40代が繋ぐ次世代へのバトン。職人の地位向上と「新たな3K」による技術継承

一般社団法人日本多能工協会 第1回全国オフ会イベントレポート


一般社団法人日本多能工協会主催の「第1回全国オフ会」が、6月18日(木)に当社ANDPAD STADIUMにて開催されました。

今回のイベントは、同協会の理事長を務めるゆうき総業株式会社の結城伸太郎さんをはじめ、日頃よりANDPADをご活用いただいているご縁から、会場をご提供する形で開催へと至りました。

建設業界全体で高齢化や若手の人材不足といった深刻な課題が叫ばれる中、技術の「向上・拡散・継承」という「新たな3K」を理念に掲げ、若手への技術継承と多能工化による業界活性化を目指す日本多能工協会。全国から会員が集結し、業界の未来を担う職人たちの社会的地位向上、そして多能工化に向けた情報交換や交流が盛んに行われた当日の熱気あふれる様子をご紹介します。

職人の地位向上と現場に寄り添うものづくり

「向上・拡散・継承」の新たな3Kで、業界の課題に立ち向かう

開会に際し、株式会社明新の笹原春雄さんから挨拶がありました。

株式会社明新 笹原春雄さん

笹原さんは、建設業界が抱える高齢化や若手職人の減少といった課題に対し、多能工協会が打ち出す「向上・拡散・継承」という「新たな3K」の理念を強調しました。
技術講習会をはじめ、会員に向けた経営計画策定の支援など、多角的なアプローチで業界活性化を図る方針を力強く語り、オフ会のスタートを飾りました。

40代が世代間の架け橋となり、若手に技術のバトンを繋ぐ

続いて、理事長の結城さんから、2023年6月の協会設立から現在に至るまでの歩みと、その背景にある熱い想いが語られました。

結城さんは、「我々40代が、60代・70代の熟練層と20代・30代の若手層の間に立ち、技術をバトンタッチしていくためのコミュニケーションの架け橋になれるのではないか」と、協会設立に込めた原動力を振り返りました。

ゆうき総業株式会社 結城伸太郎さん

これまで実施してきた塗装や防水、左官の技術講習会に加え、建設業の未来には職人の技術だけでなく「数字への強さ」も不可欠であるとし、経営者向けの財務計画講習会にも注力している活動が紹介されました。

職人の多能工化と年収アップを。商社・メーカーが寄せる期待

来賓からの祝辞では、多能工化の必要性と、現場を支える職人への力強いエールが寄せられました。

九州・博多の地で創業97年を迎える商社、株式会社ニシイの柴田英則さんは、雨天時に防水や外壁塗装ができなくなる課題に触れ、天候に左右されずに内部の作業を進められる「多能工化」の重要性を語りました。

職人が多能工になることで、「ホワイトカラー以上にブルーカラーが評価され、年収アップにつながるのではないか」と期待を寄せました。

株式会社ニシイ 柴田英則さん

続いて、昭和19年創業の塗料メーカー、東日本塗料株式会社の福嶋尚人さんは、ものづくりにおける職人の普遍的な価値に言及しました。

東日本塗料株式会社 福嶋尚人さん

「塗料メーカーが提供するのは半製品であり、職人の方々の手が加わって初めて完成品になる」と、現場を支える職人への深いリスペクトを伝えました。

さらに、「職人の皆さんが正当な報酬を受け取り、生活が安定しなければ、これからの建物を誰が維持していくのか」と語り、同協会が目指す方向性への深い共感を示しました。

来賓の方々による挨拶が終了した後は、全出席者による名刺交換会がスタート。会場のあちこちで、熱気ある交流が交わされました。

名刺交換会の様子

強い財務基盤と独自の技術で自立する企業へ

熱気に満ちた名刺交換会を経て、再び登壇した結城さんより、今後の具体的なロードマップが発表されました。

今後のコミュニケーション基盤として、新たなオンラインプラットフォームへの移行や、現場監督・事務担当者の負担を軽減するため、安全書類やメーカーのカタログをアプリ内で閲覧・ダウンロードできる仕組み作りについて構想が明かされました。

さらに、「短期財務戦略の講習会」を定期開催することが発表されました。
結城さんがこれまで培ってきた経営ノウハウをもとに開発した独自のソフトを用い、1年間の経費や原価、売上目標などをシミュレーションします。計画通りに経営することで決算書まで作成できる仕組みを提供し、参加企業の財務基盤強化を支援します。

最後に、現在建設業界において加速する専門工事業者のM&Aの現状に触れました。

「技術がある優秀な会社がどんどん買収されていく中で、自分たちの独自の技術と財務基盤を持ち、自立して生き残る手段を考えなければならない。会員同士が手を取り合い、M&Aをしたくてもできないような強い会社を作れば、新しい建設業界が作れる」と力強く語りました。

「多能工協会を1000人規模の強い組織に育て、自立した企業群を作りたい。10年、20年かかろうが私はやり抜く。技術は若手に引き継ぎ、我々は後ろから彼らを支える余裕のある業界・協会を作っていきましょう」 と熱く呼びかけました。

経営を財務面からデジタルの力で強化し、職人だからといって経営から逃げず、素晴らしい会社を次の世代へ引き継いでいく。「泥臭い職人の世界」を誇りに思い、自らが主役となって輝き続けるための決意を語り、報告を締めくくりました。

全国から集まった仲間たちと、未来への祝杯

発表の後は、いよいよお楽しみの立食パーティーへ。
乾杯の音頭は、ゆうき総業株式会社の結城俊輔さんが務めました。

ゆうき総業株式会社 結城俊輔さん

「梅雨時の大変な時期にお集まりいただきありがとうございます。北は北海道、南は九州まで、日本全国からこれほど多くの仲間が集まってくれました。まだまだちっぽけな協会ですが、何年もかけて若い世代に技術を継承し、全員が入ってよかったと思える会を作り上げていきたい」と、全国から集まった仲間たちへの感謝とともに、和やかな雰囲気の中で懇親会へと移りました。

乾杯の様子
ビンゴ大会も行われ、工具やパーカーなどがプレゼントされました。

初対面同士でありながらも、同じ建設現場に立つ仲間として、お互いの技術や今後の多能工化に向けた課題、財務への取り組みなど、至る所で熱い情報交換が行われました。会場の熱気は最後まで続き、第1回オフ会は盛況のうちに幕を閉じました。

建設業界の課題に真正面から向き合い、技術継承と財務基盤の強化を通じて次世代へバトンをつなぐ日本多能工協会。その取り組みは、職人が主役となる新たな建設業界の未来を感じさせるものでした。

アンドパッドは、これからも一般社団法人日本多能工協会の活動を応援し、職人の地位向上と建設業界のさらなるDX・技術継承を支援してまいります。

>>ゆうき総業株式会社さまのお取り組みについて、下記リンクよりご覧いただけます。

一般社団法人日本多能工協会
URLhttps://tanoukou-skill.com/
代表者代表理事 結城 伸太郎
設立2023年
本社山形県上山市阿弥陀地568番地
執筆:山内美南
デザイン:岩佐謙太朗

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