良質な顧客体験を提供し、契約ベースで紹介率45%を実現! / 〜vol.2〜高い紹介率を下支えする「完成図書による事前発注100%」のヒケツに迫る

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藤村 興氏
健康住宅グループ HOUSE ORIGIN株式会社 部長(品質管理・IC・社員大工)
ストリートミュージシャンとして活動後、リフォーム会社に入社。現場監督、営業を経験するなかで住み心地のいい家づくりをしたいという想いが強くなり、2005年7月に同社に中途入社。現在入社17年目。

内田 哲也氏
健康住宅グループ HOUSE ORIGIN株式会社 建築部 品質管理
前職では現場監督としてアパート・マンションの施工管理に携わる。自邸を同社で施工した際に社風に惹かれて、2014年に中途入社。現在入社8年目。

岩藤 妙美氏
健康住宅グループ HOUSE ORIGIN株式会社 建築部 品質管理
大工家系で育ち、設計士を目指して建築学科に進学。大学卒業後、2012年同社に新卒入社。同社初の女性現場監督として活躍。現在入社11年目。



1998年に創業し、福岡で最初に「外断熱工法」に特化した住宅を手掛け、九州で唯一「ハウス・オブ・ザ・イヤー」で2回の大賞を受賞する高い住宅性能を誇る健康住宅株式会社。また、2021年『魅せる現場コンテスト』総合最優秀賞を受賞するなど、現場美化にも精力的に取り組んでいる。良質な顧客体験(CX)を提供することで、契約ベースで紹介率45%を実現している同社は、さらなる品質向上を目指して2018年にANDPADを導入し、現場DXの取組みをスタートさせた。そこで、今回は同社の施工部門を担う健康住宅グループのHOUSE ORIGINE株式会社より、部長の藤村興さん、建築部 品質管理 内田哲也さん、岩藤妙美さんの3名にインタビューを実施。vol.2では完成図書による事前発注の徹底、アンケートと感謝費の活用、社内大工制度といった紹介率45%実現を下支えしている業務オペレーションについて伺った。

品質の付加価値向上のため完成図書による事前発注100%を徹底

高性能な家づくりを実現していくために、同社では完成図書による事前発注を徹底。お客様に予備費を負担させることなく、付加価値のある家づくりを適正価格で提供することを目指している。

藤村さん: お客様には、事前発注の徹底はお客様にもメリットがあることだとお伝えしています。例えば、工事中に変更した場合、検討が足りないまま工事を進めなければなりません。その結果、材料と施工がうまく噛み合わずに無理な工事を強いられ、入居後のメンテナンスに時間と費用がかかったりと、施工不備でご迷惑おかけしてしまう可能性もあります。そうならないために、事前発注はお客様にとって一番メリットがあることだと伝えています。

左から、健康住宅グループ HOUSE ORIGIN株式会社 建築部 品質管理 内田 哲也氏、部長 藤村 興氏、建築部 品質管理 岩藤 妙美氏

着工がズレてしまうと入金もその分後ろ倒しになってしまう。そのため、以前は経営を守るためにやむを得ず、全ての図面が揃っていない状態でも基礎工事を先行して行なっていたこともあったという。しかし、事前発注を徹底するために「最終図面が決まっていない物件は着工しない」と社長が決断。現在は、週一で実施している部門長会議で着工予定や遅延物件の確認をする際、スケジュールが間に合わない物件については、お客様に事情をお伝えした上で着工時期を後ろ倒しにするという判断をするようになった。

岩藤さん: あとは、営業・設計・ICが、コロナなどの影響によって部材の納品が遅れているなかでも、事前発注することで納期通りに納品されるということをしっかりお客様にお伝えしています。なぜ着工前のタイミングで決めきり、発注しなければならないかということを随時各担当者が説明して、お客様に理解してもらっていることで、完成図書による事前発注が100%実現できています。

とはいえ、事前発注を自由設計でやりきるのは並大抵のことではないはずだ。業務フローや社内ルールなど、それぞれのタイミングでお客様に決断をしてもらうための工夫があるのではないだろうか。

藤村さん: 事前発注は絶対的に営業の協力があってこそ実現できることなので、事前発注を実現するための行動指標を設けています。

また、弊社では、営業・設計・ICがお客様と打ち合わせした内容を踏まえて、現場監督を入れて「社内最終会議」という各部門の引き継ぎ会議を行います。お客様から最終承認を頂いたものをもとに積算部が積算して不明点を詰めて、着工前までに全協力会社さんに発注を完了させるルールになっています。

昔は職人さんからよく「着工がズレるし、図面の共有が遅い」と言われていました。事前発注を徹底したことで、職人さんの信頼を得られたのは非常に良かったですね。未だに事前発注ができていなかったら、おそらく職人さんたちは離れていってしまったと思います。職人さんとそのご家族の生活がかかっているので、職人さんにきちんと仕事がある状態をキープしないといけません。だからこそ、職人さんの稼働を第一に考え、現場をストップさせないというのが全社の共通認識になっていて、とても大事にしているところです。

図面に間違いが多いと現場が荒れて、職人さんのモチベーションにダイレクトに反映されます。全棟着工前に図面と仕様、発注金額も決めて職人さんに送ってから着工するようにしていて、職人さんが資料も何もない状態で現場に来ることがないような運用にしています。

事前発注と図面の共有を徹底することで、職人も段取り良く現場に入れるようになり、稼働量に無駄が生じないことで、職人にとって仕事がしやすい環境を整えた同社。決して発注金額が相場に比べて高いわけではない同社にとって、職人が働きやすく、長期的にパートナー関係でありたいと思ってもらうにはこうした段取りの良さは極めて重要であり、心血を注いでいる。

