エクステリア専門の流通商社が挑む、デジタルを活用した働きやすい環境づくり / 〜後編〜ANDPADボードで職方の稼働管理のブラックボックス化を解消!

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阿部 孝志氏
株式会社共立 専務取締役
同社のグループ会社に入社。事業領域をエクステリアに集約する際に1989年同社に転籍。営業などさまざまな業務を経て現在に至る。

堀切 壮作氏
株式会社共立 福岡営業所 営業部長
大学卒業後、3年間の放浪後に医療系の会社に入社し、7年間勤務。2005年同社に中途入社。鹿児島営業所の営業、鹿児島営業所長を経て、現職。

坂元 慎二氏
株式会社共立 福岡営業所 営業課長
塾講師を経て、1995年同社に中途入社。北九州営業所の配送業務を担当後、営業に配属。その後、北九州営業所所長、長崎営業所所長、北九州営業所係長、福岡営業所業務課長を経験し、現職。ANDPAD導入にあたりサブリーダーとして活躍。

彌永 江美氏
株式会社共立 営業本部
東京で住宅メーカーに勤務後、結婚を機に福岡の家具通販会社へ転職。2017年同社に中途入社。社長・専務のサポート業務を担当し、現在はシステム管理も行う。



九州エリアでエクステリア関連商材の卸売り販売から施工までを行う企業として、エリアトップクラスの業績を誇る株式会社共立。人間性を重視した住まいの環境づくりにとどまらず、地域文化を尊重し自然を大切にした街づくり、都市づくりに尽力し、広く「生活環境」の創造に向けた仕事を通して「Landscape(造園)からLifescape(生活環境創造)へ」と挑戦を続けている。

同社は、職方の稼働管理の見える化のために2021年ANDPADボードを導入した。今回は、ANDPADボードの導入及び運用面に関わる4名にインタビューを実施。前編では、同社設立の経緯から現在までの歩みと会社としての強み、ホワイトボードでの職方の稼働管理における課題に対してANDPAD導入を決めた理由について紹介した。後編では、ANDPADボード運用浸透までの取り組みや、運用後に生まれた変化について伺った。

アンケートでの職方の満足度が高く、ANDPADボードの運用浸透の追い風に

ホワイトボードによる稼働管理のブラックボックス化の課題を解決するために、ANDPADボードを導入した同社。導入にあたり、社内からは反対する声も多かったという。

阿部さん: 従来のやり方から変えることを嫌がる人が多いので、反対されるのは想定内でした。導入時には「ANDPADボードを使うとこうなっていきますよ」と明確に言葉で伝えていきました。担当のカスタマーサクセスに各地で丁寧に説明会を実施していただき、その場で社員や職方さんの不安要素を払拭できたことはとても良かったですね。

株式会社共立 専務取締役 阿部 孝志氏

坂元さん: ホワイトボードは一瞬で変更できるし、誰がいつどこに入るというのがひと目でわかります。昔から使い慣れていたところもあるので、最初はANDPADボードに切り替えることに抵抗がありました。しかし、「これでやるんだ!」という覚悟の上、サブリーダーとして運用浸透に向けて取り組みました。

そのなかで、仕事の段取りには最適な商品だと気づきました。この業界における仕事は全て段取りと言ってもいいくらい大切なこと。地図、図面、商材、担当者、注意事項などの細かい情報をANDPADボードに全て入れておけば、職方さんはいつでもどこでもその情報にアクセスすることができます。ANDPADボードへしっかりと入力をしておけば、あとは常に気にかけずとも現場が進行していくと言っても過言ではありません。

株式会社共立 福岡営業所 営業課長 坂元 慎二氏

彌永さん: 入力状況はまだ100%ではありませんが、以前よりも使用が浸透してきていると実感しています。運用をスタートさせてから半年間はタイミングごとにチェックして、情報が入っていなければその都度営業所に対して「この案件のこの情報が入っていないようですよ」と連絡するようにしていました。

株式会社共立 営業本部 彌永 江美氏

同社では、ANDPADボードの運用浸透に向けて、導入直後から4ヶ月間、アンドパッド担当者も含めて毎月「ANDPADボード会議」を開催。各拠点の責任者と擦り合わせながら、できていること、できていないことを確認した上で、運用ルールの見直しを行った。現状は、職方に対して完工後の報告とともに写真3カットを提出してもらう運用になっている。

