ANDPAD CUP完了レポート / ~後編~「組織と人の成長を実感 」推進者の振り返りインタビュー / 報告品質の向上で破損・事故が100%「見える化」!中長期的な人材評価モデル形成にも寄与

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瀬戸 貴博氏
株式会社宗重商店 経営管理室 室長。前職は石川県発の飲食チェーン店の本部で営業、管理、FCなど全ての組織の業務に携わった後、2019年宗重商店に中途入社。サービス・組織マネジメントを多角的に学んだ経験を活かし、社内の仕組みづくりやチームマネジメントを担い、全社の目標達成推進役として活躍。



DXの実現には、各社それぞれが描く未来像に応じた業務プロセスの変革と、それに呼応したANDPADの運用構築が必要です。そのためにまずは、社内外のANDPAD を利用するユーザーに目的に応じた利用が正しく浸透することが必要不可欠になります。そこで、ANDPADでは、お客様のDX実現のために「ANDPAD CUP」というサポートプログラムをつくりました。

今回は、本プログラムを共催している株式会社宗重商店の事例をご紹介。同社は、長きにわたり解体業を専業としていましたが、2007年に代表取締役に就任した宗守 重泰氏が「感動イノベーション。」というビジョンを掲げ、解体業をサービス業化させるべく、解体業から派生した住環境のあらゆるシーンに寄り添ったサービスを展開しています。さまざまな事業展開によって地元で愛される会社へと成長を遂げているなかで、2021年にメイン事業である解体業のブランド再構築のために掲げたステートメント「解体道」を社内外に浸透させようと「解体道コンテスト」を実施。そのなかで「ANDPAD CUP」を共催しました。約1年間の取組みを終え、2022年1月に最終報告及び表彰式を行いました。

そこで、本プログラムを終えての成果や感想についてのインタビューを前後編でご紹介。前編では総合順位で1位を受賞された浅井 完氏と中祢 瞬佑氏の2名に、仕事へのこだわり、本プログラムに参加するにあたって工夫した点や総合1位を受賞しての感想について伺いました。後編では、推進者である経営管理室 室長 瀬戸 貴博氏に、「ANDPAD CUP」を実施したことによる社内の変化や今後の展望について伺いました。

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報告の精度が高まり、事故の情報が100%「見える化」

――貴社が実現したいゴールとして掲げていらっしゃった、「KY活動の実施徹底と実施品質向上を通じて、ヒューマンエラーによる物損や事故の発生件数減少を目指す」という目的は、「解体道コンテスト」と「ANDPAD CUP」を経て達成されましたか。

瀬戸さん: ヒューマンエラーによる物損・事故(*)の発生件数減少という目標については、結果として事故発生件数が前年よりも上回る結果となってしまいました。

しかしながら、この発生「件数増」という結果は、ANDPADでの報告が徹底されたことで、損害の大小に関わらず全ての破損、事故の情報が100%「見える化」できたことによる増加になります。ANDPAD導入前は報告基準やルールに曖昧な点が多く、しかも指定用紙での提出だったため、現場から営業所へ戻ってから記入するといった手間や、作業後の身体の疲れなどから報告の徹底が浸透しておらず、全ての事故を把握することができていませんでした。正確な数字はわかりませんが、以前は全数の8割程度しか社内共有できていなかったと考えています。

ANDPAD導入後、報告の精度が高まり、更にはコンテスト開催にあたり、「全ての破損、事故はその場でANDPADで報告する」というルールを再度徹底し、その報告内容についても時間をかけずに報告が完了するようにテンプレートの変更・見直しを行いました。

今まで本社で把握できていない破損や事故が100%見える化できたことは喜ばしいことですね。

(*)編集部注:ここでの「事故」には、ヒューマンエラーによる工具類や建物設備の軽微な破損も含みます(以下も同様)。

 

2022年1月5日に開催された表彰式でプレゼンターを務めた、ANDPAD CUP推進者である株式会社宗重商店 経営管理室 室長 瀬戸 貴博氏。

――ANDPADによるKY朝礼とKY報告の運用において、拠点間で異なる課題を持っていらっしゃいました。石川営業所は実施率、滋賀営業所は実施品質、取組みを経て運用課題は是正されましたか。

