ANDPAD ONE CONFERENCE 2022 開催レポート / 夫婦二人三脚の経営から脱却!地域大工工務店のDX〜組織拡大を支えたデジタル活用と仕組み化〜

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■登壇者
大島 祐一 氏
株式会社家ZOU 代表取締役
高校を卒業後、20歳で大工の世界へ。その後、9年間の修行を経て独立、2018年から夫婦2人で株式会社家ZOUを設立。「ちょうどいい」が「すごくいい」をコンセプトに、自身で経験した職人ならではの家づくりのノウハウを活かし、デザインだけではなく品質にもとことんこだわった、お客様の「ちょうどいい」暮らしを提案している。

大島 香代 氏
職人だった代表の大島を支えながら、独自で木造建築を学び2018年に代表の大島と夫婦2人で株式会社家ZOUを設立。持ち前の感性で、経理やプランニングからコーディネーターまで幅広く活躍する。同社で販売する販促品のデザインも担当。

■モデレーター
松本 洋史
株式会社アンドパッド 第一事業本部 第一部 リーダー
大学卒業後、大和ハウス工業株式会社に就職。
注文住宅及び分譲住宅の営業に関わる。2020年1月に株式会社アンドパッドに入社、インサイドセールス、カスタマーサクセスを経験後、現職務であるフィールドセールスに従事。
東海北信越エリアの企業を中心に、ANDPADの提案業務に携わる。

河合 美紗子
株式会社アンドパッド カスタマーサクセス部 リーダー
大学卒業後、ブライダル企業に就職。旅行会社経由での受注顧客の挙式手配窓口や海外顧客のインバウンド事業の企画販促、フォトウェディングのプランナーを担当。2019年に株式会社アンドパッドへカスタマーサクセスとして入社。住宅領域を中心に100社以上の導入支援を担当。

本記事では10月20日に開催したセッションから「夫婦二人三脚の経営から脱却!地域大工工務店のDX〜組織拡大を支えたデジタル活用と仕組み化〜」と題した内容をお届けします。以前に取材もさせていただいた株式会社家ZOUの代表取締役である大島 祐一さんと大島 香代さんご夫婦にお話を伺いました。

▼株式会社家ZOU様の過去の取材記事はこちら

4年で1棟から18棟へと急成長!夫婦二人三脚の経営からの脱却を支えたDX

ANDPADを導入するも、多忙でうまく使いこなせなかった期間も

株式会社アンドパッド 松本(以下、松本)まず家ZOU様の成り立ちについてお聞かせいただけますか?

 

左から:株式会社アンドパッド 松本、河合、株式会社家ZOU 大島 祐一 氏、大島 香代 氏

祐一さん2015年に創業した株式会社家ZOUは、岐阜県土岐市を中心に東農エリアと呼ばれる地域で、新築やリフォーム、増改築、建築工事一式を行っています。もともと20歳から大工をしていましたが、29歳のときに独立。社長である私が経営面を、妻が経理やインテリアコーディネートなどを担当しています。2019年頃から少しずつ社員数を増やし、現在は8名体制です。

松本ANDPAD導入の経緯をお聞かせください。

香代さん会社を立ち上げた当初は案件数も少なかったのですが、徐々にお客様が増加していきました。夫が現場監督や営業・経営担当、私が経理やインテリアコーディネートを担当と、様々な業務を夫婦二人三脚で対応。しかしながら、とにかくやることが多く、二人体制で全てに対応するのが大変になってきました。そのようななか、工程管理ができるANDPADという管理サービスがあるよ、と紹介を受け、アンドパッドさんからお話を聞いて導入に至りました。使いこなせたらいいな…という思いがありましたが、多忙のためなかなか使いこなせず約1年が経過していました。

祐一さん私が自ら現場に出て管理をして、事務所に戻ってから事務作業をして...の繰り返しで、案件を全部管理・把握するのが難しい状況になっていました。もちろん棟数が増えるのはありがたいことですが、休みなどにも急に電話がかかってきて現場へ行くこともあり、心身ともに疲弊していたことを覚えています。

社内外への浸透を図るため、現場監督にANDPAD運用を任せたことが鍵

株式会社アンドパッド 河合(以下、河合)ANDPADを導入したてのころは忙しさもあり、なかなか運用を軌道に乗せるのが難しかったのですが、2019年に現場監督の方が1名加わり、ANDPAD推進者に任命したことで大きく変わったんですよね。