そして、ANDPADボード導入後半年ほど経ったタイミングで、さらなる運用浸透に向けて職方に対するアンケートを実施。利用状況や満足度についてヒアリングを行った。

彌永さん: ANDPADボード会議は、拠点ごとの利用率や、使えていない理由に対してどうすれば使えるようになるのか、といった改善に向けた意見を出し合う場となっていました。

しかし、次第にANDPADボード会議でみんなが言っていることや困りごとがマンネリ化してきているように感じていて、ミーティングで話し合った内容が社員や職方さんにちゃんと伝わっていないかもしれないと思い、こちらから職方さんに働きかけられないかということで、アンドパッドの担当者さんからの提案でアンケートを実施することになり、坂元さんがアンケートを作成してくれました。

もともと、営業からの報告では、職方さんから「ANDPADボードをあまり使いたくない」「紙での資料共有が良かった」というように、ANDPADボードに対する消極的な意見が多く挙げられていました。しかし、実際にアンケートを取って使い方の理解度や満足度を確認してみると、職方さんの満足度が高いことが分かりました。私自身は基本的に職方さんと直接会話する機会はありませんが、アンケートを取ったことでANDPADボードが受け入れられていると把握することができました。

坂元さん: アンケートを取ったことで「職方さんはANDPADに前向き。自信をもってやろう!」と、われわれの意識も変わっていきました。今では、職方さんから「ANDPADに情報が入ってないよ」と指摘されることもあるくらいで、われわれは背中を押されています。

当社では拠点ごとのANDPADボードの活用度合いを当社基準で点数化していますが、その点数も以前に比べて上がった拠点が多かったですね。

新しいことを始める際、反発やネガティブな意見はつきものだ。それに対してリスクを取らない動きになりがちなところを、同社は職方へのアンケートというかたちでアクションした。それにより、ANDPADボードの運用に対して実際はポジティブな意見が大半を占めており、逆風だと思っていた大きな反発は、そのもとを辿っていくと実は小さな意見だったことが分かった。そして、職方の前向きな姿勢が追い風となり、ANDPADボードの運用浸透が加速していった。

職方の稼働管理のブラックボックス化が解消され、働きやすい環境に

ANDPADボードでの運用を開始してからは、予定が空いていれば若手社員でも職方の予定を入れやすくなり、稼働管理におけるブラックボックス化の課題は解消傾向にあるという。それによって、社歴に問わず働きやすい環境になってきている。

堀切さん: とはいえ、職方さんによって対応できる工事とできない工事があるといった個別の情報についてはベテラン社員は分かっていても、若手社員には分からないということもあります。基本的には2〜3週間先まで工事が入ってしまっている状況なので、直近の工事の段取りは、若手社員だと苦慮するだろうなと感じることも。

私も鹿児島営業所から福岡営業所にきて、職方さんを割り当てる時に、「その職方さんはテラス囲いはできないよ」「カーポートはできないよ」と同僚に教えてもらい、それぞれの職方さんのスキルを把握するのに苦労しました。それが拠点ごとに異なるので、経験がないと難しいこともあります。特に若手社員は難しさを感じる部分だと思いますね。

株式会社共立 福岡営業所 営業部長  堀切 壮作氏

職方ごとのスキルや施工方法、取り扱うエクステリア商材も幅広く、覚えることが多くあるがゆえに、一定期間以上長く働かないと活躍が難しいのが流通商社の仕事。そんななかで、ANDPADボードの活用によって、職方を長期間確保する慣習の是正など若手社員の働きにくさを少しでも解消できていることは、同社にとって良い兆しとなっている。

稼働が見える化したことで、受注枠を増やして職方にも仕事を振ることができ、自社売上も上げられる土壌ができつつあるという。さらに、営業所によっては災害やコロナを機に受注から着工までのリードタイムを3〜4週間と長めに取るようになり、そのまま習慣化してしまっていたところもあった。それが、ANDPADボードによって他営業所の様子が見えるようになったことで次第に意識が変わり、現在ではリードタイムが2週間程度にまで短縮した。

クレーム対応に先手を打つ。事前共有によって先回りした動きができるように

ANDPADボードを活用するようになってから、ホワイトボードによる稼働管理の課題が解消されただけでなく、商談の進め方やクレーム対応などさまざまな業務においても変化があったという。

阿部さん: 以前のホワイトボードでの運用時は、お客様の打ち合わせの際には「事務所に戻って予定を確認しますね」と一旦持ち帰っていましたが、ANDPADボードを使えば、その場で「仮予約できますよ」「この日でできるのでこの工程でいけますね」と話せるようになりました。お客様の工期の課題解決にもものすごく役立っていくはずです。