瀬戸さん: 石川は実施率に課題、滋賀は実施品質に課題があった点からのスタートで振り返ると、石川、滋賀共に実施率がほぼ100%でした。社員全員がANDPADを確実に使いこなし、日々の業務に浸透した結果と言えます。

また、実施品質の向上については、品質に問題のあった滋賀の品質が急激に向上しました。報告品質の向上率は、施策開始前に比べ石川が109%、滋賀が130%になっています。

コンテストを通してコンピテンシーモデルを開発

――解体道コンテストの結果発表のタイミングでは、コンピテンシーの指標として18項目を作成されていました。これらの項目はANDPAD CUP開始以降に言語化されたものでしょうか。作成の裏側をぜひお聞かせください。

瀬戸さん: 元々コンテスト開催前の企画段階において、「コンピテンシーモデルの開発」はコンテストの目的には入っていませんでした。7月に実施した上半期総会で中間報告を行うために集計を取った際、当社が行っている人事考課の評価順位とコンテストの順位に共通点があることに気付きました。工事課幹部が今まで定性的に感じていた勤務成績評価と、コンテストの順位がほぼ一致していたのです。その共通点を探ってみようと考えたのがきっかけです

コンテストの評価項目ごとの上位者の性格や強み、行動の特性をまとめてみると、「解体道で示されている行動指針=解体道の実現」にも通じるものがあり、それを明示したのがこの18項目です。今後、このコンピテンシーを解体道と絡めて啓蒙することによって、会社の理念や方針を共有し、組織としてのモチベーション向上に繋がると期待しています。

――またコンピテンシー18項目のうち、ANDPADの業務利用と関係性のあるものはございますか。

瀬戸さん: コンテストの各評価項目上位者の行動特性から生まれた18のコンピテンシーは、「ANDPADを使いこなし、成果を出すために必要なコンピテンシーは何か?」を前提に作ったつもりです。利用者には、ANDPADはただのツールでしかないという説明をしています。そのツールを、「解体道」の精神を持って使いこなすことが、安全施工の実現、チームワーク、顧客満足といった成果に繋がるものと考えています。

ANDPADの業務利用に関係のある「徹底性」や「計画性」、「行動志向」、「安定運用」などと、報告品質に繋がる「誠実さ」、「思いやり」、「上司との関係」などの組み合わせがコンテストを通して完成したコンピテンシーです。

2022年1月5日に開催された「解体道コンテスト×ANDPAD CUP」表彰式の様子。上位者の発表時には大きな拍手が湧き上がった。

「ANDPAD CUP」で組織と人の成長を実感

――貴社全体で見るとANDPAD CUP開始前、開始後の平均3ヶ月の総量平均を見ると、KY報告、日報、写真提出数は、軒並み向上しています。この数値上昇の影響は業務品質や、社員の皆様の意識、仕事のしやすさなど皆様の業務体験に変化として表れてきていますか。

瀬戸さん: 弊社の社員は、一言で「素直」な社員が多いという自負はありますが、それでも利用者が業務負担を感じるような仕組みの導入は継続しません。処理能力や機能の強化も必要ですが、ANDPADが持つ操作性の良さが、KYや日報報告の高い報告率と継続を実現できたと感じています。取組み前後でKY報告は129%、日報は134%の報告率になっています。また、写真提出も159%と顕著に伸びています。

デフォルトで設定された項目のみでスタートした導入当時に比べ、現在では独自にカスタマイズしたテンプレートを改善しながら利用することで入力時間が短縮し、生産性の向上と報告品質も向上に繋がっています。

――最後に、社内表彰「解体道コンテスト」とアンドパッドとの協業表彰「ANDPAD CUP」を融合した取り組みについて、総括をお願いいたします。

瀬戸さん: 弊社では、コンテスト開催前からANDPADを使用した情報共有はある程度定着していました。コロナ禍においても情報発信や共有のスピードと密度の向上ができたことは喜ばしかったのですが、反面、社内コミュニケーションの不足や報告業務の形骸化を感じるようになり、報告品質の向上も課題として幹部の間で話し合っていました。

