~後編~オーナー様からの多くのご紹介を創出する地域密着ビルダーの取り組みに迫る/ ANDPADの効果的な装着を実現するデジタル×業務フローの運用設計とは

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伊藤正道氏
専務取締役。一級建築士。CASBEE戸建評価員。応急危険度判定士。1994年に新卒入社。工事部一筋で、同社の施工品質の要的存在。

岡崎浩太氏
工事部 課長。一級建築士。宅地建物取引士。大学卒業後、建築専門学校に進学し、2009年新卒入社。13年目。現場監督を経験後、設計部門に異動し、2年間設計を担当。その後、再度現場監督となり、今に至る。現在、同社の監督職で唯一の一級建築士の資格取得者。



北海道千歳市を中心に道内のさまざまなエリアに拠点を持ち、安心・安全な家づくりを手掛けている株式会社ecoaハウス。1968年、神出設計グループの現会長 神出学氏が神出設計事務所を創業し、1995年にグループ会社として同社(当時は『神出ハウス』)が設立された。「全国⼯務店グランプリ」で2度のグランプリを受賞し、2017年には、従来の『枠組壁工法』の限界を克服した新たな耐震技術「木造住宅の外壁下地構造」を開発するなど、確かな施工品質でエリアトップの供給棟数を誇り、優良ビルダーとして地域の暮らしをサポートし続けている。そこで、今回は、専務取締役・伊藤正道氏、工事部 課長・岡崎浩太氏にインタビューを実施。後編では、ANDPADを導入し運用浸透するまでにプロセス、デジタルを活用したことによる変化、今後の展望について伺った。

ANDPAD導入から運用浸透までのプロセス

徹底した施工管理と検査体制によって、優良ビルダーとして地域トップクラスの供給棟数を誇る同社だが、前編でご紹介したように、紹介率の高さも大きな強みオーナー様が困った時にどれだけ早くサポートできるかが勝負だと考えている同社は、よりスピーディーにアフター対応できる体制を整えるべくデジタルツールを活用しようと、ANDPADを導入した。

そして、導入にあたり社内におけるANDPAD推進役として抜擢されたのが岡崎氏だ。導入時の業者説明会は全て岡崎氏が担当し、業種別にグループに分けを行い、1日に5社限定に絞って丁寧に説明を行った。

岡崎氏: 実際にANDPADを利用される職人の年齢層が高く、デジタルに疎い方も多いので、一方的に資料を渡しても理解していただけず、運用が浸透しないと思いました。そこで、対面で丁寧に使い方を説明することにこだわりました。業種別の報告用の業務フローをまとめたマニュアルを作成し、例えば、大工は毎日、他の業者は作業完了時というように、業種ごとに報告を上げていただくタイミングを重点的に説明しました。それから、運用開始後も現場を動かす中で気づいた点もすぐに改善し、これまでに3回マニュアルは改定しています。

また、社内の運用フローについては、社内で議論を重ねて元々あった業務フローを微調整し、ANDPAD導入に合わせたルール修正を行いました

岡崎浩太氏 株式会社ecoaハウス 工事部 課長。

同社内における運用フローでは、営業から契約、図面承認、着工、引渡しまでの一連の業務フローにおける関所を設けており、それぞれをANDPADのマイルストーンとして設定している。
次のステップに進むために必要な承認や承認イベントとなる会議体などをマイルストーンと関連付けて設定・実施していることで、徹底したルールに沿った運用構築を可能にしている。
例えば、図面承認では、着工承認者、営業、設計、監督が参加する四者面談で着工前の最終チェックをする段階で、全ての資料と図面が整っていない場合は承認されず、着工に進むことができない。確認項目は細かく設定されているが、事前確認の段階で設計、営業部門長の管理範囲内でしっかりとANDPADに資料が格納される業務オペレーションを組んでいる。1日でも着工がズレると月単位で竣工・引渡しに影響が出ることもあるため、それぞれの担当者も意識高く取り組み、四者面談では伊藤氏は着工前にあるべき状態になっているかどうかのネガティブチェックを行っている。マイルストーンと承認会議体が連動する業務オペレーションを構築している同社は、社内の運用も、社外の運用も高いレベルで運用が標準化されている。

また、未確定情報をアップしてしまうと、情報が混在して手戻りやミスの温床になりかねないため、進行中の未確定情報を共有する方法として、ANDPADのオプション機能である[社内メモ]と[取引先別資料フォルダ]の活用を実践している。
 この2つの運用を徹底することで、ANDPADのオープンなチャットや案件情報、資料フォルダには、確定情報だけが残り、取引先には確定した情報のみを渡すことができている。

