ANDPADの利用状況をデジタルにスコアリングし、ANDPADを最も使っているユーザーを称賛するANDPAD AWARDのユーザー部門。本記事では、「ベストボードユーザー賞」1位を受賞した、テックジャパン株式会社 専務取締役 大迫 健太さんにお話を伺った。
埼玉県に本社を置くテックジャパンは、2017年に大迫さんの弟御である大迫雅木さんが創業し、エアコン設置・販売をメイン事業とする。その後、配送事業や一般消費者向けの引越し事業へも事業を拡大し、目覚ましい成長を遂げた。社員職人を抱えることを強みとし、繁忙期には1日50件を超える案件をこなす。
今回ベストボードユーザー賞を受賞した大迫さんは、取引先の電気・設備機器会社からANDPADへ招待された社外ユーザーである。ANDPADボードを巧みに使いこなし、チーム全体での情報共有や案件情報の蓄積に活用している。ANDPADボードによる情報共有と案件情報の蓄積は、同社の業務に大きな良い変化をもたらしたと話す。
この記事は、多くの現場を抱え、職人の稼働管理の効率化に課題を持つ企業や、すでにANDPADボードを導入しているものの、社内外での利用定着に悩む人々にとって、大いに参考になるはずだ。
エアコン設置工事をメインに事業を拡大し、創業から7年あまりでグループ4社を運営
──ANDPAD AWARD 2025 ユーザー部門「ベストボードユーザー賞」全国1位の受賞、おめでとうございます! はじめに、貴社の事業について教えてください。
大迫さん: 当社は2017年に、社長である私の弟がエアコン設置工事会社として創業しました。2019年に社名を「テックジャパン」に変更し、現在はエアコンの設置・販売・クリーニングを主力事業に据えつつ、配送や引越し事業にも展開を広げています。
社員数は77名で、そのうち5名がエアコン取り付けを行う職人です。社用車も5台保有していますが、協力会社さんを含めると常時10〜12台の車両が稼働しており、そのうち8〜9割が常に動いている状況です。
エアコン設置工事は、通常時で1日あたり平均15件ほど請け負っていますが、繁忙期となる5月から9月にはその数が一気に跳ね上がり、1日50件もの依頼に対応します。この期間は、5名の社員職人がフル稼働。工事の内訳は、新築への設置が7割、既存の交換工事が3割を占めます。繁忙期には、職人たちは新築と交換工事に分かれ、それぞれ1人で4〜5件の現場を回る多忙な日々を送っています。

テックジャパン株式会社 専務取締役 大迫 健太さん
大迫さん: 主なお取引先は、電気・設備会社さんや家電量販店さん、リフォーム会社さんです。特に家電量販店さんからのエアコン交換工事は電気工事を伴いますので、社員職人のほとんどが第二種電気工事士の資格を保有しています。これにより幅広いニーズの工事に対応できる体制を整えているのが、当社の強みですね。
このようにBtoBの工事請負が中心なのですが、最近は一般消費者向けのエアコン販売サイトも立ち上げて、BtoC事業の展開にも力を入れ始めているところです。
──大迫さんは、どういう経緯で貴社に入社されたのですか?
大迫さん: 実は、入社する前は私自身、エアコン設置工事の職人だったんですよ。約20年間、ずっと現場作業が中心でした。弊社に入社直後は私も現場に出ていましたが、2021年に専務取締役に就任しました。
──20年という長い経験と技術を持っていらっしゃるのですね。職人から専務取締役になられて、業務内容は変わりましたか?
大迫さん: 専務になってからは、業務内容が大きく変わりましたね。今は、現場調査やお取引先との打ち合わせ、あとは新規のお取引先の開拓など、会社の営業全般を私が担うようになりました。現場に直接行くことはなくなりましたが、職人の手配や配置、工事内容の最終確認などは、私が統括する形で関わっています。
──現在の本社は高速道路から近く、車のアクセスが非常に良い立地ですね。最近移転されたとお聞きしました。
大迫さん: 今の本社には2年前に引っ越してきたんです。1階にテックジャパンが、そして2階にはグループ会社のテックジャパンロジが入っています。どちらの会社も代表は同じなんです。テックジャパンは住宅設備工事をメイン事業としていますが、テックジャパンロジは、家電量販店さんなどからご依頼いただいた家電の配送を主な事業としています。
──広い倉庫もお持ちですね。
大迫さん: おかげさまで、事業が大きくなるにつれて以前の本社では倉庫が足りなくなってしまって。この新しい本社には広い倉庫も併設しているんです。この倉庫には、電気・設備会社さんや家電量販店さんから納品されたエアコン製品や工事に使う資材などを一時的に保管しています。そして、工事日になったら職人が直接配送車に積み込んで、現場へ運ぶ流れになっています。
──現場へ効率よく配送する体制も構築し、2017年の創業から7年あまり、売上を順調に伸ばしていらっしゃるんですね。
大迫さん: そうですね。おかげさまで、2023年にはエアコン設置工事で4億円弱の売上がありました。グループ会社全体では約10億円になりますね。テックジャパンとテックジャパンロジ以外にも、車の板金修理や電気メーターの交換・設置などを行うグループ会社を設立しており、現在、グループ会社は全部で4社となっています。
取引先との信頼関係を深め、数多い工事をANDPADボードで効率化
──改めて、この度は受賞おめでとうございます。取引先であるミューハウスエンジニアリング様がANDPADボードを導入いただき、大迫さんは同社の招待のもと社外ユーザーとして活用いただいています。今回、ANDPADを最も使っているユーザーに選ばれましたが、受賞されたご感想をいただけますか?
