創業100年を超える住宅会社の、社員満足度地域No.1に向けた挑戦/〜vol.3〜ANDPAD×ALTAのデータ連携で加速する積算DXと監督の働きがいの追求

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福岡 守氏
株式会社カワムラ 工事本部 増改管理チーム 部長
大学卒業後、2003年同社に新卒入社。入社20年目。新築部門の営業を経て、工事管理を担当。一級建築士を取得後、アフターサービス部門に異動し、責任者を務める。リフォーム部門の立て直しのためにリフォーム部門の営業として活躍。その後、リフォーム部門の工事責任者となり、現在に至る。



北海道旭川エリアを拠点に、建具製造業をルーツにもつ住宅会社として創業100年超を誇る株式会社カワムラ。「thoughts to all」という想いを大切にしながら、「北海道の住まいの相談窓口」として新築事業やリフォーム事業、さらに不動産事業を手掛けている。新築住宅の引渡し件数は累計で3,200件を突破。1996年から北海道認定高等職業訓練校カワムラマイスタースクール(現 北海道・大工養成塾)を開校するなど、業界全体の課題である人材不足に対しても早期から精力的に取り組み、地域の豊かな暮らしを支える存在だ。

同社は2019年よりANDPADを導入し、「ALTA Revolution」とANDPAD引合粗利管理の連携開始に伴い、積算から実行予算の作成においてもデジタル活用の幅を広げている。今回は、工事本部 増改管理チーム 部長 福岡 守さんにインタビューを実施。vol.3では、ANDPAD×ALTAのデータ連携による積算業務のスマート化に向けた取り組みについて迫る。

緻密な着工枠管理で、新築住宅は年間150棟を実現

住まいのさまざまなニーズに対応し、新築住宅においては、年間150棟を手掛ける同社。新築・リフォーム・不動産のリノベーションと、全ての領域における大工枠の管理は、福岡さんが日々調整を行なっている。

福岡さん: 大工枠管理はスプレッドシートで行なっています。新築とリフォームを一緒にして、大工さんの人数と作業スピードから年間の着工枠を設け、分譲住宅やデザイン住宅などのブランド別に管理しています。新築住宅はほぼ規格になるため最初に枠を入れておき、そこに案件を入れていくようにしています。一方、リフォームの場合、工事内容が異なるだけでなく、大工さんによって作業スピードが異なり機械的に入力できないので、案件ベースではなく図面と見積りを見ながら大工軸で入れる必要があります。屋根工事の天候影響などのバッファも考慮しながら自分の感覚を頼りに入れています。「この職人さんなら、この工事は3日でできるな」など考えながらやっており、考えることが多く複雑。日々更新を行なっていますが、1件入力するのはそこまで大変ではないものの、件数が多いので作業に1時間以上はかかっています。

株式会社カワムラ 工事本部 増改管理チーム 部長 福岡 守氏

福岡さんが長年培ってきた経験値によって実現している緻密な大工枠管理。これに加えて、プレカット工場のキャパシティから算出して着工枠が決まっていく。新築住宅は月間12棟、年間140〜150棟の供給ラインを確保している。

福岡さん: 大工工事の着工枠が埋まったら、大工工事のない外壁、塗装、玄関ドア、内窓の交換などを販売するオペレーションにしています。現在は設備の納期が未定な情勢が続いているため、エアコン、ボイラーなど納期が未定のものを管理し、商品を確保できるタイミングに合わせてマーケティング室とコミュニケーションを取りながら、チラシなどの広告の枠に入れて訴求するようにしています。製販一体型であるからこそできる強みですね。

大工工事の枠が埋まってしまえば営業はそれ以上売るものがなくなってしまうし、仕入れも決まった物の手配をするだけになってしまい、仕事へのモチベーションも下がってしまいます。その点、大工工事不要の商品を販売することで、営業や仕入れのモチベーションも保つことができますし、売上にも繋がります。

ANDPAD導入で利便性の高い情報共有基盤を構築

同社の施工管理については、2005年から自社で開発した施工管理システムを利用し、協力会社も含めて業務コラボレーションを行なっていたという同社。PCやタブレットで図面・写真・見積書などの資料共有や、入退場報告などに活用していた。

福岡さん: 従来は協力会社さんに工事完了時のチェックシートと写真と一緒に提出してもらっていたのですが、それをシステム化しました。7年前からはメッセンジャーアプリを共有ツールにして、現場ごとにグループをつくって運用していました。

しかし、システムが老朽化し、従来のシステムで管理上の問題が発生したため、2018年で利用を終了。何か別のツールがないかと探していた時に出会ったのが、ANDPADでした。ANDPADなら、OBSとメッセンジャーアプリの役割を担える。OBSには入退場打刻のようなシステムは搭載していましたが、ANDPADを導入することにより、スマートフォンでも利用でき、より利便性の高い情報共有基盤が構築可能だと思いました。また、以前、自社開発の業務システムで顧客管理や受発注管理をしていたのですが、システムの老朽化によって使用できなくなるということもあり、ANDPADの引合粗利管理も導入しました。

ANDPAD×ALTAで積算業務を効率化し、社員満足度を高める

ANDPAD引合粗利管理を導入し、利便性の高い情報共有基盤を構築した同社だが、さらなる利便性を高めるために着目したのが、建設DXプラットフォーム「ANDPADアプリマーケット」だ。

アンドパッドは2021年11月から、住宅業界における企画・設計から受発注・支払まで一貫した業務DXの実現に向けて、コンピュータシステム研究所と協業しALTA(※)」と「ANDPAD引合粗利管理」の連携を図った。これによって、企画・設計段階から施工時の受発注管理までがシームレス化し、予実管理・取引管理業務の生産性向上が実現できるようになる。

