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2023年6月15日、ANDPADのユーザーコミュニティの祭典である「ANDPAD AWARD 2022」の授賞式が開催されました。ANDPAD AWARDは、ANDPADご契約法人ならびにユーザーの皆さまの卓越した利用事例を共有し、さらなる活用と日本の建設業界のDXの活性化を目的としたイベントです。
新型コロナウイルスの影響もあり、これまではオンラインのみでの開催でしたが、今年はついに初のオフライン開催となりました。会場には総勢130名のANDPADユーザーとアンドパッドの社員が集合。じめっとした梅雨の空気を吹き飛ばすほどエキサイトした授賞式当日の様子をお届けします。
幕開けから、あたたかな雰囲気でスタート
授賞式はまず、オープニングムービーからスタート。受賞企業や受賞者が登場する映像が大きなスクリーンに映し出され、会場のボルテージが上がっていきます。
AWARDの審査を務めた特別審査員が紹介され、緊張感が漂う場内。そんなムードの中で登壇したアンドパッド代表・稲田が「ANDPADを育てていただいた皆さまへ、今日のこの会を通して感謝をお伝えしたい」と挨拶をすると、緊張から一転、あたたかな雰囲気に。
「建設業界には、いくつもの課題があります。生産性の悪化、現場労働者の減少、職人の高齢化、働き方改革などです。また、インボイス制度の開始に頭を悩ませている企業様も多いでしょう。今回DXカンパニー賞・ユーザー賞を受賞された企業様やユーザー様は、ANDPADを導入してDXに取り組まれ、今挙げたような課題に向き合っていらっしゃいます。その確かな成果を業界全体に広めたい、『うちにはできない』と思っている会社さんが刺激を受けてDXに向けた一歩を踏み出してほしい、ANDPADを入れたものの活用がうまくできていない会社さんがもう一度チャレンジするきっかけをお届けしたいーー。そのような想いで、この場を作らせていただきました」(稲田)
先日、「日本スタートアップ大賞」と「国土交通大臣賞」を受賞したアンドパッドですが、そんな期待をいただいているのも、ユーザーの皆さまがあってこそ。状況に合わせて使いこなすトップユーザーの方々にスポットライトを当て、建設業界の未来も照らしていくのが、今回の授賞式です。
ANDPAD活用の方法を高めた「ユーザー賞」の皆さまが登壇
まずは「ユーザー賞」の発表から。ユーザー賞は、ANDPADの利用状況をデジタルにスコアリングし、ANDPADを最も活用している個人に対して贈呈する賞です。今回は多様な業務、そしてそれを支える機能をうまく使っている多彩ななユーザーさまを称えたく、10の部門を用意しました。
プロジェクトに欠かせない”資料”をデータ化してアップロードし、情報共有の効率化を進めた「ベストアップローダー賞」には、株式会社日の出設備の大矢龍介さん。
工事日程表などを管理するANDPADボードを総合的に最も使った「ベストボードユーザー賞」には、有限会社早瀬塗装工業の早瀬竜也さん。
ANDPADの報告機能を利用して多数の案件を同時に、そして円滑に進めた「ベストレポーター賞」には、トリノ株式会社の矢野敦子さん。
※授賞式には、代理で同社より取締役の三上さんがご参加くださいました。
工程表の作成と更新を根気強く行った「ベスト工程表運用賞」には、石友リフォームサービス株式会社の太田輝之さんが選ばれました。
(写真左上)株式会社日の出設備 大矢さんと担当西村、(右上)有限会社早瀬塗装工業 早瀬さんと担当渡部、(左下)トリノ株式会社 三上さんと弊社田村(右下)、石友リフォームサービス株式会社 太田さんと担当小川
ANDPAD黒板を活用して黒板付き写真を最も撮影・出力した「ベスト黒板出力賞」には、堺土建株式会社の若手社員・曽我部柊人さん。
スピード感のある受注請求業務を実行し続けた「ベスト受発注請書請求賞」には、ナカネ新建材株式会社の野村勇さん。
ANDPAD受発注で最も納品検収のアクションを行った「ベスト受発注納品検収賞」には、株式会社サンコーの大久保真満さん。
資料からお知らせ通知を飛ばし、お互いが安心して仕事を進められる環境を整えた「資料お知らせ賞」には、株式会社IWTカンパニーの平川保文さんが選ばれました。
(写真左上)堺土建株式会社 曽我部さんと担当楠本、(右上)ナカネ新建材株式会社 野村さんと弊社寒川、(左下)株式会社サンコー 大久保さんと担当木村、(右下)株式会社IWTカンパニー 平川さんと担当柳田
