ANDPADの利用状況をデジタルにスコアリングし、ANDPADを最も使っているユーザーを称賛するANDPAD AWARDのユーザー部門。今回は、「ベスト図面ユーザー賞」で第1位を受賞した、南洋土建株式会社 山川 生実さんにお話を伺った。
南洋土建は、戦後まもない1949年に沖縄県で創業し、今日まで沖縄の発展と美しい自然を支え続けている総合建設会社だ。「この島のために この島とともに」を理念に掲げ、地域のインフラ整備から公共施設・民間施設の建築まで、幅広い工事を手がけている。
同社の組織には、土木部と建築部の垣根を越え、チーム一丸となって働く風土が根づいている。今回「ベスト図面ユーザー賞」1位を受賞した山川さんも、「少しでも上司や先輩、後輩の力になりたい」と力を込める。現在は、業務の合間に上司から指導を受けながら後輩の育成にも積極的に取り組み、チーム全体の底上げを目指している。
そんな山川さんは、小学校低学年のお子さんを育てる母親でもある。限られた時間で効率良く業務を進めるために、山川さんが活用しているのがANDPADだ。ANDPAD図面の配筋検査機能で事前準備を段取り良く進め、仕上検査機能も活用し品質管理を向上させている。
前編では、同社の事業内容や山川さんのお仕事に対する想いを伺いながら、同社に根づいているチーム意識について深堀りしていく。

戦後まもなく創業、沖縄の発展の礎を築いた総合建設会社
──「ANDPAD AWARD2026 ベスト図面ユーザー賞」1位のご受賞、おめでとうございます! まずは受賞の知らせを受けたときの感想をお聞かせいただけますか?
山川さん: 「そんなに使っていたんだ」と正直驚きましたが、表彰していただいてとても嬉しかったです! 本社に行ったときにも社内の皆さんから「日頃の業務に対する姿勢が評価されたね」「表彰されるんだよね、おめでとう」といったお祝いの言葉をかけていただいて。嬉しかったですし、ありがたかったです。
子どもが小学校の低学年のため、東京で開催される授賞式への参加を迷っていたのですが、「せっかくの機会だから」と親族に言ってもらい、参加を決めました。子どもも一緒に連れて行こうかと考えていて、仕事を頑張っている母親の姿を見せられたら嬉しいです。
【ANDPAD ONE編集部より】
授賞式当日、山川さんはお子様と一緒に東京の会場へ来場されました。ANDPAD AWARDでは、全国から集まる受賞者とそのご家族が安心して参加できるよう、授賞式会場でのお子様同伴での出席にも対応しています。
──社内のみなさんもご家族も一緒に喜んでくださるなんてとても素敵です! では、そんな貴社がどんな事業を手がけているか、教えていただけますでしょうか。
山川さん: 当社は、太平洋戦争で壊滅的な被害を受けた沖縄の復興に取り組むために立ち上がった建設会社です。戦後復興から経済発展へと移行していった1960年代〜1970年代には、沖縄県内の大型案件に数多く携わったと聞いています。
そのなかでも代表的な案件が、那覇市の国際通りを横切る暗渠の「ガーブ川」改修工事です。難易度が高いうえに予算に限りがあり、入札した施工会社が全員辞退するような工事でしたが、当時の社長が採算度外視で請け負い、無事計画通りに工事を完了させました。地域の洪水対策と商業施設の発展に貢献した工事として高く評価され、今でも当社の歴史的な実績のひとつになっています。

南洋土建株式会社 建築部 山川生実さん
山川さん: 現在では、土木部と建築部の双方を擁する総合建設会社として、沖縄県のまちづくりや暮らしを広く支えています。道路、港湾、橋梁、空港といったインフラの整備をはじめ、学校や病院、店舗、住宅など、人々の生活に欠かせない建物の建築に、社員と協力会社さんで一丸となって取り組んでいます。
また、沖縄の美しい自然を後世に残していくために、環境関連事業にも力を入れています。油で汚染された土壌を浄化する処理技術を開発して事業化を進めているほか、施工性・環境性に優れたリサイクル流動化処理土「なんよう琉土」の製造・販売も行っています。「なんよう琉土」は、沖縄県リサイクル認定資材(ゆいくる)にも認定されています。

