【PR】〜前編〜「おうちケア定期便」の仕掛人に聞く、三方良しのビジネスモデルづくり / ANDPADアプリマーケットとの連携で工務店や住宅販売会社のLTV最大化をかなえる

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片山 淳一郎氏
環境機器株式会社 代表取締役
高校時代は水球に打ち込み、国体・インターハイにも出場。1990年京都大学卒業後、大手銀行に入行。1993年同行を退職し、アジア経済研究所開発スクールに入学。翌年同研究所から奨学金を得て、ケンブリッジ大学経済学部に入学。1995年開発経済学の経済学修士号取得後に帰国し、家業である同社に入社。2000年より現職。

防虫コンサルティング商社として業務用防虫資材販売売上で日本No.1シェアを誇る環境機器株式会社。専門性を活かしたさまざまなビジネスモデルを構築することで成長を続け、業界を牽引する存在だ。商社でありながらも業務用防虫資材の研究開発を行い、全国各地で専門防虫業者向けの研修会も精力的に開催。また、シロアリ駆除のノウハウを活かし、住宅メンテナンスに関わる全国ネットワークを組織化し、中古住宅の品質向上にも取り組んでいる。今回は、同社の代表取締役・片山 淳一郎氏へのインタビューを前後編で紹介する。前編では、片山氏が家業に入るまでの経緯、殺虫剤用の噴霧器メーカーから防虫コンサルティング商社への業態転換の背景、そして同社の成長を支える組織体制づくりについて伺った。

やりたかった世界平和と家業の専門性が重なり、害虫駆除業界へ

大阪府高槻市を拠点に、防虫コンサルティング商社として多岐にわたる業務用防虫資材を販売し、100億円市場の業界で約4割の売上シェアを獲得している環境機器株式会社。商社という枠組みを越えた顧客・自社・社会それぞれに有益となるビジネスモデルを次々に構築し、自社開発のソフトウェア、AIを使った虫の観測装置、シロアリ検査装置など幅広く展開する高収益企業だ。

同社は、現在の代表取締役である片山 淳一郎氏の父である和俊氏が殺虫剤用の噴霧器メーカーとして創業したが、片山氏の大学卒業目前で和俊氏が急逝。その後、母の美智子氏が経営を引き継ぎ、片山氏は大手銀行に入行した。一旦は家業とは違う道を選択した片山氏だったが、家業に入るきっかけは何だったのだろうか。

片山氏: 子どもの頃から「自分にしかできないことをやりたい」と考えるタイプで、「世界平和」をやりたいと思っていたので、元々家業を継ぐつもりはありませんでした。スポーツが好きでずっとサッカーをやっていたのですが、高校時代はマイナースポーツの水球部に入部しました。泳ぐこともままならない状態からのスタートだったので練習がきつくて地獄のような日々でしたが、全国レベルまで技術を上げていくために努力し続けました。水球を通して何事も全力でやり切ることで上げられる成果や、チームで取り組む大切さなど、人生で大事なことをたくさん学びましたね。

大学卒業後は銀行に入行したのですが、組織はしっかりと役割分担が決められていて将来のキャリアもある程度見えていた。出世意欲があまりなかったこともあり、原点回帰をして「自分にしかできないこと」をしようとイギリスに留学。開発経済学でマスターを取得しましたが、アカデミックの分野も世の中に影響を与えるのはなかなか難しいと実感したので、経営者になろうと決意しました。その時に、家業を継ぐという選択肢が生まれました。元々どちらかというと虫は苦手でしたし、これまでの自分のキャリアとのギャップも少なからず感じました。それでも家業に入ってやっていくうちに、被災地や途上国の虫の駆除など、家業の専門性を活かした取り組みが、自分がやりたかった世界平和と重なってきていると感じています。

環境機器株式会社 代表取締役 片山 淳一郎氏

ビジネスモデルを構築し、商社へと業態転換

片山氏が入社した当時は、売上6億円規模の殺虫剤用の噴霧器メーカーだったが、防虫コンサルティング商社へと業態転換を行い、業務用のシロアリ駆除業者や害虫駆除業者向けに多岐にわたる業務用資材の販売を行うようになった。メーカー品だけでなく、ソフトウェア、AIを使った虫の観測装置、シロアリ検査装置などの自社製品による売上も3割を占める。現在は売上41億円と6〜7倍近くも増加し、毎年約10%の増収・増益を続けている。老舗町工場のメーカーから防虫コンサルティング会社へと業態転換に至る経緯について伺った。

片山氏: 会社としてしっかりと売上があって既存顧客もいるというのは、それこそが資産だと思います。弊社の場合も同じで、私が入社した当時も黒字経営でしたし、お得意様がついている状態でした。それならば、わざわざ新規顧客を開拓しなくても既存顧客をこまめに訪問してコミュニケーションを取り、お客様が必要なものは何でも売ろうと思いました。さまざまな商品の仕入れ先を開拓して機会ロスを減らしていくことで、商社化していきました。お客様にとって何でも相談できる存在になることで店内シェアを上げ、売上が上がる仕組みをつくったのです。

単に取り扱い商材数を増やしただけでは他社との差別化は難しい。そこで、同社は顧客接点を増やしつつ、顧客向けに防虫・駆除に関する無料セミナーを年間200回実施。敢えて事業化せずに経営課題へのサポートを無料で行うことで競合優位性を図り、同社から商品を購入してもらいやすい関係性を構築することで一顧客あたりの店内シェアを上げていった。顧客数は変わらずに、売上を6〜7倍に伸ばすことに成功している。

