〜後編〜 ANDPAD AWARD 2021ユーザー賞インタビュー / ANDPADリーダーユーザーに会いに行ってみた! / リーダーユーザーに選ばれる、元請けの監督の仕事に迫る

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藤原 樹真帆氏
ヤマト住建株式会社 建築事業部。専門学校卒業後、同社に入社し現場監督に。現在6年目。

大澤元宏氏
小倉サンダイン株式会社 大阪営業本部 営業部 部長。同社に勤務していた中学時代の同級生の父親の勧めで、業界未経験ながら2005年に入社。現在17年目で、営業一筋。2015年より現職。



「ANDPAD AWARD 2021」の各部門の受賞者に会いに行き、仕事へのこだわりやANDPAD活用術などを教えていただく本企画。前編では、「ハウジング 総合賞 社外ユーザー部門」全国1位を受賞された、小倉サンダイン株式会社 大阪営業本部 営業部 部長 大澤元宏さんのインタビューを実施し、同社の特徴や強み、ANDPADを利用してからの業務の変化について教えていただきました。

後編では、大澤さんに「自身が最も仕事が進めやすいお取引先様の監督」としてご推薦いただいた、ANDPAD招待元企業であるヤマト住建株式会社藤原樹真帆さんにもご登場いただき、お取引先に選ばれる監督の仕事について、お二人に伺いました。

ANDPADの活用による監督業務の変化について

――ヤマト住建様は、太陽光発電と高気密・高断熱住宅で省エネな暮らしを実現する資産価値の高い家づくりを追求されており、「省エネ大賞」や「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」など数々の賞を受賞されていらっしゃいます。最近では、省エネに対するお客さまの意識にも変化はありますか。

藤原さん: 弊社の強みは、住宅性能の高さ。年間850棟を手掛けており、高断熱・高気密な高性能住宅を求めるお客様からご支持いただいています。ご来場いただくお客様も一般の方とは思えないくらいとても住宅性能について詳しいですね。今はYouTubeなどインターネット上にいろいろな情報が溢れているため、なかには断片的な情報を繋いで誤った知識をお持ちになられることも。「この工務店みたいな施工をしてください」と言われたりもしますが、他社との違いや弊社の施工方法を踏まえて住宅性能についてご説明しています。

また、最近は気密検査の立会いをご希望されるお客様も増えてきました。弊社は基準としている数値が出ないと次の工程に進めないフローになっているので、検査はとても重要視しています。職人さんの作業が測定数値に繋がるということもあり、目標値に届かないと職人さんが矢面に立たされてしまう場合もありますが、良い数値が出れば職人さんの安心材料にもなりますし、監督の立場としてもお客様への説明材料になり信頼にも繋がります。

ヤマト住建株式会社 建築事業部 藤原 樹真帆氏

――藤原さんは入社してから監督としてご活躍されていますが、監督業務を一から学んでいくにあたりご苦労されたことはありますか。

藤原さん: 入社当初は、とりあえずやってみて失敗して学んでいくという感じでした。最初は何も分からないので、ひとりで現場に行くのが凄く嫌でしたね。とにかく職人さんが怖いんですよ(笑)。怖いというのは怒られることに対してではなく、職人さんに質問されても答えられないので質問されることが怖かったんです。その場で答えられないなら監督として現場に行っている意味がないですからね。職人さんとは年齢差もありますし、優しく話しかけてくれる方も多いですが、怒鳴られることも。弊社の建て方や仕様といった建築知識も、お客様が何を気にされて、どこを細かく見るのかも分からない状態でしたが、5棟、10棟と、現場経験を積みながら次第に感覚を掴んでいきました。現場に行く時に緊張しなくなるまでに、1年以上はかかりましたね。

お客様や近隣からのクレーム、職人さんが電話に出なくなってしまうなど、さまざまなトラブルの責任は全て監督にのしかかるので、監督業は責任も非常に重い仕事。こうしたトラブルはゼロにすることはなかなか難しいので、図太くなることが一番ですね(笑)。今は職人さんにたくさん教えてもらいながら、毎日楽しく仕事ができています。

