ANDPAD ONE CONFERENCE 2022 開催レポート / 生産性向上とコンプライアンス対応を両立!〜受発注電子化90%超の北洲が語る取り組みの秘訣とANDPAD受発注の価値〜

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■登壇者
青塚 友樹 氏
株式会社北洲 ​​ハウジング事業部 建設部 部長
1992年に株式会社北洲ハウジング(当時)に入社。17年間現場監督として従事し、2009年ハウジング事業部建設部 建設課課長、2012年ハウジング事業部仙台建設課 課長、2017年ハウジング事業部仙台南支店 支店長、2020年ハウジング事業部建設部 部長として従事。
現職では、全支店の建設課の管理及び業務改善を主務としている。2009年、当時材工分離としては珍しい、電気工事や給排水設備工事をユニット配線、配管として取り入れ品質向上やコストダウンを実行。又、2021年には施工管理アプリや電子受発注のブラッシュアップとしてANDPADや電子発注の導入を推進。

中川 聖也 氏
株式会社北洲 ハウジング事業部 仙台建設課 課長
2015年4月新卒として株式会社北洲に入社。入社から6年間仙台と岩手にて現場監督として従事、その後2021年4月から本社の建設部に異動。建設DX業務を主とし、ANDPAD・ANDPAD受発注の導入に携わる。現在ANDPAD運用整備と活用の展開、タブレットを使用した現場検査の変革推進など現場監督の業務改善を推進している。

■モデレーター
渡邊 泰右
株式会社アンドパッド 第一事業本部 部長
新卒で木材系建築流通会社に入社。建築資材の営業、施工管理業務に関わる。
2017年に2人目の営業社員として、アンドパッドに入社。首都圏のエリア責任者として、営業活動や導入支援を行う。
現在は住宅領域の事業責任者。大手企業様とのプロジェクト推進、アライアンス、住宅会社向け機能開発のPSFなどに従事。

寒川 明美
株式会社アンドパッド ERP&EDI事業部 EDIカスタマーサクセスグループ グループ長
大学卒業後、リフォーム会社へ就職。約7年間、リフォームの営業 兼 監督として、お客様との商談や現場の施工管理、そのほかイベント企画・広報などを担当。
アンドパッドへ入社し、営業・カスタマーサクセス業務を経て、現在はEDI事業部として電子受発注導入のサポートを行っている。

本記事では10月21日に開催したセッションから「生産性向上とコンプライアンス対応を両立!受発注電子化90%超の北洲が語る取り組みの秘訣とANDPAD受発注の価値」と題した内容をお届け。

株式会社北洲 ハウジング事業部の青柳さんと中川さんをスピーカーに迎え、アンドパッド 第一事業本部 第一部 部長 渡邊とERP&EDI事業部 EDIカスタマーサクセスグループ グループ長 寒川がモデレーターを務め、生産性向上とコンプライアンス対応を両立するために何をしているのかお伺いしました。

ANDPAD導入における2つの目的と現在地

株式会社アンドパッド渡邊(以下、渡邊)まず北洲様の会社概要についてお聞かせいただけますでしょうか?

左から:株式会社アンドパッド 渡邊、寒川、株式会社北洲 青塚氏、中川氏

青塚さん当社は、建設資材販売として1958年に創業しました。北国に温かい家を。という想いのもと、1979年に北洲ハウジングとして住宅部門が新設されました。宮城県や岩手県、福島県など東北エリアを中心に、SDGsに注力した注文住宅やリフォーム事業を展開しています。

渡邊北洲様には2021年にANDPADを導入いただき、「ANDPAD」「ANDPAD受発注」「ANDPAD黒板」をご活用いただいています。また、基幹システムもご利用していらっしゃいますが、具体的にANDPADとどのように連携させているのか教えてください。

青塚さん工事に関わる情報を蓄積・共有・管理・活用するための、建設工事業向け基幹業務管理システム「PImacs(ピーアイマックス)」を利用しています。EXCELで作成した実行予算のCSVを、基幹システムに取り込み、発注と支払いを行っています。発注データは作成できるものの、それをもとに電子発注ができる機能がないため、紙での発注や請求書のやり取りになっていたことが課題でした。ですが、基幹システムからANDPAD受発注に発注データを連携することで、オンライン受発注が可能となりました。



渡邊北洲様にANDPADを導入いただいた背景としては、2024年4月に施行される労働時間の上限規制への対応が、まず一つ目の目的と伺っています。そのために掲げたテーマとして「残業時間の削減」と「受発注の電子化率100%」の2つあったそうですね。この点について詳しくお聞かせいただけますでしょうか?