そして、1年間を通してANDPADを総合的に、そして最も使ったユーザーに贈られる「総合賞」は、東日本エリアがリストホームズ株式会社の中川昌幸さん、西日本エリアが西部ガス株式会社の北川理沙さんの手に。お2人の喜びの声をお届けします。
「協力会社さん、職人さん、社員さん、アンドパッドの方々……多くの人のご協力があって、受賞に至れたと思います。私一人ではなく、総合的に会社としていただいた賞です」(中川さん)
「ANDPADの導入当初は『難しそう』と思っていた協力会社の皆さまが、その苦労を乗り越えてくれたお陰で、今回私が代表で賞をいただくことができました。次に現場に行った際には、改めて職人の皆さまにお礼を伝えたいです」(北川さん)
受賞者が登壇し、稲田から賞状とトロフィーを受け取ると、客席にいる会社の仲間達へ笑顔を見せ、喜びを分かち合いました。
業界全体の未来を担う!「DXカンパニー賞」受賞企業の皆さまから
休憩を挟み、続いて「DXカンパニー賞」の発表に入ります。DXカンパニー賞は、ANDPADの運用・浸透を通じて、日夜業務プロセスの改善を重ね、目覚ましい成果を上げている企業に贈られます。「地場ゼネコン」「専門工事✕大手企業」「専門工事✕中小企業」「住宅✕中小企業」「住宅✕大手企業」の5部門に3社ずつが入賞し、そのうちの1社が各部門の大賞に選ばれました。
まずはANDPADの執行役員・建設DX研究所の代表を務める岡本杏莉による、審査総評です。
「今回賞を受賞された企業の皆さまも、ANDPAD導入から現在に至るまでの道のりは平坦ではなかったと思います。多くのご苦労や試行錯誤、失敗を重ねて、今があるのだと考えております。皆さまの努力に敬意を表するとともに、他の建設事業者の見本となる皆さまの成功事例を共有できる場にし、ぜひ『我々が建設業界の未来を担っているんだ』と誇りを持っていただける機会になれば幸いです」(岡本)
早速、「地場ゼネコン」部門から発表。審査員を代表して岡本より、「複雑で難しい工事の特殊性も踏まえたうえでANDPADを使いこなしている企業が光った」と、コメントが。
「TC神鋼不動産建設株式会社さまは協力会社への説明会など、導入にあたってのサポートが印象的でした。株式会社ユニホーさまは運用方法を統一し、社内のユーザー全員同じ使い方ができているというのがとても素晴らしい、と大きく評価した次第です。そして大賞の白石建設株式会社さまは、DXの推進によって生産性の向上と品質の向上を両方実現しているというのが、他の地場ゼネコンの手本になっていただくべき事例だと思い、この度大賞に選びました」(岡本)
大賞受賞の白石建設株式会社の春日靖雅さんは、こう話します。
「チャット機能、報告機能を用いた”グランドブラザー・シスター制度”のお陰で、若手社員の育成も進んでいます。DX推進にも若手が一役買ってくれましたし、今では『黒板機能をこのように使えば写真を撮るだけでKY報告が完了すると思うのですが、どうですか?』と、若い社員から提案があるほどです」(春日さん)
続いて、「専門工事✕大手企業」部門。芝浦工業大学 建築学部建築学科の教授、蟹澤宏剛氏から受賞企業が発表されます。
「サーラエナジー株式会社・サーラE&L浜松株式会社さん、西部ガス株式会社さん、株式会社ガスパルさん、この部門の受賞企業はすべてガス関係の会社さんでしたが、ガスは人の生活に欠かせません。ゆえに現場が多く、分散し、移動時間がネックになります。大賞のサーラさんは、物的問題や労働問題の削減だけではなく、チェック作業をデジタル化して、業務や働き方の合理性まで見直した点が評価のポイントでした」(蟹澤氏)
一歩進んだ活用法で審査員を驚かせたサーラエナジー株式会社・サーラE&L浜松株式会社の澤田行秀さんは「”反感”を”共感”に変えるのには苦労しました」と、受賞前の歩みを振り返りました。
「ANDPADを導入する前、『反対の意見もあるだろう』とは感じていたので、最初に協力会社さんへアンケートを行い、普段スマホをどのように使っているか、業務上の困りごとはないかなどヒアリングをしました。アンケートにより課題が見えたからこそ『こういう状況ならツールを導入すべきだ』と共感してもらえましたし、あの時DX化を進めていなければ今のように多くの案件をこなせていなかったでしょう」(澤田さん)
同じく専門工事の分野から、次は「専門工事✕中小企業」の受賞者をご紹介します。審査総評は、審査員を代表して東京大学建築情報学研究室 特任教授の池田靖史氏よりいただきました。
