CUP」実施の背景や目的、取り組み内容について伺いました。中間報告を終えて感じている手応えと今後の意気込みについて伺いました。

「ANDPAD CUP」実施の目的

――まずは、西崎様、郡山様、篠田様のお仕事の管轄と責任範囲を教えてください。

西崎氏: 私は工務部の統括として、現場の責任者をしています。当社では、「絆工房ヤマサ」という社員大工育成カリキュラムを立ち上げ、若手の職人育成に関わっています。高齢化による職人不足で、職人の人材確保には苦労しています。そこで、3年間指導棟梁の元に預けて現場で修行を積んでもらうカリキュラムで社員大工育成を行なっています。やっと今年から1期生が現場を持てるようになったところ。これからよりスピードを上げていきたいと考えています。

工務部 取締役 部長・西崎宏志氏

郡山氏: 私は、開発部門でLCCM住宅や施工技術の開発を担当しています。その一環で、家をつくる人が働きやすくなる環境も開発しています。

篠田氏: 私は、工務の業務改善、社員大工育成を中心とした業務を担当しております。

――今回、貴社と弊社で「ANDPAD CUP」を共催させていただいておりますが、貴社が「ANDPAD CUP」にご興味をもっていただいた背景と目標とされているゴールについて教えてください。

篠田氏: 当社は、営業から監督まで担当者全員がチーム一丸となって家づくりに取り組むことを目指しています。しかしながら、以前は、着工後は現場担当に任せっぱなしの状態でチーム内での連携が取れず、なかなか達成できていない状態だったので、コミュニケーションや情報の共有のための施工管理ツールの必要性を感じていました。ちょうどその頃は施工管理ツールのサービスが出始めて1〜2年ほどのタイミングだったので、何社か比較検討を行いました。その際、開発力の観点で、自社に開発部隊を持っていることを重視しました。開発組織はスピード感となって、導入した後に響いてくると考え、ANDPADを導入しました。

しかし、2019年2月に導入してから2021年2月でちょうど2年が経つというタイミングでも、当社が目指している世界観にはまだ到達していない状況が続いていました。工程表や日報、完了報告など、ANDPADの機能全体を全ての拠点で平準的に利用ができている状況をつくり、現場でのミスやトラブルに積極的に対応できる情報管理体制をつくることを目指しているものの、実態としては拠点ごとに利用のばらつきがある状態でした。先日の「ANDPAD AWARD2021新築部門社内ユーザー総合賞」で2位を受賞させていただいた現場監督の原口のように、ANDPADを使った先にある世界に期待を寄せて積極的に使ってくれる監督もいれば、ANDPADの工程表は使わずExcelの利用を継続している拠点も。

しかし、その拠点では工程表を業者様向けの工程表とお施主様向けの工程表を分けて作成し、着工〜竣工での遅滞が発生しないように業者様との工期の握りができており、全拠点でもっとも工程遅延がない状態でした。そのため、わざわざ運用を従来のExcelからANDPADに変える必要がないという拠点監督の意見が強く、平準利用化における一つのハードルとなっていました。

監督だけでなく職人の利用にもかなり個人差があったため、そんな状況を解消し、社内で監督の平準利用を推進するためにも、写真、工程表、チャット、報告などバランスよくいろんなことを解決したいというのが取り組みのスタート。しかし、一気に全部を定着させるというわけにはいかないので、まずはANDPADが社内外問わず全社的に使われるようになるよう、横断マイルストーンに主軸を置くことにしました。

工務部 施工技術開発・業務統括・積算課 施工技術開発・業務統括・積算チーム・篠田秀明氏

郡山氏: ANDPADをフル活用したいのですが、社員全員が使えるようにならないと職人の方々に使ってもらえるようにならないので、まずは社員が使えるようになることが先だと考え、工程管理に焦点を当てることにしました。

当社は、着工前案件の最終確認を行い、着工枠を固めていくために行う品質確保枠調整会議(品確会議)という場があり、全拠点長が参加しています。営業、設計、IC、監督各拠点の担当者が社内システムに予定日、実績日を入力したものをExcelにエクスポートしてまとめたものを会議資料にしていましたが、確認ができていない項目があったり、データミスなどが発生することが多く、会議に時間がかかっていました。品確会議での確認項目の入力をデジタル化することで、データの抜け漏れをなくし、タイムリーな情報共有を実現することで会議の質を向上させたいと考えました。

