ANDPADの利用状況をデジタルにスコアリングし、ANDPADを最も使っているユーザーを称賛するANDPAD AWARDのユーザー部門。今回は、2024年の1年間を通して、ANDPAD検査を活用し、最も現場の品質向上に向けて取り組まれたユーザーを称える「ベスト検査ユーザー賞」において、第2位を受賞した株式会社奥松建設 工務主任の森田幸博さんにお話を伺った。
株式会社奥松建設は、九州エリア(熊本、福岡、大分、宮崎)を中心にRC造や木造など多様な建築を手がける総合建設業だ。主に一棟請けを中心に、企業の事務所や倉庫、注文住宅の工事を請け負うほか、とび・土木や舗装工事も手広く手がけている。
事業の約7割を占めるのが、アパート建築および賃貸管理を手がける株式会社レオパレス21との新築工事やメンテナンス工事。このやりとりの中で、奥松建設はレオパレス21が設定したANDPAD検査のテンプレートに沿って施工後の自主検査を実施し、品質管理に努めている。
残りの3割の事業として、宮崎県内での戸建て住宅の工事も行っている。また、レオパレス21も含むオーナー向けの建物の定期点検業務も手広く行っており、年間約1500棟の点検を実施。
今回お話を伺った森田さんは、ANDPAD検査を通じて元請企業と強固なパートナーシップを築き、是正箇所が見つかっても迅速に対応することで、工期の長期化を招くことなく、現場を止めない品質管理を実現した。本記事では、レオパレス21がつくりあげた検査項目をもとに、森田さんがANDPAD検査を活用して現場管理体制をどのように整えていったのか、職人の稼働を止めないための独自の工程管理術など、現場を円滑に進めるための具体的な工夫を紹介する。
森田さんの仕事への向き合い方は、品質管理やチーム連携に悩む方々、特に元請企業の品質管理の変化に対応したい協力会社の皆さんや、協力会社との検査体制構築に課題を持つ元請企業の皆さんにとって、きっと解決のヒントとなるはずだ。
幅広い事業展開と長年培われた確かな技術
──「ベスト検査ユーザー賞」全国第2位の受賞、おめでとうございます!はじめに、貴社の事業内容について教えていただけますか?
森田さん: 当社は、九州エリアを中心にRC造や木造など多様な建築を手がける総合建設業です。主に一棟請けが中心で、企業の事務所や倉庫の工事を多く手がけています。建築事業だけでなく、とび・土木や舗装工事も手広く手がけております。
──幅広い工事を行う対応力が貴社の強みなのですね! 組織体制についてもお聞かせください。
森田さん: 組織体制としては「工務」のみで、熊本、福岡、大分、宮崎にそれぞれ2名ずつ、計8名の社員が配置されています。私は熊本担当の現場監督ですが、大分や福岡の物件を担当することもあります。

株式会社奥松建設 工務主任の森田幸博さん
──現在の森田さんのお仕事内容の詳細を教えてください。
森田さん: これまでは営繕工事を主に担当していましたが、昨年の6月からは、新築工事の現場監督も担当しています。ANDPADは、新築施工時の自主検査の際に利用しており、品質管理を徹底するために本当に役立っています。
レオパレス21様は品質管理をとても重視されており、検査を通らないと次の工程に進めません。検査起因で工程が遅延すれば、当社の協力会社の職人さんの稼働や入金・支払いに影響を及ぼしかねませんので、プロセスごとの品質管理には常にスピード感と注意力を持って取り組んでいます。
「曖昧にしない」品質管理への強い責任感
──協力会社への影響も加味しながらスピード感を持って品質に向き合われていて、素晴らしいです。お仕事をする上で、森田さんが特に大切にされていることを教えてください。
森田さん: 一番大切にしているのは「曖昧にしない」ことです。これは、施工の仕上がりとして、どういう状態が「正解」で、何が「不正解」なのかを明確にするということでもあります。曖昧なままにしておくと、万が一、是正指示を受けた際に、正しく施工しているはずなのに不当な手直しをしなければならなくなる可能性も出てきてしまいます。請負関係として対等に仕事を進めるためにも、事前に曖昧な箇所をなくしておくことを重要視しています。
例えば、図面と現場でズレが生じることがありますが、曖昧なままにせず、元請企業様と相談しながら業務内容を明確にするように心がけています。後から聞かれた時に、はっきりと答えられるように、疑問点は必ず解消してから仕事を進めています。
また、検査項目の内容と意図を事前にしっかり理解することも大切です。元請企業様が何を確認したいのかを把握するために、ANDPAD検査の項目にあるサンプル写真を参考にしながら必要な写真を撮るようにしています。
当社が最初にANDPAD検査を使い始めたのは、元請企業様においても2例目の現場でした。品質管理体制を構築する中で、不明点は担当者に事前に確認し、現場での検査がスムーズに進むように準備していますね。徹底した検査を行うことが、最終的にお客様の喜ぶ建物の完成に繋がると考えているからです。
──各検査業務を深く理解し、事前準備を徹底されている森田さんは、まさにプロフェッショナルですね!日々の業務の延長線上でのご活躍が評価され、今回「ベスト検査ユーザー賞」を受賞されました。改めて、どのようなお気持ちでしょうか?
森田さん: ありがとうございます。正直なところ、自分がANDPAD検査をそんなに使いこなしているイメージはなかったので、なぜ表彰されたのか、最初はピンと来ませんでした。
招待元のレオパレス21様でANDPAD検査の項目の設定にきめ細かく対応されている担当者様の方が、私よりも相応しいんじゃないかと感じています。
──ご自身のお取り組みを謙虚に捉えていらっしゃるのですね。森田さんのお話しから、レオパレス21様との間にうかがえるお互いへの尊敬の気持ちと良好な関係性が伝わってきます。
前編では、奥松建設の事業内容や組織体制、そして森田さんの仕事への熱い想いを伺った。元請企業との長年にわたる取引の中で、迅速な是正対応を心がける森田さんの仕事への真摯な向き合い方が、揺るぎない信頼関係を築き上げてきたことが伝わる。
後編では、その信頼関係をより強固なものにする上で、ANDPADがどのように介在したのかに迫る。職人の稼働を止めない独自の工程管理術など、森田さんの仕事の流儀をさらに深掘りする。

(左から)株式会社奥松建設の森田幸博さんと代表の奥松和憲さん
URL | https://www.kensetumap.com/company/493674/ |
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代表者 | 奥松和憲 |
創業 | 1985年 |
本社 | 宮崎県宮崎市大字塩路2860-6 |