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ANDPADの利用状況をデジタルにスコアリングし、ANDPADを最も使っているユーザーを称賛するANDPAD AWARDのユーザー部門。今回は、ANDPADのベーシックな機能を総合的に最も活用したユーザーを称える「総合賞」において全国第1位を受賞した、有限会社狩野木材 岩間弘至さんにお話を伺った。
岐阜県郡上市に本社を置く有限会社狩野木材は、林業事業者として創業した会社だ。現在は、分譲住宅や注文住宅、店舗などの外装工事を手がける専門工事会社へと事業を拡大し、業績を伸ばしている。建築板金工事から窯業系サイディング工事まで幅広く手がけており、大手ハウスメーカーや地域工務店からの信頼も厚い。
同社がANDPADを導入したのは2018年。業界内でもいち早くANDPADの施工管理機能の運用を開始しており、社内全体・協力会社間での活用度が非常に高い。総合賞1位を受賞した岩間さんは、2023年に中途で入社して初めてANDPADに触れたにもかかわらず、1年程度で使いこなし、右肩上がりで増え続ける案件に対応している。
今回のインタビューには、同社で番頭を務める横山さんにも同席をしていただいた。横山さんも全国でトップクラスのANDPADユーザーだ。
直近2年で売上を2倍にしている同社だが、岩間さん・横山さんをはじめ、同社のみなさんは、ほぼ残業をせずに業務に対応している。本記事では、生産性の高い少数精鋭の組織に、ANDPADがいかに貢献しているのかを紐解いていく。前編では、同社が手がける外装工事の詳細や社風について、詳しくお話を伺った。

岐阜県・愛知県を中心に、外装工事・建築板金工事に携わる地域密着企業
──ANDPAD AWARD2026 ユーザー部門「総合賞」全国1位の受賞、おめでとうございます! 受賞の連絡を受けたときはどのようなお気持ちでしたか?
岩間さん: 「え、なんで私が1位なんだろう」と思いました(笑)。「そんなに利用していたんだ」と驚いたのが正直なところです。前職ではFAXやメールでのやり取りが当たり前だったので、狩野木材に入社して初めてANDPADのようなツールに触れたのですが、今ではもう、ANDPADなしでは仕事が回らないですね。

有限会社狩野木材 一宮支店 建装部 主任 岩間弘至さん
──では、ANDPADに関わるお話を伺う前に、まず貴社の事業内容について教えていただけますか?
岩間さん: 当社は、もともと木材加工業を営む林業事業者として創業しました。ただ、社名には「木材」と入っていますが、今は材木業はほぼ行っていません。現在は、外装工事や建築板金加工の専門工事会社として、屋根や外壁、雨樋、配管などの工事を請け負っています。
社員数は10名で、そのうち4名がベトナムからの技能実習生です。私が入社した2023年以降は社員数も増えて案件を受けられるキャパシティが広がっています。売上高は2年前が3億円、昨年度は5億円、今年度は6億円へ拡大しています。
──ここ数年間で大幅に業績を伸ばしていらっしゃるのですね! そのなかで岩間さんと横山さんは貴社でどのような業務を担当されているのでしょうか? 工事内容や件数も教えていただけると嬉しいです。
岩間さん: 私は、愛知県の一宮支店に勤務しており、外装工事の営業活動から元請企業のお客様との打ち合わせ、見積り・発注業務、現場管理までトータルに担当しています。お客様はハウスメーカー様が中心で、新築分譲住宅の現場をお任せいただくことが多いです。取り扱うのはサイディングから板金まで幅広いですが、ひとりの番頭が一貫して対応するのが、当社のスタイルです。
私が同時並行で受け持っているのは月20案件程度です。ただ、当社は屋根・外壁・雨樋を一式で工事を受注するケースが多いので、工事件数としては「20現場×3つの工事=60件」になります。約60件を同時に管理するため、現在は補助スタッフの力も借りて2名体制で業務にあたっています。

