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2024年10月21日、国立京都国際会館にて「KDN KYOTO 2024 建設ディレクターフォーラム─ほどく、むすぶ、未来へつなぐ─」(主催:一般社団法人建設ディレクター協会)が開催されました。
建設業の担い手確保への対応が求められるなか、現場技術者の書類業務などを担う建設業の新たな職種として注目を集める「建設ディレクター」。会場には500名を超える企業、行政、自治体、協会団体関係者が集結。建設ディレクターの採用・育成に成功している企業の具体事例や、社内での建設ディレクターの導入・活用にあたっての行政の支援が発表されました。
本記事では、建設ディレクターに関する事例発表およびトークセッションの内容をレポート。現役建設ディレクターのリアルな声をご紹介しながら、その可能性と展望についてお届けします。
「建設ディレクター」とは 働き方改革と人材確保の解決策 ITとコミュニケーションスキルで現場支援
建設ディレクターとは、ITとコミュニケーションスキルで現場を支援する、建設業における新しい職域です。現場技術者の業務負担を軽減し、作業の効率化と就労時間の短縮を図るその存在は、メディアでも取り上げられ注目が集まっています。
自然災害への対応やインフラ整備の老朽化対策などにより、建設需要は高まっています。その一方で、現場の高齢化や若手人材の不足により、担い手の確保への対応が急がれている建設業界。こうしたなか、DX推進により業務効率化を進める動きが加速し、さらに2024年4月には働き方改革関連法が建設業でも適用開始。新たな雇用を生み出すとともに、今ある雇用を最大限活用し生産性を向上させることが喫緊の課題となっています。
こうした現状に対し、建設ディレクター協会の組織母体である株式会社京都サンダーは、「現場の技術者が担う全業務のうち、60%を占める書類業務に圧迫される仕組みを変えない限り、現場の安全・品質管理や人材育成などの現場業務に注力できない」と考えたといいます。
そこで、書類業務を担う職域を新たに創出することで、多岐にわたる技術者の業務範囲の再設定をし、従来の現場マネジメントを変えることを掲げ誕生したのが「建設ディレクター」です。建設ディレクターは遠隔業務に需要のあることが多いため、環境が整えばリモートワークも可能。ライフステージに左右されない安定した雇用が保たれることも特徴として挙げられます。同協会によると、建設ディレクター全体の70%が女性、全体の43%が10~20代。女性・若者を中心に、異業種からの転職者も多く、女性や若手の業界進出、多様な人材の活躍にもつながっています。
これまで建設業に縁がなかった女性や若手の雇用が拡大していることは喜ばしいですが、実際の現場業務では、専門知識をもとに技術者と協働していくことが求められます。そのための人材育成を行っているのが「建設ディレクター育成講座」です。
オンデマンドとライブ講習を組み合わせた40時間からなる講座は、工事書類の基礎知識、施工管理の基本的な考え方、設計図書の見方や積算の基礎、建設ICTなど、現場業務に必要な知識を体系的に学ぶことができます。全講座終了後には建設ディレクターの認定試験を実施し、現在では全国47都道府県で約2,300人が認定されています。
さらに、建設ディレクターが育成講座受講後に直面する疑問や悩みをサポートし、継続的な情報交換や交流を通じ、互いに切磋琢磨する場として、KDN(KENSETSU DIRECTOR NETWORK)を用意。建設ディレクター育成講座を受講した企業が集い、受講後のフォローアップや最新情報の取得、コミュニケーションの場を継続して提供しています。
出典
- 「建設ディレクターとは」一般社団法人建設ディレクター協会 https://kensetsudirector.com/about/
