ANDPAD CUP中間レポート/3代続く解体専門業が取り組んだ社員職人のコンピテンシーモデルづくり /社内表彰とANDPAD CUPの融合施策で見えた大きな成果

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瀬戸 貴博氏
株式会社宗重商店 経営管理室 室長。
前職は石川県発の飲食チェーン店の本部で営業、管理、FCなど全ての組織の業務に携わった後、2019年宗重商店に中途入社。サービス・組織マネジメントを多角的に学んだ経験を活かし、社内の仕組みづくりやチームマネジメントを担い、全社の目標達成推進役として活躍。

DXの実現には、各社それぞれが描く未来像に応じた業務プロセスの変革と、それに呼応したANDPADの運用構築が必要です。そのためにまずは、社内外のANDPAD を利用するユーザーに目的に応じた利用が正しく浸透することが必要不可欠になります。そこで、ANDPADでは、お客様のDX実現のために「ANDPAD CUP」というサポートプログラムをつくりました。

今回は、本プログラムを共催している株式会社宗重商店の事例をご紹介。同社は、長きにわたり解体業を専業としていましたが、2007年に代表取締役に就任した宗守重泰氏が「感動イノベーション。」というビジョンを掲げ、解体業をサービス業化させるべく、解体業から派生した住環境のあらゆるシーンに寄り添ったサービスを展開しています。さまざまな事業展開によって地元で愛される会社へと成長を遂げているなかで、2021年にメイン事業である解体業のブランド再構築のために掲げた「解体道」を社内外に浸透させようと「解体道コンテスト」を実施。そのなかで「ANDPAD CUP」を共催することになりました。7月に社内での中間報告を終えたところで、本プロジェクトの推進者である経営管理室 室長・瀬戸貴博氏に、「ANDPAD CUP」実施の背景や目的、取り組み内容、中間報告を終えて感じている手応えについて伺いました。

「ANDPAD CUP」実施の目的

――貴社は「ANDPAD CUP」を共催させていただいた第一号のお客様です。「ANDPAD CUP」について、どのようなきっかけでご興味をもっていただけたのでしょうか。

瀬戸氏: 元々社内表彰制度はあったのですが、社内の評価だと個人的な感情が入りがちでこぢんまりとしてしまうので、社外からの純粋な評価に意味があると考えました。アンドパッドさんのような導入企業数の多い会社から表彰されるということは、表彰者の自信につながるはずですから。社外から表彰されるという経験は私自身も初めての経験なのでプレッシャーは感じつつも、第三者からの評価という点に期待を持ちました。

瀬戸 貴博氏 株式会社宗重商店 経営管理室 室長

――今回、貴社と弊社で共催している「ANDPAD CUP」を含めた形で、「解体道コンテスト」を開催されていますが、コンテストの実施背景と目的について教えてください。

瀬戸氏: 当社は、現在さまざまな事業を展開していますが、われわれの原点である解体業をより強く、より太くしていく必要性を感じ、2021年1月から、「解体道」というスローガンを掲げ、リブランディングをスタートさせています。

解体業のプロフェッショナルとして、技だけでなく心も極めていくことで、地域のお客様に解体業者をより身近に感じてもらえる存在になりたいという思いを込めて、3つの言葉に8つの行動指針を定めました。

「解体道」は、新しいスキルを身に付けるというのではなく、お客様に施工品質のお約束を果たすための宣言になります。工事課幹部の想いを現場に浸透させる手段としてコンテストをスタートしました。

当社は、従来解体業に対して抱かれていた悪いイメージを払拭しようと、解体業をサービス業と捉えて「むねじゅうランド」というリブランディングをスタートさせました。

取組は功を奏してエンドユーザーにも受け入れられてきましたが、当社の売上のうち約9割を占めるメインの解体業にもっと力を入れていくべきだと営業課からも声が上がり、その想いも乗せたコンテストになっています。

宗重商店様の解体道コンテスト×ANDPAD CUPの概要

平賀: ――「解体道コンテスト」と「ANDPAD CUP」で目指しているゴールは、それぞれどのようなものでしょうか。

瀬戸氏: 解体業をする上では、ISOのテーブルにのせることを常に意識しています。「解体道」実現の先にあるのは、施工管理において最も重要な安全・品質・工程・原価の管理の徹底です。そのために当社がやる第一歩として、決められたルールをしっかり守るという初歩からスタートさせたいと考えています。