大迫さん: アンドパッドさんから電話で受賞の連絡をいただいたときは、すごくびっくりしました。長くお取引させていただいているミューハウスエンジニアリング様の環境のもと、2022年からANDPADボードを利用し始めましたが、先方ご担当者様にも喜んでいただけたことが何よりです。ANDPAD AWARD 2025の授賞式には、ご担当者様と一緒に参加させていただきます。

ANDPAD AWARD 2025授賞式での様子
──貴社で請け負うエアコン設置工事のうち、ANDPADボードを活用しているのは何割ぐらいでしょうか?
大迫さん: 7割ぐらいですね。ANDPADボードを活用しているのは、ミューハウスエンジニアリング様からご依頼いただいた新築への設置工事になります。ミューハウスエンジニアリング様とは2020年からお取引が始まったのですが、その際、私は1年間出向していました。職人だった経験を生かし、技術営業のような役割で流通商社様の営業先である住宅会社様の現調に行ったり見積もりを作成したりしました。そうして実績を重ね、信頼関係を築いた結果、ありがたいことに現在では売上の約7割を占めるほどご依頼が増えています。
──大迫さんご自身がお取引先に出向し、長く続く良好な関係を築かれたのですね。そのお取引先がANDPADボードを導入したことで、貴社の業務への影響は大きかったのではないでしょうか?
大迫さん: 新しいツールが導入されたことによる混乱は特にありませんでしたし、むしろ良い意味での影響がたくさんありました。ANDPADボードが導入されてからは、工事に関する情報共有がすべてANDPADボードに集約されるようになったんです。以前はメールや電話でのやり取りがメインだった確認作業の負担が減りました。
また、当社の休日はこれまで不定休だったのですが、ミューハウスエンジニアリング様とのお取引が増えたのを機に、先方の定休日に合わせて日曜日を休みにしました。さらに、ANDPADボードで工事関係者との連携が円滑になったおかげで、以前に比べて、会社全体で休みやすくなったと感じています。
大迫さん: 以前は不定休だったので、子どもと土日に遊ぶということができませんでした。私個人としても日曜休みになったことで、家族と過ごす時間が増えて本当によかったなと思います。
──日曜日は職人さんもお休みなのでしょうか?
大迫さん: 社員職人も日曜は定休日で、他の曜日はシフト制にしています。お客様は土日休みが多く、どうしても工事は土日に多くなりがちなので、そこは協力会社さん含め柔軟に対応してもらっています。また、事務所ではシフト制で事務員が休日対応しています。
このような状況下でも、ANDPADボードに工事情報が一元化されているおかげで、事務員も私自身も、出社しているか否かにかかわらず、必要な情報にリアルタイムでアクセスし、状況確認や適切な指示出しが可能になっています。
突発的な確認事項が発生した場合でも、ANDPADボード上で連携を取り、必要に応じて電話等で補完することで、現場の状況を把握し、対応できる体制を構築しています。
──ANDPADが確認業務の効率化や働きやすさ向上のお役に立てているようでうれしく思います。
大迫さん: そうですね。ほかのお取引先もANDPADボードを使ってくれたら、当社としてはすごくやりやすいですし、きっとお取引先の業務も効率化されると思いますね。
近年続く猛暑によって、エアコンは私たちの暮らしに欠かせないものとなり、その設置工事は緊急を要する場合がほとんどだ。また、一般家庭への設置工事が多くを占める中、お客様が在宅している土日での工事が多いため、社員の労働環境の整備と協力会社との連携は欠かせない。そのような状況下で、テックジャパンでは、取引先との円滑な情報共有によって数多くの工事を効率的にこなし、さらに社員が休みやすい環境を構築した。
後編では、ANDPADボードをどのように活用し、具体的な成果を上げているのか、詳しく紹介していく。
URL | https://tj-techjapan.co.jp/ |
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代表者 | 代表取締役 大迫雅木 |
設立 | 2017年 |
所在地 | 埼玉県入間郡三芳町上富197-2 |