- 「建設ディレクター~働き方改革と担い手確保の解決策~ Part 1 建設産業を取り巻く状況」一般社団法人建設ディレクター協会 https://kensetsudirector.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/e75ee6ca59074e41433ceda3d06ce20e.pdf#:~:text=%E5%BB%BA%E8%A8%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC%E5%85%A8%E4%BD%93%E3%81%AE70,%E3%82%8B%EF%BC%88%E5%9B%B3%E3%83%BC1%EF%BC%89%E3%80%82
- 「KENSETSU DIRECTOR NETWORK」 建設ディレクター協会 https://kensetsudirector.com/kdn/
第1部 建設ディレクター事例発表
第1部の建設ディレクター事例発表では、株式会社愛亀、植村土建株式会社、ヤマグチ株式会社の3社が登壇。経営者や技術者、そして建設ディレクター当事者の目線から、同職を志した経緯や入社後の働き方、建設ディレクター導入にあたっての課題や社内での定着のポイントについての発表がありました。
働く父の姿、新聞記事 建設ディレクターを志したきっかけは日常のなかに
1社目の登壇企業は、愛媛県松山市に本社を構える株式会社愛亀。「インフラの町医者」として、道路舗装工事・管路工事・アスファルト合材製造などライフラインを支える事業を手がけています。
建設ディレクターを志すきっかけはさまざまですが、愛亀の上田さんは、同社で国交省管轄の業務維持工事を担当するお父様の影響が大きかったと話しました。
上田さん: 幼少期から、深夜・休日を問わず働く父の姿を見てきました。そんな父のもとには、家族で買い物をしている途中であっても仕事の電話がかかってきて、その度に強制帰宅をさせられていました。そんな父にいつも苛立ちを感じていた記憶から、当時の私は建設業を就職先に選びたいとは思っていませんでした。
やがて就職について考える時間が増えた際、社会人の先輩から父の仕事の重要性を知るとともに、年度末なかなか家に帰ってこない理由も知りました。それは「膨大な書類を自分が作成しないといけない」ということでした。私はこの言葉が印象に残り、父が負担に感じている書類仕事であれば、体力や力もない小柄な女性の私でも父の仕事を助けられるのではと思い、建設業の道へ進むことを決めたんです。
同社の岡さんは、建設ディレクターを紹介する新聞記事を読み、自身のこれまでのキャリアが生かせる可能性を感じたそうです。
岡さん: 私は国土交通省の河川国道事務所で非常勤職員、愛媛県の土木事務所などで臨時職員を経験。その後、民間建設会社で契約社員として、現場の方々や現場代理人の補助として請求書の取りまとめや施工体制台帳の作成、建退共(建設業退職金共済)の集計などを行っていました。
昨年6月、新聞に建設ディレクター協会の新井理事長の記事が掲載されていて、偶然目に止まりました。記事を読み進めていくうちに、これまで自分が経験してきた仕事に似ていると感じたのです。事務補助ではなく、「建設ディレクター」という職業があると知り、過去の経験が生かせるかもしれないと思い、建設ディレクターを採用している会社に応募しました。
建設ディレクター養成講座での学びが業務理解の支えに
北海道で土木・建築などを手がける植村土建株式会社。技術者の書類業務の多さに課題を感じていたところ、建青会の全国大会にて、植村社長が同協会の新井理事長と出会ったことをきっかけに建設ディレクターの導入に踏みきったといいます。2023年4月から建設ディレクターの応募を開始したところ、採用枠3名を大きく上回る7名の応募があり、2024年までに3名を採用できたそうです。
白川さん: 私は工業高校の建築科を卒業後、総合コンサル会社にて建築設計や保証調査業務を行なってきました。やがてこれまで学んだ知識を活かしたいと考え、転職を決意しました。建築・土木関係の企業で求人を探すなかで建設ディレクターという職域に出会い、業務時間が長い技術者を支える働き方に魅力を感じるとともに、自身が持っている知識を活かせるに違いないと思いました。