こうして完成図書による事前発注100%を実現できるようになったことで、ウッドショックの影響などを受けながらも、毎月の平準着工に向けて着実に歩みを進めている。

紹介率45%を実現するために、アンケートと感謝費で顧客満足度を向上

顧客満足度向上のためにお客様とのコミュニケーションを大事にする同社は、工事期間中、現場監督からお客様への週次での進捗状況の報告を徹底している。コミュニケーション方法は、メッセンジャーアプリや電話などお客様に合わせて選択可能だ。工事中のお客様アンケートで「現場監督からの報告回数が少ないと感じている」と回答があった場合、担当者にフィードバックされて、コミュニケーションの軌道修正が行われる。こうしたこまめなお客様コミュニケーションの改善により、小さな不満が積み重ならないようにすることで、竣工まで高い満足度を維持している。

品質管理部が実施しているお客様アンケートは、工事中の電気配線のタイミングと竣工後の計2回実施しているが、特にアンケート特典を付けていないにも関わらず、65%ほどの回答率があるというから驚きだ。

藤村さん: 引渡し前に、営業からお客様にアンケートをお渡しして、入居1ヶ月後に私と営業部長が全棟訪問した際にアンケート回収をしています。今はオンラインで実施することもありますが、年間80営業日ほどは訪問していますね。大体1時間半くらいアンケート内容に合わせてヒアリングを行っています。例えば、資金面がわかりにくかったと書いてあったら、具体的にどのあたりがわかりにくかったかを詳しく伺い、いただいたフィードバックを基に業務改善を行っています。担当者の説明不足で誤解を生んでしまっていることもあるので、説明不足の点についてしっかりと補い、安心いただけるような丁寧な対応を心掛けています。お客様にはお褒めの言葉をいただくことが多いですが、ご意見を頂いた時には全社に共有し、担当者にも個別にフィードバックしています。

岩藤さん: 建築中にいただいたアンケートのご要望は随時改善してお客様に還元していけますが、建てた後のアンケートでいただくご要望は他のお客様にしか還元できないないので、今後は建築中のアンケートのタイミングも増やしたいと考えています。自分たちに還元してもらいたいというのは当たり前のことですからね。また、アンケートには、「弊社をご紹介したいですか?」という項目も入れて、口頭でも毎回伝えるようにしています。

また、引渡しまでの感想や意見だけでなく、お客様の入居後のお困りごとについて施工可能であれば追加工事を行うことができる「感謝費」というユニークな予算を設けている。

藤村さん: お客様からのご意見として、コンセントや照明の配置などの細かい部分についての内容が多く挙がるのですが、生活するなかで日々使うものなのでストレスに感じるところなんですよね。そういった場合に「感謝費」の予算内で施工可能であれば、弊社負担で追加工事しています。現場ごとに1件5万円と予算が決まっています。あくまでお客様の入居後のお困りごとを解決するための費用であってミスの補修のためのものではないので、流出原価との区別はしっかりとつけています。社内システムで申請する仕組みになっていて、年間の感謝費と紹介率の増減はどうだったか、またお客様満足度にどのように繋がっているかを照らし合わせています。顧客満足の先行指標でもあり、見積りやお客様との打ち合わせの質の先行指標として見ています。お客様満足度向上のためにやっていることなので伝えたら意味がないですから、お客様は感謝費の存在は知りません。あくまでわれわれからの「入居祝い」ということでやらせていただいています。

弊社の紹介比率で言えば、10件のうち4件紹介で返ってきたら、広告費より感謝費として予算を使うほうがお客様に還元できて合理的ですよね。

高品質な家づくりを支える社内大工制度

そして、同社の高性能な家づくりを支えているのが、12〜3年前から取り組んでいる社内大工制度だ。健康住宅で大工を雇用しながら、仕事を依頼している社外の親方の元で5年間修行するカリキュラムとなっている。育成期間の5年間は親方に人役代を払ってもらう仕組みになっており、1年目は1日2,000円、2年目は3,000円というように年次によって金額を設定。親方にとっても安い単価で労働力を得られるというメリットがある。また、カリキュラム終了後も親方に何かあれば、社員大工が応援で手伝いに行くといった関係性構築にも役立っている。

藤村さん: トップにいる社員大工のスキルは非常に高く、普通の大工さんのレベルを超えるほど。修行時代に外部の親方さんから個人事業主のハードさを学んでいて、年金や保険、保証面など社員大工のメリットも感じてくれているので、ベテランでも独立する人はほぼいないですね。

営業の協力のもとお客様に対して事前発注のメリットを伝え、完成図書による事前発注100%を実現した同社。また、お客様がなかなか口に出せずに抱えている、工事期間中にたまる不満をアンケートを介してお伺いする機会を設けたり、「感謝費」による追加工事などの積み重ねによって顧客満足度を高め、紹介に繋げている。そして、同社の強みである高性能住宅を強化するために社内大工制度も整備するなど、さまざまな業務オペレーションを構築することで、顧客満足を追求している。

vol.3では、年間100棟クラスで受入検査100%実施を実現するためのデジタル活用と、ANDPAD導入における取り組みについて紹介する。

健康住宅株式会社
https://www.kenkoh-jutaku.co.jp/
〒814-0104
福岡市城南区別府5-25-21
代表取締役:畑中 直
設立:1998年8月1日

取材・編集:平賀豊麻
編集・デザイン:原澤香織
ライター:金井さとこ
デザイン:安里和幸