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藤和那須リゾート|バケーションレンタルで別荘価値を高め 日本有数の人気別荘地を目指す

日本有数のリゾート地として知られる栃木県・那須で、標高約550mの那須ハイランドパークを南端に、アスレチックやホテル、広大な別荘地エリアを有した高原リゾートを手掛ける藤和那須リゾート株式会社。総合リゾート開発によって各事業への相乗効果が生まれ、大規模なビジネス展開を実現している。今回は、リゾート事業部取締役と日本テーマパーク開発株式会社 経営企画室長を兼任する蔦澤崇光氏にお話を伺った。事業の延長線上で注力する社会貢献活動や、リゾート事業の取り組み、事業特性からANDPADを導入した背景と変化、今後の展望について迫る。

蔦澤 崇光 氏
藤和那須リゾート株式会社
リゾート事業部 取締役 リゾート事業部長 兼 経営企画室長

――那須エリアで総合レジャー開発を展開されていますが、御社が手掛ける事業内容について教えていただけますでしょうか。

那須ハイランドパークを運営する藤和那須リゾートと那須高原りんどう湖ファミリー牧場を運営する那須興業は、前オーナーのノンコア事業であったため、日本駐車場開発グループの1社である日本テーマパーク開発がM&Aし、グループ化しました。私はその会社と兼務している形になります。

当社の事業は、パーク事業、ホテル事業、リゾート(別荘)事業の3本柱で、那須エリアでのレジャーを総合的にプロデュースしています。年商は35億で、那須ハイランドパークの来場者は年間50万人、ホテルの宿泊客数は年間5万人、リゾート事業部が管轄する別荘地は東京都千代田区同等の面積があり、5000区画のうち4500区画は1970年代前半までで販売した状況でした。別荘の建物管理だけでなく、114kmにも及ぶ別荘地内のエリアの道路舗装や上水道の管理など環境整備も行っています。当社は栃木県で唯一水道事業を担う民間企業なのです。

――3つの事業を軸にしながら、子ども食堂や古民家レストランの運営、バケーションレンタル、デュアルキャリア採用などSDGsにも積極的に取り組まれていますが、注力されている理由について教えてください。

当社としては、SDGsのために新たに何かを始めるというのではなく、今まで取り組んできたことの積み重ねがSDGsに当てはまったという感覚ですね。SDGsという言葉ができたことで、社外にはアピールしやすくはなりました。

事業の延長線上での社会貢献活動であることが大前提なので、当社はSDGsのための専門部署は設けておりません。専門部署を持たずして社会貢献活動を行うというスタンスはM&Aでも同様で、われわれの事業とリンクしていることがM&Aを進める上での必須条件。それが企業として持続可能な活動をしていく上でとても重要なことだと考えています。これからも、将来的に那須ハイランドのファンになってもらえるような多様な取り組みを行っていくつもりです。

――では、蔦澤様がご担当されているリゾート事業について少し深掘ってお伺いしたいのですが、具体的にどのような事業を展開されているのか、また、業界内における御社の特徴や強みについて教えてください。

実は、先ほど申し上げた別荘地開発後にバブル崩壊やリーマンショックなどを経て、人口減少、相続放棄、建物老朽化により別荘地の魅力や価値の著しい低下の懸念がありました。そこで、2017年に別荘地再生のために自社で新築別荘建築を手掛けるようになりました。

別荘に関わる人や泊まりに来る人を増やすために、別荘を普段貸別荘として運用するバケーションレンタルを行い、現在は年間30棟ペースで新築別荘を建築し、意匠性の高い別荘はオーナー様から借り上げ、集客はホテル事業で行っています。

当社は約30名で別荘地の管理業務を行っており、管理者の人数が多い別荘地であるのが強み。新築別荘建築は大手ハウスメーカーに依頼しています。別荘というものは建築してすぐには販売につながらないこともありますが、われわれはホテル事業でのバケーションレンタルの収益で建築コストをカバーできるのが特徴です。

――別荘とホテルでの相乗効果を生み出す御社のビジネスモデルだからこそ実現できることですね。3つの事業部のうちリゾート事業部でANDPADをご利用されていますが、導入の背景や課題だったことについて教えてください。

当社は、建物管理、新築及びリフォームの施工管理にANDPADを利用しています。

建物管理面では、オーナー様が別荘にいらっしゃるのは年に数回程度なので、その間の管理や修繕などをわれわれが行っています。オーナー様に報告するために作業前後の写真をストックして、誰が担当したのかという履歴を記録する報告書のフォーマットがバラバラだったため、フォーマットを型化させて効率化を図る必要がありました。

新築及びリフォームの施工管理面でも、建物管理同様に工程表のフォーマットが揃っていないことが課題でした。新築別荘建築の棟数の増加によって新築やリフォームの施工管理の効率化が求められていたので、施工会社を巻き込んで活用していきたいと考えました。また、Salesforce等のシステム導入も検討していたため、それらも含めて冗長性と拡張性の観点からANDPADを導入することにしました。

――なるほど。担当者や施工会社様によってフォーマットが異なることで非効率が発生し、その課題解決策としてANDPADをご導入いただいたのですね。実際にANDPADはどのようにご活用されていますか。利用後の変化についても教えていただけると幸いです。

現在、建物点検報告では、既定のフォーマットを使って点検箇所と修繕が必要な個所を写真付きで報告しています。履歴が可視化され、情報の一元管理が可能になったことで、適宜リフォームのご提案もしやすくなりました。

施工管理に関しては、当社で作成した工程表フォーマットを施工会社に使用してもらう運用に変更。従来は施工会社ごとに報告書の項目が異なりやりづらい部分も多々ありましたが、定型のフォーマットを使うことで同じ指標でチェックすることができ、スムーズに進められるようになりました。

――ANDPADを導入いただいてから1年ほどが経過しておりますが、課題に感じていることはございますか。

操作性の部分ではANDPADは非常に使いやすいと感じていて、社内の年配層にも浸透している実感があります。ただ、まだまだ紙文化が残る業界であることも事実で、リフォームではいまだ業者からの見積もりなどが紙ベースであったり、施工写真を撮る習慣がないところもあるので、外部の業者にどれだけ浸透させられるかが課題。大手ハウスメーカーは自社システムをもっていることが多く、外部システムへの抵抗感が強いので、アンドパッドさんからもアプローチをしてもらえたら。

まださまざまな社内システムとの連携ができておらず、スタンドアローン状況になっているのが現状。今後はそれらとの連携を整えていきたいですね。また、現在はリゾート事業部のみ利用しているので、先々の使い方としては、パーク事業での遊園地のジェットコースターなどの点検業務に活用したり、ホテル事業で客室管理にも活かして、会社全体としてANDPADを活用していくことも視野に入れています。

――ありがとうございます。最後に、今後の展望や思いについてお伺いできればと思います。

ANDPADで報告の仕方が変わり、施工管理に置ける工程の可視化や業者の管理もできるようになりました。今後はもう一段ブラッシュアップして効率化を図りたいです。

また、リゾート事業全体としては、5000区画ある区画を統廃合し、1区画を500坪くらいの大きなものにして、2500区画に2500棟別荘が建ち、全棟の管理を当社で行う状態を目指したい。今は道半ばですが、ゴールに近づけるよう邁進していきたいです。

藤和那須リゾート株式会社
URLhttps://www.nasu-resort.com/#1
代表者代表取締役 雪本智史
設立1969年12月1日
所在地〒325-0303 栃木県那須郡那須町大字高久乙字遅山3376番地
取材:佐伯直行、三上智江
ライター:金井さとこ
編集:佐伯直行
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