工務部 施工技術開発・業務統括・積算課 課長・郡山憲司氏

西崎氏: 社内でのANDPADの使用状況における温度差が大き過ぎたので、全体的な底上げをするのが狙い。みんなが前向きに使ってくれるようになってもらえれば、との思いから「ANDPAD CUP」に取り組むことにしました。

――どのようなゴール設定されているのでしょうか。現状の課題なども踏まえて教えてください。

郡山氏: 平準着工の実現によって、職人の方々が先々のご自身の仕事の段取りが見えていて、ヤマサハウスの仕事を続けていける見通しが立って、今後も当社と一緒に仕事をしていきたいと思ってもらえるようになっているのが一番成し遂げたいこと。同時に、現場が10棟以上動いている中、アナログによる職人の稼動管理はうまくいかないため、デジタルを活用してシステマチックに動かしていく必要があり、それによって解消できるのが横断マイルストーン予実管理の良さ。横断マイルストーン予実管理を入れることで、品確会議で正確な予実管理をすることができ、正確な発注の平準化を図りたいと考えています。

「ANDPAD CUP」開催に向けてのプロセス

――では、「ANDPAD CUP」の実施内容について教えてください。また、評価指標の策定にあたって、当社との打ち合わせや、貴社内でのお打ち合わせはどれくらいされましたか。

郡山氏: 全拠点社員を対象として、評価期間内で予定日が登録されているマイルストーンのうち、実績日の入力実施状況を評価し、最も100%に近い入力実績の拠点を表彰するという内容で実施することにしました。

篠田氏: まずはANDPAD利用がされている拠点から着手し、週次のミーティングに参加して工務担当との打ち合わせを実施。そこに向けた場づくりについての打ち合わせを含めて16回以上は議論の場を設けました。また、キックオフを全拠点で実施し、合計6回行いました。

――「ANDPAD CUP」で各拠点の監督の皆様を巻き込んでいくために、どのような点に注力されましたか。また、ハードルになったことがあれば教えてください。

 

郡山氏: 「現状を変えたくない」という保守的な風潮が一番の問題でした。従来のシステムで今までやってきたことが一番慣れていてやりやすいので、新しいものに前向きに取り組めないという気持ちをどう変えていくべきか頭を悩ませました。「過去のやり方は捨ててね」と言うだけで、こちらが100%準備できていないとなると説得力ないので、社員がANDPADのほうが便利だなと感じてもらえるようなUIの改善や、入力率に直結するような、例えば社員が外出先でもマイルストーンの入力をスマホで行えるように機能改善できないかなどアンドパッドさんにもいろいろと無理を聞いてもらったりもしましたね。

ONE編集部memo

実際に6月に実施したANDPAD CUPのキック・オフにおいても、各拠点の社員様から多くのご意見をいただきました。そんななかから生まれた「アプリからの予定日・実績日の編集」機能は、特に横断マイルストーン予実管理を出先でも更新したいニードのあるユーザーにとっては重要で、他社の利用中ユーザーからも多くご意見を頂戴している要望でもあったもの。こちらは20211018日にリリースすることができました。


篠田氏: 工務に関わる人間には具体的にイメージを掴みやすいですが、他の部署の人間にどこまでイメージを掴んでもらえるかが大事。自分にメリットを感じないと動いてくれないと思ったので、きちんとみんなが使ってくれるかどうか不安でしたね。

郡山氏: 社員のANDPAD利用の底上げが実現できるかという不安もありましたね。トップラインの人の利用度が伸びていったとしても、ボトムラインの人に使ってもらえなかったら差が広がるだけなので、まずは会社として全員が使う、触れる機能に絞り込んで平準利用することを通じて、平均を上げることに注力しました。

拠点によって運用ルールが異なり、監督のANDPAD利用にもばらつきがあった同社。さまざまな課題をクリアするために「ANDPAD CUP」を実施されましたが、社員のANDPAD利用率アップにフォーカスして横断マイルストーン予実管理の活用でANDPADを社内の標準ツールにするというところを目指されているところがポイントではないでしょうか。

後編では、中間報告を終えての社内における変化と、今後の展望についてお伺いします。

ヤマサハウス株式会社

https://yamasahouse.co.jp/

〒892-0836

鹿児島県鹿児島市錦江町1-4

代表取締役:森 勇清

創業:1948年6月23日

取材・編集:平賀豊麻
編集・デザイン:原澤香織
ライター:金井さとこ
デザイン:佐藤茜