「中小企業と大手企業の違いは、新たなことにチャレンジする余力がどれくらいあるか、という部分だと思います。その中で、コンプライアンス遵守にもDXが使えると示してくれた内外建設株式会社さん、アフターケアの質を向上させたGROWTH株式会社さん、そしてANDPADを利用してリモートワークを実現し、全国どころか国際展開まで進めた大賞のグリーンライフ産業株式会社さんには、頭が下がる思いです」(池田氏)
グリーンライフ産業株式会社様は、BtoC向けのエクステリア・ガーデン事業の会社です。同社でパートタイム出身ながらANDPADの導入と業務改善の旗振り役として活躍してきた原野栄子さんは、「ANDPADは夢のようなアプリです」と、熱弁します。
「当社が抱えていた時間や距離に関する長年の課題を、ANDPADがまとめて解決してくれました。リモートワークにも前向きに臨めています。大賞に選ばれたと聞いた時は嬉しさと共に、『これまでの取り組みは間違っていなかったんだ』という安堵感も覚えましたね」(原野さん)
スピーチの最後には、原野さんからアンドパッドの社員に向けてのサプライズも。細やかなサポートとリード力で自社のDXに貢献したことへ感謝の気持ちを綴った手紙が読み上げられ、会場はあたたかなムードに包まれました。
次なる部門は「住宅✕中小企業」。株式会社新建新聞社の代表取締役社長・三浦祐成氏は、受賞した3社をそれぞれこう称えます。
「株式会社家ZOUさんは経営の基盤にANDPADがあり、ANDPADと共に成長されてきた会社さんなんだな、と感じました。健康住宅株式会社・HOUSEORIGIN株式会社さんはANDPADを用いた受入検査の実施率が100%を誇るなど、徹底度が素晴らしい。2社ともハイレベルな使い方だと思ったのですが、とりわけ株式会社ミタカ工房さんの使い方はイノベーティブで、リフォーム業界におけるロールモデルになるのでは、と思い、大賞に選びました」(三浦氏)
株式会社ミタカ工房様では受注見込みの高い案件の場合、すぐに見積もりを提示するだけでなく、契約前に工程表を作成し、段取りの良さやスピード感で顧客提供価値を高めた。さらにクロージング行為に苦手意識を持つ営業マンという教育課題にも、工程表をクロージングツールとして活用することで、受注率アップにつなげているのです。
「即時見積もりができるようになり、これまで放置されやすかった比較的単価の低い仕事の取りこぼしが激減しました。お客様の信頼を損なわなくなったことは大きな成果ですね」(ミタカ工房代表取締役・北屋敷司さん)
最後に「住宅✕大手企業」部門の受賞企業が、u.company株式会社・代表取締役の内山博文氏から発表されます。
「まず大手企業ということで関わるステークホルダーの数も多い中、トップが強い気持ちを持っていないとDXは推進できなかったでしょう。推進者の覚悟と熱意は、悠悠ホーム株式会社さんも株式会社北洲さんも引けを取っていませんでした。その中で株式会社ファイブイズホームさんを大賞に選出した理由は、同社の取り組みは社内の課題改善に留まらず、職人さんの環境改善、ひいては住宅業界、建設業界で活かせる取り組みだと思ったからです」(内山氏)
「リーディングカンパニーとして業界を牽引できる」と内山氏から太鼓判を押される形となった株式会社ファイブイズホーム様。年間着工棟数は1200棟以上という大規模ながら、品質管理には余念がありません。本社工事部部長の荒木伸仁さんが、ANDPAD導入によって叶えた、事業拡大と品質維持の両立について説明します。
「これまで紙ベースで実施していた協力会社の検査報告を『ANDPAD検査』に集約し、年間6万枚の検査報告書をデータ化しました。タイムリーなチェック体制が整ったうえ、ペーパーレス化も実現。ANDPADの本格運用前に行った業者別説明会で疑問や問題点を把握できたことが、スムーズなDX推進の鍵となりました」(荒木さん)
DX化を進め、現場監督の人数も品質も従来のままに、年間の着工棟数を増やした同社。業務の効率化と品質向上を実現した成果が現れています。
全5部門の大賞が発表され、残るは特別賞の発表です。まずは、ユーザー投票で選ばれた「ANDPAD ONE賞」。多くのユーザーからの支持を集めたのは、注文住宅やリフォーム事業を行う、株式会社北洲様です。
株式会社北洲のハウジング事業部 建設部部長の青塚友樹さんは突然のことに驚きつつ、「今回の受賞は普段からANDPADを使ってくれている職人さんたちのお陰です。帰ったらすぐに報告します」と、職人さんたちへの感謝を語りました。