コンテストは上位入賞者を讃えるイベントですが、目指すゴールは安全、品質、工程、原価を主な軸としてマルチタスクを同時にこなしながら現場を動かすプロフェッショナルへと成長すること。その成果指標の一つとして「ヒューマンエラーによる破損や事故の抑止」を重大テーマに掲げ、本プログラムをスタートしました。

コンテスト開催に当たり、定量的な評価基準を定めたことで、社員ごとの強みと弱みを明確に示すことが出来ました。例えば、KY報告はしっかりとできているのに、ヒューマンエラーに起因する破損が減らない社員に対しては、KYの考え方と精度を高める事を課題としお客様アンケートの評価が高い社員については普段の勤務態度やお客様への接し方を見本としてコンピテンシーを定めて他の社員に明示するといった取組みに繋がりました。

ただのイベントではなく、開催期間中に新たな課題発見と取組みに繋がり、コンテスト経過日数と同時に組織と人が成長していくのを実感できたことを嬉しく思っています。業種柄、モチベーションを上げて必死に上位入賞を狙うといった行動を表に見せる社員は一人もいませんでしたが、決められた報告をしっかりとやろう、写真を撮るアングルや枚数を変えてみよう、など、本人なりの工夫や意識の変化はANDPADに上がってくる報告内容を見て感じ取れました。これは明らかにコンテスト開催による意識の変化だと言えます。最終的に受賞した二人を含め上位入賞した社員は、両手を万歳して喜ぶ姿は見せずとも、会社からの評価に加えて社外からの評価をもらえたことが自分の自信に繋がったはずです。

表彰式でプレゼンターを務めたANDPAD CUP推進担当の社長室コミュニティマネージャー ANDPAD ONE Director 平賀 豊麻(左)と、1位に輝いた株式会社宗重商店 滋賀営業所 浅井 完氏(中央)、石川営業所 中祢 瞬佑氏。

瀬戸さん: 弊社は過去にも社内表彰制度としてコンテスト開催をおこなったことはありましたが、社外から評価される経験は人生においても初の試み。アンドパッドさんとの協業表彰の意味はまさにそこにあると感じています。

約1年を通じてのコンテスト開催でしたが、本年度も継続して解体道コンテストを実施することになりました。2022年3月20日時点で、ヒューマンエラーによる破損・事故件数は前年比で大きく減少傾向にあります。短期的な取組みではなく、長期的に継続する取組みとして、最終ゴールである事故・破損の撲滅に繋げていきたいと考えております。

「ANDPAD CUP」に参加されました皆さま、約1年間のお取り組み大変お疲れ様でした。 私はカスタマーサクセスの役割として毎月ANDPAD利用レポートを発行し皆様のご利用状況を確認させていただいておりましたが、CUPが始まった初月から報告機能/写真機能の利用量が高かったことを記憶しております。そんな中でも報告と写真の"質と量"を求められるCUPで見事受賞されました浅井様、中祢様、受賞おめでとうございます。

ANDPAD自体は導入すれば効果がでるというような魔法のツールではありません。かつITツールの導入後というのは振り返りが難しく定性的になりがちでもあります。 ITツール導入後に重要なのは利用者に具体的なゴールを提示しKPIを設定し、定期的に振り返りをすることで利用が促進される。そして導入当初設定したあるべき姿へと近づいていくと考えております。宗重商店様の「ANDPAD CUP」はまさにそれを体現してくださった企画だったと感じております。

本企画を通してアンドパッド社員一同とても勉強をさせていただきました。 これからも全力でご支援させていただきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

株式会社宗重商店
https://munejyu-kaitai.com/
〒920-0342
石川県金沢市畝田西1-112
代表取締役:宗守 重泰
創業:1939年

取材・編集:平賀豊麻
編集・デザイン:原澤香織
ライター:金井さとこ
デザイン:安里和幸
カスタマーサクセス:石坂亮輔