安田さん: 私は短期大学の栄養科を卒業後、介護施設に栄養士として勤務していました。前職とは違う事務職に就きたいと考え転職活動をしていたところ、当社の建設ディレクターの求人を見つけました。建設業は資格や知識があることが前提とされることが多いなか、1から学んで新しい分野に挑戦できる職種であること、さらに「建設ディレクター」のネーミングの響きがかっこいいと思い応募しました。
入社にあたって、不安な点はなかったのでしょうか。白川さんは建設ディレクター養成講座での学びが業務理解の支えになったと話しました。
白川さん: 私たちが安心して入社することができたのは、建設ディレクター育成講座を受けられる環境があったからです。受講したことで作業への理解度がアップし、業務を行うための道筋となりました。重機の説明や施工体系図の書き方などマニュアルがあったことで、見慣れない、聞き慣れない言葉や作業を理解することができたんです。現在は、新人ディレクターが入社した際に仕事を進めやすい環境を作るべく、建設ディレクター全員で協力してマニュアルを作成中しています。
施工写真台帳作成、マニフェストのとりまとめ、交通安全運動などの書類、
現場の雑用係でも補助者でもなく、「専門職」として現場に根付かせる
総合建設業として、鹿児島県で建築土木を中心に、造園、解体事業など幅広く手がけるヤマグチ株式会社。2017年、2018年には国土交通省より「工事成績優秀企業」の認定を受け、さらには経済産業省の「地域未来牽引企業」にも選出されるなど、高い技術力で地域を牽引しています。代表の山口さんは、建設ディレクターをいかに社内で定着させていくかについて経営者目線で語りました。
同社では工事管理室にDX推進課長、デジタルイノベーション推進課長の2名の課長の下に、建設ディレクターとして入社2〜5年目の女性社員を配置。さらに、障害のある入社1年目の男性社員には、本人にできる業務を集約させ、ICT・DX担当として専門性に特化したポジションを確立しているそうです。
現場での建設ディレクターの定着にあたり、まずは現場技術者が担っている業務の洗い出しから行なったという同社。現場技術者が担う160ほどの業務のうち、建設ディレクターが担えるであろうものを難易度に応じて4つに分類し、現場に建設ディレクターの可能性を提示したといいます。
山口さん: 技術者の業務を棚卸しすることで、「もしかしてこの業務は自分の手から離れて楽になるかも」という自身の業務にどのような効果があるのかをしっかりと伝えられます。すると、現場の方々も「試してみてもいいのでは」という気持ちになってくれるのではないかと思います。各現場の監督にしっかりメリットを提示できる形をつくることこそが、建設ディレクターの定着を進めていく上でのスタートラインです。
建設ディレクターの育成については、「1〜2年は教育投資を充てる覚悟を持つ」と腰を据えた初期教育の重要性を説いた山口さん。さらに、経営者の立場として、建設ディレクターは専門職であるというメッセージを現場に発信する重要性についても語りました。
山口さん: 一つの現場の全体像を把握しないことには、なかなか独り立ちはできません。大事なことは、自分で調べ、考えて、書類をつくること。ヒントは最小限に抑え、その業務の必要性や重要性を考えてもらうようにしています。最初は思っている以上に時間がかかり苦労もありますが、工事が完成する頃には頼れる人材に成長するでしょう。
建設ディレクターの導入、さらにはICTの活用に関しても、重要なことは「現場の負担をいかに軽くするか」です。建設ディレクターは現場の雑用係でも補助者でもなくて、専門職であるということを経営者がしっかりとメッセージとして発信し、各現場の監督に認識させることが定着を左右させるのではないでしょうか。さらに、建設ディレクターの導入により、今後会社の方向性をどのように描き、収益力を高めていくかというビジョンを従業員全体に浸透させられるかどうかが建設ディレクターの収益性にも大きく関わってくると考えています。
第2部 建設ディレクタートークセッション「SNS情報発信の重要性とICT分野の活躍領域」
「SNS情報発信の重要性とICT分野の活躍領域」と題した第2部建設ディレクターセッションでは、株式会社江口組の鳥巣智恵美さん、株式会社香山組の寺田昌司さん、株式会社森組の横尾春菜さんの3名の建設ディレクターが登壇。今や採用に欠かせないSNS情報発信の重要性や、ICT分野での活躍領域などについて、現役建設ディレクターによる等身大な意見が交わされました。当日のセッションから一部抜粋してご紹介します。