横山さん: 私は、郡上市にある本社に勤務しており、岩間さんと同じく番頭を務めています。主に担当しているのは、窯業外壁工事と板金工事の営業活動、施工管理です。本社周辺は一宮支店よりも分譲住宅の割合は少なく、注文住宅や外壁リフォームの案件が多いです。注文住宅は分譲住宅よりも手間がかかりますので、担当しているのは月10〜15現場です。
岐阜本社と一宮支店までの移動は車で1時間ほどです。名古屋市や清須市など、岩間さんのほうが近い案件もありますが、ハウスメーカーさんや工務店さんとの関係性によっては多少遠方でも私が担当しています。
勤務地が違うので岩間さんと顔を合わせる機会は少ないですが、協力会社さんや職人さんの差配についてよく電話で打ち合わせをしています。

有限会社狩野木材 岐阜本社 建装部 番頭 横山三成さん。横山さんは、製造業を経て建築業に入り、2015年より窯業外壁工事の施工管理と営業に従事。2024年2月に狩野木材へ転職した。同社の狩野社長とは幼なじみの間柄だという。
加工場、配送業者、問屋、協力会社――番頭として関係者間の連携・調整を担う
──郡上市の本社には板金加工場もあると伺っています。どんな加工をされているのでしょうか?
横山さん: 本社の加工場では、切断加工や曲げ加工のできる専用機械を使って、屋根や外壁に使用する金属を加工しています。加工にあたって重要視しているのが、現場での採寸です。図面上の数値に合わせて部材をカットしても、実寸が異なると部材のサイズが合わず工事が進みませんし、現地で資材をカットするのは手間も時間もかかる上、ゴミも出てしまいます。ですから、必ず現場で寸法を測り、資材をカットしてから現場へ配送しています。サイディングボードも同様です。事前に現場で採寸をし、加工機械に数値データを入力してカットしてから現場に搬入しています。そうすると、現場での収まりが良く、仕上がりも綺麗になります。
余った端材は、外壁や屋根の角を覆うコーナー部や接合部の部材に加工しています。同一品番での発注が来た際に再利用できるように、在庫管理システムで資材や部材の管理をしています。資材を無駄なく使うための取り組みです。

──現場の施工に加え、資材加工や配送も管理されているのですね。工程管理が非常に複雑なのではないでしょうか?
横山さん: そうですね。例えば、お客様から10日間〜2週間で工期を設定されたら、工事の開始時期に合わせて現場に資材を届けられるように、現地での採寸や加工の予定を組んでいきます。名古屋市内の市街地の場合、資材置き場が確保できない狭小地もあるので、ベストなタイミングで資材を届けられるように、問屋さんや加工場、配送担当者と常に連携をしながら進めていきます。ただ、天候が悪くなると建て方がずれてしまうので調整には苦労しますね。

岩間さん: 当社では、屋根材や外壁材をクレーンで吊り上げて搬入するのですが、その作業に必要な積載型トラッククレーンを操作できるドライバーさんが減っており、1カ月前には手配しないと間に合わなくなっています。積載型トラッククレーンがどうしても間に合わないときは職人を大勢集めて手で上げることになってしまうので、工程の調整は非常に重要です。
横山さん: 最近は省エネ適合性判定適用のために確認申請が複雑化しており、お客様側の都合で工期がずれる場合もあります。ですから、常に工程表をチェックしながら段取りをしています。
──おふたりは現場に行くこともあるのでしょうか?
横山さん: 「ムダな時間を減らして業務を効率化しよう」と社長が掲げていることもあって、移動時間を削減するためにも極力現場には行かないようにしています。当社での加工が必要がない資材は問屋さんから直接現場へ配送してもらっていますし、加工場からの配送もドライバーにお願いしています。
とはいえ、人手が足りないときには、荷下ろしの手伝いや配達、片付け・残材処理に向かいます。その際は、ひとつの用事を済ませるために出かけるのではなく、複数の現場の用事をまとめて対応できるように予定を組んでいます。郡上市から名古屋市までは1時間程度かかるので、移動時間の人件費と交通費の無駄を省き、効率良く動けるようにしています。