片山氏: 弊社は基本的には営業はせず、お客様の経営上、技術上のお困り事をひたすら解決していくというスタイル。お客様が無理なく弊社から商品を買っていただくために、お客様の購買リストを見させていただき、どのくらい弊社に配分していただくかご相談しながら、購買のお手伝いをしています。お客様の弊社からのご購入履歴は自社システムでデータベース化し、セミナーなどのサポートとのバランスを見ながら採算が合うか厳密に管理しています。お客様とは対等な関係性であり、あくまでパートナーとして対峙しています。弊社は、1社に対して営業だけでなく、サポートとして虫の専門家、ITの専門家、薬剤師、住宅メンテナンス組合のスタッフなど4〜5人が出入りする仕組みになっていて、自社システムで社内で情報共有を行っています。

顧客との接点量と取り扱う商品量を増やして機会損失を極力無くすことで、さまざまなニーズに応えられる基盤をつくり、社内研修などのサポートによって競合優位性を確立して一顧客あたりの店内シェアを上げることに成功した同社。お客様から購買リストを見せてもらえるということは信頼関係が構築できている証拠といえるだろう。同社の強みを活かしながら誰もやらないような役割を見つけ、社会的にもニーズがあり、全てのプレーヤーのインセンティブをパズルのように組み合わせながら、中核を担う同社も自然と儲かるビジネスモデルを次々と生み出している。影響力を発揮できる土俵=害虫駆除業界というニッチマーケットで約4割という圧倒的な売上シェアを獲得し、社長就任以来20年間増収増益を続けている。

片山氏: 全てのプレーヤーにとってwin-winになることを目指して、ビジネスモデルを組み立てています。害虫駆除ノウハウと商社としてのビジネスモデルが活かされた事例として、2011年東北被災地に於ける害虫防除プロジェクトがあります。東日本大震災後の被災地で街中に流出した水産物が腐敗して蝿(ハエ)が大量発生した際、国や自衛隊は害虫防除の専門知識がなく、民間事業者は知識と技術は持っていても資金がないため足踏み状態になっていました。そこで、弊社がプロジェクトリーダーとなり、日本ペストコントロール協会、日本国際民間協力会と共同し、さまざまなステークホルダーを繋ぎ合わせ、プロジェクトを成功させました。

同じ考え方で立ち上げたのが、日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合の「おうちケア定期便」です。「おうちケア定期便」とは、引き渡し後のアフターサポートに活用できる顧客管理サービスです。関わっている業者様やお施主様のニーズを分析して、何をやれば業界全体のベネフィットを最大化できるかを考えながら仕組みづくりを行いました。

それぞれの得意なことを伸ばす組織体制の構築

防虫コンサルティング商社という枠組みを越えてさまざまなプレーヤーのインセンティブを組み合わせながら、社会的にもニーズがある三方良しのビジネスモデルを構築し、業界を牽引する同社の成長を支えるフラットな組織運営にも注目したい。同社には明確なジョブ・ディスクリプションがなくチーム制の組織編成で、役職は自己申告で自由に決められるという。日々の業務においては、チャットツールなどを活用して報告や議論が行われて物事が決まるため、定期的な会議体は存在しない。成果主義を採らず、ノルマもなく個人評価もしない。出張等の移動や引越しによる拠点変更なども個人の裁量に委ねられているから驚きだ。

片山氏: 全ては水球から学んだことですが、スポーツはピラミッド型ではなくフラットな組織体系で、それぞれ自分の得意なことをしながらチームで協力していくもの。会社の組織運営も同じだと考えています。ITは可視化できてフラットなものなので、デジタルを取り入れたガラス張りの経営にしています。

社員には「嫌なことや苦手なことはするな」と言っています。誰でも苦手なことや苦手な人はいます。そこに労力を削り取られるくらいなら、得意分野でいくらでもやることはあるし、相性のいいお客さんもいるはずですから、そちらでちゃんと数字が上がるならそれでいいと思っています。

やりたいことを一生懸命取り組める環境が用意されているので、退職者はほとんどいません。ルールがないため一見緩そうに見えますが、チーム制だからこそサボっていると周囲からの評価が低くなり、だんだんと仕事が回ってこなくなります。ある意味ではとても厳しいと思いますよ。

また、人材採用においては、面接時に必ず「フルマラソン走ってみたいですか?」と聞いています。意外とこれはキラークエスチョンなんですよ。フルマラソンってしんどいのですが、しっかり準備をすれば意外と完走率が高い。仕事の負荷も同じなんです。いろんな無茶振りに対して、やったことがなくても前向きに捉えてくれる人のほうが成果を上げてくれます。だから、フルマラソンを走ったことがなくても「面白そうですね!」と言える人は、仕事でも同じように取り組んでくれるのです。でも、私は本当にやらせるので(笑)、今では那覇マラソンが社内行事のようになっていて、参加率も非常に高いんですよ。

害虫駆除業界というニッチマーケットであるからこそ、得意なことを活かしながらプレーヤーのメリットだけでなく社会にも役立つビジネスモデルを次々と生み出し続けている同社。社員の得意なことを伸ばす組織運営をしているからこそ、こうしたビジネスモデルを生み出していけるのだろう。

後編では、シロアリ駆除のビジネスモデルを活かした長期優良住宅への取り組みや、ANDPADと連携した今後の挑戦について深掘りしていく。

環境機器株式会社
https://www.semco.net
〒569-1133
大阪府高槻市川西町1-26-5
代表取締役:片山 淳一郎
設立:1973年11月

取材・編集:平賀豊麻
編集・デザイン:原澤香織
ライター:金井さとこ
デザイン:安里和幸