祐一さん導入当初はほとんどメモ代わりとして使うぐらいで、本格的には利用できていませんでした。上手く使いこなせたら便利だと頭では分かっていましたが......。ありがたいことに年間の棟数は少しずつ増えていきましたが、上手く現場管理がしきれない状況に焦りを感じていました。

そこで棟数増加にともない現場監督を新しく採用したことをきっかけに「時間がかかったとしてもANDPADを上手く使いこなすことで、建築の品質も担保しつつワークライフバランスも考慮した体制を構築していこう」と決めました。新たに入社した現場監督にANDPAD運用の社内外への浸透を任せ、私の頭の中にある情報を彼に伝えて、ANDPAD上に蓄積してもらうようにしました。同時に職人さんにもANDPADを利用してもらえるようにルールを決めて伝えてもらう、ということをお願いしました。

そうして職人さんたちがANDPADを使ってくれるようになり、まずは「資料」「工程表」が使われ始め、その後は「チャット」「写真」の利用が活発になっていきました。

意識を高めてもらう協力会社の集まり「匠ZOU会」を立ち上げ

河合ANDPADを浸透させるために社員さんだけでなく、協力会社さんのANDPAD活用も重要になってくるかと思いますが、協力会社さん向けのANDPAD説明会を機に組成した「匠ZOU会(たくぞうかい)」に対する想いをお聞かせください。

祐一さんコロナ禍で協力会社のみなさんと一堂に会してお会いできる機会が減っていました。そこで、協力会社の方々にANDPADの運用に関して伝えていく場であるとともに、「お客様のための仕事をする」という意識を高めてもらうためのコミュニケーションを行う場として「匠ZOU会」を立ち上げました。いまでは、ANDPADを使ってもらっている協力会社さんのうち、ほとんど全員に参加していただいています。

広報担当が制作している家づくりの過程をまとめたムービーを、お客様の引き渡しの際にお渡ししていまして、「匠ZOU会」でも協力会社のみなさんに見てもらっています。そのムービーにはエンドロールに協力会社さんとその担当者さんの名前も入っています。みんな一緒になって家をつくっているというのを協力会社さんにも理解してもらい、家づくりに対する意識がさらに高まってもらえれば、と思っているための取り組みです。

「ANDPADを使うことが楽しい」という前向きな声が現場からも

河合ANDPAD上で「資料」や「工程表」が少しずつ使われるようになってきたと先ほど伺いましたが、ANDPADの機能が使えるようになって、どのような変化がありましたか?

祐一さん工事の進行中、お客様の要望によって多少の図面の変更も出てしまうこともあります。どうにかして応えたい。となると、図面変更が発生しますよね。ANDPADを運用する前までは、新しい図面を現場に持っていき、足りなければ手書きで書いて説明していましたが、事務スタッフや現場監督の力も借りて、資料をANDPADに格納するようにしました。すると、協力会社さんへの情報共有漏れ防止にもなりましたし、現場にいかずとも共有できますので、格段にラクになりましたね。

河合「工程表」も現場管理において重要な機能ではありますが、運用前後の変化はありましたか?



祐一さん工程管理は当時から大変な業務で、まずどの職人さんから連絡していくべきかを考える必要もあります。例えば、1つの工程の変更に対して、関連する4社の協力会社さんに伝えなければいけないとなる場合。1社、2社ときて、3社目で○○の工程がNGとなったら、またイチからやり直さないといけません。段取りよくいけばスムーズに進みますが、どこかでその工程がストップすることもあり、みなさんのタイミングがバッチリ合わないときっちり組めない。ですが、ANDPADの工程表を使えば、仮に工程が変更になっても職人さんがANDPAD上でそれを見てくれます。個別に連絡を取ることも無くなり、ANDPAD上でリアルタイムで連絡が図れることにより、わずらわしい調整が一気に進みます。ANDPADという、広場じゃないですが、見えないけどみんなが集まっているような感覚は素晴らしいですね。ANDPAD推進者からは「使っていて楽しい」という声ももらってます。

河合嬉しいお言葉ありがとうございます。「チャット」機能に関してはいかがでしょうか?