――貴社は2018年2月にANDPADをご導入され、もうすぐ4年となります。ANDPADの施工管理の利用については貴社全体で浸透していると思いますが、業務の中での変化はありましたか。

藤原さん: すごく変わりました!コミュニケーションが非常に取りやすくなりましたね。以前は、協力会社さんに図面を送るのもメールで送っていました。年配の方だとメールができないので、FAXで対応することも。また、協力会社さんによって必要な図面が違うので一斉送信ができず、宛先を一部省いてメール内容を打ち直して送ったりするのも手間でした。今はANDPADに図面を入れて、協力会社さんに共有の連絡をすればいいので、とてもラクですね! メールが使えない協力会社さんでもメッセンジャーアプリを使っている方は多いので、似たような使い方ができるANDPADチャットは使ってもらいやすいです。

あとは、電話をしつつチャットで画像を見ながら確認できたり、写真に直接文字を書き込めるのも便利ですね。電話だけではどこの話をしているのか分からないことも多いので、どの監督もチャットを活用して確認しています。

協力会社にとって理想的な監督像について

――今回、大澤さんが協力会社の立場から、「最も仕事が進めやすいお取引先様の監督」として藤原さんを選ばれた理由について教えてください。

大澤さん: 藤原さんの仕事ぶりに「漢気」があるからですね。というのも、藤原さんのANDPADのチャットや資料格納の仕方からは「相手を思いやり、責任感のあるコミュニケーションをする」ことを意識してやられている方だということが感じるからなんです。例えば、藤原さんは圧倒的にチャットの返信が早い。かつ、返信を必ずくださるという安心感があります。協力会社としては、決められたことに対応するだけでなく、不測の事態や、途中の変更など、その都度お取引先様に意思決定していただかなければならないことも多い。その場合、監督さんに聞かなければならないのですが、こちらから確認したいことをチャットで投げれば、藤原さんからすぐに「〇〇するように職人さんに言っておきます」などの回答が返ってきます。藤原さんが回答できない内容の場合は「〇〇に確認して返答します」というように、きちんと対応方針とステータスを伝えてくれるので、協力会社側は一旦他のことに集中できます。営業として全案件を見ているので、藤原さんのご対応は非常にありがたいですし、絶大な信頼感をもってやらせてもらっていますね。藤原さんのようなコミュニケーションを取れている監督さんは意外と少ないんですよ。

「ANDPAD AWARD 2021ハウジング 総合賞 社外ユーザー部門」1位の小倉サンダイン株式会社 大阪営業本部 営業部 部長 大澤 元宏氏(右)

――藤原さんの対応力は素晴らしいですね! 確認の連絡をしてすぐに監督さんから返事がなければ、再度連絡を入れる手間も業務として増えますし、ステータスが進まないのにも関わらず常にコミュニケーションタスクが溜まってしまいますよね。多くの案件を抱えている協力会社さんにとっては、こうした業務をなるべく軽減したいところですよね。

こうした協力会社さんの体験を左右するのはお取引先の監督さんのANDPADの使い方が大きく影響しそうですが、実際に監督さんによってANDPADの使い方に違いはあるのでしょうか。

藤原さん: 結局のところ、ANDPADのようなツールがあるかどうかよりも、監督がやるかやらないかが一番重要だと思っています。

個人的に気をつけていることとしては、案件招待の前に必ず資料を格納しておくようにして、招待したタイミングですぐに確認していただけるようにしています。各協力会社さんへのプッシュなども案件チャットでやっています。他の協力会社さんに見られないほうが良いコミュニケーションは、個別のチャットでやり取りすることも。基本的に監督は個人設定でグループチャットの通知が入るようにしているので、協力会社さん同士のやりとりも随時確認して証跡が追えるので助かっています。

大澤さん: 協力会社側としては、資料が共有されないまま現場が動いているのが分かっている時は「資料いつになりますか?」と催促することも。今はANDPADに案件招待された段階で資料格納されているので、そういった手間がなくなりました。

ANDPADに案件が立ち上がれば、そこに自分たちのペースで資料を確認できるのでやりやすいですし、業務のなかに取り入れてしまえば、非常に使い勝手の良いツールだと思います。