悶々とした現状を変えたSNS投稿 「私は建設ディレクターを目指したらいいのでは」
森組の横尾さんが建設ディレクターを志したきっかけには、江口組の鳥巣さんが発信する建設ディレクターに関するインスタグラムの投稿があったといいます。
横尾さん: 私は前職では、ホテルで販売や企画職をしていましたが、育児・家事と仕事の両立を考え森組に入社しました。入社後1年ほどは現場事務をしていましたが、新しいことを学びたくてウズウズしていた様子に気づいた上司が「CADをやってみませんか?」と教えてくれました。そこから仕事の幅が広がり楽しさを覚えましたが、一方で現場にも事務にも属しきれない自分の業務に悶々とする気持ちもありました。
そんなときに鳥巣さんがインスタグラムで投稿していた、建設ディレクターとして楽しそうにお仕事をされいてる様子を見て、「私はこれを目指したらいいのではないのか」とふと思ったんです。そこで、鳥巣さんに建設ディレクターに興味があるとメッセージを送ると、「建設ディレクターという仕事は、私たちの背中を押してくれる肩書き。自信を持って仕事をすることにつながるから、ぜひ資格を取得するといいですよ」と返信をいただき、養成講座を受講し資格を取得しました。
SNSの活用に注力している江口組。土木の役割・意義・魅力について広報を行う団体などを顕彰する「土木広報大賞2023」にて準優秀部門賞「企画部門」を受賞するほど、SNSでの情報発信に精力的に取り組んでいます。横尾さんも魅力を感じたという同社のSNS運用にあたっては、複数のアカウントを用途に応じて使い分けているそうです。
鳥巣さん: ありがたいことに「SNSといえば江口組」と言っていただけるほど、かなり認知されていると思います。当社ではインスタグラムだけで10数個、すべてのSNSツールを合わせると30〜40ほどのアカウントが存在します。そのなかでも、私が運営する「江口組 とりち」のアカウントは、建設ディレクターの目線で、建設ディレクターに特化した内容を発信しています。
新部署立ち上げの苦悩を糧に 建設ディレクターの後輩をサポートすべく同資格を取得
香山組の寺田さんが建設ディレクターを志した背景には、同社でのDX推進部の立ち上げの苦悩があったそうです。
DX推進部の部長と建設ディレクターの二足のわらじで活躍する寺田さん。前職では鉄鋼メーカーで勤務をしていましたが、3DCADのオペレーターの未経験者を歓迎する求人に興味を持ち、香山組に入社。しかし、入社後に社内で初めて採用したポジションであることを知り、指導者や社内体制もないなか、技術を独学で学びながら手探りで歩んできました。そんななか、BIM/CIMを活用した国土交通省の工事に配属されたことが転機となったと語りました。
寺田さん: 教えてくれる人がいないなか、BIM/CIMを0から学び、メーカーのサポートセンターに毎日相談をしながら、なんとかモデルを作成しました。それを見た発注者様から「鉄筋ってすごい! 3Dで見るとこんなふうなんですね!」と好評をいただいたんです。それ以降、毎週のように国交相の発注者様や全国の学生さんが、工事現場のデジタル化を見たいと現場の見学に訪れるまでになりました。
こうした反応を受け、社長に思い切って、当時所属していた品質管理部ではなく「DX推進部」を立ち上げさせてほしいと伝えました。社長は快諾でしたが、入社1年しか経っていなかったこともあり社内からは猛反発。その時の社長からの言葉は今でも印象に残っています。「寺田さんが1年間やってきたことと同じことができますか? 若い芽を潰すことは簡単だけれど、なぜそこに手を差し伸べてあげないのか」と。反対の声はなくなり、DX推進部を立ち上げることができました。
その後、去年の8月には寺田さんの後輩となる、当社建設ディレクター第1号の社員が入社。寺田さんが建設ディレクターの資格を取得した背景には、かつての寺田さんがそうであったように、社内初のポジションに就いた後輩社員に寄り添ったサポートをしたいという気持ちがあったといいます。