当社は2020年にANDPADを導入しているのですが、ANDPADの導入1年目は、施工管理の文化を醸成することができ、ANDPADの活用浸透に成功したと思っています。2年目は、その質を高めるのが目標です。

その結果指標として事故発生件数の減少を掲げていますが、ヒューマンエラーによる物損や事故などはすぐに成果が上がることではないですし、それだけで評価するのは難しいことだとは思っています。

そこで、ANDPAD CUPではANDPADを使って日々行っている[KY報告]と[日報]、現場の[写真撮影]枚数などを事故の発生を抑止する先行指標として管理し、「ANDPAD CUP×解体道コンテスト」で日々コツコツ頑張った人が評価されることを目指しました。

これは本施策を進める中で気づいたことですが、「ANDPAD CUP×解体道コンテスト」が当社のコンピテンシーモデルの形成に大きく役立つのではないかということです。

コンピテンシーモデル

瀬戸氏: アンドパッドさんから定期的にいただく実績レポートの集計結果の妥当性と実際に現場で起きている真実を探りながら、さまざまな側面から検証を重ねていくうちに面白い結果が見えてきました。

それを表すように実際に営業と工事課の幹部からは「自分たちの頭の中に定性的に存在していた評価順位と今回のコンテスト順位が見事一致している」と評価を得ることができました。

表彰コンテストはイベントですから、順位をつけて上位者を評価するという意味合いもありますが、一番の目的はコンピテンシーモデルをつくることであるべきです。
MVPを取った人と同じ行動をすれば成長できるというよりは、上位者のいいとこ取りをして「解体道」を築き上げ、次のステップにつなげていきたい。定量的な指標としては事故発生件数をゴール設定にしてはいますが、事故抑制につなげられるコンピテンシーモデルを示すことを会社として大事にしています。

コンピテンシーモデルをつくる理由は、“理想のスーパーマン像”を掲げてもイメージが湧かないと思ったから。ANDPADなどのツール導入もそうですが、ただトップダウンで実施しても現場には浸透しない。説得よりも納得してもらうことが大事なのです。
コンピテンシーモデルの設定項目も、仲間を真似てみようと仕事のなかで会話が生まれたり、評価されることで事故減少につながるよう、難しいものにならないよう意識しました。

全てにおいて高評価のAさんになれることが理想ではあるものの、日報や写真投稿などの報告件数をきっちり達成しているBさんや、報告内容や顧客満足度の高いCさんのそれぞれの指標の上位者の良いところから学び合い「解体道」を築く狙いがある

――評価指標の策定にあたって、当社との打ち合わせや、貴社内でのお打ち合わせはどのくらいされましたか?

瀬戸氏: アンドパッドさんとの打ち合わせは、せっかくご協力いただいているのに成果が出なかったというのは絶対にあってはならないのでプレッシャーですね(笑)。アンドパッドさんを納得させられるような材料があるようにというのは意識しています。

社内の打ち合わせはそこまで回数はしていませんが、過去の経験を活かしながら何度も評価項目と結果のシミュレーションをして落とし込みました。現場の職人は想いはあっても言語化するのが苦手な人が多いので、それをうまく変換するのが自分の役割。言葉と数字で表現するのに悩むことも多かったですが、一人ひとりの職人のスキルを考慮しながら出てくる結果をイメージして設定していきました。また、キックオフと中間報告の資料においては、最終的にコンテストをやって良かったという成果を社内外で思えるような状態にすることを考慮して作成しました。

――表彰にあたり、いくつかの賞を設定されていらっしゃいますが、どのような賞があるのかく教えてください。

瀬戸氏: まず、誰から評価されるのがいいかという前提で、3つの賞を設けています。
一つ目は、「ANDPAD CUP」によるアンドパッドからの評価。ANDPADをしっかり使っているかどうかを評価します。二つ目は行動指針に沿った行動がお客様からありがとうと言われるように、お客様からの評価として解体道賞をつくりました。三つ目は、幹部からの評価としての特別賞です。メンバーを成長させたいという気持ちが強い会社なので、社内の定性評価も入れています。