山川さんが携わる新築集合住宅の建設現場事務所にて、インタビューを実施した。
協力会社、上司、後輩。一緒に働く人のために事前準備と段取りを徹底
──土木・建築の両軸で沖縄の復興と発展のために尽力されてきた会社なのですね。山川さんは、昔から建築業に興味をお持ちだったのでしょうか?
山川さん: はい。小学生の頃の夏休みに、自宅のベランダからたまたま建設現場が見えたんです。活気のある朝礼や作業風景、建物が出来上がっていく様子を目の当たりにして、そのときから建築に興味を持つようになりました。
最初は設計を志望していましたが、徐々に現場を取り仕切って建物をつくり上げる施工管理に興味を持つようになりました。ただ、最初から現場に入るのは不安で、工業高校卒業後は当社の現場事務所で事務員として2年間ほど働きました。

山川さん: 実際に事務所で働きはじめてみると、想像以上に和気あいあいとした現場で毎日仕事が楽しくて。たまに現場パトロールにも同行させてもらい、現場の雰囲気も掴むことができたため、あらためて「施工管理として働きたい」と会社に想いを伝えました。今では経験豊富な上司や職人さんとの関わりから刺激を受け、充実した日々を過ごしています。
──今は、どんな業務を担当していらっしゃるのでしょうか?
山川さん: RC造マンションの施工管理として、工事の段取りや安全管理、写真管理などに携わっています。当社の建築部では、学校、クリニック、商業施設などの建築も手がけていますが、私は入社以来マンションを担当しています。
──これまでのお仕事のなかで印象に残っているエピソードがあればぜひ教えてください。
山川さん: はじめて配属された現場のタイル工事で、タイル割付の施工図を描いたのが印象に残っています。まだ経験が浅かったため不安もありましたが、上司のアドバイスを受けながら「どうすれば見栄えが良く施工ができるか」と試行錯誤を繰り返したので、職人さんの手できれいな壁面が仕上がったときには本当に感動しました。
オーナー検査や内覧会で物件をご案内したときに、お客様から「とても素敵!」「居心地が良い」といった声が上がったときも、「頑張って良かった」と思えます。自分たちが手がけたマンションの近くを通って窓に明かりが灯っているのを見たときも、「ここで暮らしが営まれているんだ」と思えて、しみじみ嬉しくなりますね。