青塚さん経営陣にANDPAD導入を承認してもらえるように、まず導入の目的を明確にすることを意識しました。導入によって、現場にどのような効果や影響をもたらすのか、しっかり目標数字を定めて進めていきました。

電子受発注はANDPAD導入前に別のシステムを利用して取り組んでいた時期もありましたが、なかなか協力会社さんに定着しなかったという背景がありました。ANDPAD受発注のデモを見せていただき、これなら協力会社さんに使っていただけると確信し、導入に踏み切りました。

渡邊ANDPAD受発注の導入から約1年が経ちましたが、現在はどのような結果になっていますか?

青塚さん受発注電子化率は90%超を達成しています。ANDPAD上で常に進行状況を把握でき、協力会社さんの状況も一目瞭然なので、非常に便利だと実感しています。

渡邊もともとハウジング事業部として、1棟あたり1,020分(17時間)の時間削減や、監督1人あたり24時間/月の業務時間削減を目標に掲げていましたが、こちらに関してはいかがでしょうか?



青塚さん現状は1人あたり16時間/月の業務時間削減に繋がっています。ANDPADのチャットを使うことで、協力会社さんとのコミュニケーションが円滑になり、現場へ足を運ぶ回数を減らせたことも理由の一つです。その分、品質管理の時間に割くことができています。改善すべき点はもう少しありますので、24時間/月に近づけられるよう引き続き努めていきます。

導入時の負荷に寄り添った、推進チームのアクション

渡邊北洲様ではANDPADとANDPAD受発注の導入から運用までを短期間で進めていただいていますが、そのプロセスをお伺いできればと思います。まず前提として、北洲様の建設担当の方の業務内容をお聞きしてもよろしいでしょうか?

中川さん建設担当は年間で1人あたり12〜15棟を管理し、着工から施工管理、品質管理、お客様対応までを業務範囲としています。個人の進捗に応じてお客様への定期連絡や、現場でのお客様への立ち会い説明など、建設担当は施工管理だけでなく、お客様対応の窓口としての役割も担っています。



渡邊北洲様ではANDPADを導入いただいた翌月から、協力会社様への説明会や社員様向けの説明会を行っていただき、ANDPADの運用をスタートしました。また、ANDPAD導入から3ヶ月後にANDPAD受発注も導入いただき、同月に社外と社内説明会を実施されています。他社様と比べると導入から運用開始までのスケジュールがかなり早いペースです。実際に導入・運用のサポートに携わった寒川さん、当時はどのような状況でしたか?

株式会社アンドパッド 寒川(以下、寒川)まず社員様への取り組みについてですが、北洲様ではもともとお使いいただいていた施工管理のシステムがありました。そこからANDPADへの切り替えは労力が必要になります。どうしてもシステムを併用する期間が出てしまうので、特に現場に大きな負担が発生してしまいます。今回、北洲様では工程表や資料のデータ移行は、中川さん含め導入担当者様(推進者様)だけでやりきった点がかなり大きなポイントと考えています。その点に関して中川さんにお伺いさせてください。

中川さんなかなか負担が大きかったのですが、本社含めて本気で取り組もうと周知させていきました。まず社員の業務負荷にならないよう、推進者側で極力工程表や資料などのデータの移行を行い、進行中の案件から優先的にデータ移行を実施しました。



寒川どのくらいの案件があったのですか?

中川さん約60〜70件の進行中の案件があり、写真や工程表、図面すべてをANDPADへ移行しました。

寒川凄まじいですね。本気度が伝わってきます。ちなみにデータをANDPADに移行してしまえば、新しい環境で利用せざるを得ない状況をつくれるかと思います。ですが、導入して間もないゆえに、社員様から操作方法が分からないと問い合わせもあったかと思いますが、その点はどのように解決していきましたか?

