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能登半島地震公費解体事業完遂。能登の未来を切り拓いた2年間の軌跡

「株式会社宗重商店公費解体慰労会」レポート

目次

  1. 【主催者挨拶】復興の使命を胸に走り抜けた2年間
  2. 【来賓挨拶】町民の心に寄り添った迅速な支援への感謝
  3. 【乾杯】現場を支え抜いた仲間への敬意
  4. 【映像放映・功労表彰】激闘の記録と、プロジェクトを支えた「現場の力」
  5. 次なる未来へ、チームの絆を繋ぐ
  6. 能登の復興は、確かな信頼関係とともに

2026年4月11日、金沢市のホテル金沢において、令和6年能登半島地震に伴う公費解体事業の完了についてご尽力された方々を労った「株式会社宗重商店 公費解体慰労会」が開催されました。

本会は、令和6年能登半島地震における公費解体事業の完了にあたり、多大なる尽力を賜った関連企業の皆様へ、深い感謝と慰労の意を伝えるために株式会社宗重商店が企画しました。

2024年1月1日の発災以来、石川県内では甚大な建物被害が発生し、多くの人々が住まいを失いました。石川県は「2025年10月末までの解体完了」を目指す一大プロジェクトを決定し、その中で穴水町のブロック長を担ったのが、石川県内トップクラスの実績を持つ宗重商店です。

同社は「被災された皆様に寄り添った解体工事をおこなう」をモットーに掲げ、全国から集結した協力会社さんとともに、ANDPADを活用した徹底的な情報管理を実行。現場作業員への個室ユニットハウス提供や温かい食事の支給など、住環境の整備にも力を尽くしました。その結果、穴水町は2025年10月末時点で被災6市町のなかで唯一、すべての公費解体を完了させ、合計2,742棟の工事を完遂させました。

当日は、未曾有の災害から1日も早い復旧・復興を目指し、最前線で戦い抜いた協力会社さん、現場マネージャーの皆様、行政の方々が一堂に会しました。弊社も公費解体事業の完了に向け関わったDXパートナーとして、ご招待を受け参加いたしました。本レポートでは、日頃の労をねぎらい、これまでの歩みを振り返るとともに地域に根ざした演目で和やかに過ごした、感動的な一夜の様子をお届けします。

【主催者挨拶】復興の使命を胸に走り抜けた2年間

会の冒頭、主催者を代表して株式会社宗重商店代表取締役の宗守重泰さんが登壇しました。石川県内でもトップクラスの進捗率で事業を牽引してきた同社は、全国から集結した協力会社さんに対し、施工品質維持のためにANDPADの利用を絶対条件とするなどの仕組み化を徹底。同時に、職人の住環境整備や被災者に寄り添う「対話」を重視し、圧倒的なスピードと品質を両立させてきました。宗守さんはこの2年間の怒涛の日々を振り返り、関係者への深い感謝を述べました。

株式会社宗重商店 代表取締役 宗守重泰さん

宗守さん: 令和6年から始まり、2年間にわたったこの事業が皆様のご尽力によりようやく一区切りを迎えました。振り返れば、「1日も早い復旧・復興」という使命のもと、日々現場で発生するトラブルや苦労を、全員の協力で乗り越えてきた怒涛の2年間でした。

私自身、石川県構造物解体協会の副会長として毎週のように工程会議に出席してきましたが、他エリアで深刻な事故やトラブルが相次ぐ中、穴水エリアが無事に工期を完了できたことは奇跡に近いと感じています。常にトップの進捗率で目標を達成できたのは、役場、補償コンサルタント、協力会社さん、そして現場で戦い抜いたマネージャー一人ひとりの力があったからこそです。この事業の完了をもって私個人の公約も果たせたことを、大変嬉しく、誇りに思っています。

【来賓挨拶】町民の心に寄り添った迅速な支援への感謝

続いて、穴水町の吉村康貴町長の代理として、環境安全課課長 中島 一成さんが登壇。穴水町役場は、1件あたり数時間に及ぶこともある被災者との日程調整や心のケアを一手に引き受け、事業の円滑な推進を支えてきました。被災直後の混乱から解体事業が町民に与えた安心感、そして異例のスピードで完了したことへの敬意が語られました。