※新築住宅・リフォーム営業に最適なプレゼンツール。 時間と手間をかけずに提案資料を作成しお施主様を待たせないスピード提案を行う事で受注率の向上に貢献。主な特徴機能(AIスケッチ)として、AI(人工知能)を活用する事により、手書きした間取り図面をスマートフォンで写真撮影し、クラウドのAIサーバへアップロードするだけで、3Dパースに自動変換が可能。3Dパース(外観・内観・鳥瞰)や平面図・立面図、プレゼンシート等、施主様へわかりやすい提案資料を簡単に短時間で作成できる。

以前からALTAを利用していた同社は、この連携に期待を寄せている。

福岡さん: ALTAは図面から平米数や長さ、材を拾って算出できるので、積算業務やその後の発注業務を効率化できます。そんななか、2021年に開催された「ANDPAD ONE Conference 2021」での案内をきっかけに、ANDPADとALTAが連携することを知りました。ALTAで拾った数字をANDPADに入れ込むことができれば、原価管理がより効率化できると思いました。現状はテストランの状況ではありますが、積算業務や実行予算の業務が圧倒的に楽になると確信しています。

積算業務のDXで監督の仕事をエンパワーメント、安全管理・品質管理に注力

本格運用はこれからの段階ではあるが、ANDPADとALTAの連携により積算業務や実行予算作成業務の効率化を図ることで、今後どのようなことを実現したいのか伺った。

福岡さん: 積算業務は、大変な労力がかかる割に誰かが喜んでくれる姿が見えにくいという意味において、楽しい仕事とは言い難いのではないかと思っています。例えば面積の拾い方一つとっても、芯で拾うか、壁で拾うかで、出てくる面積や協力会社さんに払う金額は変わってきます。しかし細部にこだわることで、誰かの喜びを生み出しているのかと言われると難しい。それよりも図面を描いたり、ALTAで立面を立ち上げたりする方が楽しいと感じますし、それを見たお客様も喜んでいただけます。工事管理の仕事をもっと楽しくするために、”JOY”が生まれない仕事はデジタルで自動化したい、と考えています。

新築についてはICが積算業務をやってくれるので、工事管理者は積算業務がほぼ発生しません。リフォームの場合は工事管理者が積算業務を行なっていますが、フルリノベーションの場合、積算業務にかかる時間は1件あたり6時間ほど。月に2棟程度のペースなので、単純計算で毎月12時間、年間にすると144時間が積算業務にかかっているわけです。

工事管理者の仕事は安全・品質・原価・工程・顧客管理。ANDPAD×ALTAで積算を自動化して原価管理ができれば、残りの4つに集中できます。工程管理は工程表さえ組んでしまえばANDPADで管理が可能ですが、安全・品質は人によって差が出るところなので注力していきたい。お客様の代わりに安全・品質を管理しているのが監督だと考えると、会社として付加価値をつけられる部分なので、今後さらに磨いていきたいですね。



また、今まで月あたりで15時間ほど業務時間が不足していました。単純に業務時間が短くなってよかったね、で終わらせることなく、余計な時間を使っていた部分はなかったかなど、改めて見直しを図っていきたい。より段取りを良くするために、製造工程の上流を意識した動きをしていきたいです。

ANDPAD×ALTA連携によって、”JOY”に繋がりにくい積算業務をスマート化し、安全管理・品質管理に注力することで付加価値を高める基盤を整えた同社。デジタルシフトによって会社として大切にしている従業員満足を追求し、さらに顧客満足に繋げていこうという新たなチャレンジは、今後の業界のベンチマークとなる取り組みと言えるだろう。今後の同社の取り組みに注目していきたい。

(左から)株式会社コンピュータシステム研究所 営業本部 建築事業部 サポート課 DX推進担当 山口 憲太氏、福岡氏、株式会社アンドパッド 経営戦略本部 島崎 健志

【ANDPADアプリマーケットについて】

ANDPADアプリマーケットとは、ANDPAD APIの提供を通じ、業務のデジタル化を進め効率化を図りたい建設会社と、DXに貢献するITサービスを提供する企業や開発者をつなげる、建設DXプラットフォーム(特許出願中)です。現在、連携サービスパートナーは12社で、今後も拡大予定です。

ANDPADアプリマーケットを通じてデータ連携を可能にすることで業務効率化を図り、各企業単位のDXのみならず、建設業界全体のDX化を推進し、これにより長時間労働・人手不足といった業界全体の課題解決に貢献します。

ANDPADアプリマーケットの詳細については下記をご覧ください。

https://appmarket.andpad.jp

アプリマーケットでANDPAD×ALTA連携を提供し始めた時に、真っ先に手を挙げてくださったのが福岡様でした。我々が目指す方向が間違っていなかったのだと、ものすごく安心したのを覚えています。

積算連携という運用面では難易度の高い領域ではありますが、業務フローの構築も根気強く付き合って頂き、第1号案件として運用できる目処が立ちました。これから成果が出るのを楽しみにしています。

インタビューでは、本連携を通じて施工管理の仕事に”JOY”を生むことができる可能性を語って頂き、そこに貢献できると感じたことが非常に嬉しかったです。アプリマーケットを通じて、これからもたくさんの”JOY”を生み出していきたいと思います。

株式会社カワムラ
https://youtopia.co.jp
〒078-8234
北海道旭川市豊岡4条3-7-13
代表取締役:川村健太
創業:1918年

取材・編集:平賀豊麻
編集・デザイン:原澤香織
ライター:金井さとこ
デザイン:安里和幸