中川さんANDPADのカスタマーサポートの力を借りつつも、そこだけに頼りすぎないように意識していました。ANDPADの利用を社内にしっかり定着させていくためには「社員のモチベーションを下げない」「推進側の本気度を伝えるということが大切だろうと考えたからで、問い合わせをしてくれた社員に「たらい回しにされている」と感じてほしくなかったんです。社内からの問い合わせは導入した月こそ多かったのですが、推進者側でも使い方への質問に対してしっかりフォローしました。

寒川素晴らしい取り組みですね。推進者様のひたむきな様子が社員様にも伝わっていると思います。

続いて協力会社様に対しての導入浸透に関してお伺いできればと思います。北洲様がANDPADを導入する前から、3分の1の協力会社様は他社様から招待を受けてすでにANDPADを使っており、率先してチャット投稿や写真アップをしていただいたと伺っています。そのような状況で、説明会のしやすさや浸透の図りやすさはありましたでしょうか?

中川さんANDPADの機能や使い方について、すでにご理解されている協力会社さんも多くいらっしゃったので、分からない方々への説明に時間を費やせたのはありがたかったです。

寒川説明会をするだけでなく、ANDPADに変わった感想を社内外に向けてアンケートを実施したとお聞きしました。おおむね満足という回答が約9割という素晴らしい結果になっています。この結果に対して、どのように感じていらっしゃいますか?



中川さん想定より良い結果だったと思います。

寒川ANDPAD受発注においてもアンケートを実施していますが、こちらでも約8割の方々が満足という回答をしていらっしゃいますね。一方、約2割の方がプラスに感じていないという回答もあります。「パソコン操作が難しい」「スマホ操作が難しい」「見積もり回答が難しい」といった理由がありました。北洲様ではアンケート結果を取るだけで終わらせず、ANDPADが上手く利用できていない方に対して使い方の説明などフォローをしていく、という点が徹底されているところだと思います。具体的にどのようなサポートをしているのか、お聞きしてもよろしいでしょうか?



中川さんそもそもデジタルに対して苦手意識を持っている人が一定数いるのは事実です。それでも、どこでつまづいているのかをアンケートや直接電話で確認して、どのようなアドバイスができるか考えるようにしました。要するに、アンケート結果から「やりたくない人」や「やろうと思うけどできない人」を抽出し、フォローアップに注力していきました。協力会社さんの立場にならないと分からない部分もあるので、私自身も「職人中川」というアカウントを作成し、協力会社さん側の操作を体感しながら、どこでつまづいているのか理解するようにしました。

寒川元請側として操作するのと、協力会社側として操作するのでは、違いは感じましたか?

中川さん受注側と発注側で見えている画面や、表示されている文字が違っていることもあるので、両方の視点を意識したうえで取り組めたのはよかったですね。

短期間でスムーズな運用と結果を生み出せた成功要因

渡邊ANDPAD導入から約1年が経過して、短期間でシステムの切り替えや早期にオンライン受発注が進められた成功要因はどこにあるとお考えでしょうか?

青塚さん導入を進めるにあたり、業務時間の削減や効率化といった社内の課題を改善できるイメージを、具体的な数値を提示しながら経営陣へ積極的に共有したことでしょうか。また、業務変革を遂行するという大義名分を持てたことが要因として考えられます。

中川さんすでにANDPADを利用している協力会社さんがいたので、操作が不明な方々へのサポートに注力できたことも重要でした。

渡邊推進者のみなさんの地道な立ち回りが、かなり大きいポイントだと思います。他に成功要因だと感じる部分はありますか?

青塚さん建設業法を守ろうという意識が高く、会社としてそのように働きかけ続けているのも大きいと思っています。本来当たり前のことですが、工事着手前に請書を全業者と取り交わす、それがANDPAD受発注なら手間をかけずにしっかりとできる。社内のコンプライアンスや内部統制の徹底と、業務効率化や生産性向上を両立できたことも成功要因です。



渡邊生産性向上とコンプライアンスの徹底を両立できないと柔軟な経営も難しくなりますし、コンプライアンス遵守のために社員の作業量がとにかく増えるばかりでは本末転倒ですよね。ちなみに完全着工も重要なポイントですが、北洲様ではどのような取り決めをされているのでしょうか?

中川さん契約から着工までの期間を2週間設け、着工の1週間前には予算を確定しましょうとルール化しています。本社の積算部が実行予算を作成するため、完全着工が定着しています。実行予算を組んで基幹システムに入れる、その情報をもとに着工前までに発注をするといったルールができているので、必然的に建設業法にも準拠できます。

渡邊これまでお話いただいた以外にも業務フローや効率化の観点で、変化はありましたか?

