ANDPADの利用状況をデジタルにスコアリングし、ANDPADを最も使っているユーザーを称賛するANDPAD AWARDのユーザー部門。今回は、「ベスト工程表ユーザー賞」で第1位を受賞した、株式会社福工房 古畑輝さんにお話を伺った。

株式会社福工房は、静岡県静岡市に本社を置き、注文住宅の設計・建築・アフターメンテナンスを一貫して手がける地域工務店だ。木のぬくもりを感じられる「土間のある家」をメインコンセプトに据え、ひのきの床や天然素材、家事動線にこだわった住まいを適正価格で作り続け、多くの笑顔を生み出している。
現在同社は、「福工房」の住まいを全国へと広げるべく、静岡県全域に加え、愛知県、三重県、埼玉県、神奈川県、千葉県へ進出。施工エリアを広げながら成長を続けている。受賞ユーザーである古畑さんは、愛知県の岡崎展示場で活躍する現場監督だ。
そんな古畑さんの工程表更新回数は、年間6,382回・1案件につき約35回と非常に多い。きめ細かく工程表を更新して最新情報を関係者に届けることで、お施主様の希望に沿った引き渡しを可能にしている。
今回の取材には、同じく全国トップレベルで工程表を活用している同社の土屋 朋貴さんにも同席していただいた。前編では、同社の社是に込められた想いや社風を紹介しながら、営業担当・インテリアコーディネーター・現場監督が確実にバトンをつないでいく同社の家づくりを詳しく掘り下げていく。

出会った「人」を大切にする社風が成長の原動力
──「ANDPAD AWARD2026 ベスト工程表ユーザー賞」1位受賞、おめでとうございます! 貴社は、静岡県を中心に中部や関東で注文住宅事業を展開されていますが、まずは貴社がどんな想いで家づくりに取り組んでいるか教えていただいてもいいでしょうか?
古畑さん: 当社は、「家づくりを通して出会った人を幸せにする」を社是に掲げ、全社員が一丸となって努力を積み重ねている会社です。創業者である会長の福田が伝え続けてきた「出会った人との縁を大切にしよう」「周りの人に感謝しよう」との考えを大切に、部署やエリアを超えてお互いに助け合いながら、お施主様が幸せに暮らせる家づくりに日々取り組んでいます。
人とのつながりを大切にする姿勢は、お施主様だけではなく私たち社員にも向けられています。当社は、2024年に時間外労働上限規制が適用される前から働き方改革に取り組んできました。現在では、残業月平均20時間、年間休日135日と、プライベートも充実させながら働ける環境が整ってきています。私は建築業界で現場監督を経験した後、中途で当社に入社していますが、入社からずっと一緒に働く「人」と「環境」の良さを実感しています。

株式会社福工房 現場監督 主任 古畑輝さん
──「人」を大切にする風土は、貴社独自の価値ですね。土屋さんは異業種からの転職と伺っていますが、社風についてどう感じていますか?
土屋さん: 私も当社の魅力は「人」だと感じています。前職では、飲食店の店長として幅広い年齢層のスタッフと接してきたのですが、当時から一体感のある雰囲気づくりを大事にしてきたので、当社の社風に自分自身の考えがすごくマッチしたと思っています。会社が大きくなるにつれて社員数も増えていますが、今後も会長の意思は受け継いでいきたいですね。

株式会社福工房 現場監督 土屋朋貴さん。大手飲食チェーンで店長を務めた後、以前から興味のあった建築業に携わりたいと考え、2021年に同社へ転職。埼玉エリアの現場管理を幅広く担当しながら後輩の育成にも挑戦している。
──「人」が魅力といえば、お施主様のお子さんだった方が社員として入社していると伺い、驚きました。
古畑さん: はい。実際に多くいます。私は、父が当社で同じ現場監督として働いています(笑)。
土屋さん: 現場監督は離職率が高いと言われていますが、当社は本当に辞める人が少ないです。家族にも勧められる会社であることや離職率の低さも、当社の社風を表していると思います。

全員で知恵を出し合い、「人育て」に力を注ぐ
──土屋さんのように建築業界未経験で入社している方が半数以上を占めていると伺いました。未経験者が早期に活躍できる環境を作るために取り組んでいることはありますか?
古畑さん: 部下を持つ各エリアの主任が集まって、人材育成について横断的に情報交換をする会議を4年前から開催しています。中部や関東の各県での施工エリア拡大によって、現場を任せられる現場監督の育成が急務となっています。新人が早い段階で一人前になれば既存社員の負担軽減も図れますから、新人を育成し、組織全体としてパワーアップしたいと考えています。
──会議で話し合う話題も教えていただけたら嬉しいです。
古畑さん: 各支店の現状や課題を話し合ったり、若手の成長につながった取り組みや指導方法の事例を共有したりすることが多いですね。会議は月1回で、社長や部長も参加して行いますが、部署や役職を超えて全員で人材育成について語り合っています。
──全員が高い熱量で人材育成に向き合っているんですね。
古畑さん: はい。当社では、役職者の評価基準に「部下の育成」が含まれており、「人育て」ができることが重要視されています。ですから、上から目線で部下を叱責し、萎縮させてしまうような者には降格処分も辞さないのが当社の考えです。
土屋さん: 後輩の育成に悩んだり、うまく対応できなかったりしたときは、会長や社長がしっかりとフォローしてくれます。その積み重ねが私たちを成長させてくれますし、「福工房らしい上長であろう」との想いにつながっていると思います。