これで終わり……かと思いきや、最後に司会からサプライズが! 実は事前の審査会において、「業界自体のイノベーションにつながる事例として、もっと広がってほしいモデルケース」「大規模ではないけれど、建築・建設業界のDX化のあるべきかたちを示す一つの道筋として、さらなる賞があるといい」と、追加で”特別賞”を設けたいという声が続出。急遽「審査員特別賞」と「審査員DX敢闘賞」の2部門が設けられました。
まず最初の賞が、「審査員DX敢闘賞」。この賞は、グリーンライフ産業株式会社様に贈られました。審査員を代表して蟹澤氏が、受賞の理由を話します。
「グリーンライフ産業さんはDXを活用して生産性が上がっただけでなく、パートの方が正社員になったり、離職率が減るなど、付加価値労働生産性を高めたことが明快なところが素晴らしい」(蟹澤氏)
続いて「審査員特別賞」に輝いたのは、株式会社ミタカ工房様。池田氏が「ミタカ工房さんにはビジネスイノベーションがある」と、その功績を称えます。
「誰でもリフォームは早くやってほしいもの。DXがそういった顧客の要望を叶え、結果として自社の利益にもつながる好循環を生んだというのは、ビジネスのイノベーションとしてデジタルツールを生かした好例だと思いました」(池田氏)
急な表彰に驚いていた2社ですが、賞状を受け取る顔は誇らしげでした。
DXの熱気はまだまだ止まない。これからの建築・建設DXへ
すべての表彰が終了し、アンドパッド執行役員の藤井哲嗣が、閉会の挨拶のためマイクを持ちます。
「改めまして、受賞された皆さま、おめでとうございます。私たちアンドパッドでは、これまでも社内外で様々なアワードやイベントを行ってきましたが、この『ANDPAD AWARD』は社内でもっとも権威があり、社員たちも求めるイベントにしたいと思っていました。受賞者の皆さまは勿論、共に壇上に上がった社員まで嬉しそうな表情をしているのを目にして、『開催できてよかったな』と、思っています」(藤井)
藤井が「本日はありがとうございました」と場を締めると、客席から大きな拍手が起こり授賞式は大団円に。
授賞式のあとには、受賞者たちが交流する懇親会が催されました。その様子も少しだけお届けします。参加者全員に、今日のために作られた特製の「ANDPAD AWARD BEER」が行き渡ると、司会を務めたコミュニティマネージャーの平賀が音頭をとり、乾杯!
和気あいあいと、互いの功績を称え合いつつ、情報や意見の交換が行われます。
DXカンパニー賞受賞企業、ユーザー賞1位受賞者がずらりと並んだパネル前で、記念写真を撮影する姿もたびたび。
会場を見渡すと、受賞者もANDPAD社員も、皆が晴れやかな表情。
私たちアンドパッドが大切にするバリューのうちの1つに「Customer Success」というものがあります。
Customer Success
Industry SaaS Companyとして、チーム、顧客との関係において、信頼し合い、共に成長し続ける。信頼の連鎖を作り上げる努力を厭わない。
ANDPADを日々使ってくださっているお客様に寄り添い、信頼の連鎖を紡いでいく。今回の授賞式は、こうした「私たちが発揮したい価値」の集大成でありました。そんな場で、ANDPADを信じて使ってくださる、共に育ててくださるユーザの皆さまに集まっていただいたことに、改めて感謝申し上げます。あの場、あの瞬間、業種や職種の垣根を越えて集った皆さまは「one ANDPAD」になった。新しい価値集団、コミュニティがまさに誕生した瞬間であったと感じます。
もう1つ、大切にしているバリューに「Love ANDPAD」というものがあります。
Love ANDPAD
愛情をもってアンドパッドを育てよう。ユーザーと顧客に世界観を伝え、ステークホルダー全員が伝道師になる。
お客様と、チームと、信頼の連鎖を作り上げていった先に見えたのは、私たちが「きっと見える」と信じてきた景色そのものでした。ANDPADという共通体験で繋がるコミュニティ、そこに広がる新しい世界観。これからも皆さまの力をお借りしながら、建設業界の明るい未来に向けて、共に歩みを進めてまいります。
急遽、最後のご挨拶を引き受けてくださったグリーンライフ産業株式会社の山田さん。ありがとうございました!
受賞企業・受賞ユーザーに贈呈した、ANDPAD AWARDのロゴマークをモチーフにしたトロフィー。