「ANDPAD CUP」開催に向けてのプロセス

――貴社のキック・オフでは、とても手の込んだ映像を作成されて士気を盛り立てていらっしゃいましたね。動画制作やキック・オフ資料の制作はどなたが尽力なさったのでしょうか。

瀬戸氏: 私がイメージを絵コンテに落とし、経営管理室の女性社員につくってもらいました。どうしてもこういうコンテストはイベント感が出てしまい、評価対象ではない営業や事務などが関われないことが多い。だから、意識的に巻き込んで、彼女らにもコンテストに貢献できたという気持ちになってもらいたい。全社的な取り組みとして推進していくということにもこだわっています。

経営管理室の女性社員が作成されたキック・オフムービーのサムネイル

――開催までのプロセスで不安なことやご苦労されたことはありましたか。

瀬戸氏: 狙った通りの結果が出るのか、納得感が得られない結果が出るのではという不安はありました。
みんなが予想できる人が1位になるような、狙えば取れる順位ではやらされ感が出てしまいますし、コツコツ愚直にやっている人がきちんと評価されるか結果が出るかが一番不安でしたね。それから、このコンテストの目的である、コンピテンシーにちゃんとつなげられるかどうかも未知数でした。

取り組みをスタートさせたことによる変化

――現在、中間結果が出たところだと思いますが、実際にイメージされていた結果が出ていますでしょうか。また、「解体道コンテスト」を始めてから感じている変化はありますか。

瀬戸氏: 総合集計の結果を見て、ここまで自分たちの頭の中の評価と一致するとは思っていなかったので驚いています。今までの定性的な評価が定量的に裏付けられたので、経営陣も驚いていました。
それぞれの項目で高い評価を得た人の取り組みが横展開され始めています。例えば、現場写真の撮影の仕方のモデルを共有したことによって、それを参考にして報告内容を変えた人も出てきています。

日報の報告写真で優秀モデルとなった人の事例。きちんと状況が伝わる写真撮影のノウハウを共有して、横展開している

――評価指標には、定量と定性の両面設けていらっしゃいますが、どういった意図で分けて設定されているのでしょうか。

瀬戸氏: バランスの取れた評価という観点ですね。納得感をもたせるためには定量的評価は必要だと思いつつも、明確な数字として出すのは難しいなと感じていました。アンドパッドさんとの打ち合わせのなかで、日報などの集計をしていただけるということになって、定量的な評価ができると確信しました。
当社は、経営陣が部下をちゃんと評価したいという風土があり、定性的評価を入れたとしても不公平感が出ないと思ったので、幹部の愛情と合わせて総合評価にしたいと考え、アンケート結果の集計で点数配分をしています。ちゃんと幹部が見てくれているというのは、本人たちにとっても一番評価してもらいたいポイントだと思うので、幹部の意識としてもしっかりもってもらいたいという狙いもあり、報告内容の評価のウェイトを高くしています。

解体道コンテストにおけるANDPAD CUPと、解体道行動指針の各評点

今後の取り組みについて

――現在上半期総会を終えて中間発表を迎えられましたが、これまでの気づきや感じていることを教えてください。

上半期の総会にて中間報告を実施した時の様子。4〜6月の各項目の総合順位を発表した。下半期を含めた最終結果は、総合順位だけでなく各人の得点が上期と比較してどれだけ変化したかも評価測定する予定。

瀬戸氏: まず結果指標について。昨対比事故減少を目指してはじめた本施策ですが、現在までのところ事故発生件数は増えています。しかしながら、これはANDPADの運用が徹底される前だと報告されていなかった些細な事故も本社が把握できるようになったという証拠です。ANDPAD CUP開始以降、どんな軽微な物損や事故であっても現場からしっかりと報告を上げてくれるようになったことで、良い方向に進んでいると実感しています。加えて物損は原価として計上管理しているので、しっかり事故報告が上がってくることで正確な原価把握にもつながっています。
また半年間の実績全体で見ると増えてはいますが、実は本施策開催前の1~3月の件数に比べると、4~6月の発生件数は顕著に下がり続けています。下期もこのままのペースで事故が減れば、事故発生件数の昨対比減少は達成できる見込みです。