デジタルツール導入推進者任命の妙

社外の協力業者に対して業種別のマニュアルを作成して周知徹底し、社内にはANDPADを活用した業務フローへと微調整を行ったことにより、同社のANDPAD浸透スピードは非常に早かった。チャット利用率の社内外比率が均等となっているのは、一方的なコミュニケーションではなく双方でやり取りがされている証左であり、非常にバランスが良い状態になっている。

一方で、業務報告としての報告機能の活用は圧倒的に社外ユーザーが行っていることから、現場への訪問回数をよりシャープにした現場管理を可能にし、しっかりとした運用が徹底されていることが分かる。

これほどまでにスピーディーな運用浸透を実現できた理由を伊藤氏に伺うと、岡崎氏が推進者として社内外のハブ的役割となったことが大きかったと振り返る。

伊藤氏: 岡崎を担当に起用したのは、彼自身が遠隔地担当で生産性向上の恩恵を実感しやすいという点と、デジタルに明るく行動力あるところが適任だと考えました。デジタル化がうまくいかない要因として、いろいろな人の意見を聞いて忖度をしてしまい、思っていることが言えなくなって尻込みしてしまうことがありますが、岡崎はフラットに物事を判断した上で自分の考えを発言していけるタイプ。ANDPADを導入すれば現場が良くなるというのは分かっていたので、しっかりと実行できる人物に担当してもらいたかったのです。

伊藤正道氏 株式会社ecoaハウス 専務取締役。

デジタルを活用したことによる変化について

ANDPADによる運用が徹底されてからの変化として、無駄な移動時間の削減や電話やメール等での確認にかかる時間の削減を実現した。初めは1業者1アカウントだったのが、1業者あたり2〜3アカウントに増えてきており、協力業者の方々がANDPADを使用する場面が増えてきているという。

伊藤氏: 実際に使ってみて「良いツールだ」と思ってくださったからこその成果だと、手応えを感じています。当初は番頭さんやフロント担当者だけの利用でしたが、現場に入る職方さんまでアカウントを増やしたいとご要望をいただいています

また、クラウド管理をするようになったことも良かったですね。ANDPADによる業務効率化は従来の電話やメール等のコミュニケーションでは、相手の都合によってリアルタイムに繋がれないこともありますが、ANDPADの場合は相手の都合に合わせずにコミュニケーションを取ることが可能なので、ANDPADに資料や報告等をアップされていれば、自分の欲しいタイミングに欲しい情報が得られます。だから、社員にはANDPADへの資料格納を徹底しています。以前、道内の住宅会社が火災で顧客データを損失したというケースもあったので、クラウド移行してデジタルシフトしたことによる安心感も感じています。

今後の展望

最後にお二方に今後の展望について伺った。

岡崎氏: お客様により良い価値を提供していくために、現状自分の目で確認しなければならない検査等以外は、デジタルツールを使ってどんどんリモート管理をしていきたい。現場で見なければいけないものと、リモートでも確認できるものをよりシャープに切り分けていけたら

伊藤氏: ANDPADというデジタルツールによって大幅な業務改善を実現することができましたが、ラクできるものに頼り過ぎて勘違いしてはいけない。目的を間違えると、自分たちの業務をラクにすることに注力してしまうので、そこはしっかりと守っていきたいところ。いかにお客様にクオリティの高いものを提供できるかというところを第一に考えて、今後もブレずに追求していきたいです。お客様が本質的に喜んでくれるようなデジタルの活用が理想ですね。

また、デジタルによってもっと簡単に家がつくれるような仕組みづくりをしていけたら。今やSNS等でさまざまな情報を取得できるようになり、お客様は理想の住まいのイメージを明確にお持ちですから、デジタルの力を借りてお客様の世界観を具現化していくお手伝いをしていきたいです。

お客様に家を建てた後の暮らしを含めて安心・安全な家づくりを提供し続けるからこそ、業務改善の手段としてしなやかにデジタルを使いこなしている同社。今後、施工品質はもちろんのこと検査体制に至るまでデジタルを活用していくことで、より一層優良ビルダーとしての地位を堅固なものにし、地域の方々の豊かな暮らしを支える存在となるだろう。

ecoaハウス本社ショールーム

株式会社ecoaハウス
https://jinde.co.jp
〒066-0028
北海道千歳市花園2-1-5
代表取締役会長:神出 学
設立:1994年6月

取材・編集:平賀豊麻
ライター:金井さとこ
デザイン:安里和幸、佐藤茜