祐一さん以前は電話やメールでのやり取りが多く、打ち合わせしていると電話に出られないケースや、行き違いになることもありました。また、何度も電話がかかってくると、何か重大なミスがあったのかなと不安になったり、家に帰ってもメールが止まず精神的に厳しかったです。そこで極力チャットに一本化することで、連絡忘れや電話での行き違いなどもなくなりストレスが軽減できたと思っています。チャットではメンション付きで連絡すれば、メッセージを見逃すことも減らせるので助かっています。

河合「写真」と「報告」も活用いただいていますが、使いやすさはいかがですか?

祐一さん協力会社さんにとっては、作業を中断して写真撮影するとなると、手間ではあります。中にはその工数分の費用がかかると考える職人さんもいらっしゃるかもれません。とはいえ、お客様への安心のためという観点で、写真を残すことの重要性を理解してもらって協力会社さんとの関係性を構築しながら進めています。後々お客様から変更のご依頼があったとしても、写真データが残っていれば、図面上見えてないところでも適切な回答ができますから。

私や監督は現場へ行く回数が減り、事務所にいる時間が増えました。私自身は経営業務に集中することができたので、お世辞抜きでANDPADを導入してよかったと思っています。

「ANDPAD引合粗利管理」導入で、経営強化を図る

松本ここからは2021年に「ANDPAD引合粗利管理」を導入いただいてから活用までのお話を伺えればと思います。どのような狙いがあって導入に至ったのでしょうか?

祐一さんANDPAD導入前までは過去の案件における粗利などを確認する際、EXCELなどから都度情報を引っ張ってきていたので、とにかく案件を探すだけでも時間がかかっていました。「ANDPAD引合粗利管理」であれば、過去の売上や原価・粗利などが全てクラウド上に保管されているため、似たような過去の案件をすぐに探し出すことができます。現場のことも、粗利も全てANDPADに一元化して閲覧できるのでストレスフリーになりました。

松本ありがとうございます。導入に際してもう一つ狙いがあったと伺っております。

祐一さんはい。家ZOUとしては今までずっと自由設計で住宅をつくらせてもらっていたのですが、住宅の価格帯も上がってきて、なんとか価格を抑えてお客様により良い住まいを提供するために、住宅のパターンを選択できる準規格住宅のようなものを検討しています。自分たちのこだわりも少しはほしいが、そこまでお金はかけられないといったお客様の層に少しずつ支持されています。そこで、「ANDPAD引合粗利管理」を活用し、過去の取引データから原価を吟味し、準規格住宅でも利用できないか模索しています。

松本実際に「ANDPAD引合粗利管理」で管理する前と後では、どのように変わったかお聞かせください。

祐一さん妻がEXCELを使って帳票を管理してくれていましたが、私はもともとパソコンを使うのが苦手だったので、どこに何が入っているのか、正直わからないんですよね。

松本実際にEXCELで帳票管理をしていた香代さんはどうですか?

香代さん帳票はEXCELで共有はしているものの、具体的にどこに何があるのか把握できているのは私のみで都度「あの数字はどこ?」と私に聞くことになり非効率でした。例えば、見積もりが欲しいと言われたら場所は私しかわからないので、私がデータを引っ張ってきて印刷していました。

現在では見積もりや工事台帳など12種類の帳票のうち8種類の情報を「ANDPAD引合粗利管理」上で一元管理できています。粗利の管理や受注金額などをANDPADからいつでも好きなタイミングで確認できるようになったのは、生産性の向上に繋がっています。

1棟から18棟へと急成長を遂げた要因とは

松本:もともと夫婦二人三脚で経営していた頃の新築実績は1棟からスタートし、ANDPADを導入いただいた2019年は3棟、ANDPAD引合粗利管理を導入いただいた2021年には11棟、そして法人化してから4年目の2022年は18棟(予定)へ拡大されています。このような成長を遂げられた要因はどこにあるとお考えですか?

