〜vol.3〜家づくりの顧客体験を現場監督が紡ぐ「エモレポ」に迫る/CX向上を目的としたANDPAD活用

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吉田 俊介 氏
株式会社アイジーコンサルティング 工務部 施工管理課 課長。新卒で土木の会社で現場監督を経験後、同社に中途入社。現在入社19年目。1級土木施工管理技士。ANDPADの現場推進者。

芥川 建斗
株式会社アイジーコンサルティング 工務部 施工管理課。現場監督。現場監督志望で新卒入社し、1年目は営業としてコミュニケーションを学び、2年目から施工管理へ。現在は入社9年目で、現場監督の中堅メンバーとして活躍中。施主報告「エモレポ」の推進者。

「人とのつながり」を大切にし、住環境創造企業として、お客様にとって快適な住環境を提供することはもちろん、社会、社員の生活向上に貢献する株式会社アイジーコンサルティング。顧客満足に課題を感じていた同社は、CX(顧客体験)の向上を目指して、施主報告を通してお客様に感動を与える「エモレポ」という独自の取り組みをスタートさせた。今回は、同プロジェクトを推進した工務部 施工管理課 課長・吉田俊介氏、現場監督の芥川建斗氏にインタビューを実施。Vol.3では取り組みによってもたらされた変化と今後の展望について伺う。

「エモレポ」による変化と今後の展望について

これまでの現場監督が行うお施主様への連絡業務を見直し、つくり手や家づくりのプロセスの温かみを伝えることに重点を置いた、家づくりの感動体験を提供する「エモレポ」をスタートさせた同社。まだ取り組み始めて間もないため、目標に掲げている紹介件数などの成果はこれからという段階ではあるが、「エモレポ」を通じてお客様とコミュニケーションを取るようになってから、どのような変化を感じているのだろうか。

芥川氏: 圧倒的に変わったと感じたのは、お客様とのコミュニケーション量ですね。つい先日お引渡しが終わったお客様は「エモレポ」に毎回返信をくださって、完成見学会の際にも他のお客様に「写真を撮って現場を管理してくれる安心感が凄くあった」と、体験談を発信していただきました。
また、工務会議での共有で、ANDPADで他の監督がやったいい内容や発信方法があれば、横展開してブラッシュアップにつなげています。

芥川建斗氏 株式会社アイジーコンサルティング 工務部 施工管理課

吉田氏: 当初は、工務のミッションとして「エモレポ」の取り組みがスタートしましたが、今後の展開としては、契約段階からお施主様とのコミュニケーションツールとして営業や設計も使うようにしていきたいと考えています。営業、設計が建築現場に行く機会もあるので、全員が繋がっていることが大切。そうした時に、現場で共感できるシーンを「エモレポ」することで、よりお客様の感動体験は膨らむのではと考えています。

さらには、お引渡しして終わりではなく、その後もコミュニケーションが続くものになっていけたらいいですね。



また、社内に関しては、現在監督の評価は完工量をベースにCS(顧客満足度)評価とその時取り組んでいることなどを加味して行なっていますが、実はANDPADの運用状況も評価の対象にしています。今後、「エモレポ」についても評価につながるといいなとは思っていますが、評価のためにやることにはしたくないので、どのように評価制度に組み込んでいくかについても検討していきたいです。

吉田俊介氏 株式会社アイジーコンサルティング 工務部 施工管理課 課長

良質なCX(顧客体験)とは?

最後に、お二方それぞれが考える「良質なCX」とは、どのようなものか伺った。

吉田氏: CXとは「身近さ」であると考えています。例えば、施主報告などをやらなければ、お客様にとって工事が始まってからの現場は距離を感じるし、職人さんに対しても怖いイメージがあって現場に行きにくくなる。せっかくこれから住む家なのに、家づくりにリアリティを感じづらくなってしまう。だからこそ、毎回現場に来なくてもある程度情報が取れることは大事だと思います。こちらから擬似的に現場を見てもらうことで、ただ商品を買って、つくられたものを受け取るのではなく、家づくりという体験を感じていただくことができるはずです。

われわれは家をつくっているのではなく暮らしをつくっているので、アフターまで含めて長くお付き合いをする覚悟をもって、お客様の生活全てに関わる存在でありたい。見学会や体験ツアーといった形で暮らしているお客様の自宅に連れて行くこともありますが、このツアーに協力してくれるお客様になるのにはちょっとハードルがあるんですよね。住宅を買う、生活を買う、ライフスタイルを買うというのは大きな入口でもありますが、本当に目指したいのは、お客様が家づくりを「お客様」という属性で楽しむことで完結するのではなく、価値共有集団としてお互い活用し合う関係性。当社で建ててから地域のイベントや当社のマルシェなどに参加していただいているお客様とは、まさに価値共有集団としての関係性を構築できていると感じています。これからも、家づくりのなかでの「施主」という柱になっていただきながら、各ステークホルダーとつながり、共に地域で関係性を育み続けていきたい。こうした世界観の連なりを生むのが「身近さ」だと考えています。

芥川氏: 私が目指したいCXは、「ディズニーランドへ行きたい!」と思うようなワクワク感です。丁寧な接客とホスピタリティに対する感動ですね。建築業界はクレーム産業と呼ばれているのが現状。ディズニーランドのように「何度も来たい!」と思ってもらえるような体験を提供することが目標です。そのためには、紹介なども含めて当社と関わりたいと思ってもらえることが必要なので、丁寧な接客というよりも親近感が湧く接客をすることで、お客様にファンになってもらうことが重要。感動してもらえるような接客を届けることができれば、自然とその後にもつながりますからね。家づくりは何回もするものではないですが、お客様がお打ち合わせや「エモレポ」を楽しみにしているという状態をつくっていきたいです。

同社の「エモレポ」の取り組みを通して、他社との差別化を生み出すのは品質や性能ではなく、家づくり全体を通じてお客様の共感と感動を与える機会提供にあると強く感じた。そこでしか体験できない感動をどれだけ提供し、唯一無二の関係性を築けるかが、今後家づくりにおいてCXを向上させる鍵を握るだろう。
そして、プロセスや人との関わりを大切にしたいというお客様にしっかりと寄り添い、「人を大切にし続ける」同社だからこそ、家づくりをきっかけに地域とのつながりを育んでいける世界をつくり上げられるのかもしれない。まだ始まったばかりの「エモレポ」だが、今後の動向にも注目していきたい。

アイジースタイルハウスのモデルハウス「EMOTOP(エモトープ)浜松」

株式会社アイジーコンサルティング
https://www.e-igc.jp
〒430-0906
静岡県浜松市中区住吉4-9-5
代表取締役:鈴木 智彦
設立:1975年

取材・編集:平賀豊麻
ライター:金井さとこ
デザイン:安里和幸