穴水町役場 環境安全課課長 中島 一成さん

中島さん: 町の風景も人々の日常生活も一変し、先行きが見えない不安の中にいた町民にとって、公費解体は「復興への次の一歩」を踏み出すための極めて重要な事業でした。穴水町では計2,742棟が解体対象となりましたが、皆様の迅速かつ丁寧な作業により、昨年末にどこよりも早く事業を完了することができました。

建物の撤去に留まらず、被災された方々の心情に寄り添った温かい対応は、町民の大きな心の支えとなりました。また、企業版ふるさと納税を通じた多大なご支援も、地方創生のために大切に活用させていただきます。

【乾杯】現場を支え抜いた仲間への敬意

乾杯の音頭は、滋賀県から先行チームとしていち早く現場に入った土田建材株式会社代表取締役 土田真也さんが務めました。現場の最前線で苦楽を共にしたからこそ通じ合う、力強い言葉が贈られました。

土田建材株式会社 代表取締役 土田真也さん

乾杯の様子

土田さん: 本日はこのような素晴らしい場を設けていただいた宗守社長、本当にありがとうございます。震災後、精神的にも肉体的にも本当にきつい現場が続きましたが、皆様のご尽力のおかげで1日も早く解体を進めることができました。被災された方々の一日も早い生活再建と、本日お集まりの皆様のさらなる発展を祈念して、乾杯!

【映像放映・功労表彰】激闘の記録と、プロジェクトを支えた「現場の力」

しばしの歓談の後、宗重商店が制作した公費解体事業の記録映像が放映されました。制作は同社入社2年目の経営管理室中川 葵さんと経営管理室主任 堂平菜央さんが担当。スクリーンには、地震直後の現場の様子や、過酷な天候の中で作業にあたる職人さんたちの姿、そして少しずつ更地へと戻り街に希望の光が差していく過程が映し出され、会場は静かな感動に包まれました。

宗重商店が作成した公費解体の歩みを振り返る動画。制作を担当したのは同社の中川さんと堂平さん

また、公費解体事業を支えた穴水町職員や協力会社の方々からの声も動画内で届けていました。その一部を抜粋いたします。

穴水町職員(青森県より派遣): 公費解体の実施件数が増えていくにしたがって、住民の方からの電話があって、隣の家の公費解体でうちの家のどこどこが壊されたなどの苦情や相談に対応するのが大変でした。ただ、宗重商店の社員さんをはじめとする解体業者の皆さんが住民の皆さまの気持ちに寄り添っていただく姿勢だったので、穴水町と宗重商店が連携しながら住民要望に誠実に向き合うことが出来たのではないかと思います。深刻なトラブルに発展する前に解決していただいた宗重商店、協力会社の皆さまには本当に感謝しています。また、月に一度の仮置場周辺の清掃活動においては、最初の頃はゴミの量が多くて大変でしたが、宗重商店は毎回積極的に参加いただき、特に中祢さんが張り切って嬉しそうにゴミ拾いしている様子にいつも元気をもらっていました。

穴水町職員(鹿児島県より派遣): 一番苦労したのは言葉の壁です。公費解体の受付を担当しておりましたが、申請者の方言やイントネーションをうまく聞き取れずに、何度も聞き返してしまい、嫌な思いをさせてしまいました。ただ、私も鹿児島の方言がありますので、説明のときに申請者に何度も聞き返されていました。

株式会社リバイブ 平沼佑基さん

株式会社リバイブ 平沼さん: 現地に初めて行ったのは震災明けの3月。里山海道の土砂崩れや道路の寸断などの状況や、現地入りして初めて携わる現場を目にして、これは大変なことになっているなと実感しました。

シンエイ興産株式会社 齋藤篤さん

シンエイ興産株式会社 齋藤さん: 宿舎の問題が一番苦労しました。というのも、当社と当社の下請け含めてピーク時で50人程度が穴水町に入らせていただいたのですが、いろんな職人さんがいらっしゃったので、マナーやモラルをわかってもらえるまでに時間が掛かった部分がありました。自分も何度も何度も繰り返し伝え続け、自らも率先して動くようにし、みなさんがついてきてくれるようになったのがとても印象に残っています。

宗重商店では、日々の業務管理にANDPADをご活用いただいています。公費解体に取り組んだ際も、ANDPADを活用し、最大82班(約345人)の業務管理を行いました。


映像の余韻が残る中、宗重商店の堂平さんが挨拶に立ちました。堂平さんは金沢の本社から、膨大な行政書類の作成や協力会社さんへの情報発信、支払い管理などを通じて現場を支え続けてきました。