また、営業担当に連絡がつかなかったということで、お客様からクレームの連絡が入った際にも、現場名とお客様しかわからない状態でしたが、ANDPADボードに住所や図面などの資料が入っていたので、迅速に対応できたので助かりましたね。クレーム対応は的確に初手を打つことが大事なので、ANDPADはその手助けになっています。

働き方に関しても、以前は、天候で工期が変わるとなれば、休みの日であっても誰かが事務所に行ってホワイトボードを確認しなければならなかったのですが、今はいつ・どこにいてもANDPADボードから予定を確認することができるようになりました。





また、ANDPADボードは職方の業務改善にも役立っているという。事前の情報共有によって、事前準備や動きを確認できるため満足度向上にも繋がっている。

阿部さん: 以前は、当日の朝ギリギリのタイミングで現場の地図や伝票などを準備するような状況でしたが、今は事前にANDPADボード上に情報を入れておくことができ、職方さんも案件情報を見れば事前に仕事内容を把握することが可能に。職方さんはANDPADボードで自分の予定をチェックできるので、現場がたまたま近い時などは見に行って、「まだ現場に入れないんじゃないか」という情報を共有してくれるように。そこから営業が元請企業様に「職方からこう言われているのですが、明後日工事に入って本当に大丈夫ですか?」と先回りして確認できるようになりました。

職方さんが現場に入る当日に工事の詳細がやっと分かる状態だったので「この道具を持ってきておいたら良かった……」ということもありました。道具を取りに戻ったり、その日に終わるはずの仕事が終わらないこともあったので、ANDPADボードに情報をしっかりと入れておくことによって「事前に仕事内容を知りたい」という職方さんからの要望にも応えられるようになりました。職方さんもタイム・イズ・マネーですからね。

堀切さん: 職方さんは以前から、現場に入った時点で「ここはクレームになりそうだ」というものがあれば当社の営業に伝えてくれていましたが、それを受けた営業側は証跡を残す動きまではとれていませんでした。例えば外壁についている傷やブロックが崩れていた、ゴミの捨て忘れがあった、などがそれに当たります。自分たちがやったことではなくても、最後に現場に入ることが多いため、当社の責任になってしまうこともあったのです。

今は職方さんが現場に行った時点で、のちのちトラブルになりそうなところがあれば、写真を撮影してANDPADボードにアップしてくれるようになりました。そうすることで、何かあった時に自分たちの責任ではないことを証明することができます。着工前後の写真だけでなく、ゴミが落ちていたり傷が付いていたりと、気になったものに対して事前に写真を撮ってくれる職方さんも増えています。

発注金額の提示によって、損金を売上に転換する土壌づくりを

かねてから職方と口頭で約束していた発注金額や、その後に生じた追加工事、それによる追加支払いなど、金額に関する部分が曖昧になってしまっていたことが課題だったという同社。ANDPADボードの運用が社内外に浸透してきた段階で案件概要のカスタマイズを行い、さらなる活用を目指して取り組んでいる最中だ。

堀切さん: 職方さんと口頭で取り決めた発注金額や、その後の追加工事の内容が記録されておらず、請求時にはじめて発覚するということもあり、課題に感じていました。そこで、担当のカスタマーサクセスに相談したところ、「仮発注金額」「増額」「減額」という欄にそれぞれ金額を記入できるよう、案件概要のカスタマイズを提案してもらいました。

なかには、見える化することに対して抵抗感を示す営業もいて、100%活用できているとは言い難いのが現状。しかし、発注金額とその後の増減についてしっかり残していくことは、職方さんを守り、最終的には業界にとってもプラスになるはずです。実際、「これからは仮発注金額と増額、減額についてANDPADボード上で記載できるようにしていきたい」と職方さんに伝えた時は、かなり反応が良かったです。職方さんからも「こういう工事があったので追加したい」という話ができるようにしてほしい、という要望も上がってきました。

職方さんも「記録に残してトラブルを避けたい」という同じ想いを持っていることが改めて分かったので、今後しっかり取り組んでいかなければならないと考えています。

阿部さん: お客様と職方さんとの信頼関係ができて、「これもついでにお願い」と言われると、「サービスしてあげたい」と対応したくなる気持ちもわかります。しかし、職方さんにとっては売上にならないという不満もあったはずですし、当社にとっての損金にもなり得る。職方さんはサービス精神でやってくれているとは思いますが、それもしっかりと対価に変えてあげるべきです。費用がかかっていることをお客様にもご理解いただかなければなりません。

