〜後編〜地域に根付いた工務店として サスティナブルな暮らしを提案

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澤野 恵 氏
代表取締役社長
株式会社ヤマダタッケン

敷村 孝之 氏
株式会社ヤマダタッケン
新築工務・工事担当

不動産業をルーツとし、現在は輸入建材を用いたカントリーテイストの住宅を得意とする株式会社ヤマダタッケン。『すべての社員のアイディアと行動の結晶ですべての社員の幸せを追求し地域社会に貢献する』という経営理念で、注文住宅事業をはじめ、リノベーションやカフェ運営など、ライフスタイルの提案を行っている。今回は、代表取締役社長・澤野恵氏と、現場監督としてだけでなくさまざまな事業で活躍している新築工務・工事部・敷村孝之氏にインタビューを実施。後編では、澤野氏が事業継承した経緯、地域に対する思いや今後の目標について伺った。

一族ではない社長であるからこそ “みんなの場所”だと感じられる会社に

ヤマダタッケンの創業者である現取締役会長・山田修司氏からバトンを受け継いだ澤野氏に、事業継承の経緯について伺った。

澤野氏: 「2001年に入社してから一貫して営業職として事業に携わり、商品のコンセプトワークをはじめとする営業戦略立案など共に歩ませていただき、2015年に主幹事業を継承しました。私は創業者である山田会長の親族ではありませんが、会長のご子息の年齢が若いこともあり、彼にバトンを繋ぐ前提での事業継承になります」

経営のバトンを繋ぐための事業継承を、しっかりと意義あるものにしたいという思いも強い。

澤野氏: 「当社は昔ながらの工務店ですが、オーナー一族から外れた自分が社長であるからこそ、社員には“みんなの場所”だと感じてもらいたい。この仕事を通じて、サスティナブルな暮らしをテーマに据えながら生きる力を身につけ、困っている人がいたら手を差し伸べられる人になってほしいので、ボランティア活動などさまざまなことを積極的に体験してほしいですね

社員一人ひとりの自立性を尊重している澤野氏。若手社員を中心にDIYやリクルートなど5つのチーム編成で活動を行ったり、専門職以外のことにチャレンジできる機会の提供は惜しまない。

澤野氏: 「業務範囲内であれば、どんどんチャレンジしてもらいたいですし、結果的に会社にとってのメリットに繋がったら嬉しいですよね」

敷村氏: 「ここで仕事をしていると、一つでも多くのことができるようになりたいという意欲がどんどん湧いてくるんです。現在も、メインである現場監督だけでなく、70年代不動産のVC(ボランタリーチェーン)の発信など、いろいろなことに挑戦させてもらっています。自分のためになることと会社のためになることが一致している感覚がありますね」

クレドで会社としての想いを伝え 全員で共通認識をもつ

さらに、2017年には、社員全員との共通認識をもつために「まだ見ぬヤマダタッケンを発見していこう」というテーマで、クレド『DISCOVER』をまとめた。

澤野氏: 「社員とコミュニケーションを取るなかで、自分の想いを伝えきれないことも。オフィスも3層になっているため部署間のコミュニケーションも取りづらく、口頭だけではニュアンスまで理解してもらうのが難しいと感じていました。会社としての想いをより具体的に伝えるためにクレドをつくりました。社員手帳にも記載していつでも見られるようにしています」

全社員へ配布されている同社のクレドが記載された「DISCOVER」

心が豊かになる家を提供し 地域に貢献できる会社でありたい

これから同社が目指しているのは、どのような世界なのか。今後の展望について澤野氏に伺った。

澤野氏: 「地域の工務店として、地元の方々に認めていただける存在でありたい。温暖化やSDGsについて積極的に勉強して、現場でのゴミを減らす取り組みも行っています。3年前からは、地域貢献活動にも力を入れるように。カフェ運営をきっかけに近隣の農家の方に食について教えていただき、人と自然が共存する社会をつくるためのデザイン手法であるパーマカルチャーに触れることで、自分たちから孫の代まで心身ともに健やかになれる家づくりの大切さを学びました。

当社の家にお住まいいただいた方や、関わった方々に、幸せなライフスタイルになったと実感していただけるお手伝いができるよう、社員みんなで畑を耕して農作物を育てています。業務時間内はいつ畑の作業をしてもOK。土を触っていると気持ちがリセットできるので、仕事の息抜きにも一役買っています。お施主様向けにもガーデニングや家庭菜園などのワークショップも開催しています」

フィンランド視察の際には、農業の取り組みを通じてかかわっている仲間に紹介してもらったフィンランド人と現地で会ってヒュッゲについて学び、現在ビジネスの話も進んでいるのだとか。地域に根ざし、同じ感度の方々と交わることで事業に価値をもたらせていく姿勢がなんとも実直で、温かみを感じた。

そして、地域に生かされていると感じているからこそ、地域を守りたいという思いも強い。過疎化が進んでいる地域に拠点を置き、地元の方と自然を守る取り組みもスタートさせた。

澤野氏: 「私は石川県出身ではないのですが、実際に住んでみて、海や山、畑など自然溢れる魅力的なエリアだと感じています。これからもこの地域に根を張っていきながら、今後は能登にも拠点を置いてログハウスを展開させる予定です。「ニューノーマル」と言われる時代だからこそ、どこで暮らしても心が豊かになる居心地の良い家を提供し、都心にお住まいの方にもアピールできたら。そして、当社は海外にコネクションもあり、サスティナブルライフについての知見もあるので、今後もパーマカルチャー的なものをもっと多くの方々に伝えていきたいですね」

ローカルだからこそできることがある。地域貢献への取り組みによって新たな出会いが生まれ、どんどん輪が広がっていく。サスティナブルな暮らしを提案し続ける同社は、これからもかかわる全ての人々の心を豊かにしながら、地域を守り続けていくのだろう。

株式会社ヤマダタッケン
https://www.yam21.com〒921-8164
石川県金沢市久安1丁目411番地
代表取締役 澤野恵
設立 1987年9月

取材・編集:平賀豊麻
ライター:金井さとこ