次に、社内への影響についてですが、今回のコンテストで納得感が醸成できていると自信をもって言えます。また、コンピテンシーというキーワードも浸透してきていると実感していますね。
懇親会でコンテストについての会話が出るようになったりと、より良い仕事をするために努力する姿勢が見られるようになりました。今までも社内コンテストは何回もやってきましたが、こういう前向きな質問が出てくることはあまりなかったので、今回は納得感にこだわった評価指標にした成果だと感じています。評価対象になっている社員がコンテストに興味を示してくれていることが嬉しいです。

それから、アンドパッドさんが集計結果のレポートを月次で出してくれているのは非常に助かっています。評価指標を決める際にも、的確なアドバイスをいただき参考になりました。ANDPADのノウハウや経験が土台にあるからこそ、そこに自分たちの強みを乗せることができていると感じています。アンドパッドさんに対しては、サポートしてもらっているというよりは、目標に向かって一緒に取り組む協働感が強いですね。社外の人と対等に議論できるのが刺激的ですし、第三者目線で見ていただけるのがとても心強いです。

――本記事を読んで「ANDPAD CUP」に興味を持ったANDPADユーザーに向けて、なにか開催に向けてのコツやポイントについて教えていただけますか。

瀬戸氏: 何するにしても共感を得ることを意識しないとうまくいかないと思うので、やはり納得感は大事なポイントだと思います。だからこそ、全社を巻き込むのは絶対条件です。
コンテストをスタートさせる時に順位予想して、その予想をどう裏切らせるかも推進側の醍醐味。経験やスキルが高い社員が高得点を取るコンテストでは意味がないですし、地道にコツコツやっている人がきちんと評価される評価基準を設けることも大事だと思います。今回の取り組みでコンテストの在り方を学ばせてもらっているところですが、年末の表彰式で表彰された人が、翌年どう成長していくかも楽しみですね。

ANDPAD CUPの中間レポートに寄せて/株式会社アンドパッド 平賀豊麻

中間報告会を終えて瀬戸様から頂いたメールで、「解体道」として原点回帰のリブランディングを行った変革の元年にANDPAD CUPと出会えたことについてお喜びの言葉をいただきました。
中間報告会の前週に、4−6月の実績レポートをメールでお送りしたのですが、その際に瀬戸様と実績を踏まえながらお電話で会話させていただいたときのことを鮮明に覚えています。受話器越しから瀬戸様が取り組みに対して確かな実感を持っていただいているのが伝わってきて、私も自分のことのように喜び興奮しました。

ANDPAD CUPのトライアルパートナーの第一社目として、ご共催くださった宗重商店様。
本企画がまだコンセプトしかない状態から共に考え、共に手を動かしてくださった瀬戸様や経営企画室の社員の皆様には感謝をしてもしきれません。

さて、唐突ですが、ANDPADの利用はゴールではありません。
ANDPADの利用を通じてご契約企業さまや、そこで働く社員や協力会社の職人の皆様、あるいはそのお仕事の成果物を享受するお客様が「幸せ」になることがゴールだと信じています。また、その「幸せ」の中身はご契約企業様の数だけ存在し、ゆえに私達は常にユーザー様を通して「幸せ」とは何かを学び続けていかなければならないという強い想いを持っております。

今回、宗重商店様では事故発生件数の減少を目指す過程で、ANDPADの利用指標を含めた、事故発生数の少ない社員のコンピテンシーモデル構築まで発展していただけましたが、ANDPAD CUPでは今後もこうしたユーザー様の成功に向けて伴走し、そして学び続けてまいります。
ANDPAD CUPにご興味のある方は担当の営業までご連絡ください。

平賀豊麻
株式会社アンドパッド 社長室 コミュニティマネージャー 兼ANDPAD ONE Director
2018年5月に株式会社アンドパッドに入社。
アンドパッドのインサイドセールスの一人目として、インサイドセールス組織の立ち上げを行う。
2019年12月より社長室コミュニティマネージャーに、2020年12月からはコミュニティメディア「ANDPAD ONE」のディレクターを兼任。
約26万人のANDPADユーザーのCXの向上を目的としたコミュニティ形成をミッションとする。
ANDPAD CUP企画推進者。

 

株式会社宗重商店
https://munejyu.com
〒920-0342
石川県金沢市畝田西1丁目112番地
代表取締役 宗守重泰
創業 1939年3月1日

取材・編集:平賀豊麻
ライター:金井さとこ
デザイン:安里和幸