堀切さん: 以前は、職方さんへの支払いが決まる工事から1ヶ月近く経ったタイミングで「この作業分の支払いが漏れている」「これもやったのに」ということが分かる状況でした。早めにそういう情報を貰えれば、お客様と交渉して追加でお支払いいただけるかもしれない。今まで損金になっていたところが売上として計上できる、そうした土壌ができつつあります。

 

お客様からしたら、今までサービスでやってくれていたものに対して何故請求されるのか? という反発は出るかもしれない。しかし、業界全体で考えると、同社の取り組みは非常に意義のあることだろう。

時代の変化を捉え、働きやすい環境をつくっていくことに尽力していきたい

今後、現在の50億から100億規模へと売上拡大を目指している同社。これを達成するために描いている今後の展望について伺った。

阿部さん: 「今に安住しない」という感覚が大事だと思っています。脳をフル回転させて想像力を掻き立てながら取り組んでいきたいですね。

「会社として善の循環を回していくために何ができるのか」ということの一つとして、ホワイトボードによる職方さんの稼働管理を最適化していくためにANDPADボード導入に取り組みましたが、運用浸透に際してはかなり負荷がかかったはず。そんななかでも、私がプロジェクト会議に出ていなくてもメンバーできちんと運営されていて、各営業所で業務がきちんと回っている状態がつくれているのは素晴らしいことだと思います。

今後も、社会の転換期における働く環境もどんどん変わっていくはず。我社もこの変化に対応しきれないと会社として生き残れないと思うので、変化にいち早く気づいて、働きやすい環境をつくっていくことに尽力していきたいです。それに対して、今までのやり方を変えたくないという反対もあるとは思いますが、会社として目指すべき想いは一つ。今回のANDPADボード導入のように、実際に飛び込んでみるとみんなにとって良いものだということも往々にしてあると思います。

当社の理念である共感立志の精神「みんなで目いっぱいやってみんなで豊かになろう」「黒子に徹する」ことを見失うことなくみんなで取り組んでいけると、より良い会社、より良い業界になっていくと信じています。



高年齢化が進んでいるなかでも社内における変化の機運が高まり、働く環境も変わりつつある同社。デジタルを活用して働く環境を整えることで、次世代へと繋ぐための一歩を踏み出している。今後も時代の変化を捉えながら、「みんなで目いっぱいやって、みんなで豊かになろう」という理念を業界にも波及させ、業界を牽引していく存在となるだろう。



株式会社共立様とご縁いただけたことを非常に嬉しく思っており、改めて感謝申し上げます。

初めてお打合せした際に私が感じたことがあります。様々な方面への気遣いがあり、それは仕入れ先の皆様、職方の皆様、実際に商品を利用するお施主様、そして私たちにまで及ぶものでした。非常に温かく、優しく、けれども強さも兼ねています。担当としては身が引き締まる思いで、ANDPADも株式会社共立様にとって一つの強みになるよう精一杯努めなければと思ったのを記憶しています。しかし私が何かお力になれたかといえば、そうではなく、株式会社共立様は皆様それぞれがご自身で自発的に思考をめぐらせ、今の状態にまでこられていると思います。

簡単な道ではなかったことと思いますし、これからもまだまだ高みを目指されていかれると思いますので、私たちアンドパッドは事業に寄与していけるよう、伴走し続けて参ります。この度はありがとうございました。



ご導入いただいた当時、ANDPADボードはリリース直後の駆け出しのプロダクトでした。株式会社共立様には未熟なプロダクトということは理解いただいた上で一緒にサービス改善にも協力をいただくかたちで並走させていただいたこの1年は、ANDPADボードにとっても、担当の私達にとっても非常に価値のあるものになったと思います。

導入時の目標として、全拠点のホワイトボードをすべてANDPADボードに置き換えてホワイトボードは破棄するということを設定いただきましたが、それも1年でほぼ実現できる形になりました。

すべてが当社の力ではなく株式会社共立様の推進力があっての変化ですが、きっかけになれたこと、変化をサポートすることができたことを非常に嬉しく思います。

改めて本当にありがとうございます。そしてこれからもアンドパッド一丸となり皆様の事業に寄与していけるよう精進して参ります。

株式会社共立
https://www.kyoritsu-exterior.jp
〒816-0904
福岡県大野城市大池1丁目7-14
代表取締役:中井 英俊
設立:1978年9月30日

取材・編集:平賀豊麻
編集・デザイン:原澤香織
編集:深町拓夫
ライター:金井さとこ
デザイン:森山人美、安里和幸
顧客担当:圡井富裕城
カスタマーサクセス:山本崇夫