──沖縄県には、台風や大雨など、特有の気象条件を考慮して施工を進めなければならない難しさがあるかと思いますが、どんなことを意識してお仕事をされていますか?
山川さん: 台風が発生する季節になったら、毎日3〜4つの気象情報サイトを比較して、風の向きや位置、進路をチェックしています。台風接近の予報が出たら、すぐに協力会社さんと一緒に仮囲いの撤去やネットの片付けを進めて、現場から資材が飛散しないように準備を進めます。一旦現場を止めることになるため、台風通過後の復旧作業を含めて段取りも組み直します。天候不順になると船便の到着遅延も予想されるので、会社としては早めの資材確保も意識していますね。
──事前の準備や段取りがとても重要になるのですね。
山川さん: 複数の工種が同時に進行する時期は特に忙しくなるため、余裕を持って現場に向き合えるよう、時間のあるうちに先を見越して準備を進めておくようにしています。今担当している現場もこれから本格的な工事がはじまるのですが、先にANDPAD図面で配筋検査の準備を進めています。
事前準備を進めておくのは、一緒に働く「職人さんのため」です。職人さんたちは、協力しながら一緒に現場を進めていく仲間です。職人さんに指示を出す立場である私が、先手を打った早めの行動を意識しないと、職人さんたちがスムーズに動けないと思いますから。
お互いに助け合う風土がワークライフバランスの充実を生む
──現在はご自身の担当業務だけではなく、後輩の育成にも携わっていらっしゃると伺っています。
山川さん: 今は入社1年目の後輩と一緒に現場を回ったり、打ち合わせに同席してもらったりして、少しずつ業務を教えています。私が後輩育成にもしっかり取り組みたいと思うのは、自分だけがスキルアップしたり、効率良く業務を進められるようになるだけでは不十分だと考えているからです。
どんなに頑張っても、ひとりでは建物は建てられません。必ず上司や後輩、職人さんの力が必要になります。ですから、チーム全体としていかにパフォーマンスを上げるか、全員で成長していくかが重要だと思っています。これまでの経験や知識を後輩に教えつつ、私も手が空いたときには上司のもとへ行って、「今はどんな仕事をしているんですか?」と聞きながら、できることがあれば教えてもらい、学ぶようにしています。
──チームとして働く意識を強く持っていらっしゃるのが素晴らしいです。貴社では、会社全体に「チーム」の意識が浸透しているのでしょうか?
山川さん: 私はチームワークが一番大事だと思って仕事をしていますし、上司や先輩、後輩も、「少しでもお互いの力になりたい」といった意識を持っていると思います。担当業務は決まっていますが、上司をサポートしながら少しずつ新しい業務の経験を積んでいくことで、レベルの高い仕事を任せてもらったときに対応できるように準備しています。
当社は、建築部・土木部の垣根がなく情報共有も活発で、会社全体でもチームとして動けていると思います。現場での困り事からDXまで、お互いの視点で意見を出し合って解決方法を見つけることができるのは、当社の強みだと感じています。

──お互いに助け合う社風が根づいていると、仕事と子育ての両立もしやすいのではないでしょうか。
山川さん: そうですね、チームの協力体制は整っているため子どもとの時間はしっかり確保できています。ただ、当社は私が入社した当時から会社全体で「残業をしない」という方針を掲げているので、以前から残業はほぼありませんでした。所長も残業していないですし、定時になったらみんなに「帰ろう」と声をかけてくださるので気兼ねなく帰ることができています。
私は、小学生の子どもの登校時間に合わせて、8時出社を8時15分出社に変更して、退勤時間も調整していただいています。配属先の現場も自宅から通いやすい現場にしてくれたりと、個々の事情を理解して勤務体制を組んでくださっているのは本当にありがたいです。

──会社が社員の方一人ひとりに寄り添ってバックアップしてくれる環境なのですね。「男性社員の育児休業取得率が50%」と伺いましたが、業界内では高い水準だと思います。
山川さん: 施工管理担当でも育児休業を取得されている方がいますし、みなさん2〜3週間ほどまとまって休みを取っていますよ。
──そうなのですね! 誰かが休みを取ってもうまく仕事が回る体制をつくるために、工夫されていることはありますか?
山川さん: 事前の打ち合わせと段取り、情報共有をきちんと行うことで、誰かが抜けても仕事が回るような環境が構築できていると思います。この環境整備に役立ってくれているのがANDPADです。「急な体調不良で休む」といった突発的な事態が起きても問題なく仕事が進むように、全員がANDPADを活用して情報共有をしています。


「ゆいまーる(相互扶助・助け合い)」といった言葉が表すように、沖縄県には昔から人と人が助け合う文化が根づいている。沖縄の復興と発展のために、長年力を尽くしてきた同社には沖縄の文化を体現するような「チームワーク」があり、チームとして動くために「ANDPADを使う」意識が浸透している。
後編では、トップユーザーである山川さんが実際にどのようにANDPAD図面を活用しているのか、その仕事術を詳しく紐解いていく。
| URL | https://www.nanyo-doken.com/ |
|---|---|
| 代表者 | 代表取締役社長 玉城 常二 |
| 創業 | 1952年 |
| 本社 | 沖縄県那覇市与儀1丁目5番2号 |