──狩野社長は、業務効率化に対する意識を持たれていて、みなさんにもその考えを共有していらっしゃるのですね。
岩間さん: そうですね。社長はANDPADの横断工程表を活用して、本社と一宮支店の案件数がどのぐらいか、資材や職人さんがどのように動いているかを把握しています。
当社の社長はもともと板金職人なので、現場第一なんです。社長として営業活動もしますが、現場管理にも入りますし、ときには現場で板金貼りの作業もしています。遠方の現場や工期が迫っている現場にも積極的に応援に行ってくれるので頼もしいです。

──おふたりは、普段のお仕事のなかでどんなときにやりがいを感じますか?
岩間さん: 自分が組んだ段取りに沿って工事が滞りなく進み、最終的にお客様に喜んでいただけるのが一番うれしいですね。ただ、予期せぬ不備や問題が起きたとしても、それを自分で解決できれば経験値も上がり、自分の成長につながるとは思っています。
横山さん: 現場から「資材が足りない」「人が来ない」といった電話が来ず、現場に一度も足を運ばずに工事が完了できるのが理想だと思っています。ですから、何も起こらずに工事を完了できたときには、事前準備と段取りが良かったと実感できますね。

職人を大切にするためにも、ANDPADによって売上拡大と業務効率化を両立
──1日のスケジュールも教えていただけますか?
横山さん: 7時半始業、2時間の休憩、17時半終業の8時間勤務が基本です。職人さんたちに合わせて朝早くから仕事を始めて、何かあったときにすぐに対応ができるように出勤時間を早めに設定しています。
──コロナ禍以降、建築資材の価格は高止まりし、職人さんの不足も深刻化しています。おふたりは現在の状況をどのように考えていらっしゃいますか?
岩間さん: 材料費の値上がりにともなって工事費は多少上がりましたが、本当に微々たるものです。近隣に迷惑がかからないように工事を進めたり、品質を保つために手間をかけている部分の費用はなかなか価格に反映されないのが現状です。
横山さん: 「価格転嫁によって住宅の販売価格が上がるとエンドユーザーが購入してくれなくなる」といった事情も理解できます。ただ、材料費の増加分を請求できないと、最終的にしわ寄せが職人さんにいってしまうのが業界全体の問題だと思っています。
職人さんを大事にしなければ、いいものはできないと考えています。生活が苦しくなって職人さんが仕事を辞めてしまったら、家が建たなくなります。特に、建築板金工事の職人さんはどんどん減っていますし、若者のなり手も少ないです。専門性が高いため参入障壁が高く、ほかの業者にも簡単にはお願いができません。
建築業を今後も維持していくためには、職人さんが技術に見合った適正な報酬が得られるようにしなければなりません。当社では、受注棟数を増やすことが職人さんの利益確保にもつながると考え、業務のムダを省いて効率良く仕事を進められるように、デジタルツールを積極的に活用しています。

──貴社がANDPADの運用を徹底している背景には、職人さんへの想いがあるのですね。
岩間さん: 当社では、2018年からANDPADを利用して現場管理に取り組んでいます。2024年にはANDPAD受発注も導入し、請求にかかる手間の削減とペーパーレス化を進め、現在では約半数の協力会社さんがオンラインでの受発注に対応してくれています。
受注棟数は増加しており、売上も伸びていますが、私たちも職人さんも無理をして働いているわけではありません。おおむね18時には仕事が終わりますし、遅くても19時には退社できていて、前職よりも帰宅時間は早くなっています。ANDPADのおかげで、私たちも残業をほぼせずに業務が進められています。



同社が手がける外装工事は、前工程や天候の影響を受けやすく、工事に用いる部材の事前加工も必要になるため工程管理が複雑になりやすい。だからこそ、岩間さんや横山さんは、ANDPADをフル活用して現場管理や受発注、職人とのやりとりを行い、手間とムダを最大限に抑えている。
また、希少な技術を持つ職人がより良い環境・報酬で働けるようにと、業務効率化を進めながら試行錯誤を続けている。後編では、少数精鋭の組織である同社が、どのようにANDPADを運用し、高い生産性を維持しているのか、その具体的な手法に迫っていく。
| URL | https://www.kensetumap.com/company/277507/ |
|---|---|
| 代表者 | 代表取締役社長 狩野 竜也 |
| 設立 | 1985年7月 |
| 本社 | 岐阜県郡上市白鳥町中西697 |