──「人を責めずに育てていく風土」が根づいているのが素晴らしいです。おふたりはすでに後輩の教育にも取り組まれていますが、新人時代につまずいた経験があればお聞かせください。
古畑さん: 入社当時は前職までのやり方が抜けず、自分の役割さえきっちりこなしていればいいと考えていたので、営業担当やインテリアコーディネーターに対して、「これはそっちの責任」と突き放すような態度を取っていたと思います。ただ、上長の仕事への取り組み方を見て、「人を責めるのではなく、お互いに助け合わなければ」と徐々に意識が変わっていきました。当時を知る上司からは、「入社当時の古畑は……」と今でもからかわれます(笑)。
土屋さん: 私は入社4年目のころ、「自分なら問題なくやれる」と過信してしまって、上長への相談をせずに進めてしまった案件がありました。結果として、お施主様の意向とのずれが徐々に大きくなり、ご迷惑をおかけする事態になってしまいました。ある程度経験を積んだとしても、気になる点や心配事があれば、どんな些細なことでも周りに相談すべきだと感じた出来事でした。ですから今は、後輩から質問や相談がしやすい環境づくりに力を入れています。


お施主様の想いをつなぐ「2時間の引き継ぎ」が家づくりの要
──エリア拡大にともなって社員数も増えてきていると思いますが、新人の方は入社数年でどのぐらいの棟数を担当できるようになるのでしょうか?
古畑さん: 入社2年目ほどで年間5〜6棟でしょうか。中堅層になると年間12〜15棟、トップ層は年間25棟〜30棟程度かと思います。
──トップ層の方々はかなり多くの棟数を担当しているのですね。現場監督の方々がカバーしている業務範囲も教えていただけますか?
古畑さん: 品質管理、安全管理、工程管理、原価管理を総合的に担当しています。具体的には、実行予算作成、見積・発注、現場の施工管理、現場でのお施主様との打ち合わせ、検査、3カ月点検、請求書の検収など、一貫して携わっていますね。
──4大管理全てに携わりながら年間25棟~30棟はすごいです! 同時進行で現場を見る時期もあるかと思いますが、高い水準で品質をキープできている秘訣は何でしょうか?
古畑さん: 営業担当、インテリアコーディネーター、現場監督の引き継ぎを徹底しています。引き継ぎは各回とも2時間程度かけて打ち合わせをします。
まずは、営業担当からインテリアコーディネーターにお施主様の家づくりにかける想いやこだわりを引き継ぎます。インテリアコーディネーターは、その内容をもとにお施主様と細かい仕様を詰めていきます。
インテリアコーディネーターから現場監督へは、「なぜこの棚を設置しているのか、どんな目的でどのように使うのか」など、お施主様はどんな暮らしをしたいのかを細かく引き継ぎます。現場監督は、今まで引き継がれてきたお施主様の想いを協力会社さんや大工さんへ展開していきます。図面には書かれていない「想い」の部分はしっかりとメモに残し、現場で直接伝えています。


土屋さん: また、当社は検査にも力を入れています。基礎工事だけで「配筋」「基礎」「アンカー」「出来高」の4回実施していますし、上棟から引き渡しまでは要所要所で6回以上検査を行います。施主立ち会いも4回は設けていますね。
──引渡し前に施主立ち会いを1回行うのが一般的だと思いますが、貴社は4回もあるのですね。お施主様と接する機会も多いのでしょうか?
古畑さん: お施主様と現場でお話をする機会は多いですね。「いい感じに出来上がってきていますね!」と、お施主様と一緒に喜びを分かち合える瞬間がとても楽しいです。それに、営業担当やインテリアコーディネーターだけではなく、私たちにもお礼のお手紙をくださる方がとても多いんです。お施主様に喜んでいただけるのは何より嬉しいです。
土屋さん: 手紙で言うと、逆のパターンもありますよね。先日私が指導している後輩が自ら手紙を書いてお施主様に渡して読んでいただく機会がありました。「本気で仕事に向き合ってきたんだな」と、後輩の成長を実感できた瞬間でした。
私もお施主様の喜ぶ顔が一番のやりがいですが、協力会社さんから「また一緒に仕事をしよう」と言っていただくのも嬉しいです。以前、お互い真剣に仕事に取り組むあまり、言い合いになってしまった大工さんがいましたが、すぐにお互い謝って和解しました。今では「あのとき喧嘩をしたなぁ」と笑いながら、何でも話せる関係性になっています。


お施主様の想いやこだわりを余すことなく家づくりに反映するために、職種間の引き継ぎを徹底している同社。会社全体で大切にしている風土やルールの上に、自身の役割に責任を持って動ける「裁量の大きさ」とお互いに助け合う「チームワーク」があるからこそ、品質と生産性が向上しているのだろう。
後編では、トップユーザーである古畑さんが実際にどのようにANDPADを活用し、工程表を運用しているのか、協力会社との関係性にも迫りながら深堀りしていく。

| URL | https://www.fukukobo-shizuoka.net/ |
|---|---|
| 代表者 | 清水亮 |
| 設立 | 2005年11月 |
| 本社 | 静岡県静岡市駿河区下川原6丁目26-8 |