宗重商店 経営管理室主任 堂平菜央さん

堂平さん: 2年前、初めて穴水へ向かった当時は毎日が目まぐるしく、今の状況は想像もできませんでした。このプロジェクトは、現場で奮闘してくれた職人さん、協力会社の皆様、町の皆様、弊社メンバー、誰一人が欠けても成し遂げられなかったと思います。

今日皆様にお願いしたいのは、現場を支えた事務員の方々にも感謝を伝えてほしいということです 。膨大な書類を揃え、後方から支えてくださった方々の力があったからこそ、私たちはチームとして難局を乗り越えることができました。私自身、多くの皆様に支えられ、導いていただいた大切な2年間となりました。本日はこれまでのご尽力を労い合いながら、楽しい時間を過ごせれば幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。


その後、志賀町の太鼓団体「志賀天友太鼓」による力強い演奏が披露され、復興への活気が会場に響き渡りました。

志賀町の太鼓団体「志賀天友太鼓」の皆様。会場内は復興へ向けた力強い音色に包まれました。宗重商店は志賀町の公費解体についても期中より尽力した。

続いて、本事業に多大な貢献をした企業および個人への表彰が行われました。 

■公費解体功労表彰 受賞一覧

  • 企業部門
    • 復興支援功労賞:北川工業株式会社 様
    • 安全功績賞:土田建材株式会社 様
    • 現場力賞:池田合同会社 様
    • チームワーク賞:シンエイ興産株式会社 様
  • 復興功労個人賞
    • 高田秀雄さん(株式会社TMコーポレーション)
    • 山田雅之さん(仙周工業株式会社)
    • 秋田広満さん(北川工業株式会社)
  • 特別功労賞
    • 基盤支援功労賞:株式会社レンタコム・エイシー浜田隆仁さん
    • 事業支援功労賞:株式会社宗重商店 堂平菜央さん

 

公費解体功労表彰を受賞された皆様

基盤支援功労賞を受賞した株式会社レンタコム・エイシー営業部部長 浜田隆仁さんは、ベースキャンプとなった「ふるさと体験村 四季の丘」の宿舎立ち上げを振り返りました。

株式会社レンタコム・エイシー営業部部長 浜田隆仁さん

浜田さん: 当時、200名規模の宿舎を構えると聞いた時は正直驚きました。しかし、宗守社長の熱意に触れ、我々も「何としても復興に携わりたい」と決意しました。協力会社さんも含め一丸となって協力した結果、地域で最も早く復旧作業を開始する基盤を作れたことを誇りに思います。

公費解体の円滑な推進を支えた石川県穴水町地域整備課課長補佐 濵中誠さん(左)と宗重商店堂平さん。

次なる未来へ、チームの絆を繋ぐ

会の最後を締めくくったのは、協力会のリーダーとして模範を示し続けた株式会社エイキCEO 木村貴之さんです。

株式会社エイキ CEO 木村貴之さん

木村さん: 今回、全国各地から多くの仲間が駆けつけてくれました。皆で話し合い、率先して動く中で作り上げたこのチーム力は私たちの財産です。いつか別の地域で我々の力が必要になった時、このチームでまた助けに行けることがあれば、それはとても素晴らしいことだと思います。

能登の復興は、確かな信頼関係とともに

2年にわたる公費解体事業の完遂は、工事の完了だけではなく、能登の新しい未来を作るための土台が整ったことを意味します。記録映像に刻まれた苦闘の日々と、それを乗り越えた現場の職人さん、各社社員、リーダーたちの強い絆。このチームの力が、驚異的なスピードでの事業完了を成し遂げました。

アンドパッドは、地域、自治体、被災者、協力会社さん、社員のすべてに寄り添う「五方良し」の災害復旧モデルを確立した宗重商店の皆様のお取り組みを支援させていただけたことを光栄に思います。

このような建設業界の熱い想いと良い仕事を、これからもご支援させていただきたいと改めて強く感じた一日でした。

株式会社宗重商店
URLhttps://munejyu-kaitai.com/
代表者代表取締役 宗守 重泰
創業1939年
本社石川県金沢市畝田西1丁目112番地
取材・編集: 平賀豊麻、齋藤夏美
執筆: 齋藤夏美
デザイン: 岩佐謙太朗
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