建設業界において、「2024年問題」に象徴される働き方改革や深刻な人材不足は喫緊の課題であり、特に現場管理者の移動時間の削減は重要なテーマだ。こうした背景から、国土交通省を中心に、遠隔地から現場状況が確認できる「遠隔臨場」の活用が大きな潮流となっている。
千葉県柏市に本社を構える広島建設株式会社は、創業以来、半世紀以上にわたり地域に根ざしてきた建設会社だ。年間650棟以上の住宅引渡しをはじめ、集合住宅や大型施設、公共建物など、暮らしを支えるランドマークを数多く手がけてきた。近年は長年の住宅解体の経験と所有資格を活かし、公共建物の解体と自社分譲地の造成と外構工事も自社内で担当している。
同社では働き方改革にも意欲的に取り組んでおり、2018年にANDPAD施工管理とANDPAD検査を導入。さらに、2024年にはANDPAD遠隔臨場(※)も導入し、業務効率化と生産性向上を進めている。今回は、広島建設内でANDPAD遠隔臨場を活用する「解体造成チーム」にフォーカスし、同チームの小野寺 亨太さん、ホアン ヴァン アインさんへインタビューを実施。解体現場という特殊な環境下で、ANDPAD遠隔臨場をどのように活用しているのだろうか。前編では同社の事業内容や、働きやすさの取り組み、そして解体事業の成り立ちについて話を伺った。
(※)ANDPAD遠隔臨場とは、「現場カメラ」「リモート通話」「マップ撮影」など複数機能を組み合わせて、現場の状況確認から指示出しまで完結できるプラットフォームです。ANDPADの施工管理機能と同一の操作性でスムーズにご利用いただけます。ANDPAD遠隔臨場について、詳しく知りたい方は以下のリンクをご覧ください。
https://andpad.jp/products/remote_presence
分譲解体工事グループ 解体造成チーム リーダー 兼 分譲工事チーム
分譲解体工事グループ 解体造成チーム 兼 分譲工事チーム
注文住宅から公共工事まで手がける、地域密着型の建設会社
広島建設株式会社は1968年の創業以来、58年以上にわたり地域密着型の事業を展開してきた。取り扱う範囲は幅広く、注文住宅を手掛ける「住宅事業」、分譲住宅や不動産、土地活用などの「不動産事業」、公共施設などの建設に携わる「特建事業」の3つを大きな柱としている。

千葉県柏市に構える、広島建設の本社社屋。
住宅の引渡し棟数は年間650棟を超え、小規模~中規模分譲地の住宅の建築に加えて保育施設や学校、福祉介護施設、アパートやマンションなどの集合住宅、道の駅や消防署、結婚式場など、地域の暮らしを支える建物を数多く手がけてきた。
特に注文住宅に強みがあり、住宅ブランド「セナリオハウス」は、千葉県・埼玉県・茨城県の一部エリアで、「東京ノイエ」は東京都の城東エリアで展開。各事業拠点より車で約1時間圏内を施工エリアとし、きめ細かいメンテナンスでサービス向上を図っている。そのノウハウは分譲住宅にも活かされており、土地の選定から企画、建築、販売、アフターサービスに至るまで、自社一貫で手がけている。

同社が手掛ける「セナリオハウス」の住宅展示場。
社員数は290名。売上高は262億円(2024年3月期)であり、社員1人あたりの生産性は9,000万円ほど。その高い生産性を支えるのが、同社が10年ほど前から取り組んできた働き方改革だ。働き方の見直しを進めた結果、育休復帰率は100%に達し、若手社員の定着率も向上している。

広島建設株式会社 建築カンパニー 生産管理部 分譲解体工事グループ 解体造成チーム (左から)小野寺 亨太さん、ホアン ヴァン アインさん
小野寺さん: 社員の平均年齢は35歳で、そのうち20代が約37%を占めています。入社後3年目までは、沿線指定の引越補助手当が出るんです。沿線に支店があるので、沿線に住めば異動しても通いやすいですね。