――ちなみに、チャットでの情報共有が即時性をもって活用されるためにはどんな要素が必要だと思いますか。

大澤さん: 弊社も関連のある資料や通知しか見ていないので、全体で通知されているチャットは流してしまうことが多いので、チャットの使用率を上げていくためには、協力会社からの発信が活発に増えていくことが近道かもしれませんね。

ANDPAD利用率向上のために必要なこと

――大澤さんはANDPADリーダーユーザーとして上手にご活用いただいていますが、まだまだ運用が定着していない会社さんもいらっしゃいます。どうしたらあまりANDPAD利用に前向きでない方も気持ちよく使えるようになると思いますか。

大澤さん: ANDPADはとても便利なツールですが、選択肢が広がりすぎるとうまく使い切れないようにも思います。会社さんによっては、監督さんを現場管理と事務方に分業させるケースもあります。複数の監督さんを配置しておけば誰かが気づいてミスを防げるというリスクヘッジという意味合いだと思うのですが、協力会社側からすると何かあったときに誰に相談すればいいのかが分かりづらくなってしまうので、役割を明確にする工夫は必要かもしれませんね。

藤原さん: あとは、従来のやり方からなかなか変えられないということもあると思うので、ある程度は上長など管理者から使用を促すということも必要かもしれません。

大澤さん: ANDPADを使ったことで写真を共有しやすくなったり、チャットに送った写真を見ながらやりとりしたりと、コミュニケーションの質が向上したと実感できれば、ANDPADに対して前向きになり、もっと使われていくと思います。

ANDPADでのコミュニケーションによる業務改善としては、例えば、「サッシが傷ついた」と言われても、フレームの正式名称としての「枠」なのか、一般的な認識としての「枠」なのかで意味が違います。そのため、従来の電話でのやりとりでは、口頭だけでの説明になるため理解に食い違いが生じてしまったり、状況把握にも時間がかかっていました。今ではANDPADに写真を上げて該当箇所を確認できるので、情報伝達のズレも減ってスムーズに話が進められるようになりました。特に戸建ては古い建築用語も残っていて、監督さんも協力会社も全てが共通用語になっているわけではない可能性もあるので、しっかりと写真で補うことができれば、監督さんの現場訪問回数を減らせると思います。

ANDPADにはこういう機能があって、こういう使い方で、これまでの業務がこう置き換えられる、ということをどこまで浸透できるか。細かい機能についての要望もありますが、ツールとしてはとても良いものだと思うので、使う側がこうした体験を通して意識を変えていけるようにできるといいですよね。

* * *

近年、高気密・高断熱という高性能住宅が注目されるようになり、職人の施工力に対しても、より高い品質や技術が求められるようになりました。気密検査で目標数値をクリアできなければ工程が滞る重責を担うなど、技術だけでなく精神的な負担も増えているのが現状です。そんな中、前編でご紹介したように、大澤さんは検査時の測定値をANDPADチャットで即時共有して職人に安心材料を提供するなど、ただ業務を遂行するだけではなく、協力会社として職人の働きがいに寄与する、まさにリーダーユーザーの鑑とも言える取り組みをされていました。

そんな大澤さんが理想的な監督として挙げた藤原さんの仕事ぶりからも協力会社に対する誠実さが窺え、協力会社がスムーズに最短距離で動けるよう、迅速なコミュニケーションを心掛けていらっしゃいました。

お二人に共通しているのは、「責任感」「思いやり」。そして、ANDPADを使用するなかで業務効率化を肌で感じ、その体験からANDPADの活用にドライブがかかり、お二人の想いをデジタルツールがサポートする理想的な状態を生み出していました。

ヤマト住建株式会社
https://www.yamatojk.co.jp/
〒651-0083
神戸市中央区浜辺通5丁目1番14号 神戸商工貿易センタービル18階
代表取締役社長:中川 泰
設立:1990年1月

小倉サンダイン株式会社
http://www.ogura-sundine.com
〒650-0035
兵庫県神戸市中央区浪花町59 神戸朝日ビル10F
代表取締役:川崎 厚志
設立:1941年10月

取材・編集:平賀豊麻
編集・デザイン:原澤香織
ライター:金井さとこ
デザイン:安里和幸