祐一さん最初のほうでもお話しましたが、棟数が増えると現場管理のみならず案件の管理など壁にぶつかることが多かったです。だからANDPADを導入したのに、忙しさを理由に使いこなせていませんでした。

しかしANDPAD導入にとどまらず、きちんと推進者を立て正しく運用していくことで現場が回るようになりました。さらに、私自身は本来やるべき経営に主軸を置ける環境ができたことで、会社の経営状態を迅速に把握できている点も大きな変化です。以前はどこにあるか分からない情報を探すので一苦労でしたが、今ではANDPADやANDPAD引合粗利管理のなかに過去の案件情報が蓄積されているので欲しい情報がすぐ見つかります。

ANDPADを上手く活用して効率化しようと行動していなければ、事業も組織もここまで拡大することはできていなかったかなと思っています。

松本ありがとうございます。ANDPADを活用して社員様や協力会社様からの協力も得ながらDXを進めたことで、経営面でも現場管理の面でも安定運用が実現できているのですね。

家ZOUが大切にしていること、そして次のチャレンジへ

松本コロナやウッドショックなどもあり大変厳しい世の中ですが、家ZOU様として大切にしていることはありますか?

祐一さん私自身も大工時代を経験しているので、「職人単価を下げない」ことを大切にしています。やっぱり単価を下げられると、働くモチベーションが上がりません。ANDPADのようなツールを上手に活用して、社員が少なくても工事をスムーズに進められるような体制を敷くべきです。そうすることで人件費を抑えられ、職人さんの単価を下げずに済みます。結果的に、職人さんにも「家ZOUの仕事をやりたい」と言ってもらいたいですね。

松本家ZOU様として、今後どのような挑戦をされていくのかお聞かせください。

祐一さんコロナの影響で多少お客様の数は苦戦しています。ですが、コロナを受け入れて次へ進まなければならないと考えています。そのような中で、社員をたくさん増やして目標棟数を目指すのではなく、少数なりに社員一人ひとりの生産性向上が会社にとって重要だと思います。そこで、ANDPADというツールを上手く活用しながら生産性を高め良い仕事をして、それによって社員の給与にも還元していきたいと考えています。

具体的にはANDPAD引合粗利管理で粗利が早い段階でしっかり見え、着地数字の見通しが見えるようになる。見通しがわかる状態で進められることで、改善と実行を行いながら会社全体の生産性を高め、より付加価値の高い家づくりを届けて社員に還元していきたいと考えています。

今はコロナの影響で利益確保が難しいフェーズですが、長い目で見て利益をしっかり確保していきます。

松本社会の情勢に適応して長い目で利益の確保を目指す家ZOU様ですが、ここ数年での会社の成長も目まぐるしいですね。

祐一さん今後はもっと周辺地域にも認知してもらえるように、ブランディング力を高めていくつもりです。そこでANDPADを活用していることが、きちんと工程管理をしてミス無く作業を進めていることを示す、積極的なアピール材料になっています。

2022年は18棟の予定ですが、もう少し社員を増やし、年間30〜40棟を目指していきたいと思います。



松本いま地域で活躍する大工工務店の経営者様がANDPAD推進者になられているケースも多いです。ANDPADの活用によってあまり思うような成果が出ていない皆様へメッセージをお願いします。

祐一さんANDPADを導入するまでは、寝る時間もないくらい忙しくて、深夜1時まで事務所にいることもありました。休みもないのでストレスもたまり、気持ちが下がっていくばかり。その当時もっと早くANDPADを活用できていたら、自分の時間を持てたし、電話の数も減らし、ミス無く効率良く業務をおこなえていたかなと思っています。

私たちが以前悩んでいたように、思うようにANDPADを活用できていないと感じる方は、ためらわずカスタマーサポートに電話で相談することを推奨します。実際に何度か電話して聞いてみたことがありますが、ものすごく丁寧でした。事前に知識や情報を入れていない状態でも、分かりやすく説明してくれるので安心感があります。何かわからないことがあったら、また相談しようかなと思える存在に感じました。

せっかくANDPADを導入しているなら、使いこなせた方がいいのは言うまでもありません。私のように悩んでストレスを抱えるくらいなら、何でもいいので一秒でも早く相談してみることをおすすめします。私たちANDPADユーザーは決して孤独じゃありません。力強くも丁寧に対応してくれるカスタマーサポートや河合さんのような担当カスタマーサクセスが近くにいるので、ときには頼ることも必要ですね。

株式会社家ZOU
https://www.iezou.jp/
所在地:〒509-5142 岐阜県土岐市泉町久尻1477-7
代表取締役 大島 祐一
設立:2018年8月8日

編集:平賀 豊麻、原澤 香織、深町拓夫
ライター:加瀬 雄貴
デザイン:安里 和幸