分譲住宅部門の強化に伴い「分譲解体工事グループ」を立ち上げる
広島建設の働き方改革のひとつに、アナログな業務からの脱却がある。以前は紙の書類整理やFAXの処理、写真の整理などに多くの時間を費やしていたという。
そこで2018年にANDPAD施工管理とANDPAD検査を導入。主に、住宅部門(注文住宅・分譲住宅)で活用し、近年ではリフォーム・リノベーション・特建工事でもANDPADを運用。業務の効率化を図った。さらに2024年にはANDPAD遠隔臨場を、2025年6月にはANDPAD黒板を導入し、さらなるデジタル化を推進している。

小野寺さんとホアンさんが属する解体造成チームも、ANDPADを日常的に活用する組織のひとつだ。
広島建設では分譲住宅の比率を増やすことを目的に、2018年、分譲住宅に特化した新たな部署を設立することとなった。そこで誕生したのが、「分譲解体工事グループ」だ。分譲地の解体造成を内製化することで、自社内でワンストップで提供できる体制を確立してきた。さらに今後は、公共建物解体を主軸に自社分譲地の造成、外構工事の施工体制も強化していく方針だ。
分譲解体工事グループには11名が所属し、その配下のひとつである解体造成チームには、小野寺さんとホアンさんを含めた3名が所属している。

小野寺さん: 解体造成チームの主な業務は、分譲地の解体造成工事です。造成は、2~3棟のものから、50区画以上の大規模分譲まで、プロジェクトの規模はさまざま。近隣挨拶や養生、土留め、外構工事なども含めて対応しています。地域密着型の強みを活かし、高低差のある土地など、大手企業では仕入れをためらうような難易度の高い場所にもチャレンジしています。

小野寺さんは生産管理部の課長を務め、解体造成チームのリーダーとしてチーム全体のマネジメントを担っている。広島建設には新卒で入社し、今年で21年目。品質検査課に配属され、その後外構、地盤、解体などを担当してきた。近年は、公共工事の解体事業を新規に受注したという。
小野寺さん: 公共建物の建築はこれまでも行ってきましたが、新たな領域にも挑戦しようと、最近では公共建物の解体工事も請け負っています。これまで浄化槽施設やプールなどの解体工事に携わり、着工中の農林業センターの解体工事など、億単位の大型案件も手がけるまでに成長しています。

ホアンさんは今年で入社3年目。ベトナムの大学で建築を学んだあと日本で就職し、複数の会社で建築・施工管理職として従事したあと、広島建設にキャリア入社した。現在は解体造成チームの一員として、主に現場確認や見積業務などを担当している。2024年度には、入社3年目までの優秀な社員を表彰する「ルーキー賞」を受賞した。解体工事の仕事で特に気をつけていることは、「トラブルの防止」だという。
ホアンさん: 解体工事は、近隣の方からのクレームが発生しやすいものです。建て替えに伴う解体工事は、一連の工事の「スタート地点」ですので、最初にトラブルを起こしてしまうと、その後の工事もトラブルを引きずることになってしまいます。地域密着で事業を展開する当社にとって、近隣住民の方々との信頼関係を築くことは、その後の工事を円滑に進める上で大切なことです。そのため、最初の近隣挨拶や事前の段取りを徹底しています。

地域を知り尽くした強みを発揮し、解体から造成、新築、アフターメンテナンスまでを一挙に引き受ける同社。平均年齢35歳という若い組織が、生き生きと働いている様子がうかがえる。後編では、同社がどのようにしてアナログな業務から脱却したのか、ANDPAD遠隔臨場の導入によって働き方はどのように変化したのか、具体的な活用法について話を伺う。
| URL | https://www.hirosima.co.jp/ |
|---|---|
| 代表者 | 代表取締役 島田秀貴 |
| 設立 | 昭和45年4月14日(創業 昭和43年8月) |
| 本社 | 千葉県柏市豊四季1004番地 |