寺田さん: 入社後、書類業務ばかりやっていた後輩から「何か私にも強みがほしい」と相談を受けたんです。私はトレーナーかつメンターとして、本人が一生懸命取り組んでいることを社内にアピールできるように支えてきました。そのなかで、私自身も建設ディレクターになれば、もっと寄り添ってサポートができるのではないかと。そして、建設ディレクターはすごく大切な仕事なので、資格を取得することで、後輩と同じ目線で対外的にさらにアピールしていこうと考えたんです。
「悩んでいるのは一人ではない」と思えることが次なる一歩に 職域や地位の確立を目指す
今後建設ディレクターとして注力していきたいことについて、3人は力強く語りました。
寺田さん: 今後はすべての書類のデジタル化を実現したいです。前職の鉄鋼メーカーにいたときも感じていましたが、現場にはまだまだ多くの紙が使われています。紙での管理や運用に伴う手間を削減し、業務の効率化を図りたいです。さらに、BIM/CIMの活用など、建設業でデジタル化が進んでいることをアピールし、担い手不足の改善に貢献していきたいです。
鳥巣さん: SNSでの発信を続け、私が横尾さんの発信をきっかけに建設ディレクターの資格を取得したように、私も誰かの背中を押すきっかけになれたらと思います。そのために、建設ディレクターという職域や地位の確立を目指していきたいです。
横尾さん: 私が運営している「土木主婦よこぴ」のインスタグラムには、毎日たくさんのメッセージをいただきます。「建設ディレクターに興味が湧きました」「私も3DCADを書き始めました」という声や、「社内第1号の建設ディレクターで、何から始めていいのかわからなくて……」という相談や「建設ディレクターとしてうまくいっておらず、一人で考えるのが辛い」辛いなどの相談もあります。メッセージのやり取りだけでの根本解決は難しいと思いますが、悩んでいるのは自分一人ではなく、同じように悩みながら建設ディレクターとして働いている方は多くいらっしゃるということを知ってほしい。あなたは決して一人ではない、ということをお伝えしています。私自身もそうした皆さんとのつながりに心強さを感じていますし、一人ではないと思えることが次へ踏み出す一歩につながっているんです。そう思ってもらえる人が少しでも増えるように、SNSを通して全国に仲間がいるということを発信していきたいです。
地域や会社の垣根を超え、建設ディレクターのネットワークをさらに拡大
建設ディレクター協会の立ち上げ時から関与しているという立命館大学 総合科学技術研究機構 教授建山和由さんは、閉会の挨拶として次のように語りました。
建山さん: 建設ディレクターの導入・浸透・安定にはまだまだ課題があります。社内での建設ディレクターの創設期は風あたりが強いケースもあり、当事者は不安を抱えていることも多いでしょう。こうした状況において、KDNのコミュニティでの交流や、不安なことやわからないことを聞きあえる関係を外部につくれることには価値があります。今後もネットワークをさらに広げ、SNSなどでの緩いネットワークから示唆を得ることで、仕事がスムーズに進んでいくのではないでしょうか。
2017年の建設ディレクター協会設立から7年。業界の人手不足も相まり、建設ディレクターは全国で2,300人を超え、その裾野を拡大しつつあります。一方で、現場の建設ディレクターたちが抱える等身大の悩みとして、自身の仕事が現場の細かなサポートに終始してしまい、専門職であるという意識を持ちづらい現状があります。こうした悩みを持つ当事者同士で手を取り合い、自社での取り組みを共有しながら切磋琢磨していくコミュニティは、業界全体にとってもかけがえのない場です。
建設業界が直面している人手不足という喫緊の課題に立ち向かおうとしている点において、建設ディレクター協会と当社には共通する想いがあります。課題へのアプローチは、「建設ディレクター」という人材の観点と、「ANDPAD」というITツールの観点とで異なれども、そこに介在する「人」の「仕事への誇り」をどのようにつくっていくかという視座には通じ合うものがあると感じました。
建設業界の課題に立ち向かう同志として、今後も同協会ならびに、建設ディレクターの取り組みに注目していきます。