青塚さん業務上、月末月初に請求処理が偏ってしまっていたのですが、オンライン受発注にしたことで、携帯やタブレットで業務が進められるので、時間のあるときに請求の処理ができるようになりました。また、紙の請求書を処理していた頃は、査定して検収印を押してシステムに入力する、という作業がありましたが、それも解消されました。おかげでこれまでに比べ、建設担当者の請求処理業務が半分に圧縮されました。

渡邊また、財務担当者の業務にも進展があったと伺っています。

青塚さん財務担当が確認する請求書が月に4,000枚程あり、以前はそれを1枚ずつチェックをしていたため時間を費やしていました。それがオンライン受発注にしたことで、建設担当者が請求書の内容をANDPAD受発注上で確認した状態で財務担当のもとにデータが届くので、財務担当が請求書の内容をチェックする業務自体がなくなったのが大きなポイントです。

渡邊ANDPAD導入後、建設担当者様の働き方に様々な変化があったようですが、定量と定性の両面で振り返っていければと思います。まず、定量面ですと冒頭でもお話があったとおり、1年間で190時間(月16時間)の業務時間の削減に繋がったと伺いました。一方で、定性面でも変化があったとお聞きしていますが、いかがでしょうか?

青塚さんANDPADを利用して工程管理と原価管理業務が効率化し、残業時間が削減されたことで、本来やるべき安全管理や品質管理により時間を割けるようになりした。また、仙台支店のメンバーからは、ANDPAD上で社内の確認業務などを行えるため、わざわざ上司が帰社するまで待たなくてもよく、帰宅時間が早くなったという声も届いています。

渡邊仙台支店では、効率化による余白の時間ができたことで、若手社員によるミーティングが行われるようになったということですが、具体的に教えていただけますでしょうか?

中川さん35歳以下の若手社員が営業や設計、建設、ICなど部署を横断して自発的に集まってミーティングを週1回程度で開催し、業務上の改善点を挙げていく会を実施しています。例えば、建設担当者と設計担当者が意見を交わすことで、現場で生じやすい課題を設計担当が認知し、図面に求められる精度を理解できます。その結果、今までよりも図面の精度が高まりました。業務時間の削減、効率化によって双方の着眼点を伝え合う時間がつくれるようになったのは大きなメリットです。

今後の目標と法令遵守への対応に向けて

渡邊さらなる業務時間削減に向けて、今度どのような取り組みを行っていかれますか?

青塚さん建設担当者の移動時間が業務の中で結構な割合を占めるため、よりDX化を進めて、現場に行かずとも管理ができないかということを模索しています。また、実行予算ももう少し簡素化して建設担当者への委譲も行っていく予定です。さらに、工程がずれた時は複数の協力会社さんが関わってきますので調整も大変です。そこで、ANDPADの横断工程表を上手く活用して協力会社さんの稼働管理ができる体制をつくり、次の工程に関わる協力会社さんが素早く対応できる仕組みを構築していきたいと考えています。



渡邊これらの取り組みも行っていくことで、当初掲げていた1人24時間/月の業務時間削減に取り組んでいかれるということですね。

ここまでは北洲様のANDPAD導入の軌跡をお伺いしましたが、もともと北洲様では2023年10月のインボイス制度施行や、2024年4月の労働時間の上限規制の対応も見据えてANDPADを導入いただいております。このあたりは具体的にどのような対応を取られているのでしょうか?

青塚さん過去2年間で取引いただいた協力会社さんの中から、適格請求書発行事業者として登録している協力会社さんとそうでない協力会社さんを精査し、適格請求書発行事業者番号の登録に向けて動いている状況です。

渡邊インボイス制度は元請会社様と協力会社様の両社にとって非常に影響の大きい制度です。元請会社様として重要なポイントは、「いま以上に請求書に係る確認手間を増やさない」ことです。そこでインボイス制度への対策として、請求書発行の電子化を行う企業様も増えてきています。ANDPAD受発注ではオンラインで請求書のやり取りが行えるのはもちろん、今後インボイス制度にも対応していく予定です。この点からも、今後さらに北洲様の労働時間削減や生産性向上といった目標に寄り添っていきます。

株式会社北洲
https://www.hokushu.net/
所在地:〒981-3341 宮城県富谷市成田9丁目2-2
代表取締役社長:村上 ひろみ
創業:1958年3月

編集:平賀 豊麻、原澤 香織、深町拓夫
ライター:加瀬 雄貴
デザイン:安里 和幸